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Episode.4 嫉妬する庭園
3話 『探知』
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目の前で起こったことが、一瞬理解できなかった。
ついさっき見た赤い髪の少年。
確かにあれはロトル・ストムバートだった。
しかしその姿が一瞬にして消えてしまったのだ。
「……何だ、今のは? 空中で消えた……?」
ロトルの体が、何かに引かれるかのように消えていった。
それは見えた。
だがそこまでだった。
夜の森の中には、今は誰もいない。
「――俺は、あいつを信じきれない」
あの夜、ロトルは嘘をついた。
それだけでなく、前にもルミネに何度か嘘をついていた。
その嘘の理由が、決して悪いものではないと分かっていた。
だがそれだけの理由で信じられるほど、俺はお人好しではなかった。
「そうだ。俺はここで、あいつを見捨てて逃げることが出来る」
俺はロトルを信じていない。
俺にはあいつを助ける理由はない。
俺があいつを助けることで得られる利益などない。
俺が救いの手を伸ばすことで、俺にプラスになることは無いのだ。
だから俺は逃げるという選択肢を選ぶべきなのだ。
それは分かっている。
しかし、それでも――
「――助けなきゃ『マイナス』があるッ! 俺は人一人見捨てておいて、呑気に暮らせるほどじゃねえ!」
そう叫んだ直後、世界が姿を変える。
深くに潜り込むような感覚がした直後、俺は何も見えなくなった。
だが感じることは出来る。
森の形を、そこに立つ魔物や動物達の気配を、全て知ることが出来る。
無論、人の気配も分かる。
そしてそれが見知った人物の気配であれば。
「分かるはずだ、それがロトル・ストムバートだと!」
俺は探す。
暗くて見えなかった夜の森を、隅から隅まで見渡す。
無数に生える木々の裏まで。
自然に発生したであろう洞穴の奥まで。
俺は見逃しがないよう、徹底的に探した。
なのに、どうしてか。
「どうしてどこにもいない!? ロトルは何処に消えたんだ……!」
俺は思わず叫んだ。
何故だ。
俺のスキルが感じ取れないものは無いはずなのに。
あるはずの物がないことに、一瞬諦めを感じたその時だった。
俺は空間の中に生じた異変に気がついた。
「これは……何だ、何かおかしいぞ」
俺はその『異変』がある場所――頭上を見上げた。
ここに起きている異変とはなにか。
そう、見えている風景と感じる形が合わないのだ。
そこには何も無いはずなのに、スキルを使うと確かにそこにある物がある。
「まさか、これは」
俺は腕を伸ばし、自らの手で『異変』がある場所を探る。
そして、見つけた。
「やはりそうだ……! ここには魔法で出来た鎖がある!」
俺の指先が触れたものは、魔法だった。
半透明の鎖がどこかから出現し、どこかに繋がれている。
どちらも、それがどこかを探るのは簡単だ。
俺は鎖を辿り、端の方へと向かう。
少し高くなった地面を登ると、そこには太い木の幹があった。
「こっち側はここに繋がれてるのか。なら反対側も――」
俺は鎖の反対側を探ろうとして、またもや異変に気がついた。
鎖に反対側の端はなかった。
その先端は、空中で途切れていた。
「どうなってるんだ……? 空中で途切れてるってのに、どうして落ちない?」
異変はそれだけには留まらなかった。
俺がもう一度鎖に触れようとした時、微かに鎖が震えた。
鎖が空間の中に引き込まれ、途切れていた先端が少しだけ移動した。
この不可解な現象を前にして、俺は考えた。
どのようにしたら目の前の光景に説明がつくだろうか。
俺が最後にロトルを見た時、彼は何かに引きずられるかのように消えていった。
俺は思い出した、彼はどこに消えていったか。
「そ、そうか。分かったぞ!」
疑問に対する一つの答えが頭の中に浮かび、俺は即座にそれを実行に移した。
俺は鎖が巻き付けられていた木の下へ戻り、未だに小さく揺れている鎖を両手で強く握りしめる。
そして大きく力を込めて、鎖を後方へと引っ張った。
直後、空間に飲み込まれていた鎖が少しだけ出てくるのが見えた。
しかしこの程度の力では足りない。
俺は汗の滲む手をもう一度強く握り締め、全体重をかけて鎖を引き出す。
「う、ぉぉああああっ!」
そして、俺は後方へと吹っ飛んだ。
しかしそれは何者かの攻撃によるものではない。
鎖が軽くなったのだ。
だから俺は後方に転げた。
では何故、鎖が軽くなったのか。
俺は上方を見て言った。
「――これでいいんだな、ロトル・ストムバート!」
「えぇ、十分です。おかげで命拾いしました!」
手首に鎖を巻きつけた赤い髪の少年が、先の見えなかった鎖とともに空間から飛び出した。
--------------------------------------------------
・『探知』
顔と名前を知っている者の居場所を突き止めることが出来たり、物の形を隅々まで感じることができる。
前者の能力は、顔、または名前が偽物であった場合効果は発動しない。
また、上記と同じ条件の人物を対象に発動し、『――――』ことも出来る。
複数人に対して発動可能。
「フェンセル・スローキア」の固有スキル。
・『固有スキル』
貴重なのかと思いきや、割と持っている人はいる。
持っていない人も勿論いるが、今登場してる主人公パーティ(ロトル・ストムバート、ミクト・アーダイン、ルミネ・ルーナス、フェンセル・スローキア)はとりあえずみんな持ってる。
ただし、ロトルのやつは『――――』の『――――』が行った不完全な『――――』のせいで一時的に消えた。
伏字多すぎました。
ついさっき見た赤い髪の少年。
確かにあれはロトル・ストムバートだった。
しかしその姿が一瞬にして消えてしまったのだ。
「……何だ、今のは? 空中で消えた……?」
ロトルの体が、何かに引かれるかのように消えていった。
それは見えた。
だがそこまでだった。
夜の森の中には、今は誰もいない。
「――俺は、あいつを信じきれない」
あの夜、ロトルは嘘をついた。
それだけでなく、前にもルミネに何度か嘘をついていた。
その嘘の理由が、決して悪いものではないと分かっていた。
だがそれだけの理由で信じられるほど、俺はお人好しではなかった。
「そうだ。俺はここで、あいつを見捨てて逃げることが出来る」
俺はロトルを信じていない。
俺にはあいつを助ける理由はない。
俺があいつを助けることで得られる利益などない。
俺が救いの手を伸ばすことで、俺にプラスになることは無いのだ。
だから俺は逃げるという選択肢を選ぶべきなのだ。
それは分かっている。
しかし、それでも――
「――助けなきゃ『マイナス』があるッ! 俺は人一人見捨てておいて、呑気に暮らせるほどじゃねえ!」
そう叫んだ直後、世界が姿を変える。
深くに潜り込むような感覚がした直後、俺は何も見えなくなった。
だが感じることは出来る。
森の形を、そこに立つ魔物や動物達の気配を、全て知ることが出来る。
無論、人の気配も分かる。
そしてそれが見知った人物の気配であれば。
「分かるはずだ、それがロトル・ストムバートだと!」
俺は探す。
暗くて見えなかった夜の森を、隅から隅まで見渡す。
無数に生える木々の裏まで。
自然に発生したであろう洞穴の奥まで。
俺は見逃しがないよう、徹底的に探した。
なのに、どうしてか。
「どうしてどこにもいない!? ロトルは何処に消えたんだ……!」
俺は思わず叫んだ。
何故だ。
俺のスキルが感じ取れないものは無いはずなのに。
あるはずの物がないことに、一瞬諦めを感じたその時だった。
俺は空間の中に生じた異変に気がついた。
「これは……何だ、何かおかしいぞ」
俺はその『異変』がある場所――頭上を見上げた。
ここに起きている異変とはなにか。
そう、見えている風景と感じる形が合わないのだ。
そこには何も無いはずなのに、スキルを使うと確かにそこにある物がある。
「まさか、これは」
俺は腕を伸ばし、自らの手で『異変』がある場所を探る。
そして、見つけた。
「やはりそうだ……! ここには魔法で出来た鎖がある!」
俺の指先が触れたものは、魔法だった。
半透明の鎖がどこかから出現し、どこかに繋がれている。
どちらも、それがどこかを探るのは簡単だ。
俺は鎖を辿り、端の方へと向かう。
少し高くなった地面を登ると、そこには太い木の幹があった。
「こっち側はここに繋がれてるのか。なら反対側も――」
俺は鎖の反対側を探ろうとして、またもや異変に気がついた。
鎖に反対側の端はなかった。
その先端は、空中で途切れていた。
「どうなってるんだ……? 空中で途切れてるってのに、どうして落ちない?」
異変はそれだけには留まらなかった。
俺がもう一度鎖に触れようとした時、微かに鎖が震えた。
鎖が空間の中に引き込まれ、途切れていた先端が少しだけ移動した。
この不可解な現象を前にして、俺は考えた。
どのようにしたら目の前の光景に説明がつくだろうか。
俺が最後にロトルを見た時、彼は何かに引きずられるかのように消えていった。
俺は思い出した、彼はどこに消えていったか。
「そ、そうか。分かったぞ!」
疑問に対する一つの答えが頭の中に浮かび、俺は即座にそれを実行に移した。
俺は鎖が巻き付けられていた木の下へ戻り、未だに小さく揺れている鎖を両手で強く握りしめる。
そして大きく力を込めて、鎖を後方へと引っ張った。
直後、空間に飲み込まれていた鎖が少しだけ出てくるのが見えた。
しかしこの程度の力では足りない。
俺は汗の滲む手をもう一度強く握り締め、全体重をかけて鎖を引き出す。
「う、ぉぉああああっ!」
そして、俺は後方へと吹っ飛んだ。
しかしそれは何者かの攻撃によるものではない。
鎖が軽くなったのだ。
だから俺は後方に転げた。
では何故、鎖が軽くなったのか。
俺は上方を見て言った。
「――これでいいんだな、ロトル・ストムバート!」
「えぇ、十分です。おかげで命拾いしました!」
手首に鎖を巻きつけた赤い髪の少年が、先の見えなかった鎖とともに空間から飛び出した。
--------------------------------------------------
・『探知』
顔と名前を知っている者の居場所を突き止めることが出来たり、物の形を隅々まで感じることができる。
前者の能力は、顔、または名前が偽物であった場合効果は発動しない。
また、上記と同じ条件の人物を対象に発動し、『――――』ことも出来る。
複数人に対して発動可能。
「フェンセル・スローキア」の固有スキル。
・『固有スキル』
貴重なのかと思いきや、割と持っている人はいる。
持っていない人も勿論いるが、今登場してる主人公パーティ(ロトル・ストムバート、ミクト・アーダイン、ルミネ・ルーナス、フェンセル・スローキア)はとりあえずみんな持ってる。
ただし、ロトルのやつは『――――』の『――――』が行った不完全な『――――』のせいで一時的に消えた。
伏字多すぎました。
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