魔法で生きる、この世界

㌧カツ

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Episode.1 これが始まりの物語

16話 スライムの森③

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 あんなかっこつけたこと言ったものの、魔法が効かないんじゃ僕にはどうしようもないのが現実だ。
 ならばどうすればいい?

「直接魔法をぶつけても効かない。なら魔法によって起こされた物理的なダメージならどうだろう?」
 例えば、ただの石を魔法の力で飛ばしたとする。
 そうすれば、鉄球をハンマーで思いっきり飛ばしたのと同じことになり、魔法が効かない相手にもダメージを与えられるのではないだろうか。

「一回、やってみよう」
 そう思い、僕は足元に落ちていた石をひろ……

 ドシュッ!

「うわぁ!?」
 ……おうとした瞬間、奴の触手が飛んできた。
 ちょっとぐらい待ってくれませんかね、スライムさん。
 僕は今度こそ石を拾い、指と指で摘みながら奴が居る方向へと手を突き出した。
 えっと、物を魔法で発射して物理的に攻撃するんだから……

「『物理射撃フィジカル・ショット』ッ!」
 僕が叫んだと同時に、魔法によって石が高速で発射される。
 それはスライムへと真っ直ぐに飛んでいき、奴の身体を貫いてそのまま奥の木に刺さって止まった。
 僕が発射した石によって奴に空けられた穴が塞がれていくが、奴の体は見てわかるほど小さくなっていた。

「このまま攻撃し続ければ、倒せるかも」
 今消費した魔力はたったの2。
 一発でこれだけ削れるのなら、魔力が切れる前に倒せそうだ。

 僕は石をもう一つ手に取り、奴を狙った。
「もう一発喰らえ!」
 またもや僕の手の中から石が発射され、奴に向かって飛んで行く。
 これもまた奴の身体を貫き、今度は木に刺さらずそのままどこかへ飛んでいった。
「ふんっ」
 対抗するように奴の触手が飛んでくるが、ダメージを受けたせいか先程よりも速度が落ちている。

 次々と攻撃してくる触手を避けながら、僕は落ちている石を拾い集めていく。
「今度はまとめて喰らわせてやる!」
 左手の中に石を詰め込み、穴が空いている方向を奴に向ける。
 散弾銃のようなイメージで、魔力を集中させる。

「『複数射撃マルチプル・ショット』ッ!」
 詠唱とともに、詰め込まれた石が一気に発射される。
 それらは次々とスライムの身体を貫き、木に刺さったり、どこかへ飛んでいったりした。
 そして奴の身体はどんどん小さくなり、最後には……

 パーンッ!

 弾けて、消えた。

「はぁ……はぁ……」
 ようやく、終わったんだ。
 僕は戦いに勝利した。しかし、その喜びよりも戦いの疲れのほうが勝っていた。
 思わず木にもたれかかり、僕はそのまま地面に座り込む。

「ちょっと休憩しよう。さすがに、疲れた」
 今度は眠ってしまわないようにしないとな。
 少し眠気を感じるが、誰もいない今眠ってしまったら終わりだ。

 さて、疲れが取れるまで休むとしますか。



 残り魔力 16
 森を抜けるまで あと24メートル
 小石(弾丸) あと6個


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