魔法で生きる、この世界

㌧カツ

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Episode.1 これが始まりの物語

17話 Let's go to home.

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「そろそろ帰り始めようかな」

 かなり疲れもとれたし、ずっとここに居てもしょうがない。
 僕は地面に手をつき、ゆっくりとそこから立ち上がった。

 しかしこのまま歩いて帰ると、恐らく道中で魔力が切れるだろう。
 前のように魔力不足で済めばいいが、今回は最初から魔力が減っている状態。
 そのうえ魔力回復のために買ったマナポーションはもう使ってしまった。

「だから……」
 
 全力疾走する。
 勇気だとかそういう問題じゃない。このままだと死ぬ。
 勢いがある状態でこければ間違いなく終わりだが、もうそんなことは気にしてられない。
 軽く身体を動かし、一気に走り抜ける準備をする。

「ふー……」

 少し先を見ながら呼吸を整え、安全を確保。

「じゃあ行こう……かぁ!」

 思いっきり地面を蹴り、森の中を走り出す。スタートは順調だ。
 だがやはり森の中なだけあって、足場が悪い。
 足元に注意しながら、木にもぶつからないようにしなければならないため、かなり集中力を使う。

 ちらっと前を見て木のある場所を確認し、少し下を見て根っこや石などの障害物を確認する。

「あぶなっ」

 足元の根っこに気づかず、危うく引っかかってしまうところだった。
 遠めで見ただけでは見えにくいところにあったりするので、それはさっきみたいにギリギリで避けるしかない。

「もうそろそろ、半分かな?」

 歩いて約十分。走る速さが歩く速さの二倍だとすれば、五分もかからずに森を抜けられるはずだ。

「け、けど、もう疲れてきたな」

 でもあと少しだろうし、頑張って走るしかない。
 ずっと同じ動きを繰り返し、たまに大きく動いて障害物を躱す。
 それを繰り返しているうちに、僕はある変化に気づいた。

「光……?」

 そう呟いた瞬間、周りの風景ががらりと変わる。
 先程までのような鬱蒼と繁る木々はほとんど無くなり、青く輝く海と白い砂浜がそこにはあった。

「ここって、家の近くだよね」

 ということは、だ。

「森を……抜けた?」

 約七分かけて、ようやく森を抜けたんだ。

「そっか、やっ……と、抜けたんだ」

 大スライムを倒し、25メートル程の距離を全力疾走で抜けたにも関わらず、僕の中の達成感はそれほど大きいものではなかった。

「もうそろそろ暗くなるだろうし、早く家に帰らないと」

 そんなことよりももっと思うことがあるはずなのだが、今僕の頭の中にはそれしかなかった。

 僕は酷使しすぎて少し痛む足を動かして、僕はゆっくりと家に向かって歩いていった。


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 第一章、これにて完結です。
 次回からは、第二章「君と再会、冒険の始まり」を、お送りします。

 なんだか、テレビみたいな次回予告になってしまった。
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