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独自規則
「すっごい楽しみだな!」
何でこんなことになってるんだろ
この前ドアを開けたのが運のつきだったんだ。
まさか、同じクラスだったなんて
さっきのも意味がなかったようだし
「新入生歓迎会って何すんだろうな?」
「知らない……ていうか、あんまり話しかて欲しくないんだけど。」
「まぁまぁ、何怒ってんのか知らないけどさ、楽しくやろうぜ」
「人の話、ホント聞かないのな」
体育館の扉をくぐり抜ける
そこは昨日の景色とはちょっと違う
上級生たちの物色するようなその視線に背筋が粟立つ
「気持ち悪い」
「大丈夫か」
「他人の心配してる位なら自分の心配したほうが身のためだ」
「それは、どういう意味なんだ」
「分からないならいい」
自分のクラスの席に座って
始まるのをソワソワと待つようなそんな
雰囲気に飲まれる
が、そんな雰囲気を一蹴するように
通る声がマイク越しに寄越される
「新入生の皆さん、おはよう。生徒会長の唯賀駿だ、これから宜しく頼む」
__キャァァァァァァアアアアッッッ
瞬間、耳をふさぎたくなるような
頭が割れるような
声が辺り一体を包み
男子校ならざる声が飛び交う
顔を歪ませ耳を塞ぎながらも
会長とやらを見上げる
やっぱりこの眼鏡ではぼやけて不鮮明だ。
それでも外すわけにもいかない。
「まずは、入学おめでとう。これから、3年間いい学園生活を送ってくれ。______まぁ、挨拶はこの辺にしてこれから話すことは重要なことだ、よく聞いてくれ。少々、驚くかもしれないがな。ここでは、家柄、学歴、どんなものも通用しない」
辺り一体は、ざわつき始め
疑問や困惑の声が飛び交う
そんな中でも、体育館によく通る声は
その騒々しさを割くように響く
「頼りになるのはここで生き残る術はただ一つしかない。ねじ伏せろ、周りのもの全てを。勿論、この理論に従いたくないならば、去ってもらっても構わないが、以降、両親が逃げ出した財閥の跡取りの親であるとレッテルを貼られるだろうが、それでもいいのならな」
会長の言葉を境に
体育館を静寂が包み込み
一切の音が掻き消えた
暫く、誰独りとして言葉を発さず
喉を嚥下する音、ぎゅっと拳を握り込む音さえ鮮明に聞こえる程だった
「要するに、勝ち残れば良いってことだろ。会長さん」
勢い良く立ち上がり
失礼な言葉遣いで会長に
挑むように立ち上がるのが荒谷新
皆、その一人に視線を注ぐ
前から思うことはあったけど
こいつはとんでもないほど空気を読もうとしていない。
「あぁ、そうだ」
「よーするにさ、下剋上ってことでいいのか?」
その物言いが癪に触ったのか
上級生側から何か文句のようなものが聞いて取れる
「そう捉えて貰って構わない。が、そんなにここは甘くない。それと、上級生に目をつけられようとなんだろうと自分で何とかしろ。正当なルールをもって行うなら何をしてもいいが、暴力云々は禁止だ。風紀委員が動くからな。もし、このルールを破った場合、それ相応の罰が下ると思え。
それが、この学園のルールだ」
この学園規則の歯車に
思いもよらない事に
巻き込まれていくことなど
この正当化されたようで歪な規則の波に呑み込まれていくことなど
まだ、春は知る筈もなかった
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