花は何時でも憂鬱で

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新歓パーティー3

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「どなた、ですか。」

外に面しているその場所の柵に体重を傾けている人に問いかける。

「誰やと思う?」

「……検討もつきません。」

「ホンマに、知らんの?」

「申し訳ありません。」

目の前の人が本当に誰なのか分からなかったから、そう答えた瞬間に目の前の人はお腹を抱えて笑いだした。


「やっぱり、おもろいなぁ。そんなことよりも、君、新入生なんやろ?」

「そうです。」


唐突に、グイッとネクタイをひかれて
目と鼻の先にその人の顔が近づく。

「な、に。」

「冷めた様な態度のくせして、案外、可愛ええ反応やな、新入生くん。それにしても、なーんか匂う気がするのは、気のせいやろか?」


この人の射るような鋭い視線に
心臓が嫌な音をたて始める


この人は、何か苦手だ。


「何か隠し事してるんやないの?」

「……何言って。」

「例えば、そうやな。嘘ついてるんとちゃう?」


ドクリと一層強く、心臓が鳴る。
逸らしたくなる視線をどうにか
その人に向けて、平常心を保つ。


速く、否定をしなければいけない
速く、速く、速く、速く。



「じゃなけりゃ親は、成金か?そうでもなきゃ、一度も見たことのない財閥の息子なんておらんと思うけどなぁ。」



「……親は。」

ぐっと唇を引き結ぶ。
これは言っても支障はないはずだ
大人しくしていなければ、また、迷惑がかかる。


それだけは、もう嫌だから。


「佐藤財閥です。」


ネクタイを引っ張るその手から逃れて告げる。


本当のことを言わなければ、きっと、この人からは逃げられない。

嘘だって
時間稼ぎにしかならないだろう。


もしかして、この人は俺のことを知っているのだろうかというそんな考えが頭を過りながら、動揺が悟られないように目の前の人を見つめる。


いや、そんな筈はない。
俺は、天宮当主の子供でありながら
公の場に姿を現したことは一度だってないんだから。

その証拠に中学は、何の変哲もない
一般校に通っていた。


「佐藤財閥の息子。…………なるほどな、そりゃ中々言い出せんか。春田側か。そっち側は今となってはやりづらいやろ。まぁせいぜいうちの生徒会長だけには目つけられないように頑張りや、新入生くん。」

「それは、どういう意味です______か。」

その人を引き止める俺の声は届くこともなく
その胡散臭そうな人は
もうすでにいなくなっていた。


春田側?

今となってはやりづらい?

生徒会長に目をつけられないようにって



一体、どういう意味なんだ。


知っている情報がなさすぎて言われたことへの理解が追いつかない。でも、それよりもあの人が誰なのか、さっぱりわからなかった。







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