32 / 178
chapter2
新入生歓迎会
しおりを挟む「け~いちゃん!!悪いのは、この口か!!」
門川先輩が
会計の頰を両手でひっつかみ
横にビヨーンと伸ばし続ける。
「ふぁにふんだっ!!ふぉれはふぉんとうのことを(何すんだ!!俺は本当のことを)」
「京ちゃん。まだ、お仕置きが足りないようだね。涼花。」
門川先輩に呼ばれて
面倒そうにしながらも速水先輩は
会計の後ろに回って脇の下に腕を回して
身動きを取れないようにして
そこに笑顔の門川先輩が会計の前にたった。
「これが、グリグリ攻撃じゃぁああ!!!」
「いだいっ!!いだいっ痛~いっ!!!ぎぶきぶぎぶっ!!や~め~て~っ!!」
足をバタバタとばたつかせて
何とか逃げ出そうとして
かれこれ5分ほどたって
「今日は、このへんで勘弁してあげよう」
門川先輩が
満足したのか
ぱんぱんと手を叩くと、
ようやく生徒会会計は開放された。
「ったく、何なの?毎度毎度。俺、智たちに何もしてないよね?」
「俺たちに、してなくてもダメなの!!」
「白石先輩に、してるだろ。」
「あ~。ハイハイ」
会計が気のない返事をしたと
同時に、あちらこちらから声が聞こえてきた。
「あ!会計様がいるっ!!」
「本当だっ!」
「回り込めー!!!」
「何で、バレたの?!何で涼花?」
その声にいち早く反応した門川先輩が
頭を抱えだす。
「それは、さっきの大声だろ。美波の」
「ちょっと、他人のせいにしないでよね。元はといえば、グリグリ攻撃とかいってやってきた智が悪いじゃんっ!」
「あの、皆さま。落ち着いて下さい。とりあえず、逃げませんか?」
「じゃあ、逃げ切れたら西の森、時計台前に集合っ!!」
その会計の合図と共に
皆、一斉に全力で走り出した。
__のだが、誰かがコケた。
辺りを見渡すと、門川先輩、速水先輩、生徒会会計の姿が見えた。
俺がスピードを緩めたのに気づいてか
会計が俺に向かって声をかける。
「足手まといは置いてきな。いても邪魔なだけだし。」
その言葉に走っていた足を止めて
白石先輩の所に戻る。
「ちょっと、足挫いたみたいで
だから、僕のことは置いていってい、」
「わかりました。…………しっかり捕まって下さい。」
白石先輩の膝の裏に腕を差し込み抱え上げた瞬間に、思ったことはこの人が異様に軽いということだった。
「ちょっ!あの!これ、えぇ!!」
所謂、お姫様抱っこと呼ばれる体勢で追いかけてくる生徒から逃げ出す。
「ちょっと、静かにして下さい」
「あ、うん。………ごめんね。」
せめてもとこの白石先輩の
声だけでも抑えて事態の縮小化を図ろうとしたけれど、時既に遅し。
なにせ、このグループには
楽しいことが大好きな門川先輩がいたから。
「ブハッ!ちょっ!えぇっ!何やってんの、ウケるんですけど~っ。」
「智やめてやれ。流石にそれは……クッ。」
「やめてください。………速水先輩も笑ってますよね?」
「まぁまぁ、いいじゃないの~。蒼ちゃん?怒らない、怒らない。ま、とりあえずは逃げよっかね~、話はその後で。」
そう言うや否や
先輩たちは、俊敏に目的の場所まで走っていった。
「速いな。」
自分でも何で
こんなことをしながら走ってんのか
分からない。
でも、嫌だった。
理由なんてつけられない
けど、瞬間的に嫌だと思ってしまった。
それだけだ。
この先輩を思ってのものじゃなかった。
俺が、イヤだったから。
「白石先輩、〝あしでまとい〟なんていませんよね?」
白石先輩は、一瞬、髪の毛の間から見える丸い瞳を大きく見開かせてふんわりと笑った。
「君は、やっぱり優しい子だね。」
「どこがですか。こんなのは、ただのエゴなのに。」
「でも、僕は優しい子だと思うから。だから、………ありがとうね、佐藤くん。」
0
あなたにおすすめの小説
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
灰かぶり君
渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。
お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。
「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」
「……禿げる」
テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに?
※重複投稿作品※
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
人気アイドルグループのリーダーは、気苦労が絶えない
タタミ
BL
大人気5人組アイドルグループ・JETのリーダーである矢代頼は、気苦労が絶えない。
対メンバー、対事務所、対仕事の全てにおいて潤滑剤役を果たす日々を送る最中、矢代は人気2トップの御厨と立花が『仲が良い』では片付けられない距離感になっていることが気にかかり──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる