34 / 185
chapter2
新入生歓迎会
「なに?俺の顔に何かついてるか。佐藤。」
こちらに足を向けて
冗談だからと話す
会計を気にした様子もなく保険医は俺に話しかける。
「いえ、特段変わったことはないかと思います」
「そうだ。面白いものは見れたかな?」
「ずいぶん、悪趣味なものなら見れました。」
「あららー、嫌われたか?でも、これくらいでそんなこと言って貰っちゃあ困るな。新入生全員が、そろそろ自覚する頃なんだから、生徒会長のいった意味をな。
だから、君もそろそろ自覚してもらわないと。」
「自覚?」
突然
ピンポンパンポーンという
音が鳴り響く。
『お知らせいたします。後、30分でゲームは終了します。現在、赤組が優勢です。白組は頑張ってください。
因みに、残り30分になりましたので、特別ルールを開放します。劣勢の白組で捕まった生徒の中から、裏切り者を選び牢屋から出します。白組の裏切り者に出逢えば、裏切り者は笛を鳴らし、半径5メートルにいるゲーム参加者のしっぽが点滅し、なり続けますのでご注意を』
しっぽが点滅?
そのアナウンスを聞いて
腕に巻いた鉢巻に桜形の小さな機械のようなものがついているのに目を留める。
「じゃあ、質問だ。佐藤くん。
これまで、味方だと思って
そして、見下してきていた奴らが
脅威的な敵になったら大抵はどうなると思う?」
一歩、距離を縮められる。
「……戸惑って動けない、ですか?」
「ピンポーン、大正解~。それが例えゲームだろうと現実に起こったら、まして超温室育ちの坊っちゃんたちならどうなるかな~。」
そして、目の前の人は
ニヤリと人の悪そうな顔で笑った。
「初めて、裏切られる感覚を味わって
今、君と同じ様に目のあたりにしてるだろうな。
“力”の弱いものが当然として
虐げられている状況に。
そして、その逆も然りってわけだ。」
「それでも、ゲームですよね。そんなにうまくいくもの、」
「いくさ。チームわけにもある工夫がされてんだからな。何か違和感感じなかったか?」
「敢えて言うのであれば、パワーバランスが明らかに赤組に集中しすぎていることです。」
「正解だ。そこが分かってるならいいだろうよ。
白組の生徒には早めに理解してもらわないとダメだからな。
ここでは“力”が全てだってことを。大財閥の坊ちゃまに媚びへつらう必要もなければ、捻じ伏せていいってな。」
肩に手を置いた保険医は
まるで悪魔のように囁く。
「要するに、勝ったやつが正しいんだよ。
だから、美波くんが正論ってわけだ。
単純なことだろ?」
眼鏡の奥の瞳が怪しくひかった。
「だから、文句や不満を言えるのも
力のあるやつ、それ一択なんだよ。
これがここの規則なわけ。」
「それを何で」
「君に言うかって?
去年の自主退学人数知ってるか?昨年の入学者の半数は自主退学だよ。つまりだ、入学者861人に対して422人は脱落したわけだ。」
「は?」
「退学したくなきゃ、力のない奴は、おとなしくしてなって意味だよ。
大手財閥企業だろうが、結局、力のない奴は散っていく運命なんだかな。」
弱いものは踏みにじるものだ。
その考えに疑問を持つものは
ここの学園には、きっと、あまり、いない。
けど、それがなんだ。
俺には関係ないことだ。
関係ないんだ。
__________なのに。
「何で……こんなに。」
耳の奥で誰かが囁く。
じゃあ、このままでいいの?
このまま、踏みにじられて
散っていくだけの運命で……本当に?
あなたにおすすめの小説
目立たないでと言われても
みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」
******
山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって……
25話で本編完結+番外編4話
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
灰かぶり君
渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。
お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。
「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」
「……禿げる」
テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに?
※重複投稿作品※
平穏な日常の崩壊。
猫宮乾
BL
中学三年生の冬。母の再婚と義父の勧めにより、私立澪標学園を受験する事になった俺。この頃は、そこが俗に言う『王道学園』だとは知らなかった。そんな俺が、鬼の風紀委員長と呼ばれるようになるまでと、その後の軌跡。※王道学園が舞台の、非王道作品です。俺様(風)生徒会長×(本人平凡だと思ってるけど非凡)風紀委員長。▼他サイトで完結済み、転載です。
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)