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chapter2
新入生歓迎会
特別ルールその2
【鉢巻の色の交換、過度な変装は、禁止。もしも行った場合、そのチームに得点減点のペナルティを課す】
「僕は、先輩を救護室に行く用事があるので。皆さんにはやってほしいことがあります。15分後までにあらかた済ませておいて下さいね?」
「「やってほしいこと?」」
「大丈夫です。簡単なことですから。僕が頼みたいことは____」
それを聞いた途端
あからさまに会計がイヤそうに顔を歪めた。
「はぁぁぁ?!俺がそんなのやるわけないじゃん?!無理無理無理。」
「イヤならいいですよ。赤組に勝つチャンスがなくなっても良いなら?会計様は勝つ気だと思っていたんですけど、そうでもないみたいですね。そんなんだと会計様の親衛隊(ファン)も幻滅してしまいそうですね。」
「うっ。………誰もやらないなんて言ってないじゃん?
やるよ、やる!!」
「よろしくお願いしますね。」
「お前は、頭のネジが一本抜けてるよ、ホント。
バカっていうか単純っていうか。」
やる気満々の会計を見ながら
黒河先生はため息をつく。
「まぁ。その提案にのってやるよ。それで、狙いはなんなわけ?」
こちらに意味深な目線を送りながら
試すような口ぶりの保険医が面倒くさいなと思いつつも答える。
「15分後、赤組のやぐらを見れば分かりますよ。」
「へぇ?」
怪しく鋭く光っていた
その瞳が愉しそうに細められた。
白石先輩を救護室まで送り届け
校内に急いで戻り
演劇部の衣装室の札が下げられている
その部屋に入ると
少し埃っぽいが
色々な衣装やメイク道具が取り揃っている。
この部屋にあるはずの
“あるもの”を探し回る
「あった」
その“あるもの”を手にする。
「他のものは、こんなにあるのに
これだけは、これしか無いなんて皮肉だな。」
独り言をもらした瞬間。
外から、ピコンピコンとしっぽから鳴り響く音が
聞こえてくる。
ただの『しっぽとり』とは思えないほどの他人を蹴落としていくような、ルールの作り方。
ヒトの持つ負の感情を呼び起こすようなゲーム
外から聞こえてくる逃げ惑うような声は
どこか悲痛めいている気もする。
俺のしたことがあの先輩を庇ったような行動が
正しいものなのか分からない。
ただ、イヤだったんだ。
見ていたくない。何も出来なく無力に終わっていくのは
見ていたくなかった。
これを、エゴだと笑う人間もいるのだろう。
だけど。
それが、どうした。
ただの自分のエゴで構わない。
勝手でいい。
けれど、たった一つ だけ 今 言えることがあるとするならば。
「せいぜい、覚悟していてください。」
演劇部の白いカーテンを引き
窓から見える赤組のやぐらを見つめる。
「赤組代表の会長様。俺に負ける覚悟を。」
そして、たった一つだけ 今 できることがあるとするならば。
この学校の強さの証明の
会長様に喧嘩をふっかけることだろう。
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