花は何時でも憂鬱で

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chapter2

新入生歓迎会







「さっきから言っている意味が……分からないんですが。」

掴まれている手首をちらりと横目に見ながら
会長に視線を向ける。


「そうだな」

「答えになってませんよ」

「綺麗なものは傍に置いておきたいものだろ?」

「____綺麗なもの……?」

「俺だけのものを誰かに取られるのは癪だからな。出る杭は打っておこうと思ったが、今、摘んでおくのは勿体ないから。今回だけ、目を瞑っておくか。」

「_____は?ちょっ……」

会長が掴んだ手首をそのままに
体重をかけられて
重力には逆らえず、倒れこむ。



「それとも、他の奴に目をつけられる前に摘んでしまおうか」

掴まれていなかった方の手首もかすめ取られて
クッションの上に縫いとめられる。
鼻先がくっつきそうなほど
顔を寄せられて
目の前の人の唇が
勝気そうに孤を描く。


「何の真似ですか。」

「さぁな?ただ、生意気な新入生で遊んでみてもいいと思っただけだ。」

会長の言葉に目を眇める。
さっきから感じる妙な違和感。



この人は____何かが。



「あんたと遊ぶのなんて真っ平御免ですよ。」

「やっぱり生意気すぎるな。……あんまり、そんな態度を取られると」

会長から表情という表情が消え失せて
スッと瞳が細められる。
そして、何の色ものらない声で囁く。

「壊してやりたくなる」

「……壊すなんて無理だ。」

「どういう意味だ。」

「一度、壊れたものを崩れていったものをもう一度壊すことなんてできないから。だから、そんなことは無理ですよ。」

「______っなにを。」

その真っ黒な瞳が
一瞬、見開かれるのを見ていたら
何処からか「会長様ー、何処ですかー!」や、「いたら、返事をして下さい」という声が聞こえてきて
会長が顔を上げて掴まれていた手首も外された瞬間
するりとその拘束から逃れ立つ。



「最後に言っておきます。囮は僕で、会長様…貴方も囮です。」


会長も立ち上がるのを視界にいれながら
距離を取るように足を一歩引きながら告げる。




「しっぽ取りは身体に巻きつけてある鉢巻を取るだけのゲームじゃあないので。取ったしっぽも取り返せる。普段ならできませんが、さっき視線を集めてくれたおかげで容易に赤組陣営に人を送り込めました。でも、鉢巻を取られたのは誤算でした、僕の負けです。」


誤算のおかえしにと
どうにもムカつく上から目線のその人へのあてつけに
見えてるとも思わなかったが睨む様にして会長を見上げながら言う。


「では、さよなら。会長様」



そのすぐ後に
ゲームの終了を告げる無機質な放送が流れだす。



少し前までは、出ていた夕日も身を隠し
辺りが暗くなっていくのを感じながら
その場を去った。







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