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chapter3
気まぐれな警告
しおりを挟む美波 京(会計)side
新歓の翌朝
いつもより少しだけ早起きして
目的の人物の部屋の前にたつ
インターホンをピンポーンと鳴らしまくると
勢いよくドアが開いたと思って
寝癖がついたままの人物は数秒固まったので
「アハっ、ちょ~、固まってるし。来ちゃった」
固まる根グラくんの目の前をヒラヒラと
手を振って我にかえるのを待っていたら
また、勢いよくドアが閉められそうになったので
手を滑り込ませてどうにか閉じられるのを
阻止する。
「酷くな~い?昨日、協力してあげたのにさぁ
そんな態度取られたら傷ついちゃうなぁ~。」
「何でしょうか」
起きかけの少し子供っぽい声で
普通を装ってはいるが、言葉の端々から鋭さの消えない
根グラくんを見ながら目を細める。
「せっかく、いい情報持ってきてあげたのにひっどいな~」
「………情報?」
「根倉くん。君さぁー、3年間平穏に暮らしたいでしょ。それとも、周りから好奇の目に晒された生活がいいわけ?」
「どういう意味ですか。」
「部屋にいれてくれたら教えてあげる。まぁ、ここで話してもいいんだけどね、俺と噂になりたいの?」
目までかかった髪の毛ではっきりと表情は分からないが
口元がピクリと動いたかと思えば
ドアの取っ手を引く手が離され、どうぞと小さく溢された
同意の言葉を取ると俺は部屋の中に入る。
「ねぇねぇ、根グラくん、俺はロンネフェルトが飲みたいな~」
「そんな高いものがあるわけないじゃあないですか。」
「俺の部屋にはあるけどぉ?じゃあ、何があるの。」
俺のその言葉には
返事をせずにダイニングに入っていったので
辺りを見渡すと普通の部屋に似つかわしくない
可愛い猫のぬいぐるみが2つ飾られていた。
「見かけに寄らずってやつ?まぁ、俺も昔は持ってたけどねぇ」
戻ってくる足音と同時に
コトリと何かが部屋の中央にあるテーブルに置かれた
音がしたので振り返って、その椅子に座る。
目の前の根グラくんも俺の目の前に腰を下ろした。
「何これ?」
目の前に置かれたコップに入ってるピンク色の液体を
凝視しながらたずねる。
「………見ればわかるじゃないですか?」
「いや、初めて見たけど?で?何これ」
「いちご牛乳です」
「………いちご牛乳?へぇ~?」
「飲まないんですか?」
全然分からないなぁ
明らかにやばそうな色してんだけど
絵の具か何かで作ってるよね、これ。
「アハハ。これ、飲んだら病気とかになるんじゃない?」
「なりませんけど」
「もしかして、死んだり」
「一日、三本は飲んでるんで大丈夫です。文句があるなら下げますよ。」
その液体が入るコップを根暗くんが掴もうと
手を伸ばしてきたのでそれを勢いでとって
飲む。
「_________っん?あれ?………美味しいじゃん、普通に」
「普通には余計です。」
「んじゃあ、ちょー美味しいからさ。このいちご何たらのおかわりちょーだい?」
根暗くんの声色が少しだけ明るくなったのを
感じながらおかわりを求めてコップを突き出す。
「それで、要件というのは何でしょうか。」
「ん?あぁ……要件ね。あるよ。今後の学校生活に関わることがね。その前に聞きたいことがあるんだけどさぁ。」
突き出していた手を引っ込めて
そのコップをいじりながら目の前の根グラくんに問いかける。
君は、どういう人間かなぁ?
綺麗事で塗り固めるような人間か
それとも、自分勝手で傲慢な人間の
____どっちかなぁ。
綺麗事の人間なら
俺の大っ嫌いな人間になっちゃうわけだけどねぇ
「昨日の言葉、“成を置いていった選択肢は正論だろうが何だろうがどうでもいい”の言葉はどういう意味なわけ?あれはさ、成を助けるために言った嘘なのかそれともそうじゃあない別の意味があるのか、気になるんだよね~。俺としては、ね。」
「あぁいう人を見てるのが苦痛だったから。もう、見たくなかったからです。別にあの先輩を助けようとかそんなお人好しの精神で言った言葉じゃあありませんよ。」
迷いもなくただ、淡々と優しいとは言えない言葉を
言ってのける姿に少しだけ好感を持った。
好きでもないけど、嫌いではないタイプかなぁ。
「その言葉、聞いて安心したかなぁ~?あの風紀委員長みたいに綺麗事人間じゃあなくて、ね。……ねぇ?」
「何ですか」
「情報、うちの会長が君を探してるんだよねぇ~?
昨日から機嫌さいあくでさぁ。
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