花は何時でも憂鬱で

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chapter5

夜の足音3

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あんぐりと口の塞がらない先輩たちを
そのままに機材を取りに来るようにアナウンスがかかったので、時計台前の簡易的に作られているテント前へと足を運ぶ。


「そんなに知らないと変なのか。」

「なーにがぁ?」

背後から突然、現れた門川先輩に驚いていたら
腕を絡ませて、行こ行こーっと腕をひかれる。

「どう?祭りは、楽しい?俺は、ヒジョーニ楽しいなぁー。」

満面の笑みを浮かべて
足取り軽く簡易テントへとスキップする
門川先輩に尋ねられて曖昧な返事を返す。

「そうですね、楽しいです。」

「全然、楽しくなさそうだなぁー。まっ。いいや。明後日のお祭りでは全員にお面つけて貰う予定だから楽しみにしててね!」

強制的に全員参加のお祭りと分かっただけでなく
どうにも仮装っぽいことをしなければいけないと知って
更に、面倒だなと思っていた時だった。


「みーちゃ"んっ!どうして、お祭り参加しないのさぁー!」

「疲れてるから、俺は寝る」

「せっかくのお祭りなんだから、風紀だってたまには羽目外したっていいじゃん~!」

「眠い。疲れた、昨日、徹夜してたんだよ。」

「僕、みーちゃん、いないとつまんない~。」

どこか疲れたような顔をした仄暗い赤髪の人の裾を掴んで
白髪の人がなんとか引き止めようとしているが
体格差もあってか引きずられるようにして逆に引っ張られていた。

「だったら、俺と一緒に寝ればつまらなくないだろ。」

瞬間、辺り一帯から割れんばかりの声が飛んできて
門川先輩に掴まれている腕とは反対の手で片耳だけでも塞いだ。


赤髪の人と白い髪の人を中心にして



周りの生徒たちが卒倒してる人
鼻血を溢れさせている人
顔を赤らめている人



様々だったが


一番、異様だったのが


さっきまで、持ち場にいたはずの
先輩たちが目を血走らせながら
猛烈にメモをしていて


あの赤パーカー先輩は、鼻血を滴らせながら
カメラを構え


「ご、ご馳走様です。ミカキヨ尊い。これもまた、王道。」

と、謎の言葉を羅列しながら
パシャパシャとあの2人を撮り続けていることだった。


「あ~あ、みかちゃんったら、また、無意識に人を煽って。公認カップルもここまで来たら、もう手に負えないな~。」

門川先輩が呟いた言葉に
あの2人の先輩たちに視線を巡らせる



ふと、目に留まったものに釘付けになった。


「あの指輪……。」

あの白い先輩が首から下げている
2対の見覚えのある指輪が視界に入った。

「へ、指輪?」

門川先輩が俺の呟いた言葉に
反応して繰り返すと


たちまち、他の生徒にもその単語が伝染して広がった。



そして、赤パーカー先輩が

「あ、あれは?!ましゃかぁっ、こ、こ、婚約指輪?!」

大声で放った一言により
更に波紋は広がり、中心の先輩たちも漸く
この事態に気づいたようだった。



「白様っ!それは、もしかして」

いち早く、赤パーカー先輩が声を上げて
あの2人の先輩に尋ねる。


「えへへ、気になる?っていうか、白様なんて呼ばないでいいって言ってるのに。」

「その指輪は、もしや、帝様から貰ったものですか?!」

「うーん。教えな~い。」

子供のようなあどけない表情で
笑って更に観衆を煽る白髪の先輩に更に鼻血を溢れさせる赤パーカー先輩が食い下がる。


「勿論、み~ちゃんから貰ったんだよ。_____っていうのは、冗談で拾ったんだ~。」



_________拾った?



本当に
拾ったのなら、アレは


もしかしたら



探していた指輪______?




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