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chapter7
another story〜花束〜
「誰の仕業か調べなさい。鈴森」
「かしこまりました。」
会長は眉ひとつ動かさずに告げると
贈り物として贈られてきた二つのうちの一つ
木製の籠の中で、針金でぐるぐる巻きにされたあやめの花とその中でバラバラに散らばっている厚紙へ視線を向ける。
そして、もう一つの贈り物には_________なずなと蘭の花がガラスケースの中に綺麗に植えられた鉢が届けられた。
40本のひまわりと一緒に。
「鈴森。これは、何を意味しているのかしらね」
「この送り主が言いたいことは定かではありませんが。
40本の花束の意味は
永遠の愛を誓うだったかと。どなたへの愛を誓うのかは図りかねますが」
「そうね、恐らくこの贈り主は私への愛ではなくあの子達への愛を誓ったのね。そして、まるで責め立てているようだわ。お前は、どうなんだとね。この屋敷の状況を知る人物であることに間違いはないわ」
会長は立ち上がるとばらばらの厚紙を組み合わせ
一つの単語が浮き出てきたその厚紙に目を眇める。
「Printemps」
鈴森はその言葉を聞くと、会長に気づかれぬよう僅かに
口角を上げた。
【Printemps________その意味は、春】
「この愚か者はなにをのぞんでいるのかしら。こんな挑発をするのは、あの子ではないでしょうしこんなことをする度胸もないもの」
「恐らくは、こちらかと。」
鈴森は指輪の入るケースを会長に差し出すと
会長は、徐に手を伸ばして開けた。
「本当にこんなもののために?…………いいでしょう。お渡しなさい」
「よろしいのですか」
「ええ、いいでしょう。………何もできずに終わったと項垂れる金髪の坊やの姿が目に浮かんで憐れですから。」
ケースの中で輝く
あやめの花の指輪に興味をなくしたのか
会長は窓際に立つと、鈴森に告げる。
「あの少年へ15本の花束を贈りなさい。そして、理解してもらうわ、その意味を________『決して愛さない』と。」
鈴森は、一礼して部屋から立ち去ると
昨日の朝に現れた金髪の少年を思い出す。
『春は来ない。あやめは俺が会う。』
その少年には、見覚えがあった。
決して見つけられないと思ったのに、いとも簡単にあやめ様を見つけてその翌日、こんな贈り物をしてきた。
あやめ様も彼を覚えていたのかはわからないが
彼は正体を明かしたわけではなかった。
とても面白い少年。
それでも、危険な少年だとも思う。
春様にとってあやめ様にとって悪影響を及ぼしかねない。
彼は、甘い蜜のようだから。
春様を弱くしてしまう気がしてならない。
もしもそうなってしまうなら考えねばならない。
そして、矛盾を呼び起こすなら
目の前から消えてもらわなければいけない。
ただ、彼には感謝を_____________。
春様にとって、あなたはかけがえのない
あやめ様と同等の大切な人であったのはいうまでもないのだから。
「春様が思い出してしまえば、それは逆に。苦痛を与えることと同義でもあるのは、なんとも難儀なことですがね。」
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