151 / 185
chapter8
破壊3
『It's a strange freak to change the world』
俺は、宵(よい)の華奢な背中を見ながら
ふと、その言葉が脳裏をよぎる。
「とんでもないのが2人目だ。いや、3人目かな。」
門川先輩の嬉々とした呟きを聞きながら
宵(よい)と宵(よい)の目の前にいるあの双子を見ていたが、ふと視線を外した先に中庭の隅に立っている異質な3人組を見つけた。
______副風紀委員長と会計とそれにあのバケツを被った日に2階席にいた蛇のような人。
あの3人に交友があったとしても別におかしい所はない。それでもその3人_____副風紀委員長、会計、恐らく生徒会関係者の蛇のような人_____は異質だと俺でさえも分かった。
新入生歓迎会の賞品を得られなかった白組で内密に開いた祭りのあの日、とてもじゃないが親しいとは思えなかった副風紀委員長と会計はやはり何か揉めているのかその空気は遠目から見ても冷え切って見えるし、その間にいるあの人はそれを気にした様子もない。
「「なぁに、転入生ちゃん?僕たちに用事?」」
それでも
その3人が一緒にいる原因がこの双子の件だと分かった。
※
【時を遡ること15分前______】
居心地の悪さを感じながらも宵(よい)と朱門と門川先輩と門川先輩の弁当を持ってきた速水先輩と昼食を取ることになっていた。
門川先輩が穴があきそうなほど宵(よい)を見つめているのを横目に見ていると、あからさまに不機嫌な朱門と目があった。
「あおいくん。それだけでいいの?」
「はい。実はこの後用事があるので」
「え?!………そうだったの?呼び止めちゃってごめんね。大丈夫?」
「はい。なので申し訳ないのですが、食べ終わったらすぐに行きますね」
「そっか、残念だけど仕方ないよね。今度、また、ゆっくり食べようね」
朱門の視線が更に強くなるのを感じながら
俺は昼用に買ったパンを開いた。
「宵(よい)!このチョコレート美味しい!!」
間食用らしいチョコレートを口に入れながら
宵(よい)へと話しかける朱門にまるで牽制でもするかのようにして睨まれる。
俺はさっさと食べ終えてこの場を去ろうと思うのだが、門川先輩は昼休み中に食べ終わる気があるのかというほど手に持った弁当を一口一口を噛みしめるように食べていた。
「智、早く食べないと置いていくからな」
「えー。食べ物は、ゆっくり食べる派なのにー。いいもんね、ゆっくり食べてさっとんと帰るもんね」
「はい?」
門川先輩が俺の腕を組んで密着しながら言った。
恐らく、俺に言ったであろう、変な呼び名を呼びながら。
「だって女神様が、あおいくんって呼んでたから。俺も何かあだ名で呼んでみようと思って。佐藤からとってさっとん?可愛くないー?」
「可愛くないです。」
「えぇー。そっかなぁ。あ!そうだ、俺のこともあだ名で呼んじゃう?門川、門川…………かーちゃんだとちょっとアレだし。門川だから、アルファベットにしたらKが、2つで、K2とかどうどう?」
「年下を困らせるようなことをするな」
門川先輩が速水先輩に軽く窘められるが
それを気にした様子もなく、俺に話しかけてくる。
「いいじゃん、いいじゃん。頭固いんだからぁー。ねぇ、さっとん。そういえば、もうすぐ定期テストだけどさ。理数系どの先生?数学、夕暮先生だったりする。あの先生、テストの鬼だから______ん?」
門川先輩が途中で会話を切って、辺りを見回し始めたので俺もその原因が何なのか知ろうと門川先輩と同じ方向を向く。
そして、全員が見つめているのが
あの双子だということに気づいた。
「わぁ、綺麗な子達。」
宵(よい)の言葉ですらよく響くほどのその静けさを気にした様子もない双子は何かをひらひらと手に持ったまま誰かを探した様子で見渡していた。
「「あぁ。見つけた」」
彼らは誰かを見つけて、にこりと微笑むと
その人物に寄って行った。
「「君が、手紙くれた子かなぁ?」」
あなたにおすすめの小説
目立たないでと言われても
みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」
******
山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって……
25話で本編完結+番外編4話
百合豚、男子校に入る。
揺
BL
百合をこよなく愛する男子高校生・眞辺恵。
母の歪んだ価値観により共学への進学を断たれ、彼が入学させられたのは――
男同士の恋愛が“文化”として成立している、全寮制男子校《私立瑞嶺学園》だった。
この学園では、生徒会長は「抱かれたいランキング」で選ばれ、美貌こそが正義とされる世界。
それでも眞辺は決意する。
生徒会長になり、この学校を“共学”に変え、間近で百合を拝むことを。
立ちはだかるのは、顔面至上主義の学園制度、性に奔放すぎるイケメンな幼馴染、そして彼らに憧れ恋をする生徒たち。
さらに何故か、学園の人気者たちに次々と目をつけられてしまい――。
百合を拝むため男子校を変えようとする異端者が、歪んだ王道学園を改革する物語。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
※第33話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
笑わない風紀委員長
馬酔木ビシア
BL
風紀委員長の龍神は、容姿端麗で才色兼備だが周囲からは『笑わない風紀委員長』と呼ばれているほど表情の変化が少ない。
が、それは風紀委員として真面目に職務に当たらねばという強い使命感のもと表情含め笑うことが少ないだけであった。
そんなある日、時期外れの転校生がやってきて次々に人気者を手玉に取った事で学園内を混乱に陥れる。 仕事が多くなった龍神が学園内を奔走する内に 彼の表情に接する者が増え始め──
※作者は知識なし・文才なしの一般人ですのでご了承ください。何言っちゃってんのこいつ状態になる可能性大。
※この作品は私が単純にクールでちょっと可愛い男子が書きたかっただけの自己満作品ですので読む際はその点をご了承ください。
※文や誤字脱字へのご指摘はウエルカムです!アンチコメントと荒らしだけはやめて頂きたく……。
※オチ未定。いつかアンケートで決めようかな、なんて思っております。見切り発車ですすみません……。
灰かぶり君
渡里あずま
BL
谷出灰(たに いずりは)十六歳。平凡だが、職業(ケータイ小説家)はちょっと非凡(本人談)。
お嬢様学校でのガールズライフを書いていた彼だったがある日、担当から「次は王道学園物(BL)ね♪」と無茶振りされてしまう。
「出灰君は安心して、王道君を主人公にした王道学園物を書いてちょうだい!」
「……禿げる」
テンション低め(脳内ではお喋り)な主人公の運命はいかに?
※重複投稿作品※
平穏な日常の崩壊。
猫宮乾
BL
中学三年生の冬。母の再婚と義父の勧めにより、私立澪標学園を受験する事になった俺。この頃は、そこが俗に言う『王道学園』だとは知らなかった。そんな俺が、鬼の風紀委員長と呼ばれるようになるまでと、その後の軌跡。※王道学園が舞台の、非王道作品です。俺様(風)生徒会長×(本人平凡だと思ってるけど非凡)風紀委員長。▼他サイトで完結済み、転載です。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
不遇聖女様(男)は、国を捨てて闇落ちする覚悟を決めました!
ミクリ21
BL
聖女様(男)は、理不尽な不遇を受けていました。
その不遇は、聖女になった7歳から始まり、現在の15歳まで続きました。
しかし、聖女ラウロはとうとう国を捨てるようです。
何故なら、この世界の成人年齢は15歳だから。
聖女ラウロは、これからは闇落ちをして自由に生きるのだ!!(闇落ちは自称)