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chapter8
破壊5
「この学園がどういう所なのか知らないわけじゃないです。」
「「へぇ、それで?」」
「こんなことじゃなくて、僕ともっと面白い遊びをしません?」
「「ふーん。つまり?」」
「僕と勝負(ゲーム)をしましょう。」
その3人のやり取りを見て、焦ったのかそこへ小走りで歩み寄ってきたのはあの異質な3人組のうちの一人。
「その勝負(ゲーム)ちょっと待って下さい」
「「風紀委員長だっけ。あ、副のか弱そうな方だよね」」
双子はわざと神経を逆なでするように言うが
副風紀委員長の表情はそれで曇るようなこともなく
副風紀委員長の意識は後ろからゆったりとついてくるあの人へのみ何かを訴えるように注がれる。
「そんなに、怖い顔せんでも逃げたりせえへんって。」
「「あ、瑠夏じゃん。なんか用事?」」
「用はないんやけどね。別に。成り行きって言うんやろか?そないなことより、なんやおもろい事してんな」
副風紀委員長は瑠夏と呼ばれた人へと非難するような目を強めるが取り合う気はないようで双子との会話を続けた。
「その遊び、俺が聞いてもええ?………傾城ちゃん?」
「傾城ちゃん………?僕ですか」
「そやで」
「………僕との遊びは、次の定期テストで総合点が上の方が勝ちってだけのお遊びですよ」
「「えぇ。そんな、つまんないお遊びならしたくないかなー」」
双子が宵(よい)から興味を失ったようにしてはなれようとするのをあの人が遮った。
「この勝負(ゲーム)受けてもらうで。双子ちゃんには。だから、安心してええよ。傾城ちゃん」
「「僕たちは、受けるなんて一言も言ってないんだけど」」
「面白ければええんやろ」
双子にそう問いかければ、双子は示し合せるように顔を見合わせてから口に笑みを浮かべる。
「「例えば__________?」」
「そやな、」
「広報さん、どういうつもりですか。貴方も暇じゃないでしょう。ただでさえ、忙しいのに。………風紀はこの勝負(ゲーム)に時間を割く時間はありませんよ」
「そんならこの勝負(ゲーム)、俺が持てば問題ないやろ」
「それは、そうだけど。」
副風紀委員長が何か言いたげな複雑な表情を見せているとその意図を汲み取ったのかニッとなんとも胡散臭い笑みを浮かべてあの人は答えた。
「でも、正式な勝負(ゲーム)としての体裁はそれじゃあ、整わないでしょう。両者の同意はあっても新入生は林間学校前だ。勝負(ゲーム)は禁止されている」
「まぁ、確かに正式な勝負(ゲーム)にはならんけど__________この双子ちゃんと傾城ちゃんはそんなもの気にせえへんやろ。」
__________勝負(ゲーム)の禁止?
だとしたら、荒谷と行ったアレは一体何故正式なものになってるのか。
それとも、正式なものになっていない?
いや、でも、端末ははっきりと警告音を響かせていたのだから、それはないはずだ。
「非公式のものでも構わないなら話は簡単や。正式なものじゃないんなら拘束を伴えないが、この勝負(ゲーム)を放棄しないよう両者を縛る何らかのルールがあればいいんやから………………。せやな、林間学校前なら〝アレ〟は不味いから。この勝負を放棄した場合何が何でも相手に100000Pを直ぐに支払ってもらう。これで、どうや?__________あぁ、勿論、相手に放棄させるよう何らかの画策を行ったと分かった瞬間に失格とみなす」
「「ふーん。100000Pねぇ。」」
「僕は元から、放棄する気はないので構わないですよ」
「「でもさぁ、勝った方には賞品があるべきじゃない?てゆうかこのままじゃ受けたとしても勝った時に何もないんじゃ不利益しかないと思うなぁ」」
「そりゃそうやわ。双子ちゃんは何かあるん?」
尋ねられた双子は同時に首をコテリと右へと傾げてから
宵(よい)に視線を向けて愉快そうに目を細める。
「ねぇ、陽日」
「ねぇ、陽夜」
その意味ありげな表情で宵(よい)を見る双子の表情から宵(よい)にとって良いことが起きるとは想像できない。
「「ねぇ、瑠夏。これって別に言ってもいいんだよね?」」
「非公式やからな、どっちでもええよ」
双子は悪どい笑みを浮かべて、答えた。
「「ディープキス」」
周りの空気がピシリと固まってから数秒
皆一様に、宵(よい)の反応を伺いみる。
「流石にこれは拒否してもいいよ。………宵くん。嫌なら嫌って言ってもいいんだよ」
副風紀委員長が助け舟を出すが
宵(よい)はきょとんとした表情でパチパチと目を瞬かせるだけだぅた。
「「でもいいの?ふふ、100000Pと支払うことになるけど。傾城ちゃんは、同意したよね。………ま、僕たちは別にいいけど。100000P支払って貰わなくても傾城ちゃんから負け犬ちゃんになるだ、」」
「じゃあ、僕は____________家政婦にしようかな。猫の手も借りたかったので。部屋の掃除が中々終わらなくて困ってたんです」
「「は?」」
宵(よい)が穏やかに言ってのける内容に双子の悪どい表情が始めて崩れる。
「だから、構わないって言ったんですよ。ふふ、僕が負けたらディープキスでしょ?それで、いいですよ。それとも、もっと過激なのにします?」
ちろりと赤い舌を出して唇を舐めた宵(よい)は妖艶に笑う。
「It's a strange freak to change the world」
「へ?………何々、英語?」
さっき脳裏をよぎった言葉を繰り返す。
まさに、荒谷や宵(よい)の為にあるような言葉だ。
荒谷と宵(よい)は似ている。
けれど
目の前の世界を変えるやり方は随分違っている。
「門川先輩。黒河先生って性格悪いですか?」
「うん。性格っていうか、性根が腐ってるとは思うよ。すんごい嫌なヤツ!」
黒河先生に頼まれた脅迫に似た提案は
ワンピース足りないパズルを完成させろと言われているようなものだ。
この学年の全員を知っているわけではないが、宵(よい)に勝てるような生徒は俺は勿論、誰一人としていないだろう。
ある一人__________荒谷新を除外して。
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