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第13話 心の準備
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証拠はすべて揃った。
あとはルーナに叩きつけ、罪を認めさせるだけ。
「それでは、私はそろそろ……」
イングリッドが去ろうとするけれど、アレクが止めた。
「待て。事件が解決するまでは、城内にいてもらう」
「……なぜ。もう私に用はないでしょう」
「余計なことをされても困るからな」
「しませんよ」
「その保証はどこにもない」
「……むむ」
わたしも彼の動向が心配だった。
もしもまたルーナが近づいてきたりしたら……困る。
なので自分からもお願いした。
「しばらくお城にいてください」
「そ、そうですね。お嬢さんから頼まれては……仕方ありません」
「イリスです」
「そうでしたね。イリス様に免じてしばらく大人しくしていましょう。その代わり、部屋を貸してください。あと紅茶をお願いします」
アレクは、イングリッドの要望に応えることに。
彼のことはマックスウェルが対応。別室へ招かれ、部屋を去っていく。
「……さて、いよいよだけど心の準備はいいかな、イリス」
「はい。わたしはいつでも覚悟が出来ています」
「これから、ルーナと会うことになる」
「大丈夫です。言いたいことは決まっていますから」
「分かった。では、手を――」
この手を取れば、もう後戻りはできない。するつもりもないけれど。
行くしかない。
ルーナに罪を償ってもらうためにも。
わたしはアレクの手を取った。
お城を出て馬に乗って街へ向かう。
アレクが背後から抱きしめるように支えてくれる。嬉しい。
外は暖かくてのんびりした空気が出迎えてくれた。
なんだか優しい風。
このままどこかへ行きたい。
でも、そうはいかない。
これから、我が家へ戻り……ルーナと対面する。そして、きっと……。
あとはルーナに叩きつけ、罪を認めさせるだけ。
「それでは、私はそろそろ……」
イングリッドが去ろうとするけれど、アレクが止めた。
「待て。事件が解決するまでは、城内にいてもらう」
「……なぜ。もう私に用はないでしょう」
「余計なことをされても困るからな」
「しませんよ」
「その保証はどこにもない」
「……むむ」
わたしも彼の動向が心配だった。
もしもまたルーナが近づいてきたりしたら……困る。
なので自分からもお願いした。
「しばらくお城にいてください」
「そ、そうですね。お嬢さんから頼まれては……仕方ありません」
「イリスです」
「そうでしたね。イリス様に免じてしばらく大人しくしていましょう。その代わり、部屋を貸してください。あと紅茶をお願いします」
アレクは、イングリッドの要望に応えることに。
彼のことはマックスウェルが対応。別室へ招かれ、部屋を去っていく。
「……さて、いよいよだけど心の準備はいいかな、イリス」
「はい。わたしはいつでも覚悟が出来ています」
「これから、ルーナと会うことになる」
「大丈夫です。言いたいことは決まっていますから」
「分かった。では、手を――」
この手を取れば、もう後戻りはできない。するつもりもないけれど。
行くしかない。
ルーナに罪を償ってもらうためにも。
わたしはアレクの手を取った。
お城を出て馬に乗って街へ向かう。
アレクが背後から抱きしめるように支えてくれる。嬉しい。
外は暖かくてのんびりした空気が出迎えてくれた。
なんだか優しい風。
このままどこかへ行きたい。
でも、そうはいかない。
これから、我が家へ戻り……ルーナと対面する。そして、きっと……。
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