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私だけのティアラ
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「わあああ!すごーい!」
こんな風景、初めて見た!
まるで夢のような、儚い景色。
『剣をまとめるものがクスッと笑っています。』
『世界を癒す者があなたにもうすぐ会えると言っています。』
もうすぐ会えるの!?
もしかして、この人たち全員この森の中に住んでるのかな?
「ルナ、ルナはどんなティアラがいいの?」
ルーチェに聞かれ、私は頭の中でティアラを想像した。
どんなティアラ、かぁ…
目立つのはいやだから、色は白系、フローラの森のモチーフで花の形とかだったら可愛いかな。百合の花とか。
あとは、
「平和。」
私はボソッと呟いた。
すると、ルーチェが突然光に包まれた。
「わっ!」
目を開けられないほどの強い光、ルーチェは大丈夫なのかな。
「ルーチェ!」
光が収まってすぐに瞳をあけると、幼い少女の姿はなく、代わりに金髪の美しい女性が池の上に浮いていた。
「今世のルナよ、私は光の女神、ルーチェ。」
女神ぃ!?
「毎年、王女と大公女達がティアラを無事授けられるようお手伝いをしているのだけれど、あなたのような、ルナに会ったのは初めてだわ。」
ルーチェは淡々と話した。
「月のーーーなのに、太陽のような光を持ってるなんて、幼きルナ、あなたの名前はなあに?」
急に意味不明な情報を一気に言われ、もっと混乱したけど、最後の質問には答えられる。
私は深く息を吸い、胸に手を当てた。
「セレネディア ルナ リュンヌ。リュンヌ大公家の末っ子です。」
何度も練習したカーテシーをした瞬間、私の目の前に、純白なティアラが現れた。
純白なティアラは形を変形し始め、私の願い通り、百合の花が飾られた。
『心の綺麗な少女よ、あなたに祝福があらんことを。』
ルーチェは最後に微笑むと、森のさらに奥に消えてしまった。
私の手のひらの上にティアラを残して。
少しボーッと池を見つめた後、私はティアラに目線を移した。
綺麗な白いティアラ、私が、これをつけて覚醒式を行うんだ。
少し信じられず、固まっていると、空から声が聞こえた。
「ディアちゃん!大丈夫?」
アンナ姉様が見つけてくれたみたい。
私はニコッと微笑み、頷いた。
「うん!大丈夫!」
エミちゃんの後ろに乗ると、アンナ姉様に頭を撫でられた。
「よく頑張ったね!すごいよ!」
「えへへ。」
王女に褒められちゃった。
嬉しいなぁ。
照れているのも束の間、急にアンナ姉様が真剣な顔で私のことを見た。
「ディアちゃんは、あの森の中で何をみたの?」
何を見たって、こういう時はルーチェの話をすればいいのかな?
「えっとね、ルーチェ!」
ティアラを見せながらいうと、アンナ姉様は驚いた顔で私の肩を掴んだ。
「ルーチェ!?ルーチェって、光の女神の?」
コクっと頷くと、アンナ姉様は驚いた顔で魔法を発動した。
「このことは今すぐにお父様と叔父様に伝えなくちゃ!大丈夫!これが噂になることはないわ!」
アンナ姉様は鳥を2羽作成すると、空に飛ばした。
「え、そんなにすごいことなの?」
「それはもうすごいことよ!」
アンナ姉様によると、最後にルーチェに会った人間は、初代皇后らしい。
そんなにすごいことだったんだ。
「私はね、大聖女、サフィア様にあったんだ~。エミは…」
「大賢者ジャスパーに。」
恥ずかしそうにエミちゃんがティアラを召喚した。
「すごーい!エミちゃんのには小さな剣がついてるんだね!端には、ジャスパーさんの名前が彫られてる!」
ティアラの違いに感激していると、アンナ姉様が自分のティアラを召喚してくれた。
「アンナ姉様のティアラには白いベールがついてる!薄いピンク色の暖かいティアラ!」
エミちゃんのと同じく、端っこにそのティアラを授けた人の名前が彫られてる!
「ディアちゃんのには、私たちのと違って純白なのね。すごく綺麗。」
「百合の花…綺麗。」
2人に褒められて、照れていると(3度目)リンが着陸体制に入っていた。
うちに着いたみたい。
入り口に止まると、パパたちが出迎えてくれた。
「パパー!ただいまー!」
「おかえりー!ディアー!」
こんな風景、初めて見た!
まるで夢のような、儚い景色。
『剣をまとめるものがクスッと笑っています。』
『世界を癒す者があなたにもうすぐ会えると言っています。』
もうすぐ会えるの!?
もしかして、この人たち全員この森の中に住んでるのかな?
「ルナ、ルナはどんなティアラがいいの?」
ルーチェに聞かれ、私は頭の中でティアラを想像した。
どんなティアラ、かぁ…
目立つのはいやだから、色は白系、フローラの森のモチーフで花の形とかだったら可愛いかな。百合の花とか。
あとは、
「平和。」
私はボソッと呟いた。
すると、ルーチェが突然光に包まれた。
「わっ!」
目を開けられないほどの強い光、ルーチェは大丈夫なのかな。
「ルーチェ!」
光が収まってすぐに瞳をあけると、幼い少女の姿はなく、代わりに金髪の美しい女性が池の上に浮いていた。
「今世のルナよ、私は光の女神、ルーチェ。」
女神ぃ!?
「毎年、王女と大公女達がティアラを無事授けられるようお手伝いをしているのだけれど、あなたのような、ルナに会ったのは初めてだわ。」
ルーチェは淡々と話した。
「月のーーーなのに、太陽のような光を持ってるなんて、幼きルナ、あなたの名前はなあに?」
急に意味不明な情報を一気に言われ、もっと混乱したけど、最後の質問には答えられる。
私は深く息を吸い、胸に手を当てた。
「セレネディア ルナ リュンヌ。リュンヌ大公家の末っ子です。」
何度も練習したカーテシーをした瞬間、私の目の前に、純白なティアラが現れた。
純白なティアラは形を変形し始め、私の願い通り、百合の花が飾られた。
『心の綺麗な少女よ、あなたに祝福があらんことを。』
ルーチェは最後に微笑むと、森のさらに奥に消えてしまった。
私の手のひらの上にティアラを残して。
少しボーッと池を見つめた後、私はティアラに目線を移した。
綺麗な白いティアラ、私が、これをつけて覚醒式を行うんだ。
少し信じられず、固まっていると、空から声が聞こえた。
「ディアちゃん!大丈夫?」
アンナ姉様が見つけてくれたみたい。
私はニコッと微笑み、頷いた。
「うん!大丈夫!」
エミちゃんの後ろに乗ると、アンナ姉様に頭を撫でられた。
「よく頑張ったね!すごいよ!」
「えへへ。」
王女に褒められちゃった。
嬉しいなぁ。
照れているのも束の間、急にアンナ姉様が真剣な顔で私のことを見た。
「ディアちゃんは、あの森の中で何をみたの?」
何を見たって、こういう時はルーチェの話をすればいいのかな?
「えっとね、ルーチェ!」
ティアラを見せながらいうと、アンナ姉様は驚いた顔で私の肩を掴んだ。
「ルーチェ!?ルーチェって、光の女神の?」
コクっと頷くと、アンナ姉様は驚いた顔で魔法を発動した。
「このことは今すぐにお父様と叔父様に伝えなくちゃ!大丈夫!これが噂になることはないわ!」
アンナ姉様は鳥を2羽作成すると、空に飛ばした。
「え、そんなにすごいことなの?」
「それはもうすごいことよ!」
アンナ姉様によると、最後にルーチェに会った人間は、初代皇后らしい。
そんなにすごいことだったんだ。
「私はね、大聖女、サフィア様にあったんだ~。エミは…」
「大賢者ジャスパーに。」
恥ずかしそうにエミちゃんがティアラを召喚した。
「すごーい!エミちゃんのには小さな剣がついてるんだね!端には、ジャスパーさんの名前が彫られてる!」
ティアラの違いに感激していると、アンナ姉様が自分のティアラを召喚してくれた。
「アンナ姉様のティアラには白いベールがついてる!薄いピンク色の暖かいティアラ!」
エミちゃんのと同じく、端っこにそのティアラを授けた人の名前が彫られてる!
「ディアちゃんのには、私たちのと違って純白なのね。すごく綺麗。」
「百合の花…綺麗。」
2人に褒められて、照れていると(3度目)リンが着陸体制に入っていた。
うちに着いたみたい。
入り口に止まると、パパたちが出迎えてくれた。
「パパー!ただいまー!」
「おかえりー!ディアー!」
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