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初めての人助け
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その瞬間、観客から悲鳴が上がり、私は急いで少年のところまで走った。
「ルナ!」
ルーチェに名前を呼ばれた気がするけど、今はこの子を助けなくちゃ。
「大丈夫!?」
苦しそう。
立ったまま意識を失ってる。
このままじゃ、ここにいる人たちも、この子も、死んでしまう。
私になんとかできないかな。
解決策を考えていると、ふと、ティアラを作るときに自分がつぶやいた言葉を思い出した。
平和。
こんな小さくて弱いけど、何かできるかもしれない。
私は少年の手を握ると、瞳を閉じた。
お願い、奇跡起きて!
『プローディギウム サナーレ』
強く願っていると、口から聞いたこともない言葉が出てきた。
ティアラが白く光、その光は優しく少年のことを包んだ。
私今、なんて言ったの?
少年から溢れ出ていた闇のオーラをだんだんと小さくなり、立ちながら気を失っていた少年が前に倒れてきた。
「わっ!」
急いで受け止めると、オークション会場の入り口が勢いよく開いた。
あ、ちゃんとした入口があったんだ。
「「ディア!」」
「兄様!?パパ!?」
なんで2人がここに…?
一瞬で私の隣にテレポートしてきたパパと兄様に、思いっきり抱きしめられた。
「急にびっくりしたんだよ!?ブティックから突然消えて…一瞬ディアを永遠に無くしたと思ってっ!怪我はしてない?」
「ライオスが血相を抱えて執務室に来たんだ。どれだけ驚いたことか。ディアが消えたと。何かあったかもしれないと言われ、一瞬、大切な、大切な娘を、また守れなかったとどれだけ思ったことか…」
2人は泣きそうな顔をしながら、私のことを強く抱きしめた。
こんなこと言われたら、こっちまで泣けてくるじゃない。
でも泣いちゃダメだ。私はお姉ちゃんなんだから。
「ごめんなさい。パパ、兄様、とりあえずこの子を治療しなくちゃ。私は無事だから。」
ニコッと微笑み、私は兄様の手を掴んでオークション会場を出た。
パパは後片付けをしなくちゃいけないらしい。
少年を隣に座らせ、私と兄様は向かい合わせに座った。
「…ディア、ごめん。ごめんね。」
何度も謝られる。けど、顔が見れない。
いや、いつかは向き合わなくちゃいけなくなるんだから。今のうちに仲直りしよう。
「兄様、だいじょうー」
大丈夫ですよ、と声をかけるつもりが、私は止まってしまった。
兄様が泣いてる。
いつも冷静な兄様が、静かに涙を流してる。
「ディア、兄様はカッコ悪いね。妹のことも守れずに、1人で泣いて。お兄ちゃん、失格だね。」
私を安心させようとしてるみたいに、兄様がニコッと微笑む。
まるで、全てを諦めたかのように。
だめだ、私がなんとかしなくちゃ。
「兄様、兄様はカッコ悪くなんてない!私の自慢な兄様だよ!」
私は少年をそっと寝かせ、兄様の隣に座る。
「あのね、この世に完璧な人間なんていないって、パパが言ってた。みんな違うから、この世を成り立つんだって。なんでもできる人間なんていないし、成長するためにはいろんな大変なことをしなくちゃいけない。」
私は兄様のことをまっすぐ見つめる。
揺れている兄様の瞳を、まっすぐと。
「だからね、自分のことを責めないで。兄様は私の大切な兄様なんだから!だから…お兄ちゃん失格とか、言わないで…」
一番大切な部分を言う時には、私も兄様と一緒に泣いていた。
「ディア…そうだね。ありがとうね。もう大丈夫だから、泣かないで。」
そう言いながらも、兄様はもっと涙を流していた。
「ルナ!」
ルーチェに名前を呼ばれた気がするけど、今はこの子を助けなくちゃ。
「大丈夫!?」
苦しそう。
立ったまま意識を失ってる。
このままじゃ、ここにいる人たちも、この子も、死んでしまう。
私になんとかできないかな。
解決策を考えていると、ふと、ティアラを作るときに自分がつぶやいた言葉を思い出した。
平和。
こんな小さくて弱いけど、何かできるかもしれない。
私は少年の手を握ると、瞳を閉じた。
お願い、奇跡起きて!
『プローディギウム サナーレ』
強く願っていると、口から聞いたこともない言葉が出てきた。
ティアラが白く光、その光は優しく少年のことを包んだ。
私今、なんて言ったの?
少年から溢れ出ていた闇のオーラをだんだんと小さくなり、立ちながら気を失っていた少年が前に倒れてきた。
「わっ!」
急いで受け止めると、オークション会場の入り口が勢いよく開いた。
あ、ちゃんとした入口があったんだ。
「「ディア!」」
「兄様!?パパ!?」
なんで2人がここに…?
一瞬で私の隣にテレポートしてきたパパと兄様に、思いっきり抱きしめられた。
「急にびっくりしたんだよ!?ブティックから突然消えて…一瞬ディアを永遠に無くしたと思ってっ!怪我はしてない?」
「ライオスが血相を抱えて執務室に来たんだ。どれだけ驚いたことか。ディアが消えたと。何かあったかもしれないと言われ、一瞬、大切な、大切な娘を、また守れなかったとどれだけ思ったことか…」
2人は泣きそうな顔をしながら、私のことを強く抱きしめた。
こんなこと言われたら、こっちまで泣けてくるじゃない。
でも泣いちゃダメだ。私はお姉ちゃんなんだから。
「ごめんなさい。パパ、兄様、とりあえずこの子を治療しなくちゃ。私は無事だから。」
ニコッと微笑み、私は兄様の手を掴んでオークション会場を出た。
パパは後片付けをしなくちゃいけないらしい。
少年を隣に座らせ、私と兄様は向かい合わせに座った。
「…ディア、ごめん。ごめんね。」
何度も謝られる。けど、顔が見れない。
いや、いつかは向き合わなくちゃいけなくなるんだから。今のうちに仲直りしよう。
「兄様、だいじょうー」
大丈夫ですよ、と声をかけるつもりが、私は止まってしまった。
兄様が泣いてる。
いつも冷静な兄様が、静かに涙を流してる。
「ディア、兄様はカッコ悪いね。妹のことも守れずに、1人で泣いて。お兄ちゃん、失格だね。」
私を安心させようとしてるみたいに、兄様がニコッと微笑む。
まるで、全てを諦めたかのように。
だめだ、私がなんとかしなくちゃ。
「兄様、兄様はカッコ悪くなんてない!私の自慢な兄様だよ!」
私は少年をそっと寝かせ、兄様の隣に座る。
「あのね、この世に完璧な人間なんていないって、パパが言ってた。みんな違うから、この世を成り立つんだって。なんでもできる人間なんていないし、成長するためにはいろんな大変なことをしなくちゃいけない。」
私は兄様のことをまっすぐ見つめる。
揺れている兄様の瞳を、まっすぐと。
「だからね、自分のことを責めないで。兄様は私の大切な兄様なんだから!だから…お兄ちゃん失格とか、言わないで…」
一番大切な部分を言う時には、私も兄様と一緒に泣いていた。
「ディア…そうだね。ありがとうね。もう大丈夫だから、泣かないで。」
そう言いながらも、兄様はもっと涙を流していた。
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