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11話
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ガンッ ガッ
誰もいない訓練場で2つの木刀がぶつかり合い音を立てる。あれから半年が過ぎ、俺は毎日の様に訓練に打ち込んだ。
「ハァハァ……っ降参です…」カインは呼吸を乱しながら木刀を地面に置き両手を上げた。
「体調でも悪いのか?」
最近カインは俺との手合わせで降参をするようになった。どこか体調が優れないのかと心配し声をかけた。
「……将軍がここ半年で急成長をし過ぎなんですよ。」息を整えながらカインは言うので俺はきょとんとした顔で「そうか?」と首を傾げた。
「そうですよ!!前までは僕が勝ってたのに、最近じゃ連敗してますよ!」俺の両肩をガシッと掴まえて、強さの秘訣を教えてくださいと目を光らせて言ってくるので俺はクスッと笑い、カインの頭をくしゃくしゃと撫でながら「食事と睡眠を取る事」と教えた。
「僕も毎日食べて寝てますよ」とカインは膨れっ面で言ったので俺は笑ってしまった。
本当は手にマメができるほど沢山訓練を行った。筋力をつけるために森の中を走ったり、相手が欲しい時は俺を忌み嫌う兵士にお願いをして手合わせをしてもらったりと血のにじむ努力を毎日行い生前の感覚を取り戻してきたが、まだまだ未熟な部分が多かった。
「カインは……まだまだゆっくりでいいと思うぞ」笑い過ぎて出てきた涙を拭いながら俺はアドバイスをした。
「僕は……遅れをとってるみたいで嫌です……、」
「……俺はなカイン。早くグレンの背中に追いつきたいんだ…。あの頃みたいに一緒に肩を並べて敵を倒したり、酒を飲みながら楽しく談笑したい。だから…訓練は俺にとって貴重な時間なんだ。」手にできたいくつものマメを眺めながら答えた。
「……」カインが黙り込んでしまい、俺は慌てて話題を別の方向へ逸らした。
「そ、そういえばカインは好きな奴いないのか……?」
咄嗟の質問にカインは驚いていたが、間を置きながらも答えてくれた。
「セドリック軍団長」と…。
「………………え?」
俺はカインの発言に驚きが隠せずもう一度聞き返した。
「カイン。好きな奴は……」
今度はカインがきょとんとした顔でー
「セドリック軍団長です。」と答えた。
城内で知らない人はいない王子の右腕と言われている冷徹な軍団長。確か噂では、王子に仕えている使用人を殺したとか何とか言われている。
「…セドリック軍団長のどこが好きなんだ……?」
「カッコよくて強い、それに…意外と知られてないんですが仲間思いなんですよ!」と目をキラキラさせながら言うカインに俺は思わず疑ってしまった。
俺を兵舎に案内していた時には不機嫌で愛想が悪かったのに対し、カインが言っているセドリック軍団長は偽物かと思うほど正反対だった。
「……僕の憧れの人です」少し照れ臭そうに言うカインに俺は憧れの方の好きだったのかとホッとしてしまった。
誰もいない訓練場で2つの木刀がぶつかり合い音を立てる。あれから半年が過ぎ、俺は毎日の様に訓練に打ち込んだ。
「ハァハァ……っ降参です…」カインは呼吸を乱しながら木刀を地面に置き両手を上げた。
「体調でも悪いのか?」
最近カインは俺との手合わせで降参をするようになった。どこか体調が優れないのかと心配し声をかけた。
「……将軍がここ半年で急成長をし過ぎなんですよ。」息を整えながらカインは言うので俺はきょとんとした顔で「そうか?」と首を傾げた。
「そうですよ!!前までは僕が勝ってたのに、最近じゃ連敗してますよ!」俺の両肩をガシッと掴まえて、強さの秘訣を教えてくださいと目を光らせて言ってくるので俺はクスッと笑い、カインの頭をくしゃくしゃと撫でながら「食事と睡眠を取る事」と教えた。
「僕も毎日食べて寝てますよ」とカインは膨れっ面で言ったので俺は笑ってしまった。
本当は手にマメができるほど沢山訓練を行った。筋力をつけるために森の中を走ったり、相手が欲しい時は俺を忌み嫌う兵士にお願いをして手合わせをしてもらったりと血のにじむ努力を毎日行い生前の感覚を取り戻してきたが、まだまだ未熟な部分が多かった。
「カインは……まだまだゆっくりでいいと思うぞ」笑い過ぎて出てきた涙を拭いながら俺はアドバイスをした。
「僕は……遅れをとってるみたいで嫌です……、」
「……俺はなカイン。早くグレンの背中に追いつきたいんだ…。あの頃みたいに一緒に肩を並べて敵を倒したり、酒を飲みながら楽しく談笑したい。だから…訓練は俺にとって貴重な時間なんだ。」手にできたいくつものマメを眺めながら答えた。
「……」カインが黙り込んでしまい、俺は慌てて話題を別の方向へ逸らした。
「そ、そういえばカインは好きな奴いないのか……?」
咄嗟の質問にカインは驚いていたが、間を置きながらも答えてくれた。
「セドリック軍団長」と…。
「………………え?」
俺はカインの発言に驚きが隠せずもう一度聞き返した。
「カイン。好きな奴は……」
今度はカインがきょとんとした顔でー
「セドリック軍団長です。」と答えた。
城内で知らない人はいない王子の右腕と言われている冷徹な軍団長。確か噂では、王子に仕えている使用人を殺したとか何とか言われている。
「…セドリック軍団長のどこが好きなんだ……?」
「カッコよくて強い、それに…意外と知られてないんですが仲間思いなんですよ!」と目をキラキラさせながら言うカインに俺は思わず疑ってしまった。
俺を兵舎に案内していた時には不機嫌で愛想が悪かったのに対し、カインが言っているセドリック軍団長は偽物かと思うほど正反対だった。
「……僕の憧れの人です」少し照れ臭そうに言うカインに俺は憧れの方の好きだったのかとホッとしてしまった。
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