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第一試験はおもてなし
まず極めるは自分。
しおりを挟むその日、自分の邸宅へ変えると、
自分付きのメイドを全て部屋へ呼び出した。
「と言うことで1週間後、あなた方には皇后陛下のお茶会に付き添い、おもてなしの手伝いをしていただきます」
そのセリフを聞いたメイドたちは歓喜の声をあげる。
皇后陛下のお茶会なんて普通メイドの身分では行けない。
行けるのはせいぜい付き人で許される一名くらいだ。
それが給仕とはいえ、この部屋にいる全員が皇后陛下のお茶会へ参加できると言うのだ。
妙齢の女性のメイドたちが喜ぶのも当然だった。
しかしうかれてもらっては困る。
これは修学旅行ではないのだ、自分の…いやレフレイムの未来がかかっている話だ。
私は手をパンパンと二回たたき彼女たちを黙らせる。
「ただし!これはレフレイム家の問題でもあります。
万一小さなミス一つでも起こしたら、その者はその日を限りに首!
即刻この屋敷から出て行ってもらいます!」
このセリフを言った途端、さっきの雰囲気はどこへやら、一気に空気が凍った。
当然のことしか言っていないのに、なぜ黙るのかは理解できないが、まあいい。
やることをやってもらえれば。
そして私は言葉を繋げる
「そして、当日は完璧な人間が求められます。
なのでこの1週間で一ミリでも何か間違えるようなことがあればお仕置き
3回のお仕置きで1月の謹慎を言い渡します!
もちろんお茶会へは参加させませんのでそのおつもりで。」
今度は悲鳴をあげる。
中には隣の人と抱き合って震えているメイドもいた。
当然だ、完璧なレフレイム家の娘だと印象付けなければいけないのだ。
ちなみにだけれど、完璧じゃなければいじめるのはメイドに対しても同じである。
能力が低いメイドは見ているだけでイラつくのでさっさと首を切っている。
私がクビだといえばクビだ。
皆もしかしたら、それを理解しているから怯えているのかもしれない。
まぁ、そんなことは知ったことではないけれど。
そんなことを考えていると1人のメイドがおずおずと質問をしてきた。
「ところで、試験では何をなされるおつもりで?」
あぁ、そうか。
内容によってはメイドたちが練習したり作業したりしなければいけないことがあるから
お茶会で何をするのか、気になるのは当然か。
とはいえ、まだ決めかねている状況だ。
「それはこれから決めるわ、あなた方の心配するところではないわ。
追って連絡をするから待っていてちょうだい。」
と言いくるめた。
嘘ではない事実だ。
とりあえず今できることをメイドたちにはやってもらおう。
まずは当日の衣装問題だ。
「まず明日、お茶会へ行く支度の準備を行います!
町に降りて衣装の準備を行いますので、アメリア初め3名はその準備をしておくように!」
そう言って、手をパン!と一度叩くと
メイドたちは蜘蛛の子を散らすように通常勤務へと戻っていった。
でも本当に、課題はどうしましょうかしら……
明日、街に行けば何かヒントがあるかもしれない。
それにかけましょう。
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