転生前から生粋の悪役令嬢は、百合ヒロインから逃亡したい!

木東

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第一試験はおもてなし

存在した試験官、二次試験の案内

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一瞬執事かと思ったけれど、それにしては若すぎた。
年齢はどんなにとっていても20歳そこそこだろう。

その男性はお辞儀をしてこう述べた。

「私が今回のお后様選定試験の試験官ハロルド・バルタと申します。
以後お見知り置きを。」

それを聞いて私たちは驚きました。

この試験…試験官なんておりましたのね。

よくよく考えれば皇太子殿下や皇后殿下にこの後も試験のたびに見ていただくわけにもまいりませんものね。

ハロルドと名乗った彼は、私たちの驚いている顔など気に求めず、胸元からメモ帳を取り出すと、それを読み上げました。

「それでは二次試験の方ですが、シンプルに皆様には皇太子殿かの『視察』にご同行いただきます。」

「し…視察…ですか?」

「その通りです。そこで皆様がどう対応されるのか見させていただきます。」

今回のお茶会とは違って内容が至ってシンプルですが、皇族になるのであれば避けては通れない重要なことですわ。
皇族は常に地方を飛び回り、教会、孤児院、学校、施設、農地、鉱山など、さまざまなところへ赴いては現状確認改善案を模索し、時には国外へ出て交流をし国交を維持するための公務。

なるほど、二次試験はかなり重要になりますわね。

「視察って…どちらまでですの?」

これがとても重要、場所によって私たちの行動や振る舞いが決まって参ります。
だから試験官ハロルドの答えを待ちました。

「今回は『サバラマ』地方までご同行いただきます。」

「さ…サバラマですの!?」

「あの地域は確か今『アメレズ』が流行っているはずでは」

私とリーブ様はその地方のことを聞いただけでピンときて、口元を押さえてこ事の重要性に驚いた。
その地域へ行くということは、視察する施設を聞く必要性はございません。

ハロルドはそんな私たちにこう言いました。

「流行の病は確かに広がっている地域ではありますが、予防薬を打てば問題ない部類の病ですし
然るべき処置を行えば治る病気ではあります。」

そんなこと当然知っております。
しかし、だからと言ってかかりたい病でもございません。

事前準備がかなり大事になってまいりますわ。
そんな私たちの慌てっぷりをを見て、キョトンとした表情のリリー様は無邪気に質問をしようとした。

「ならばなぜ…」

「リリー様、その先を聞くことは賢い判断とは思えませんわ」

その様なアンポンタンな質問を皇后陛下の御前でしてしまっては
せっかくの今日の功績が全てダメになってしまいますわ。

だって、きっとリリー様が訪ねたかったのはこういうことなのでしょう。

『なぜ治療法や予防薬があるのに、伝染病が流行るのか』と。

こんなの、普通に勉強しておりましたら聞くまでもない。
予防薬なんてかなり高価な代物、手が出せるのはごく一部の金持ちだけ。

それでも首都分は行き渡るのでしょうが、サバラマは北の極地。
とてもじゃないですけれど、手が出せない上に薬を運ぶにはかなりの手間と時間がかかってしまう。

だから、毎年必ず流行るかどうかもわからない薬を、毎年毎年取り寄せるわけにもいかないし
こちら側も.、予防薬を寄付するわけにもいかないのです。

だから毎回最初に流行り病の被害に遭ってしまうのですけれど。

「それで滞在期間は?」

「今回は病の被害情報を確認し、こちらから寄付する薬の種類と量を決めるのが目的です。
なので滞在期間は一泊二日、来週の週末からの予定です。」

「私たちは何をすればよろしいのですの?」

「それは皆様次第です。
どちらにしても万全な準備をして当日をお迎えください」

そういうとハロルドはお辞儀をした。


皇后陛下はそれをみると手をパンパンと2回たたき

「皇妃になっても、これはとても重要なことです。
皆様の次の活躍も期待していますよ」

とわたしたちに激励を下さった後、この場は解散となりました。


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