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第二の試験は危険区域
嵐の前にも
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「ローズ様!せっかくのお出かけだと言うのに何を読んでいらっしゃいますの?」
サバラマに向かう途中の馬車の中
私が事前にいただいた資料を読んでいると、お隣に座られておたリリー様が資料を取り上げ、
私に声をかけて参りました。
「り…リリー様…」
「紙なんか睨めっこしていないで、一緒にこの素晴らしい景色を見ましょうよ!」
リリー様はつまらないとでもいうように頬を膨らませて怒るのですが、
私も負けじと眉を顰め、思いっきりその資料を取り上げる。
「リリー様、これはこれから行くサバラマとアメレズの資料です。
私たちは遊びに行くわけではございませんのよ?地域に入る前に事前準備をするのは当然のことですわ。」
これから行くのは流行り病が蔓延している危険区域。
領主と話すだけではございません、病院やそこの施設に入りきれなかった人々の様子を見に教会へ行くのです。
遊びに行く気分でいては、現地の方々に迷惑をかけますし危険なのは自分。
「全く、ライレイニの妃候補の令嬢が聞いて呆れますわね」
私は脚を組み直すと、またその資料に目を落とす。
聖4貴族の一員であれば、この程度のこと理解できていて当然のはずなのに、
この前皇后陛下にいただいた評価も打ち消されてしまうレベルです。
しかも「えへへ」と笑って
「だって…ローズ様と遠出するの初めてなんですもの。満喫したいじゃないですか。」
と言って、またべったり私の腕にしがみつく始末。
頭が痛いですわ。
「遊びに行くのではないとお伝えしたのですが伝わりませんでした?
まぁ、リリー様のそのオツムではいか言い手だけないでしょうね。」
嫌味満載の言葉で言ったはずなのに、リリー様がなぜか目を輝かせている。
ダメですわ、もう彼女の病気はきっと治りませんですわ。
私がため息を吐くと一緒に乗っていた皇太子殿下とリーブ様がまあまあと私を宥めました。
「まぁまぁ、とはいえ君達もただでさえ試験ということでピリピリしているというのに
試験内容が危険区域の視察なんだ、少し雑談するくらい問題ないだろう」
「まある程度の知識は入っておりますしまだ到着までもう少しかかりますわ
少しくらい話してもバチは当たりませんわよ」
「それに最近ガーデンの方で忙しくて、君たちと会うのは久しぶりなんだからいいじゃないか。
妃候補と皇太子の間柄とはいえ古くからの付き合いなのも確かだし、話すのも久しぶりだし」
そう言って私を宥めるお二人。
そんなに無理に取り繕わなくてもいいのに。
しかし、やはりそれではいけないと思うので、私はその提案を無視して資料に目を落としました。
これで馬車の中も静かになるかと思ったのだけれど…
「そんな冷たいローズ様も素敵です」
「リリーは本当にローズのことが好きだね」
「えぇ、もうそれはもう、この世界中の誰よりも押したいしておりますわ」
「一体なぜそこまでお好きになられたのです?」
「そんなの…語り尽くせませんわ」
「と言うより、現地到着したら僕は君たちとは別行動で仕事しないといけないからさ
ちょっとくらい話したいんだよね。」
「それが本音ですわね。」
そんな甘ったれたことでどうするのかと思ったけれど、もう出発して何時間も経っている。
そのうちの数分くらいおしゃべりをしてもバチは当たらないかもしれません。
「わかりましたわ、
何時間もの移動の中の数分くらい、なんてことないかもしれませんわね。」
私がそういうと、3人ともホッとしたような笑顔を浮かべました。
「それにしても、殿下のお仕事に3人もついていくことになって申し訳ございません。」
「僕は予定通り仕事行くだけだから。
こちらこそ、危険区域の視察なんかに突き合わせて申し訳ない。
それより、この前のガーデンの試験はどうだった?」
「リリー様の水芸が素晴らしかったのですよ」
そして、ついにはそんな私を気にも止めないで私以外の3人で会話を始めました。
全く、これから行く場所のことをちゃんと把握してらっしゃるのかしら、この方々は
それから数時間たち、ようやくサバラマの地に到着した。
サバラマに向かう途中の馬車の中
私が事前にいただいた資料を読んでいると、お隣に座られておたリリー様が資料を取り上げ、
私に声をかけて参りました。
「り…リリー様…」
「紙なんか睨めっこしていないで、一緒にこの素晴らしい景色を見ましょうよ!」
リリー様はつまらないとでもいうように頬を膨らませて怒るのですが、
私も負けじと眉を顰め、思いっきりその資料を取り上げる。
「リリー様、これはこれから行くサバラマとアメレズの資料です。
私たちは遊びに行くわけではございませんのよ?地域に入る前に事前準備をするのは当然のことですわ。」
これから行くのは流行り病が蔓延している危険区域。
領主と話すだけではございません、病院やそこの施設に入りきれなかった人々の様子を見に教会へ行くのです。
遊びに行く気分でいては、現地の方々に迷惑をかけますし危険なのは自分。
「全く、ライレイニの妃候補の令嬢が聞いて呆れますわね」
私は脚を組み直すと、またその資料に目を落とす。
聖4貴族の一員であれば、この程度のこと理解できていて当然のはずなのに、
この前皇后陛下にいただいた評価も打ち消されてしまうレベルです。
しかも「えへへ」と笑って
「だって…ローズ様と遠出するの初めてなんですもの。満喫したいじゃないですか。」
と言って、またべったり私の腕にしがみつく始末。
頭が痛いですわ。
「遊びに行くのではないとお伝えしたのですが伝わりませんでした?
まぁ、リリー様のそのオツムではいか言い手だけないでしょうね。」
嫌味満載の言葉で言ったはずなのに、リリー様がなぜか目を輝かせている。
ダメですわ、もう彼女の病気はきっと治りませんですわ。
私がため息を吐くと一緒に乗っていた皇太子殿下とリーブ様がまあまあと私を宥めました。
「まぁまぁ、とはいえ君達もただでさえ試験ということでピリピリしているというのに
試験内容が危険区域の視察なんだ、少し雑談するくらい問題ないだろう」
「まある程度の知識は入っておりますしまだ到着までもう少しかかりますわ
少しくらい話してもバチは当たりませんわよ」
「それに最近ガーデンの方で忙しくて、君たちと会うのは久しぶりなんだからいいじゃないか。
妃候補と皇太子の間柄とはいえ古くからの付き合いなのも確かだし、話すのも久しぶりだし」
そう言って私を宥めるお二人。
そんなに無理に取り繕わなくてもいいのに。
しかし、やはりそれではいけないと思うので、私はその提案を無視して資料に目を落としました。
これで馬車の中も静かになるかと思ったのだけれど…
「そんな冷たいローズ様も素敵です」
「リリーは本当にローズのことが好きだね」
「えぇ、もうそれはもう、この世界中の誰よりも押したいしておりますわ」
「一体なぜそこまでお好きになられたのです?」
「そんなの…語り尽くせませんわ」
「と言うより、現地到着したら僕は君たちとは別行動で仕事しないといけないからさ
ちょっとくらい話したいんだよね。」
「それが本音ですわね。」
そんな甘ったれたことでどうするのかと思ったけれど、もう出発して何時間も経っている。
そのうちの数分くらいおしゃべりをしてもバチは当たらないかもしれません。
「わかりましたわ、
何時間もの移動の中の数分くらい、なんてことないかもしれませんわね。」
私がそういうと、3人ともホッとしたような笑顔を浮かべました。
「それにしても、殿下のお仕事に3人もついていくことになって申し訳ございません。」
「僕は予定通り仕事行くだけだから。
こちらこそ、危険区域の視察なんかに突き合わせて申し訳ない。
それより、この前のガーデンの試験はどうだった?」
「リリー様の水芸が素晴らしかったのですよ」
そして、ついにはそんな私を気にも止めないで私以外の3人で会話を始めました。
全く、これから行く場所のことをちゃんと把握してらっしゃるのかしら、この方々は
それから数時間たち、ようやくサバラマの地に到着した。
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