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第三は試験と謎解き
カリズ・ルネ
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翌日、私は早朝にアカデミーへ登校すると、
問題の玄関ホールの絵画の前に立ち止まって眺めていた。
「盗まれた絵画は…こちらですわね」
一見なんの変哲もない、ただの風景画。
花畑に一見小屋が立っていて、そこに女性がいる。
私、宝石や素材、などのそう言ったものはなかなか目利きだと自負しいておりますし、
音楽の良し悪しもよく理解ができますわ。
正確に値段を当てることも、価値を感じることもできます。
しかし絵画だけは…どうにも理解ができません。
唯一の弱点と言っても差し支えございませんわ。
これは前世からそうなのです、美術館へ連れて行かれても何がいいのかわかりませんし
絵画に近づいて見ていらっしゃる方を見ても、近くで何分も絵を見て何がわかるのかと…思ったものですわ。
タッチで作者を見分けるなんて無理ですわ。
一体この絵のどこがそんなにいいのでしょう…
高価なものを盗んで売る…ということは高価なものってこのなのでしょうけど…
この絵画のどこがそんなに…理解に苦しみますわ。
この絵画だって、普段ならじっくり見ずに通り過ぎていましたもの。
額縁の素材がとても高価なものを使っていて、細工が細かいということだけはわかりますけれど…。
大きなキャンパスに描くと、高くなるのかしら…なんて、そんな単純なものではないわね。
ダイヤだって大きい小さいで値段が決まるわけじゃ…
「そう言えば…これ、大きい絵画よね…かなり重そうだけれど…」
怪盗ジャックって…一人なのかしら。
いいえ、人数の問題ではないわ。
この絵画、そんなに軽いものではないし…軽かったとしても取り外すのには時間がかかるわ。
事件が解決されてこの絵画が架けられているということは、事件解決後絵画は返却されたということ。
でも、どこも傷をつけていないわ。
かなり丁重に扱った証拠ね、一人でできることではないわ。
従業員室へ行ってちょっと話を聞いてみましょう。
それでこの絵のことが何かわかるかもしれませんわ。
しばらく歩いて従業員の控室までたどり着くと、私は扉をノックし開けてもらう。
中には3人の中年の女性の従業員が立って扉の近くまで歩いてきた。
こんなに朝早くからご苦労なことね。
「どうしたの?」
ちなみに、今更ですけれど本来であれば身分が自分より上の方には
年齢なく敬語を使うのが当たり前でございます。
しかしそれでは授業に差し障りがあるということで、この学園にいる間だけは先生・従業員は生徒たちに敬語を使わなくても良いというルールが課されています。
だから、このようないわゆるタメ語を使われても問題はないのです。
「すみません、あの玄関ホールの絵画のことを少し伺いたいの。」
「あら、レフレイムの令嬢様は『カリズ』のファンなのですか?お目が高い」
「カリズ?」
「『カリズ・ルネ』ですよ!あの有名な画家の!」
「あぁ…」
確か、この国の芸術を盛んにさせたルネ家の創始者よ。
彼がいたから、この国の芸術には価値があると諸外国に認めさせることができたという
なるほど、合点が入ったわ。
ルネ家は代々芸術家の家系で、あの家から有名な画家はたくさん排出されているわ。
確かに、それだけで盗むだけの価値はありそうね
「そのルネ家の絵画が、なぜアカデミーに飾られているの?」
「卒業生の贈り物ですよ、お世話になったからと。」
「贈り物?卒業生って…ルネ家の?」
「そうです、マルゴット・ルネという生徒の。」
「校長先生があの絵を見て大層気に入られて、玄関ホールに飾ったのよね。」
なるほど、それでルネ家なんて芸術家の中でも有名な家の絵が
アカデミーのホールなんかに飾られているのね。
「大変だったのよ、あんなに大きな絵画を送るものですから、
何人もの作業員が来て、慎重かつ丁寧に玄関に飾ったのよね…」
「それ…作業は何人くらいで」
「10人はいなかったと思うけど…」
「盗まれて絵画を取り戻した後は、確か7・8人で作業していた気がするね」
やはり、一人でというわけには行かなさそうね。
飾るときに大人数で作業しているということは、外すときも同程度の人数がいるはずよ。
怪盗ジャックというのは団体の名前で複数人いた…?
それともジャックの手下?
一応詳しく聞いてみようかしら。
「みなさん、絵画が盗まれた時のことはご存知で?」
「もちろん、もうここで何年も働いているからわかるよ。」
「普段は誰もあの絵を見ないくせに、なくなったらみんなその周りに集まってザワザワしてたっけね」
「あんたが朝っぱらから騒いだのが原因だろ?『怪盗が出た!』ってね」
なるほど、彼女一人が騒いだのが皆に知られてしまったのね。
そうだ、先生から役に立てばとあの怪盗からの手紙もらってきたのよね。
彼女に聞いてみようかしら。
問題の玄関ホールの絵画の前に立ち止まって眺めていた。
「盗まれた絵画は…こちらですわね」
一見なんの変哲もない、ただの風景画。
花畑に一見小屋が立っていて、そこに女性がいる。
私、宝石や素材、などのそう言ったものはなかなか目利きだと自負しいておりますし、
音楽の良し悪しもよく理解ができますわ。
正確に値段を当てることも、価値を感じることもできます。
しかし絵画だけは…どうにも理解ができません。
唯一の弱点と言っても差し支えございませんわ。
これは前世からそうなのです、美術館へ連れて行かれても何がいいのかわかりませんし
絵画に近づいて見ていらっしゃる方を見ても、近くで何分も絵を見て何がわかるのかと…思ったものですわ。
タッチで作者を見分けるなんて無理ですわ。
一体この絵のどこがそんなにいいのでしょう…
高価なものを盗んで売る…ということは高価なものってこのなのでしょうけど…
この絵画のどこがそんなに…理解に苦しみますわ。
この絵画だって、普段ならじっくり見ずに通り過ぎていましたもの。
額縁の素材がとても高価なものを使っていて、細工が細かいということだけはわかりますけれど…。
大きなキャンパスに描くと、高くなるのかしら…なんて、そんな単純なものではないわね。
ダイヤだって大きい小さいで値段が決まるわけじゃ…
「そう言えば…これ、大きい絵画よね…かなり重そうだけれど…」
怪盗ジャックって…一人なのかしら。
いいえ、人数の問題ではないわ。
この絵画、そんなに軽いものではないし…軽かったとしても取り外すのには時間がかかるわ。
事件が解決されてこの絵画が架けられているということは、事件解決後絵画は返却されたということ。
でも、どこも傷をつけていないわ。
かなり丁重に扱った証拠ね、一人でできることではないわ。
従業員室へ行ってちょっと話を聞いてみましょう。
それでこの絵のことが何かわかるかもしれませんわ。
しばらく歩いて従業員の控室までたどり着くと、私は扉をノックし開けてもらう。
中には3人の中年の女性の従業員が立って扉の近くまで歩いてきた。
こんなに朝早くからご苦労なことね。
「どうしたの?」
ちなみに、今更ですけれど本来であれば身分が自分より上の方には
年齢なく敬語を使うのが当たり前でございます。
しかしそれでは授業に差し障りがあるということで、この学園にいる間だけは先生・従業員は生徒たちに敬語を使わなくても良いというルールが課されています。
だから、このようないわゆるタメ語を使われても問題はないのです。
「すみません、あの玄関ホールの絵画のことを少し伺いたいの。」
「あら、レフレイムの令嬢様は『カリズ』のファンなのですか?お目が高い」
「カリズ?」
「『カリズ・ルネ』ですよ!あの有名な画家の!」
「あぁ…」
確か、この国の芸術を盛んにさせたルネ家の創始者よ。
彼がいたから、この国の芸術には価値があると諸外国に認めさせることができたという
なるほど、合点が入ったわ。
ルネ家は代々芸術家の家系で、あの家から有名な画家はたくさん排出されているわ。
確かに、それだけで盗むだけの価値はありそうね
「そのルネ家の絵画が、なぜアカデミーに飾られているの?」
「卒業生の贈り物ですよ、お世話になったからと。」
「贈り物?卒業生って…ルネ家の?」
「そうです、マルゴット・ルネという生徒の。」
「校長先生があの絵を見て大層気に入られて、玄関ホールに飾ったのよね。」
なるほど、それでルネ家なんて芸術家の中でも有名な家の絵が
アカデミーのホールなんかに飾られているのね。
「大変だったのよ、あんなに大きな絵画を送るものですから、
何人もの作業員が来て、慎重かつ丁寧に玄関に飾ったのよね…」
「それ…作業は何人くらいで」
「10人はいなかったと思うけど…」
「盗まれて絵画を取り戻した後は、確か7・8人で作業していた気がするね」
やはり、一人でというわけには行かなさそうね。
飾るときに大人数で作業しているということは、外すときも同程度の人数がいるはずよ。
怪盗ジャックというのは団体の名前で複数人いた…?
それともジャックの手下?
一応詳しく聞いてみようかしら。
「みなさん、絵画が盗まれた時のことはご存知で?」
「もちろん、もうここで何年も働いているからわかるよ。」
「普段は誰もあの絵を見ないくせに、なくなったらみんなその周りに集まってザワザワしてたっけね」
「あんたが朝っぱらから騒いだのが原因だろ?『怪盗が出た!』ってね」
なるほど、彼女一人が騒いだのが皆に知られてしまったのね。
そうだ、先生から役に立てばとあの怪盗からの手紙もらってきたのよね。
彼女に聞いてみようかしら。
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