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第3章 不信な隣国
第37話 もう一組の冒険者
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僕達が次の依頼を受領してから五日目の朝が来た。
集合時間は正午、場所は王都の東門。
目的地である隣国のアムスポリスまでの要人警護が今回の仕事だ。
僕達は王都での拠点としている宿で朝食を摂りながら、今回の依頼に関して話し合っていた。
「僕もアムスポリスに行くのは初めてで、人間至上主義国家として有名と言う事しか判っていない。
とにかく二人は人化を解く事が無い様に心掛けて欲しい」
「そこまで神経質になる事なのですか?」
「ギルドで聞いた話では、その国では純血の人族以外の亜人種や、亜人との混血の人間は奴隷として扱われるらしい。
入国審査も厳しいらしく、その時点で純血の人族でないと判明した場合は入国出来ないばかりか、下手をするとその場で奴隷として捕まる事もあるみたいだ。
出来れば旅の途中で息抜きに元の姿に戻るのも遠慮して貰いたい」
僕の説明に、サキは従順に承知してくれたが、レイアは難色を示した。
「窮屈な思いをさせて申し訳ないけど、今回だけは我慢してくれないかな?
今後はこの国の依頼は受けない様にするからさ」
僕が未だに納得しかねているレイアへ、両手を合わせながら熱心に説得すると、
「今回だけですからね!」と渋々承諾して貰う事が出来た。
「二人共本当にご免ね。
何しろアムスポリスの事情を知ったのが依頼を受けた後だったんだよ。
報酬が一人当たり金貨10枚なんて何かあるとは思ったけど、まさか目的地がこんなに面倒な国だとは思わなくてさ」
僕は二人へ言い訳をすると、もう一度二人へ頭を下げた。
「さて、約束の時間までまだ少しあるけど、そろそろ出発しようか」
僕が言うと、二人は僕に続いて宿を出発した。
僕達が集合場所の東門へ到着すると、既にもう一組の冒険者達が先に来て待っていた。
「遅れて申し訳ありません。
今回一緒に要人警護の依頼を受けたライルと言います」
僕は相手のリーダーらしい男へ挨拶と自己紹介をした。
「いや、集合時間まではまだ時間がある。俺達が早めに来ていただけだから気にしないでいいよ」
相手の男は僕達を見渡してから各々自己紹介してから軽く雑談をして今回警護する要人の到着を待った。
どうやら相手の冒険者達は皆アムスポリス出身の冒険者で、とある依頼を受けて王都へ来て、帰国するついでに今回の依頼を受けたらしい。
僕が話し掛けた相手の名前はキール。十代後半の男性で、僕が始めに感じた通り他の仲間二人をまとめるリーダーだった。
彼の仲間も皆同じ年代の男性で、赤髪の男がリカルド。長髪の男がゲーニッツと言う名前らしい。
らしいというのも、彼等とは自己紹介した時に軽く会話をしただけで、二人の興味は僕の仲間二人に向けられていたからだ。
現にサキとレイアは二人の相手に苦労している様である。
「なんかご免ね。
あいつ等美人を見つけるといつもああなんだ」
キールの言葉に、僕は乾いた笑いを返す事しか出来なかった。
集合時間は正午、場所は王都の東門。
目的地である隣国のアムスポリスまでの要人警護が今回の仕事だ。
僕達は王都での拠点としている宿で朝食を摂りながら、今回の依頼に関して話し合っていた。
「僕もアムスポリスに行くのは初めてで、人間至上主義国家として有名と言う事しか判っていない。
とにかく二人は人化を解く事が無い様に心掛けて欲しい」
「そこまで神経質になる事なのですか?」
「ギルドで聞いた話では、その国では純血の人族以外の亜人種や、亜人との混血の人間は奴隷として扱われるらしい。
入国審査も厳しいらしく、その時点で純血の人族でないと判明した場合は入国出来ないばかりか、下手をするとその場で奴隷として捕まる事もあるみたいだ。
出来れば旅の途中で息抜きに元の姿に戻るのも遠慮して貰いたい」
僕の説明に、サキは従順に承知してくれたが、レイアは難色を示した。
「窮屈な思いをさせて申し訳ないけど、今回だけは我慢してくれないかな?
今後はこの国の依頼は受けない様にするからさ」
僕が未だに納得しかねているレイアへ、両手を合わせながら熱心に説得すると、
「今回だけですからね!」と渋々承諾して貰う事が出来た。
「二人共本当にご免ね。
何しろアムスポリスの事情を知ったのが依頼を受けた後だったんだよ。
報酬が一人当たり金貨10枚なんて何かあるとは思ったけど、まさか目的地がこんなに面倒な国だとは思わなくてさ」
僕は二人へ言い訳をすると、もう一度二人へ頭を下げた。
「さて、約束の時間までまだ少しあるけど、そろそろ出発しようか」
僕が言うと、二人は僕に続いて宿を出発した。
僕達が集合場所の東門へ到着すると、既にもう一組の冒険者達が先に来て待っていた。
「遅れて申し訳ありません。
今回一緒に要人警護の依頼を受けたライルと言います」
僕は相手のリーダーらしい男へ挨拶と自己紹介をした。
「いや、集合時間まではまだ時間がある。俺達が早めに来ていただけだから気にしないでいいよ」
相手の男は僕達を見渡してから各々自己紹介してから軽く雑談をして今回警護する要人の到着を待った。
どうやら相手の冒険者達は皆アムスポリス出身の冒険者で、とある依頼を受けて王都へ来て、帰国するついでに今回の依頼を受けたらしい。
僕が話し掛けた相手の名前はキール。十代後半の男性で、僕が始めに感じた通り他の仲間二人をまとめるリーダーだった。
彼の仲間も皆同じ年代の男性で、赤髪の男がリカルド。長髪の男がゲーニッツと言う名前らしい。
らしいというのも、彼等とは自己紹介した時に軽く会話をしただけで、二人の興味は僕の仲間二人に向けられていたからだ。
現にサキとレイアは二人の相手に苦労している様である。
「なんかご免ね。
あいつ等美人を見つけるといつもああなんだ」
キールの言葉に、僕は乾いた笑いを返す事しか出来なかった。
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