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第3章 不信な隣国
第40話 懲りない王女
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僕達は今、王都を出発してから三度目の盗賊の襲撃を受けていた。
始めに盗賊に襲撃された時は、金品目的の襲撃と思ったのでアトス兄さんとケイル兄さんが、盗賊の上役らしい二、三人を痛めつけて追い払ったのだが、どうにも盗賊達の狙いは金品の類いではないらしく、二度目の襲撃の際には同行している女性の身柄を要求してきた。
当然受け入れるまでもなく撃退した訳だが、今回も性懲りも無く再び襲撃して来たので、キールさん達と、兄さん達が盗賊達を迎撃していた。
僕は後方でアリー姫の警護をしている。
これは兄さん達が弟である僕を気遣っての処置だった。
当然サキとレイアも僕の両隣で姫の警護をしている。
「それにしてもしつこい奴等だのう」
アリー姫が退屈とばかりに愚痴りだした。
アリー姫も、始めのうちは緊張していたものの、こう二度も三度も続いては流石に退屈して来た様だ。
「アリー姫もあいつらの標的なんですよ。
もう少し緊張感というものが・・・・」
「そう言っても奴等の狙いはそこの二人であろう?
どう見てもそこの二人の方が美しいゆえな」
「貴方は御自分の身分をお忘れですか?」
「まぁ、そうだのう。
そもそも今回の事は私が言い出した事ゆえ多少は責任は感じておる。
だが、今回の依頼は父様も了承している国の大事ゆえ最後までよろしく頼む」
と、アリー様と話しをしているうちに盗賊達は退却していった。
「アトス兄さん、ケイル兄さんお疲れ様でした。キールさん達も御無事な様で良かったです」
僕は一仕事終えて帰って来た二人の兄と、キールさん達へ労いの言葉を掛けて飲み物を渡して行った。
「ああ、姫様も何事も無い様で良かった」
「まぁ、本来は俺達が姫様の警護なんだが、弟を戦わせて兄が二人して観戦している訳にいかないからな」
「本当にお疲れ様でした。
夕食は楽しみにしていて下さいね」
僕はケイル兄さんへ言うと、夕食の準備に取り掛かった。
実は初日の事がキールさん達の耳に入ってからというもの、済し崩し的に僕が皆の食事係に抜擢されてしまったのだ。
「で、今日の夕食はなんだ?」
「今日はグタンの肉で作るハンバーグのデミグラスソース掛けです。
スープはジャガイモのポタージュです」
「はん・ばーぐ?聞いたことの無い料理だな。旨いのか?」
「とにかく用意が出来るまで皆さんと待っていて下さい。
御期待は裏切りませんので」
僕はケイル兄さんに言うと、調理を再開した。
実は昼食後に今回のハンバーグ用にグタンの肉をミンチにしてアイテムボックスへ入れておいたので、あまり時間を掛けることなく九人分の夕食の準備は完了した。
僕が夕食の準備が出来た事を皆に告げると、瞬く間に全員が集まって来た。
「本当にライルの作る食事は旨いな」
「ああ、どれも見たことも無い料理だが、本当に旨い。
冒険者を辞めてもこの道で食って行けるんじゃないか?」
「皆もこう言っておるが、考えは変わらぬか?
其方の兄達よりも好待遇で迎えるぞ」
アリー姫はキールさん達の意見に便乗して再び僕を勧誘してきた。
「何度言われてもお断りします。
あんまりしつこい様では今日で食事当番も辞退させて貰いますよ」
「それは困る!姫様いい加減に致しましょう。
ここで弟に臍を曲げられれば目的地へ着く前に飢え死にしてしまいますよ」
「非常に残念ではあるが、仕方が無いのう」
「判って貰えて良かったです。
一国の姫様と二人の兄を亡くすところでした」
僕が冗談交じりに言うと、アトス兄さんが真剣な表情で話題を変えた。
繰り返される盗賊の襲撃についてだ。
「奴等の狙いはやはり姫の身柄だと思うのだが、ケイルはどう思う?」
「俺も始めは只の盗賊だと考えていたんだが、こうも何度も襲ってくるのは、奴等の目的が姫様にあると考えるのが妥当なところだと思う」
「だが、今回の行動は父様と極限られた者にしか知らされていないはずなのだがのう・・・・・」
「とにかくこの先何があるか判りませんが、十分に気をつけて進みましょう」
アトス兄さんの言葉で今後の方針が決まり、僕達は野営の準備に取り掛かった。
始めに盗賊に襲撃された時は、金品目的の襲撃と思ったのでアトス兄さんとケイル兄さんが、盗賊の上役らしい二、三人を痛めつけて追い払ったのだが、どうにも盗賊達の狙いは金品の類いではないらしく、二度目の襲撃の際には同行している女性の身柄を要求してきた。
当然受け入れるまでもなく撃退した訳だが、今回も性懲りも無く再び襲撃して来たので、キールさん達と、兄さん達が盗賊達を迎撃していた。
僕は後方でアリー姫の警護をしている。
これは兄さん達が弟である僕を気遣っての処置だった。
当然サキとレイアも僕の両隣で姫の警護をしている。
「それにしてもしつこい奴等だのう」
アリー姫が退屈とばかりに愚痴りだした。
アリー姫も、始めのうちは緊張していたものの、こう二度も三度も続いては流石に退屈して来た様だ。
「アリー姫もあいつらの標的なんですよ。
もう少し緊張感というものが・・・・」
「そう言っても奴等の狙いはそこの二人であろう?
どう見てもそこの二人の方が美しいゆえな」
「貴方は御自分の身分をお忘れですか?」
「まぁ、そうだのう。
そもそも今回の事は私が言い出した事ゆえ多少は責任は感じておる。
だが、今回の依頼は父様も了承している国の大事ゆえ最後までよろしく頼む」
と、アリー様と話しをしているうちに盗賊達は退却していった。
「アトス兄さん、ケイル兄さんお疲れ様でした。キールさん達も御無事な様で良かったです」
僕は一仕事終えて帰って来た二人の兄と、キールさん達へ労いの言葉を掛けて飲み物を渡して行った。
「ああ、姫様も何事も無い様で良かった」
「まぁ、本来は俺達が姫様の警護なんだが、弟を戦わせて兄が二人して観戦している訳にいかないからな」
「本当にお疲れ様でした。
夕食は楽しみにしていて下さいね」
僕はケイル兄さんへ言うと、夕食の準備に取り掛かった。
実は初日の事がキールさん達の耳に入ってからというもの、済し崩し的に僕が皆の食事係に抜擢されてしまったのだ。
「で、今日の夕食はなんだ?」
「今日はグタンの肉で作るハンバーグのデミグラスソース掛けです。
スープはジャガイモのポタージュです」
「はん・ばーぐ?聞いたことの無い料理だな。旨いのか?」
「とにかく用意が出来るまで皆さんと待っていて下さい。
御期待は裏切りませんので」
僕はケイル兄さんに言うと、調理を再開した。
実は昼食後に今回のハンバーグ用にグタンの肉をミンチにしてアイテムボックスへ入れておいたので、あまり時間を掛けることなく九人分の夕食の準備は完了した。
僕が夕食の準備が出来た事を皆に告げると、瞬く間に全員が集まって来た。
「本当にライルの作る食事は旨いな」
「ああ、どれも見たことも無い料理だが、本当に旨い。
冒険者を辞めてもこの道で食って行けるんじゃないか?」
「皆もこう言っておるが、考えは変わらぬか?
其方の兄達よりも好待遇で迎えるぞ」
アリー姫はキールさん達の意見に便乗して再び僕を勧誘してきた。
「何度言われてもお断りします。
あんまりしつこい様では今日で食事当番も辞退させて貰いますよ」
「それは困る!姫様いい加減に致しましょう。
ここで弟に臍を曲げられれば目的地へ着く前に飢え死にしてしまいますよ」
「非常に残念ではあるが、仕方が無いのう」
「判って貰えて良かったです。
一国の姫様と二人の兄を亡くすところでした」
僕が冗談交じりに言うと、アトス兄さんが真剣な表情で話題を変えた。
繰り返される盗賊の襲撃についてだ。
「奴等の狙いはやはり姫の身柄だと思うのだが、ケイルはどう思う?」
「俺も始めは只の盗賊だと考えていたんだが、こうも何度も襲ってくるのは、奴等の目的が姫様にあると考えるのが妥当なところだと思う」
「だが、今回の行動は父様と極限られた者にしか知らされていないはずなのだがのう・・・・・」
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