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第2章
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(昨日アベラルドと会ったことで夜に色々考えすぎて眠れなかった。はぁ・・・・・本当に最悪だ)
ラウルは眠たそうに目を擦りながら実技試験の会場である体育館に足を踏み入れた。
(相変わらず体育館もほんとに広いなぁ。確か実技試験は魔法の適性と判断力を見るために1対1の戦闘を行うんだったよな。あいにく俺には治癒魔法が効かないし大怪我だけは避けよう)
多くの受験生が体育館に集まったとき、1人の教師が全体に響き渡るように声を風魔法に乗せて言った。
「皆さん昨日の筆記試験お疲れ様です。本日は実技試験を行います。内容は1対1の模擬戦です。
怪我を負わないよう、護符をお配りします。もし相手の身体に大きなダメージが入った場合その護符が身代わりを受けます。しかしそのダメージが大きければ大きいほど反動で意識を失うこともあるので気をつけてください。
護符が身代わりの効果を発動した時点で試合が終了になります。
模擬戦で負けたからと言って入学試験に落ちる訳ではありませんので安心して今回の試験に挑んでください。」
「では、まずはじめに試合を行う20組を番号で呼ばせていただきます。呼ばれた方はそれぞれ所定の位置についてください。」
そうして20組が番号の名前を呼ばれると、受験生同士が挨拶をして試合が始まった。
(恐らく辺境の地にいる者などを除くと今回魔法で戦ったりするのは初めてだろうな。辺境の地では魔物と戦うことが多くて子供でも命を守るために魔物と戦わなければならない。やっぱり他人が魔法を使って戦う姿は相変わらず魅力的だなぁ。)
ラウルが面白そうに実技試験を見ていると大きな地響きが鳴り響いた。ラウルが鳴り響いたコートを見てみるとそこにはアベラルドと突っ伏した生徒が1人いた。
(ほんとあいつの雷属性の攻撃は威力がすごいなぁ。だから雷魔法だけを極めていて他の属性なんてないと思ったんだけど。まさか闇属性も持ってるとは思いもしなかった・・・・・)
するとラウルの横で試合を観戦してた2人が興奮を抑えきれずに声を弾ませて喋り始めた。
「アベラルド皇子の魔法すごいよなぁ!あんな威力のある魔法撃つ時は神経を研ぎ澄まして撃たないといけないから、最低でも1分は魔法発動に時間がかかるのに。皇子はわずか30秒で魔法を発動させたぞ!」
「流石皇子様ってわけか!護符もダメージが大きかったのか相手の生徒完全に伸びてやがる。俺があの人の相手をしなくて本当に助かった!ははっ!」
(あいつと戦わなくて良かったのは俺も同感だな。)
♦︎
多くの生徒が模擬戦を終えて最後の20組になった。
(なんで俺が最後なんだよ!俺の番いつかな?ってソワソワしてたのに結局呼ばれたの最後じゃないか!)
ラウルがコートに立つと、相手の選手も対面に立った。その人は9歳と思えないほど身長が高く、褐色の肌に銀色の髪をした人物だった。
(うわー・・・・・よりにもよってこいつかよ。流石に誰と試合をしたかなんて覚えてもなかったけど、こいつと性格合わないから嫌なんだよな。ていうかなんで9歳でもう筋肉あるんだよ・・・・・少しは分けてくれ)
ラウルがじっと見ているとその男は急にニヤッと笑ってラウルに話しかけた。
「あーよろしゅう。俺砂漠んとこ出身のニルス=マルティンいうねん。偉い小さい美人さんやけど怪我しても怒らんといてなぁ。」
(あー腹立つ。俺は今割と小さいかもしれないけど歳を取ればそれなりにでかくなるんだよ!それなりにだけど!
こいつは卒業してから、砂漠に戻ったのかどこで何していたのか正直何一つ分からない。)
「ラウル=ベッケラートと言います。よろしく。あなたもこんな小さいやつに怪我をさせられても怒らないでくださいね」
「お綺麗な顔に似合わずえらい好戦的やん。」
ニルスがそう言うと、監督官が合図を出して試合が始まった。
ラウルは眠たそうに目を擦りながら実技試験の会場である体育館に足を踏み入れた。
(相変わらず体育館もほんとに広いなぁ。確か実技試験は魔法の適性と判断力を見るために1対1の戦闘を行うんだったよな。あいにく俺には治癒魔法が効かないし大怪我だけは避けよう)
多くの受験生が体育館に集まったとき、1人の教師が全体に響き渡るように声を風魔法に乗せて言った。
「皆さん昨日の筆記試験お疲れ様です。本日は実技試験を行います。内容は1対1の模擬戦です。
怪我を負わないよう、護符をお配りします。もし相手の身体に大きなダメージが入った場合その護符が身代わりを受けます。しかしそのダメージが大きければ大きいほど反動で意識を失うこともあるので気をつけてください。
護符が身代わりの効果を発動した時点で試合が終了になります。
模擬戦で負けたからと言って入学試験に落ちる訳ではありませんので安心して今回の試験に挑んでください。」
「では、まずはじめに試合を行う20組を番号で呼ばせていただきます。呼ばれた方はそれぞれ所定の位置についてください。」
そうして20組が番号の名前を呼ばれると、受験生同士が挨拶をして試合が始まった。
(恐らく辺境の地にいる者などを除くと今回魔法で戦ったりするのは初めてだろうな。辺境の地では魔物と戦うことが多くて子供でも命を守るために魔物と戦わなければならない。やっぱり他人が魔法を使って戦う姿は相変わらず魅力的だなぁ。)
ラウルが面白そうに実技試験を見ていると大きな地響きが鳴り響いた。ラウルが鳴り響いたコートを見てみるとそこにはアベラルドと突っ伏した生徒が1人いた。
(ほんとあいつの雷属性の攻撃は威力がすごいなぁ。だから雷魔法だけを極めていて他の属性なんてないと思ったんだけど。まさか闇属性も持ってるとは思いもしなかった・・・・・)
するとラウルの横で試合を観戦してた2人が興奮を抑えきれずに声を弾ませて喋り始めた。
「アベラルド皇子の魔法すごいよなぁ!あんな威力のある魔法撃つ時は神経を研ぎ澄まして撃たないといけないから、最低でも1分は魔法発動に時間がかかるのに。皇子はわずか30秒で魔法を発動させたぞ!」
「流石皇子様ってわけか!護符もダメージが大きかったのか相手の生徒完全に伸びてやがる。俺があの人の相手をしなくて本当に助かった!ははっ!」
(あいつと戦わなくて良かったのは俺も同感だな。)
♦︎
多くの生徒が模擬戦を終えて最後の20組になった。
(なんで俺が最後なんだよ!俺の番いつかな?ってソワソワしてたのに結局呼ばれたの最後じゃないか!)
ラウルがコートに立つと、相手の選手も対面に立った。その人は9歳と思えないほど身長が高く、褐色の肌に銀色の髪をした人物だった。
(うわー・・・・・よりにもよってこいつかよ。流石に誰と試合をしたかなんて覚えてもなかったけど、こいつと性格合わないから嫌なんだよな。ていうかなんで9歳でもう筋肉あるんだよ・・・・・少しは分けてくれ)
ラウルがじっと見ているとその男は急にニヤッと笑ってラウルに話しかけた。
「あーよろしゅう。俺砂漠んとこ出身のニルス=マルティンいうねん。偉い小さい美人さんやけど怪我しても怒らんといてなぁ。」
(あー腹立つ。俺は今割と小さいかもしれないけど歳を取ればそれなりにでかくなるんだよ!それなりにだけど!
こいつは卒業してから、砂漠に戻ったのかどこで何していたのか正直何一つ分からない。)
「ラウル=ベッケラートと言います。よろしく。あなたもこんな小さいやつに怪我をさせられても怒らないでくださいね」
「お綺麗な顔に似合わずえらい好戦的やん。」
ニルスがそう言うと、監督官が合図を出して試合が始まった。
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