悪役令嬢でも死んじゃだめぇ~!

ルナルオ

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悪役令嬢でも死んじゃだめぇ~!10

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ルキラ子爵家で、猛特訓中のエミリーです。
次期王太子妃を守るためには、要訓練とはりきる父の指示のもと、ハードな訓練が開始された。
そして、武道系の部署にいく工作員と同等な訓練をさせられていて、ぼろぼろな状態に……。
それなのに、これでも初級だと言われ、地面に臥した。
とりあえず、腕や脚の筋力強化を中心にと、腕立て伏せやスクワットなどをとんでもない回数させられている。
訓練後は、屋敷内の二階にある自分の部屋へ戻る階段で、息切れをして、辿り着く気力もなく、廊下で臥していた。
我が家の廊下には、シックな色だが、ふかふかの絨毯が敷き詰められて、地面と違って倒れても痛くないのは、幸い。
そこへ、私のお母様が、横を通り過ぎたのだが……。

「あらあら、エミリーったら、小さい時と変わらないわね~。
おねむで、部屋に行くまでに倒れて寝ちゃって!」と微笑ましそうに眺めて、通り過ぎるお母様。

違うか、!眠いからじゃないから!!
からだに力が入らないのー。
たっけて~

ちなみに、実の姉のミレーヌお姉様が通り過ぎる際は「うわっ!廊下で寝るなんて、汚なっ!」と汚物扱いされた。
そういえば、私の実の姉は、性格が悪かった。
世間にでるまで、ミレーヌお姉様を基準に考えて、私は自分の性格が良いと勘違いしていた。
でも、天使のようなラフィーナ様に出会い、そうでもなかったことに気づいてしまった。

本当に力尽きていた私は、そのまま廊下に臥していたら、突然の浮遊感を感じた。

「こら、エミリー。
こんなところで寝ていたら、風邪ひくぞ!」

我が家の次男トーマスお義兄様が、私を両手で持ち上げていた。
「部屋まででいいか?」と聞くので、うんうんと、頷いておいた。もう声を出す気力もない。
そのまま、トーマスお義兄様に私の部屋まで運ばれ、ベッドにまで入れてくれて、やっと、落ち着いて寝ることができた。
トーマスお義兄様は、もう18歳で、将来、武道の方面に行く予定で、既に騎士の試験も合格している。

私とは血が繋がっていない兄のうちの一人だ。

だから、もちろん見た目は良くて、青色の短髪に新緑のような瞳、綺麗なのにキリッとした男らしい顔立ちと、飛びつきたくなるようなガッチリした体格をしている。
性格は、やや脳筋な感じだが、とても優しくて、実は頭も良くて、騎士としての実力に加えて、書類仕事もできる有能な人材である。
将来は、どこかの騎士団の団長補佐か、上手くいけば副団長になれるだろう。
ルキラ子爵家としても、有益な人物である。
トーマスお義兄様は、小さい頃から私をとても可愛いがってくれて、よく遊んでもらった。
あ、そういえば、小さい頃、トーマスお義兄様を王子様のように思っていた。
それで幼子特有の「おおきくなったら、トーマスおにぃさまのおよめさんになる!」を発動し、困らせたことを思い出した。
今では、私がロラン様にプロポーズされ、ロラン様にとって、私がお姫様にでも見えているのかな?と考えて、ちょっと面白く思われた。
それなら、トーマスお義兄様とのふれあいは、ロラン様的に私の浮気になるかな~と呑気に考えた時だった。

ゾクゾクッと寒気が生じた。

一瞬、廊下で倒れていたせいで、本当に風邪をひきそうなのかと、エミリーは心配した。しかし……。


ちょうどその頃。
ロランも何だか胸がざわついていた。

「あ、何か、今、エミリーが不埒なことを考えたような気がする!
あーあ、やっぱり、エミリーを帰宅させるんじゃなかった。
エミリーに集る悪い虫どもを排除しにくいよ~」と嘆くロラン。
「……我が弟ながら、お前、ちょっとヤバい奴だな。
いや、残念な奴?」とレオンがロランに突っ込みを入れる。
「へー、レオンお兄様。
あの事をラフィーナお姉様にばらされたいの?
そうですか、そうですか、御希望とあらば……」とラフィーナのところに行こうとするロラン。
「や、やめろーー!やめてくれ!!」

焦るレオンの必死さに、溜飲を下げるロランであった。
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