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英雄の奥様と兎
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マリロード王国の英雄の奥様スーザンは、リンナと名付けられた兎を飼っている。
飼い主であるスーザンの髪色の腕輪をつけた小さな兎、リンナ。
見た目はとても可愛い兎であるリンナは、実はかつてスーザンを狙った暗殺用の毒兎であった。
しかし、リンナは毒兎最強の武器である牙を不幸な事故(?)で失ってしまい、すっかり無害で可愛いだけの兎になってしまった。(但し、肉食のまま)
それでも、リンナは、スーザンを殺せないまでも、自分の獲物という意識がなくならず、暇さえあればスーザンにまとわりつき、本来ならば暗殺現場になるところが、むしろ端から見ても、ほのぼのとした光景になっていた。
ある日、スーザンが1人でお散歩をしようと庭にでると、たまたま庭で好きに駆け回っていた兎のリンナは、スーザンの近くに寄ってきて、いつも通り足元にじゃれつこうとした。
その時であった。
もう一羽の兎が庭に現れた。
そう、牙の折れた元毒兎のリンナが、スーザンを殺せなかったため、北の蛮族の残党は、新たな暗殺用の毒兎をもう一匹、投入してきた。
サイラスは二度と毒兎のような動物が侵入しないように侵入経路を塞ぐ等の対策をしていたが、むしろその改装工事の途中のせいで、侵入できる隙がまだあったようである。
「あら?また別な兎が入ってきたわ。
困るわ~。リンナがいるからもうこれ以上、飼うのはどうかしら」とそれが毒兎と気づかないスーザンは、のんきに新たに現れた兎を眺めていた。
しかし、リンナは、その毒兎を見るやいなや、すぐに戦闘体制に入った。
その毒兎に対して、リンナは殺意を高めて威嚇をしだした。
去れ!
これは私の獲物だ!!
リンナは、スーザンを自分の獲物と思っているため、例え仲間の毒兎だろうと、手を出させる気はなかった。
リンナには、その毒兎を倒すための牙はなかったが、強烈なキックで撃退しようとした。
ちなみに、毒兎同士ではお互い耐性があるため、毒は効かなかった。
相手の毒が効かないリンナは、とても強く、相手の毒兎をスーザンに近づけさせないようにキックで猛烈に攻撃していたが、その毒兎はリンナと違って鋭い牙があるため、戦っている間にリンナは相手の牙による攻撃で傷が増えていった。
それでも、リンナは、自分の獲物であるスーザンを渡さないために、必死に戦った。
バシッ
ドゴッ
ザシュッ
リンナが渾身の蹴りを相手にお見舞し、相手の毒兎がふっ飛んだところを、この兎同士の争いに気がついて、駆けつけたアバート公爵家の護衛隊長カイルが、剣でリンナではない方の暗殺用の毒兎を切り捨てた。
「奥様!ご無事ですか!?」
「ええ……。あの、その兎はもしや……」とやっとスーザンもリンナと戦っていた兎が、ただの草食兎ではないことがわかった。
「……どうやら、野生の兎に紛れて毒兎がこちらに入りこんだようです。
まれにあることですが、危なかったですね」とカイルは、実は奥様が狙われていたことを隠して、その毒兎を処分した後、サイラスに報告に行った。
もちろん、スーザンはその毒兎が狙ったのは自分ではないのかとやっと察することができた。
一方、リンナはすり傷だらけであったが、致命傷もなく無事であった。
攻撃した毒兎の毒がリンナにまだ付着しているかも知れないと、カイルはスーザンにはリンナの手当てをさせず、危険物の扱いに慣れている者にリンナの手当てをさせた。
「……リンナ、もしかして、私を助けてくれたの?
ありがとう、リンナ」と言って、スーザンは手当できないまでも、今日のリンナのご飯をいつもより量も多く、いつも以上に良いお肉を奮発してご褒美としてだしてあげた。
そして、今回の件で、初めてリンナが元毒兎であることも理解したスーザン。
けれども、たとえ元毒兎でも、スーザンの命を救ったリンナは、その後もアバート家のペットとして可愛がられることになった。
リンナとしては、ただ自分の獲物であるスーザンを奪われないようにしただけであったが、そのおかげで、リンナは、お腹もいっぱいになった上に、お礼と言ってスーザンに優しく撫でられたリンナは、うっとりとまどろむのであった。
これ以降、英雄の奥様のペットであるリンナは、今回の報酬をとても気に入り、その後もスーザンを害そうとする動物には容赦なく攻撃し、スーザンを守るようになった。
英雄の奥様は、ペットの兎に命を救われる!
そして、英雄の奥様のペットは、奥様の魅惑肌で滑らかな手で撫でられることが大好き!
こうして、リンナがスーザンを守っているうちに、2回も毒兎の侵入を許したアバート公爵家では、二度とそういう害のある動物などが侵入できないようにやっと頑丈な高い塀などを築かれ、隙が無いように屋敷のセキュリティレベルを最高ランクに引き上げるのであった。
飼い主であるスーザンの髪色の腕輪をつけた小さな兎、リンナ。
見た目はとても可愛い兎であるリンナは、実はかつてスーザンを狙った暗殺用の毒兎であった。
しかし、リンナは毒兎最強の武器である牙を不幸な事故(?)で失ってしまい、すっかり無害で可愛いだけの兎になってしまった。(但し、肉食のまま)
それでも、リンナは、スーザンを殺せないまでも、自分の獲物という意識がなくならず、暇さえあればスーザンにまとわりつき、本来ならば暗殺現場になるところが、むしろ端から見ても、ほのぼのとした光景になっていた。
ある日、スーザンが1人でお散歩をしようと庭にでると、たまたま庭で好きに駆け回っていた兎のリンナは、スーザンの近くに寄ってきて、いつも通り足元にじゃれつこうとした。
その時であった。
もう一羽の兎が庭に現れた。
そう、牙の折れた元毒兎のリンナが、スーザンを殺せなかったため、北の蛮族の残党は、新たな暗殺用の毒兎をもう一匹、投入してきた。
サイラスは二度と毒兎のような動物が侵入しないように侵入経路を塞ぐ等の対策をしていたが、むしろその改装工事の途中のせいで、侵入できる隙がまだあったようである。
「あら?また別な兎が入ってきたわ。
困るわ~。リンナがいるからもうこれ以上、飼うのはどうかしら」とそれが毒兎と気づかないスーザンは、のんきに新たに現れた兎を眺めていた。
しかし、リンナは、その毒兎を見るやいなや、すぐに戦闘体制に入った。
その毒兎に対して、リンナは殺意を高めて威嚇をしだした。
去れ!
これは私の獲物だ!!
リンナは、スーザンを自分の獲物と思っているため、例え仲間の毒兎だろうと、手を出させる気はなかった。
リンナには、その毒兎を倒すための牙はなかったが、強烈なキックで撃退しようとした。
ちなみに、毒兎同士ではお互い耐性があるため、毒は効かなかった。
相手の毒が効かないリンナは、とても強く、相手の毒兎をスーザンに近づけさせないようにキックで猛烈に攻撃していたが、その毒兎はリンナと違って鋭い牙があるため、戦っている間にリンナは相手の牙による攻撃で傷が増えていった。
それでも、リンナは、自分の獲物であるスーザンを渡さないために、必死に戦った。
バシッ
ドゴッ
ザシュッ
リンナが渾身の蹴りを相手にお見舞し、相手の毒兎がふっ飛んだところを、この兎同士の争いに気がついて、駆けつけたアバート公爵家の護衛隊長カイルが、剣でリンナではない方の暗殺用の毒兎を切り捨てた。
「奥様!ご無事ですか!?」
「ええ……。あの、その兎はもしや……」とやっとスーザンもリンナと戦っていた兎が、ただの草食兎ではないことがわかった。
「……どうやら、野生の兎に紛れて毒兎がこちらに入りこんだようです。
まれにあることですが、危なかったですね」とカイルは、実は奥様が狙われていたことを隠して、その毒兎を処分した後、サイラスに報告に行った。
もちろん、スーザンはその毒兎が狙ったのは自分ではないのかとやっと察することができた。
一方、リンナはすり傷だらけであったが、致命傷もなく無事であった。
攻撃した毒兎の毒がリンナにまだ付着しているかも知れないと、カイルはスーザンにはリンナの手当てをさせず、危険物の扱いに慣れている者にリンナの手当てをさせた。
「……リンナ、もしかして、私を助けてくれたの?
ありがとう、リンナ」と言って、スーザンは手当できないまでも、今日のリンナのご飯をいつもより量も多く、いつも以上に良いお肉を奮発してご褒美としてだしてあげた。
そして、今回の件で、初めてリンナが元毒兎であることも理解したスーザン。
けれども、たとえ元毒兎でも、スーザンの命を救ったリンナは、その後もアバート家のペットとして可愛がられることになった。
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