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8.新しい出会い(1)
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隣領までの移動手段を探すため、僕は雪の降りしきる城の周りを散歩していた。
そして本館から少し離れた場所に暗い小屋があるのを見つけたのだった。
軋んだ木のドアを軽く押すと、中は真っ暗で手入れがされていないのが分かる。
「誰もいないですか…?」
もしここで人の声が聞こえたら、腰を抜かしている自身がある。
藁敷きの床にもつれながら奥へ進むと何かがうごめいている。
今の僕はどうかしていると思う。その何かを触ってみる。
「ブルっ!」
と、鼻息を立てて動いたのは体躯の立派な馬だった。
「なんだ馬か。それにしても綺麗な毛並み…ユーリス様の馬なの?」
厩は別にあったのを見たが…この馬は特別な事情があるのかもしれない。
馬は僕の問いかけが分かるかのように激しく横に首を振る。
「違う?ならここの兵馬か。ほんと艶々だね。」
とにかくこの馬なら放っておかれていそうだし、一日連れて行っても発覚することはなさそうだ。
近くにあった古びた手綱と鞍を着け、外に出してみるとそれは額に×の傷がついた黒い馬だということが分かった。
セントヘレナは北方の要塞とも言われており、この子はその呼び名にふさわしい名馬だろう。
僕の2倍はある巨体、乗りこなせるか?
「隣領まで乗せていってもらえる?」
と言うと、馬は姿勢を低くする。なるほどこれは賢い。
僕は落ちないようにするだけで、道中はこの子にお任せしたほうがよさそう…!
乗馬の経験?そんなものはない。秘訣は馬の気持ちをよく理解しているということだ。
「出発!」
予想通り、寄ったセントヘレナ城下町は寂れていて欲しいものが特段見つからなかった。
対して今着いた隣領、アイゼア領は中心部に向かうにつれて露店が並び活気づいている。
必須で買うものは服と食料。
流石に制服一枚でいるわけにはいかないし、この極寒を乗り越えるためにコートも欲しい。
この露店街で一番品数が多そうな店を見つけ、見てみると飾り気のない黒のドレスと毛皮のコートが目を引く。
できるだけ質素なものとはいっても持ち金の半分は消えてしまいそうだ。
「まいどあり!」
背に腹は変えられない…。
しかしながら初めて買い物を自分でしたが、買うか買わないかの葛藤がなかなかに楽しい。
後は食料調達を…部屋に置いておくものだから匂いの少ない、かつ保存がきくものがいい。
町をどんどん進んでいくと露店から一戸建てのお店に変化してくる。
「お嬢ちゃん、今日は肉が安いよ!」
声の方を見ると、気前のよさそうなおじさんが手招きしている。
お店に入ると生肉だけでなく、乾燥した肉の塊が置いてある。
「これは鹿の肉のハムさ。」
鹿の肉…帝都では食べたことがない。北方ならではの食べ物か。
値段もお手ごろだし保存もできそうだ。
味はつゆ知らず、好奇心からしっかり購入した。
以外にも買い物が早く終わり町を散策することにした。
それにしても目線が痛い…少女が一人、大きな馬を連れて町にいるなど目立って仕方ない。
だがこちらには僕の生命がかかっていた。今は気にしたら負け、そう思いながら町ブラする。
すると窓越しに青くきらきら光る石を見つけた。
その店に入ると中には人の気配がない。
不思議に思いながらも窓越しに見た石を手に取り太陽光に当ててみる。
きっと魔界から持ってきたものだろう、下から覗くと波のさざめきが見える。まるで水の中にいるようだ。
「海みたい…。」
「それは2万セシルだけど、買うかい?」
気づくと背後に背の低いおばあさんが立っていた。
「か、買います…。」
僕は驚きのまま、この高級品を購入した。
その後もお金が許す限り食料を買い足した。
いつの間にか斜め掛けのバッグはパンパンになっている。
手綱を引いて帰路に就いているとスカートを引っ張られた。
振り返ると小さい女の子が半泣きで僕のスカートを強く握っている。
「どうしたの?」
と言っても何も答えない。
孤児だろうか、施そうにも自分も明日生きるのに精一杯の身だ。何もしてあげられない。
「私、もう帰らないといけないの。」
「おねえちゃん、たすけて。」
「え?」
「ママがいなくなっちゃった。」
誘拐…?
「こわいおじさんが来て、ママのことひっぱってた。」
女の子は泣き出した。
そうだ、庶民の間では身売りというものがまだ残っていることを忘れていた。
きっとこの子の母親の件にはややこしいのが絡んでいるに違いない。
それに他人に助けを求めるくらいだ…身内は母親しかいないのだろう。
僕はしゃがんで頭を撫でる。
「そっか、怖かったね。」
力になってあげたい…。まずは何があったのか、現場を見る必要がありそうだ。
僕は非力だけど………いや、非力じゃなくなればいいんだ。
生きるためにも、これから僕を大切にしてくれる誰かを守るためにも。
母の二の舞は絶対に嫌だから。
「家に行こう。」
集合平屋に着き、周囲を捜索してみるも跡形もなく消えている。
「いないね…。」
「ママぁ!どこなの…!」
あぁ、この顔を見るのは嫌いかもしれない。
僕もきっと昔同じ顔をしていた。
母の死に耐えきれなくて現実逃避した、あのやるせない顔。
「いや!ママ、あたしのこときらいになった…?」
「よく聞いて。」
僕は女の子の顔を見て話すことはできなかった。
「ママは貴方を守るためにちょっとだけ消えちゃったんだよ。ママは貴方のことが大好きだから守ってくれたんだよ。」
女の子は滲んだ涙を拭い、僕の手を取る。
僕は強く握り返した。
「今日はどこかお店の人のとこに行こう。またお姉さんが迎えに来るから待ってて。」
「約束?」
「うん、約束。」
必ずやこの子(名前はサラサというらしい)の母親を見つけてみせる。
見ず知らずの他人に「助けて」と言った、 のその勇気を無駄にはしない。
僕は肉屋のおじさんに頼み込みサラサを置いてもらえるようにし、アイゼア領を後にした。
そして本館から少し離れた場所に暗い小屋があるのを見つけたのだった。
軋んだ木のドアを軽く押すと、中は真っ暗で手入れがされていないのが分かる。
「誰もいないですか…?」
もしここで人の声が聞こえたら、腰を抜かしている自身がある。
藁敷きの床にもつれながら奥へ進むと何かがうごめいている。
今の僕はどうかしていると思う。その何かを触ってみる。
「ブルっ!」
と、鼻息を立てて動いたのは体躯の立派な馬だった。
「なんだ馬か。それにしても綺麗な毛並み…ユーリス様の馬なの?」
厩は別にあったのを見たが…この馬は特別な事情があるのかもしれない。
馬は僕の問いかけが分かるかのように激しく横に首を振る。
「違う?ならここの兵馬か。ほんと艶々だね。」
とにかくこの馬なら放っておかれていそうだし、一日連れて行っても発覚することはなさそうだ。
近くにあった古びた手綱と鞍を着け、外に出してみるとそれは額に×の傷がついた黒い馬だということが分かった。
セントヘレナは北方の要塞とも言われており、この子はその呼び名にふさわしい名馬だろう。
僕の2倍はある巨体、乗りこなせるか?
「隣領まで乗せていってもらえる?」
と言うと、馬は姿勢を低くする。なるほどこれは賢い。
僕は落ちないようにするだけで、道中はこの子にお任せしたほうがよさそう…!
乗馬の経験?そんなものはない。秘訣は馬の気持ちをよく理解しているということだ。
「出発!」
予想通り、寄ったセントヘレナ城下町は寂れていて欲しいものが特段見つからなかった。
対して今着いた隣領、アイゼア領は中心部に向かうにつれて露店が並び活気づいている。
必須で買うものは服と食料。
流石に制服一枚でいるわけにはいかないし、この極寒を乗り越えるためにコートも欲しい。
この露店街で一番品数が多そうな店を見つけ、見てみると飾り気のない黒のドレスと毛皮のコートが目を引く。
できるだけ質素なものとはいっても持ち金の半分は消えてしまいそうだ。
「まいどあり!」
背に腹は変えられない…。
しかしながら初めて買い物を自分でしたが、買うか買わないかの葛藤がなかなかに楽しい。
後は食料調達を…部屋に置いておくものだから匂いの少ない、かつ保存がきくものがいい。
町をどんどん進んでいくと露店から一戸建てのお店に変化してくる。
「お嬢ちゃん、今日は肉が安いよ!」
声の方を見ると、気前のよさそうなおじさんが手招きしている。
お店に入ると生肉だけでなく、乾燥した肉の塊が置いてある。
「これは鹿の肉のハムさ。」
鹿の肉…帝都では食べたことがない。北方ならではの食べ物か。
値段もお手ごろだし保存もできそうだ。
味はつゆ知らず、好奇心からしっかり購入した。
以外にも買い物が早く終わり町を散策することにした。
それにしても目線が痛い…少女が一人、大きな馬を連れて町にいるなど目立って仕方ない。
だがこちらには僕の生命がかかっていた。今は気にしたら負け、そう思いながら町ブラする。
すると窓越しに青くきらきら光る石を見つけた。
その店に入ると中には人の気配がない。
不思議に思いながらも窓越しに見た石を手に取り太陽光に当ててみる。
きっと魔界から持ってきたものだろう、下から覗くと波のさざめきが見える。まるで水の中にいるようだ。
「海みたい…。」
「それは2万セシルだけど、買うかい?」
気づくと背後に背の低いおばあさんが立っていた。
「か、買います…。」
僕は驚きのまま、この高級品を購入した。
その後もお金が許す限り食料を買い足した。
いつの間にか斜め掛けのバッグはパンパンになっている。
手綱を引いて帰路に就いているとスカートを引っ張られた。
振り返ると小さい女の子が半泣きで僕のスカートを強く握っている。
「どうしたの?」
と言っても何も答えない。
孤児だろうか、施そうにも自分も明日生きるのに精一杯の身だ。何もしてあげられない。
「私、もう帰らないといけないの。」
「おねえちゃん、たすけて。」
「え?」
「ママがいなくなっちゃった。」
誘拐…?
「こわいおじさんが来て、ママのことひっぱってた。」
女の子は泣き出した。
そうだ、庶民の間では身売りというものがまだ残っていることを忘れていた。
きっとこの子の母親の件にはややこしいのが絡んでいるに違いない。
それに他人に助けを求めるくらいだ…身内は母親しかいないのだろう。
僕はしゃがんで頭を撫でる。
「そっか、怖かったね。」
力になってあげたい…。まずは何があったのか、現場を見る必要がありそうだ。
僕は非力だけど………いや、非力じゃなくなればいいんだ。
生きるためにも、これから僕を大切にしてくれる誰かを守るためにも。
母の二の舞は絶対に嫌だから。
「家に行こう。」
集合平屋に着き、周囲を捜索してみるも跡形もなく消えている。
「いないね…。」
「ママぁ!どこなの…!」
あぁ、この顔を見るのは嫌いかもしれない。
僕もきっと昔同じ顔をしていた。
母の死に耐えきれなくて現実逃避した、あのやるせない顔。
「いや!ママ、あたしのこときらいになった…?」
「よく聞いて。」
僕は女の子の顔を見て話すことはできなかった。
「ママは貴方を守るためにちょっとだけ消えちゃったんだよ。ママは貴方のことが大好きだから守ってくれたんだよ。」
女の子は滲んだ涙を拭い、僕の手を取る。
僕は強く握り返した。
「今日はどこかお店の人のとこに行こう。またお姉さんが迎えに来るから待ってて。」
「約束?」
「うん、約束。」
必ずやこの子(名前はサラサというらしい)の母親を見つけてみせる。
見ず知らずの他人に「助けて」と言った、 のその勇気を無駄にはしない。
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