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第3章 新しい特別科目
19 魔力測定
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外出の翌日の2月11日第5曜日の午前中。
魔法の科目を24コマ終わらせたところで、こんな表示が出た。
『これで日常で使用する一般的な魔法は、ひととおり使えるようになりました。魔法の訓練量も『魔法Ⅰ』終了基準を満たしています。
あとは魔力測定を実施すれば、『魔法Ⅰ』科目は履修完了です』
いままでに無かった、魔力測定なる言葉が出てきた。
でもどうせ、すぐ説明があるだろう。そう思って読み進める。
『各魔法科目の終了基準を満たした時点で、魔力測定を1回受ける事になっています。朝食配給後から夕食配給までの間でしたら、いつでも測定可能です。詳細は学習相談室で相談して下さい』
結局『魔法Ⅰ』の内容は最後まで簡単だった。
要は基本的な魔法の名称と効果を覚えて訓練するだけだ。
しかも24コマかけても、覚える魔法は20種類しかない。
熱操作魔法だけでも温度調整上の注意や対象指定方法の訓練で、2コマ分使う位ゆっくりだ。
名称と効果だけ覚えて、いきなり風呂沸かしが出来た私としては、正直まだるっこしい。
強いて言えば訓練量がある程度必要、という事が苦労しそうな点だろうか。
ただこれも、朝晩風呂を沸かした上で毎日洗濯をすると、それだけで3コマ分くらいの訓練量として計上される。
洗濯は専用の布袋に入れて寮1階に朝食までに出しておけば、夕食配給までの間にやってもらえる。
でも私は、朝風呂に入るようになった三日目からは、魔法の訓練を兼ねて自分で洗っている。
なお洗濯方法は、だいたいこんな感じだ。
① 浴槽に洗濯物を入れ
② 洗剤を入れ、水を洗濯物が充分に浸るくらいに出し
③ 熱操作魔法で水温を30℃にして、水流魔法で水と洗濯物を攪拌しまくった後
④ 風呂の栓を抜いて一度排水し、また水を入れてお湯にして攪拌してすすぎ
⑤ 排水した後、圧縮魔法で脱水し
⑥ しわを伸ばしつつ乾燥魔法で仕上げる
という方法を使っている。
水温が30℃なのは、衣服の布地が麻っぽい布地で、あまり高温だと縮みそうに感じたからだ。
『布にした段階で、縮み止めとしてお湯で洗浄しているので、問題ありません』
知識魔法はそう言ったけれど、日本時代の私の経験から、安全策をとらせてもらった。
あの麻のジャケット、気に入っていたのになあ……
いや、麻のジャケットは今は関係ない。今は魔力測定だった。
時間は9時27分。
頼めば出来るのなら、さっさとやってしまおう。
部屋から出る時のお約束、基準2の上着を羽織って、髪をさっと櫛ですいて整えてから、部屋を出る。
◇◇◇
魔力の測定は非常に簡単だった。
相談室へ行って、ナラハ指導員にその旨話したら、体力診断に使う握力計みたいな物を渡された。
やることは自分の身体に身体強化をかけ、左手で握力計もどきを握るだけ。
全力で握って力を込めろとかはなく、本当にただ握るだけだ。
ちなみに私の弱々な握力だと、左で20kg行かない。
あれは若返る前の身体だったから、今は違うかもしれないけれど。
なお結果は、その場では出ない。
「魔力測定の結果とその説明については、評定表に記録されます。今から登録しますので、10分くらいしてから確認してください」
なので部屋に戻って、1科目進めてから見る事にする。
取りあえず短時間で確実に出来るのは、数学だろう。
まだ今の段階では、小学校レベルの難易度だから。
◇◇◇
分数と小数の四則演算なんて課題をちゃっちゃと終了し、時計を確認。
現在は10時31分。
思ったより小数の計算で時間を食ったなと思いつつ、評定画面を出す。
『ペルリア共和国・生活実習』と『魔法Ⅰ』が完了となっていて、どちらも評価はA。
この評価はAからEまであって、A~Cが合格、Dが不合格、Eが失格らしい。
なお評価を上げるための再履修は認められている。
今のところA評価だけだから、問題はないけれど。
そして『魔力検査 2月11日 魔力レベル:4 詳細』という記載があった。
この詳細のところをタップすれば、きっと説明が出てくるのだろう。
もちろん私はタップする。
予想通り画面が変わった。
『魔力検査 2月11日 魔力レベル:4(1,837kg)
エネルギー操作:106
貯蔵:105
伝達:110
次元操作:90』
これが結果のようだけれど、当然これだけでは何を意味しているかわからない。
なのでその下に続く解説を読む。
『魔力レベルの評価は1~10で、数値が大きいほど優れています。惑星オーフ住民の平均は5程度で、ペルリア共和国の義務教育学校9年生の2月のデータでは平均4.2程度です。同年齢の平均と比べればやや低いですが、学習を始めたばかりという事を考慮すればそう悪い値ではありません』
つまり『まだまだ頑張りましょう』という事か。
『またレベルの横に書いてある値は、収納魔法を使用した場合の予想最大容量を示しています。惑星オーフ住民の平均は2,200kg程度で、ペルリア共和国の義務教育学校9年生の2月のデータでは平均1,931kg程度です』
魔力の目安がkgというのは意外だった。
でも案外、実用的な目安なのかもしれない。
『そしてエネルギー操作、貯蔵物質、伝達、次元操作というのは、それぞれの魔素と貴方の親和性を表しています。100が平均で、効率がいいほど数値が高くなります。それぞれの魔素がどのような機能を持ち、どのような魔法と関わっているかは、魔法Ⅱで確認して下さい』
魔素という言葉は、初めて出てきた。
いよいよ魔法の原理というか実現方法に踏み込む事になるのだろうか。
まだ10時35分。時間は充分にある。
私はタブレットを操作して科目選択画面に戻り、新たに出現した『魔法Ⅱ』を選択した。
魔法の科目を24コマ終わらせたところで、こんな表示が出た。
『これで日常で使用する一般的な魔法は、ひととおり使えるようになりました。魔法の訓練量も『魔法Ⅰ』終了基準を満たしています。
あとは魔力測定を実施すれば、『魔法Ⅰ』科目は履修完了です』
いままでに無かった、魔力測定なる言葉が出てきた。
でもどうせ、すぐ説明があるだろう。そう思って読み進める。
『各魔法科目の終了基準を満たした時点で、魔力測定を1回受ける事になっています。朝食配給後から夕食配給までの間でしたら、いつでも測定可能です。詳細は学習相談室で相談して下さい』
結局『魔法Ⅰ』の内容は最後まで簡単だった。
要は基本的な魔法の名称と効果を覚えて訓練するだけだ。
しかも24コマかけても、覚える魔法は20種類しかない。
熱操作魔法だけでも温度調整上の注意や対象指定方法の訓練で、2コマ分使う位ゆっくりだ。
名称と効果だけ覚えて、いきなり風呂沸かしが出来た私としては、正直まだるっこしい。
強いて言えば訓練量がある程度必要、という事が苦労しそうな点だろうか。
ただこれも、朝晩風呂を沸かした上で毎日洗濯をすると、それだけで3コマ分くらいの訓練量として計上される。
洗濯は専用の布袋に入れて寮1階に朝食までに出しておけば、夕食配給までの間にやってもらえる。
でも私は、朝風呂に入るようになった三日目からは、魔法の訓練を兼ねて自分で洗っている。
なお洗濯方法は、だいたいこんな感じだ。
① 浴槽に洗濯物を入れ
② 洗剤を入れ、水を洗濯物が充分に浸るくらいに出し
③ 熱操作魔法で水温を30℃にして、水流魔法で水と洗濯物を攪拌しまくった後
④ 風呂の栓を抜いて一度排水し、また水を入れてお湯にして攪拌してすすぎ
⑤ 排水した後、圧縮魔法で脱水し
⑥ しわを伸ばしつつ乾燥魔法で仕上げる
という方法を使っている。
水温が30℃なのは、衣服の布地が麻っぽい布地で、あまり高温だと縮みそうに感じたからだ。
『布にした段階で、縮み止めとしてお湯で洗浄しているので、問題ありません』
知識魔法はそう言ったけれど、日本時代の私の経験から、安全策をとらせてもらった。
あの麻のジャケット、気に入っていたのになあ……
いや、麻のジャケットは今は関係ない。今は魔力測定だった。
時間は9時27分。
頼めば出来るのなら、さっさとやってしまおう。
部屋から出る時のお約束、基準2の上着を羽織って、髪をさっと櫛ですいて整えてから、部屋を出る。
◇◇◇
魔力の測定は非常に簡単だった。
相談室へ行って、ナラハ指導員にその旨話したら、体力診断に使う握力計みたいな物を渡された。
やることは自分の身体に身体強化をかけ、左手で握力計もどきを握るだけ。
全力で握って力を込めろとかはなく、本当にただ握るだけだ。
ちなみに私の弱々な握力だと、左で20kg行かない。
あれは若返る前の身体だったから、今は違うかもしれないけれど。
なお結果は、その場では出ない。
「魔力測定の結果とその説明については、評定表に記録されます。今から登録しますので、10分くらいしてから確認してください」
なので部屋に戻って、1科目進めてから見る事にする。
取りあえず短時間で確実に出来るのは、数学だろう。
まだ今の段階では、小学校レベルの難易度だから。
◇◇◇
分数と小数の四則演算なんて課題をちゃっちゃと終了し、時計を確認。
現在は10時31分。
思ったより小数の計算で時間を食ったなと思いつつ、評定画面を出す。
『ペルリア共和国・生活実習』と『魔法Ⅰ』が完了となっていて、どちらも評価はA。
この評価はAからEまであって、A~Cが合格、Dが不合格、Eが失格らしい。
なお評価を上げるための再履修は認められている。
今のところA評価だけだから、問題はないけれど。
そして『魔力検査 2月11日 魔力レベル:4 詳細』という記載があった。
この詳細のところをタップすれば、きっと説明が出てくるのだろう。
もちろん私はタップする。
予想通り画面が変わった。
『魔力検査 2月11日 魔力レベル:4(1,837kg)
エネルギー操作:106
貯蔵:105
伝達:110
次元操作:90』
これが結果のようだけれど、当然これだけでは何を意味しているかわからない。
なのでその下に続く解説を読む。
『魔力レベルの評価は1~10で、数値が大きいほど優れています。惑星オーフ住民の平均は5程度で、ペルリア共和国の義務教育学校9年生の2月のデータでは平均4.2程度です。同年齢の平均と比べればやや低いですが、学習を始めたばかりという事を考慮すればそう悪い値ではありません』
つまり『まだまだ頑張りましょう』という事か。
『またレベルの横に書いてある値は、収納魔法を使用した場合の予想最大容量を示しています。惑星オーフ住民の平均は2,200kg程度で、ペルリア共和国の義務教育学校9年生の2月のデータでは平均1,931kg程度です』
魔力の目安がkgというのは意外だった。
でも案外、実用的な目安なのかもしれない。
『そしてエネルギー操作、貯蔵物質、伝達、次元操作というのは、それぞれの魔素と貴方の親和性を表しています。100が平均で、効率がいいほど数値が高くなります。それぞれの魔素がどのような機能を持ち、どのような魔法と関わっているかは、魔法Ⅱで確認して下さい』
魔素という言葉は、初めて出てきた。
いよいよ魔法の原理というか実現方法に踏み込む事になるのだろうか。
まだ10時35分。時間は充分にある。
私はタブレットを操作して科目選択画面に戻り、新たに出現した『魔法Ⅱ』を選択した。
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