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拾遺録3 仕入れ旅行の帰りに
15 フミノさんの独り言
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独楽は何度か止まりかけたが、なんとか回り続けている。
止まらないで済んでいるのは、フミノさんが手を貸してくれたからだろう。
しかし、俺のイメージも届いてはいると思う。
時々何か上手く行ったような感触があった後、独楽が強く回り出すから。
ただしその感覚は続かない。それでも何度もイメージする。
そして……
何とかイメージすると、独楽の回転が速くなるようになった。どうやら『独楽が回る』イメージを伝えられる様になったようだ。
「それでいい。でももう少し独楽の回し方を練習して慣れて貰おうと思う。
あとこれから私は独り言を言う。独楽を回しながら聞き流して欲しい」
何だろう。俺は独楽を回す事をイメージしつつそう思う。
「セレスとは11年前、ある事がきっかけでパーティを組んだ。それからリディナを含め3人で、ずっとやってきた。
あの村の場所に農場を作ったり、あの村そのものの原型を作ったり、勉強会を作ったり。その勉強会も既に2回卒業生を出して、この秋には3回目の卒業生を送り出す予定」
卒業生を送り出すか。
弟のファビオも2回目の卒業生だ。今は同時に卒業した3人と冒険者活動をしている。
それはそうとして、あの村そのものの原型を作ったなんて話ははじめて聞いた。
どんな事なのだろう。後でセレスに聞いてみようか。聞いていい話なのだろうか。
迷ったところで独楽がふらついた。まずい。俺は独楽が回る姿を強くイメージする。
再び安定して回り始めたのを見て一安心。
「あの農場、あの勉強会、そしてあの村にいながら活動をする事。私自身はそれを気に入っている。ようやく見つけた安住の地とさえ思っている。
ただそれでも心残りがあった。心残りという表現がよくないなら、未解決と感じる課題」
それは何だろう。独楽を回すイメージの持続を意識しつつ、俺はフミノさんの言葉に耳を傾ける。
「あの農園、そしてあの勉強会はリディナ、私、そしてセレスの3人で考えて作ったもの。誰が欠けても作れなかった、3人いたからこそ出来た私の居場所。
でも南に行く事、農園をやる事、勉強会を作る事。それらは元は全部私の希望、もしくは私の我が儘を聞いたリディナが考えて、相談して決めた事。
当然セレスとも相談はしていた。実際セレスの意見もかなり入っている。
特に農業については私もリディナもよく知らなかった。だからほとんどをセレスの知識に頼って作った」
聞きながらでも独楽を安定して回せるようになってきた気がする。
それでも時々独楽が不安定な動きをしかける。それでもすぐにイメージし直してリカバリーできるようになった。
ところでフミノさんのこの話、どういう意味があるのだろう。
独り言とは前置きしている。しかしここで話す以上、何か目的がある筈。
俺にはそう思える。しかしその目的や理由がまだ見えない。
「ただそれでも私は時々不安に思った。今の状態はリディナ、そしてセレスが望んだ事なのだろうかと。
特にセレスについては心配だった。たとえ今の状態をセレスが望んだとしても、それは私達が他の選択肢を提示しなかったからではないか。本当はもっとセレスらしい別の選択肢があったのではないか。
セレスがいないと農業は出来なかった。でも当のセレスは農業をする事を望んでいたのだろうか。本当は違うのではないか。他の選択肢を提示できなかっただけなのではないか。
ずっとそんな不安があった」
完全にわかる訳ではない。それでも言いたい事はわかる。
ただ実際には不可能だろうとも思う。そうやって自由な選択肢を必要なだけ提示するという事は。
一般の家庭で子供に対してそうやって可能な全ての選択肢を提示する事が出来るだろうか。
無理だ。収入で、住んでいる場所による制約で、そして親の知識と考え方でどうしても制約条件が出来てしまう。
ただ俺は今、それを言う事は出来ない。
何故ならフミノさんが言っているのは独り言なのだから。
俺が出来るのは黙って聞いている事だけ。
独楽が止まらないよう注意しながら。
「セレスは私とリディナの2人パーティに後から加わった形。年齢も4歳年下。だからどうしても私やリディナの意見の枠内で物事を判断させてしまう形になっていた。
だから去年、セレスが貴方に興味を持ってたのに気づいた時は嬉しかった。セレス自身が私やリディナの考えと関係なく、自分の意思で選んだ好きな対象を見つけて動いてくれたという事だから。
実際自制するのが難しい位だった。貴方の事をセレスから必要以上に聞かないように。そして貴方の事を自分達で調べたりしないように。
そういう事をしたらセレスにも貴方にも失礼。それはわかっていたから必死に堪えた」
セレス、愛されていたんだなと思う。どういうきっかけで一緒に暮らすようになったかはわからないけれども。
「ただ、それでもやはりセレスは私とリディナにとっては大切な妹分。だから鬱陶しい事があったかもしれない。
今、私がここにいる事だってそう。
貴方とセレスが行く買い出しの日程は事前にセレスに聞いて把握していた。
そしてここ数日、此処に盗賊団が出る事も聞いていた。おそらく北部から流れてきた、それなりに規模の大きい盗賊団である事も、元冒険者B級の魔法使いが中心にいるだろう事も聞いていた。
セレスなら大丈夫だろう。そう思ってもつい心配で出向いてしまった。間違いなく余計なお節介。それはわかっているけれど」
何故心配したのか、その辺の理由もある程度はわかる。
盗賊団という存在がセレスのトラウマになっているかもしれない。そんな話をリディナさんから聞いているから。
何故そうなのか、細かい事情までは聞いていないけれど。
「ただ実際はやっぱりただのお節介だった。襲いかかってきた盗賊はセレス一人で対処出来た。
アジトの方もまもなく勝負が着く。セレスの方が圧倒的に強い。既に魔法使い1人を除いて全員が睡眠魔法で眠らされている。
そして相手の魔法使いはいわゆる火属性中心の魔法使いで、それもせいぜいレベル6程度。水と冷気を操るレベル7以上のセレスに負けはない」
そこで少し間をあけ、更に付け加えるように。
「取り残された貴方も大丈夫だった。私がいなくてもゴブリンは倒せたのだから。
だから本当はここに私が来る必要はなかった。つまりここに私がいるのは単なる自己満足」
そんな事はない。あのゴブリンは倒せたけれど余裕は全く無かった。
実際いて貰えるだけでも大分気分が楽になった。それに魔法を教えて貰えるならなおさらありがたい。
「あとセレスは心配していた。自分が何処まで出来るか知られたら、嫌われるのではないかと。普通では無い魔法を使えるのを知られたら、気味悪がられたり避けられたりするのではないかと。
だからどれくらい魔法を使えるかを隠そうとしていた。勿論ある程度は勉強会の時に知られている。でもそれ以上は出来るだけ知られないようにしていた。
それでも今回、どうしても盗賊団と、誰かがその被害に遭っている可能性が気になった。今まで言わなかった自在袋を全部出したり、今まで貴方の前で使わなかった高速移動の魔法を使ったりしたのはそのせい」
なるほど。自在袋がいきなりあと2つ出てきた件については了解だ。
「実は貴方に魔法を教えようと思ったのも、それが理由の一つだった。
知らないものは怖い、気持ち悪い、忌避したい。しかし知ってしまえばそれは単なる日常。
だから貴方に、ある程度高度な魔法を使えるようになって欲しかった。使えるという事を知って欲しかった。先程渡したメモを用意したのも元々はそういう意味」
フミノさんはそう言って、そして改めて俺の方を見る。
「ただ貴方の行動を見て、そして話をしてみてわかった。
たとえ魔法について知らなくても、魔法を全く使えなくても。それでも貴方がセレスを拒否する事はきっとない。少なくとも自分の知らない力を使えるという理由では。
そういう意味でも私がここにいるのは単なる自己満足。ついでとして貴方に魔法を教えてはいるけれど」
止まらないで済んでいるのは、フミノさんが手を貸してくれたからだろう。
しかし、俺のイメージも届いてはいると思う。
時々何か上手く行ったような感触があった後、独楽が強く回り出すから。
ただしその感覚は続かない。それでも何度もイメージする。
そして……
何とかイメージすると、独楽の回転が速くなるようになった。どうやら『独楽が回る』イメージを伝えられる様になったようだ。
「それでいい。でももう少し独楽の回し方を練習して慣れて貰おうと思う。
あとこれから私は独り言を言う。独楽を回しながら聞き流して欲しい」
何だろう。俺は独楽を回す事をイメージしつつそう思う。
「セレスとは11年前、ある事がきっかけでパーティを組んだ。それからリディナを含め3人で、ずっとやってきた。
あの村の場所に農場を作ったり、あの村そのものの原型を作ったり、勉強会を作ったり。その勉強会も既に2回卒業生を出して、この秋には3回目の卒業生を送り出す予定」
卒業生を送り出すか。
弟のファビオも2回目の卒業生だ。今は同時に卒業した3人と冒険者活動をしている。
それはそうとして、あの村そのものの原型を作ったなんて話ははじめて聞いた。
どんな事なのだろう。後でセレスに聞いてみようか。聞いていい話なのだろうか。
迷ったところで独楽がふらついた。まずい。俺は独楽が回る姿を強くイメージする。
再び安定して回り始めたのを見て一安心。
「あの農場、あの勉強会、そしてあの村にいながら活動をする事。私自身はそれを気に入っている。ようやく見つけた安住の地とさえ思っている。
ただそれでも心残りがあった。心残りという表現がよくないなら、未解決と感じる課題」
それは何だろう。独楽を回すイメージの持続を意識しつつ、俺はフミノさんの言葉に耳を傾ける。
「あの農園、そしてあの勉強会はリディナ、私、そしてセレスの3人で考えて作ったもの。誰が欠けても作れなかった、3人いたからこそ出来た私の居場所。
でも南に行く事、農園をやる事、勉強会を作る事。それらは元は全部私の希望、もしくは私の我が儘を聞いたリディナが考えて、相談して決めた事。
当然セレスとも相談はしていた。実際セレスの意見もかなり入っている。
特に農業については私もリディナもよく知らなかった。だからほとんどをセレスの知識に頼って作った」
聞きながらでも独楽を安定して回せるようになってきた気がする。
それでも時々独楽が不安定な動きをしかける。それでもすぐにイメージし直してリカバリーできるようになった。
ところでフミノさんのこの話、どういう意味があるのだろう。
独り言とは前置きしている。しかしここで話す以上、何か目的がある筈。
俺にはそう思える。しかしその目的や理由がまだ見えない。
「ただそれでも私は時々不安に思った。今の状態はリディナ、そしてセレスが望んだ事なのだろうかと。
特にセレスについては心配だった。たとえ今の状態をセレスが望んだとしても、それは私達が他の選択肢を提示しなかったからではないか。本当はもっとセレスらしい別の選択肢があったのではないか。
セレスがいないと農業は出来なかった。でも当のセレスは農業をする事を望んでいたのだろうか。本当は違うのではないか。他の選択肢を提示できなかっただけなのではないか。
ずっとそんな不安があった」
完全にわかる訳ではない。それでも言いたい事はわかる。
ただ実際には不可能だろうとも思う。そうやって自由な選択肢を必要なだけ提示するという事は。
一般の家庭で子供に対してそうやって可能な全ての選択肢を提示する事が出来るだろうか。
無理だ。収入で、住んでいる場所による制約で、そして親の知識と考え方でどうしても制約条件が出来てしまう。
ただ俺は今、それを言う事は出来ない。
何故ならフミノさんが言っているのは独り言なのだから。
俺が出来るのは黙って聞いている事だけ。
独楽が止まらないよう注意しながら。
「セレスは私とリディナの2人パーティに後から加わった形。年齢も4歳年下。だからどうしても私やリディナの意見の枠内で物事を判断させてしまう形になっていた。
だから去年、セレスが貴方に興味を持ってたのに気づいた時は嬉しかった。セレス自身が私やリディナの考えと関係なく、自分の意思で選んだ好きな対象を見つけて動いてくれたという事だから。
実際自制するのが難しい位だった。貴方の事をセレスから必要以上に聞かないように。そして貴方の事を自分達で調べたりしないように。
そういう事をしたらセレスにも貴方にも失礼。それはわかっていたから必死に堪えた」
セレス、愛されていたんだなと思う。どういうきっかけで一緒に暮らすようになったかはわからないけれども。
「ただ、それでもやはりセレスは私とリディナにとっては大切な妹分。だから鬱陶しい事があったかもしれない。
今、私がここにいる事だってそう。
貴方とセレスが行く買い出しの日程は事前にセレスに聞いて把握していた。
そしてここ数日、此処に盗賊団が出る事も聞いていた。おそらく北部から流れてきた、それなりに規模の大きい盗賊団である事も、元冒険者B級の魔法使いが中心にいるだろう事も聞いていた。
セレスなら大丈夫だろう。そう思ってもつい心配で出向いてしまった。間違いなく余計なお節介。それはわかっているけれど」
何故心配したのか、その辺の理由もある程度はわかる。
盗賊団という存在がセレスのトラウマになっているかもしれない。そんな話をリディナさんから聞いているから。
何故そうなのか、細かい事情までは聞いていないけれど。
「ただ実際はやっぱりただのお節介だった。襲いかかってきた盗賊はセレス一人で対処出来た。
アジトの方もまもなく勝負が着く。セレスの方が圧倒的に強い。既に魔法使い1人を除いて全員が睡眠魔法で眠らされている。
そして相手の魔法使いはいわゆる火属性中心の魔法使いで、それもせいぜいレベル6程度。水と冷気を操るレベル7以上のセレスに負けはない」
そこで少し間をあけ、更に付け加えるように。
「取り残された貴方も大丈夫だった。私がいなくてもゴブリンは倒せたのだから。
だから本当はここに私が来る必要はなかった。つまりここに私がいるのは単なる自己満足」
そんな事はない。あのゴブリンは倒せたけれど余裕は全く無かった。
実際いて貰えるだけでも大分気分が楽になった。それに魔法を教えて貰えるならなおさらありがたい。
「あとセレスは心配していた。自分が何処まで出来るか知られたら、嫌われるのではないかと。普通では無い魔法を使えるのを知られたら、気味悪がられたり避けられたりするのではないかと。
だからどれくらい魔法を使えるかを隠そうとしていた。勿論ある程度は勉強会の時に知られている。でもそれ以上は出来るだけ知られないようにしていた。
それでも今回、どうしても盗賊団と、誰かがその被害に遭っている可能性が気になった。今まで言わなかった自在袋を全部出したり、今まで貴方の前で使わなかった高速移動の魔法を使ったりしたのはそのせい」
なるほど。自在袋がいきなりあと2つ出てきた件については了解だ。
「実は貴方に魔法を教えようと思ったのも、それが理由の一つだった。
知らないものは怖い、気持ち悪い、忌避したい。しかし知ってしまえばそれは単なる日常。
だから貴方に、ある程度高度な魔法を使えるようになって欲しかった。使えるという事を知って欲しかった。先程渡したメモを用意したのも元々はそういう意味」
フミノさんはそう言って、そして改めて俺の方を見る。
「ただ貴方の行動を見て、そして話をしてみてわかった。
たとえ魔法について知らなくても、魔法を全く使えなくても。それでも貴方がセレスを拒否する事はきっとない。少なくとも自分の知らない力を使えるという理由では。
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