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報告
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私はライアに戻り、そのままギルドへ向かった。
「すいません。報告と買取りをお願いします。」
「はい。どうなさいました?」
「実は、依頼で森に行ったんですけど、そこでスライムの群れに遭遇しました。
できてからそう経ってなかったみたいだったんですけど、上位種やキングスライムがいました。」
「えっ!ほんとですか!?
た、大変です!」
受付嬢が慌て出したので、大きな騒ぎになる前に急いで止めた。
「いや、もう倒してきたので大丈夫ですよ!」
私がそう言うと受付嬢はポカーンと軽く口を開いて固まり、少しして「はぁ~!?」とかなり驚いていた。
「な、な、そんな。え?ランクFでしたよね!?
そんな、キングスライムを倒せるなんて……。」
「と、とりあえず落ち着いてください。
あと、買取りと依頼達成したのでそれの処理もお願いします。」
「あ、はい!
先に依頼の処理からいたします。」
「はい、これが報酬です。
では、買取りを致しますが、ここではビッグスライムまでを出してください。」
「はい、わかりました。」
私はスライムと、ビッグスライムの素材をすべて出した。
受付嬢は、少し驚きつつも買取りを終わらせ、私を個室へ案内した。
「キングスライムについて、ギルドマスターに報告をお願いします。
上位種などの買取もここで行います。」
コンコンコン
「リリーナさんをお連れしました。」
「どうぞ」
え?この声……
「失礼します。」
個室に入ると向かいのソファーに見覚えのある人物が座っていた。
私は彼を見て、なぜここにいるのかと驚きに固まってしまった。
「な……」
っと危ない危ない。なぜここにと言葉に出してしまいそうだった。
「はじめまして。私はここのギルドマスターのニコラス・ボーフォートと申します。」
「は、はじめまして。リリアーナ・ヤナギバシです。よろしくお願いします。」
私が自己紹介すると、ニコラスさんは少し驚いた顔をしたが、すぐに表情を戻した。
まぁ、それもそうだろう。
私はけっこうニコラスさんと交流があった。
気のいいけっこう年上の先輩みたいな感じだ。
ニコラスさんはもうすぐ50くらいだしね。
なんていうか、紳士?ナイスミドルって感じかな?
普通に話した感じだと、冒険者とは思わないかもしれない。
どちらかというと、執事とかそういうのが似合いそうだ。
おっと、話がずれたね。
まぁ、そんな感じでニコラスさんとは交流があったから、私の名前がリリアーナで、目が前のリリアーナに似てるから驚いたんだろう。
そう、黒目の時は気づかなかったけど、私の目は前世とそっくりなのだ。
目が緑になって気づいた。
「リリアーナ……?」
「はい。リリアーナです。」
「あぁ、すまないね。
知り合いが君と同じ名前で、目が似ていたから驚いてしまったよ。
彼女はもういないのにね。」
最後の言葉はとても小さく呟いていたが、耳も良くなったらしく私にはしっかり聞こえた。
私はそれを聞いて、悲しくなった。
けれど、嬉しくもなった。
私を思ってくれる人がいるから。
私だ…と話そうかな。でも、信じてもらえないかもしれない。
頭のおかしいやつだと思われたくない。
嘘をつくなと言われたくない。
怖い。ただただ怖い。
それに、彼に最初に話したい。気づいてほしい。
こんな私はわがままで、欲張りなんだろうな。
死んだ人間がいるなんて、思うわけがない、気づくわけがない。
それに髪も顔も違う。
それでも、それでも
気づいてほしい。
信じてほしい。
会いたい。
話したい。
ねぇ。今あなたはどこにいるの?
会いたい。会いたいよ。
○○○。
あなたに、会いたい。
「すいません。報告と買取りをお願いします。」
「はい。どうなさいました?」
「実は、依頼で森に行ったんですけど、そこでスライムの群れに遭遇しました。
できてからそう経ってなかったみたいだったんですけど、上位種やキングスライムがいました。」
「えっ!ほんとですか!?
た、大変です!」
受付嬢が慌て出したので、大きな騒ぎになる前に急いで止めた。
「いや、もう倒してきたので大丈夫ですよ!」
私がそう言うと受付嬢はポカーンと軽く口を開いて固まり、少しして「はぁ~!?」とかなり驚いていた。
「な、な、そんな。え?ランクFでしたよね!?
そんな、キングスライムを倒せるなんて……。」
「と、とりあえず落ち着いてください。
あと、買取りと依頼達成したのでそれの処理もお願いします。」
「あ、はい!
先に依頼の処理からいたします。」
「はい、これが報酬です。
では、買取りを致しますが、ここではビッグスライムまでを出してください。」
「はい、わかりました。」
私はスライムと、ビッグスライムの素材をすべて出した。
受付嬢は、少し驚きつつも買取りを終わらせ、私を個室へ案内した。
「キングスライムについて、ギルドマスターに報告をお願いします。
上位種などの買取もここで行います。」
コンコンコン
「リリーナさんをお連れしました。」
「どうぞ」
え?この声……
「失礼します。」
個室に入ると向かいのソファーに見覚えのある人物が座っていた。
私は彼を見て、なぜここにいるのかと驚きに固まってしまった。
「な……」
っと危ない危ない。なぜここにと言葉に出してしまいそうだった。
「はじめまして。私はここのギルドマスターのニコラス・ボーフォートと申します。」
「は、はじめまして。リリアーナ・ヤナギバシです。よろしくお願いします。」
私が自己紹介すると、ニコラスさんは少し驚いた顔をしたが、すぐに表情を戻した。
まぁ、それもそうだろう。
私はけっこうニコラスさんと交流があった。
気のいいけっこう年上の先輩みたいな感じだ。
ニコラスさんはもうすぐ50くらいだしね。
なんていうか、紳士?ナイスミドルって感じかな?
普通に話した感じだと、冒険者とは思わないかもしれない。
どちらかというと、執事とかそういうのが似合いそうだ。
おっと、話がずれたね。
まぁ、そんな感じでニコラスさんとは交流があったから、私の名前がリリアーナで、目が前のリリアーナに似てるから驚いたんだろう。
そう、黒目の時は気づかなかったけど、私の目は前世とそっくりなのだ。
目が緑になって気づいた。
「リリアーナ……?」
「はい。リリアーナです。」
「あぁ、すまないね。
知り合いが君と同じ名前で、目が似ていたから驚いてしまったよ。
彼女はもういないのにね。」
最後の言葉はとても小さく呟いていたが、耳も良くなったらしく私にはしっかり聞こえた。
私はそれを聞いて、悲しくなった。
けれど、嬉しくもなった。
私を思ってくれる人がいるから。
私だ…と話そうかな。でも、信じてもらえないかもしれない。
頭のおかしいやつだと思われたくない。
嘘をつくなと言われたくない。
怖い。ただただ怖い。
それに、彼に最初に話したい。気づいてほしい。
こんな私はわがままで、欲張りなんだろうな。
死んだ人間がいるなんて、思うわけがない、気づくわけがない。
それに髪も顔も違う。
それでも、それでも
気づいてほしい。
信じてほしい。
会いたい。
話したい。
ねぇ。今あなたはどこにいるの?
会いたい。会いたいよ。
○○○。
あなたに、会いたい。
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