32 / 79
2話 ゆかりさんとわたしと、洋館にて
第一の事件 前篇
しおりを挟む相談部所属の高校二年生ユウトと、同じく相談部部長の二年生サヤカは、山中にある古びた洋館へとやってきました。
相談部というのは二人が立ち上げた部活動であり、読んで字の如く生徒達からの相談事を受け、時にアドバイスを送り、時に問題の解決に協力するという、何でも屋のような部活動でした。
今回、そんな二人のもとを訪れたのは一年生で後輩のミカです。
ミカは財閥のお嬢様で、今度行われる親族会に両親の代わりとしてユウトとサヤカの二人に付いて来て欲しいと依頼しました。
両親の代わりに高校の先輩を連れて行こうという考えに納得できず、ユウトはそのあたりのことを突っ込んで訊ねてみます。
ミカからの回答は以下の三点。
ひとつ。両親の代わりというより、ひとりで行くのは心細いので、単に付添人が欲しいということ。
ふたつ。堅苦しい親族同士の会合であることを話したら、友人全員から断られてしまったこと。
みっつ。相談部としてのユウトとサヤカの活躍は校内でも有名であり、付いて来てくれればとても心強いこと。
後輩から信頼と期待のこもった眼差しを向けられて、気を良くしたサヤカと断り切れなかったユウトの二人は、ミカの付添人として財閥の親族会などというものに招待されることとなりました。
山奥。
洋館。
親族会。
なにやら怪しさ満点で、いかにも事件が起こりそうな、そんなシュチュエーションです。
そして、いかにもな事件が起こりました。
それは、ユウトとサヤカとミカの三人が洋館に到着した翌日の夜のことでした。
親族会の前日に洋館へ到着し、ユウトとサヤカの二人はミカの親族だという八人の大人たちと二人の子供へ丁寧に挨拶しました。
幸い、部外者だと咎められ追い返されることはありませんでした。が、それなりに嫌な顔はされました。
企業経営者のハルヒコさんとその奥さん。
女優でモデルのユキさんとその旦那さん。
作家のマモルさん。
医者のタダクニさん。
記者をしているシンさん。
二人の子供と、その双子の母親のヨシカさん。
加えて、洋館の管理をしていて今回の親族会の世話係を命じられた、執事のサキモリさんと家政婦のミタさん。
相談部の二人は、それぞれに個性溢れる方々としばしの雑談。
その後双子たちを誘ってトランプゲームに興じ、大人たちはビリヤードやダーツなどを楽しみます。
やがて執事のサキモリさんの呼び掛けで全員が大広間のテーブルに座り、とても豪華な食事会の始まりです。
普段食べられないようなご馳走に舌を打ち、ユウトとサヤカは大変満足し、二人が楽しんでくれていることをミカも大変喜んでいました。
大きな洋館ですからお部屋もたくさんです。
しかし客室として整理された部屋は人数分しか用意がなく、ほぼ飛び入りで参加したユウトとサヤカは双子が使う予定だったひと部屋を使わせてもらうのが精一杯でした。
双子は母親のヨシカさんと一緒の部屋に。
ユウトとサヤカは、ひとつの部屋で一夜をともにしました。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる