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2話 ゆかりさんとわたしと、洋館にて
第二の事件 後編
しおりを挟むその夜。
雨はやみましたが分厚い曇が月を覆い隠し、窓の外はすぐ近くに広がる森の様子も見えないくらいでした。
遅くまで例の爆発事件について話し込んでいた三人でしたが、ミカが欠伸をしたのをきっかけに話し合いを止め、懐中電灯の明かりを消しました。
しばし後。
真っ暗な部屋に軽快な音楽が鳴り響き、ぼんやりとした白い光が灯ります。
光源はミカの携帯電話で、父親からのメールの着信を報せていました。
「ごめんなさい」
恥じ入るように謝って、ミカは携帯を手に取り、返事のメールを打ち込みます。
まどろんでいたところを着信音で起こされたユウトとサヤカは、眠い目を擦ります。
ふと、カーテン越しに外からの薄明かりに気がついて、ユウトは窓の方へと寄りました。
雲の切れ間からわずかに月が顔を出し、世界を薄く照らしています。
何気なく下ろした視線の先で、一瞬何かが月明かりを反射しました。
それが黒光りしたライフルの長い銃身の先端で、こちらに向けられていることに気づいたユウトは、
「―――危ない!」
とっさに叫びながらサヤカを押し倒し、ミカを引きずり倒し、床へ倒れ込みます。
その頭の上を弾丸が音より速い速度で飛び越えて、向かい側の壁に小さな穴を開けました。
銃声は聞こえませんでした。
いつどこから弾丸が飛んでくるかまるで分からない中、三人は身を固くします。
十秒……二十秒……三十秒が過ぎ、誰ということもなく深い吐息が零れます。
闇に目を凝らし、夜に耳を澄ませ、ほんのわずかに視線を上げました。
割れたガラス窓の向こう、先程人影があった樹の上には既に誰も居なくなっていました。
直後、困惑する三人の耳を甲高い悲鳴が叩きます。
部屋を飛び出した三人は、また別の部屋から飛び出てきた男性陣と合流し、女性たちが寝泊まりしている部屋へ。
叩き壊す勢いで部屋の扉をノックすると、中から青い顔をした女優のユキさんが現れ、呆然とした様子で男性陣とユウトたちを部屋へと招き入れました。
部屋の中央には、頭を撃ち抜かれて即死した人間が血まみれで大の字に倒れていました。
第二の犠牲者はヨシカさん。双子の母親です。
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