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3話 ゆかりさんとわたしと、校舎裏にて
おかえりなさい
しおりを挟む夕暮れが眩しい中、わたしはひとり帰宅の途についています。
あの後、峰岸さんはわたしにお礼を言って去っていきました。
すぐに職員室へ行って、わたしが言ったことを訴えてみるそうです。
決してその通りであるという確証がないままに言葉にしてしまったことを激しく後悔しました。
「まったくの的外れかもしれませんよ?」
「いいや。俺にもできなかったと証明するには十分すぎる。君はすごい! ありがとう!」
そう言って、走り出した彼はもう止まりませんでした。
相原さんは相原さんで、
「面白い後輩を見つけたわ!」
にっこり笑顔で図書室へと戻っていきました。
楽しそうにスキップしながら。
わたしはひとりだけ何ともすっきりしないまま。
いつものようにゆかりさんのお家の敷地を通って、マンションへ帰ろうとして、
「……今、電気、点いていた?」
縁側から漏れる薄明かりがあったことに気づきました。
それは家の内側から漏れる白色の光。
わたしがつけたんでないとするならば、それは―――……。
わたしは急いで玄関まで戻ると鍵を開けて、家の中へ。
挨拶もしないで廊下を駆け、縁側に面した襖を開き、
「ゆかりさん!」
喜びを胸いっぱいに膨らませて、卓袱台の前に座って微笑む人の名前を呼びました。
ゆかりさんは、向こうが透けてしまいそうな顔に穏やかな笑みを乗せて、文字が書かれたスケッチブックを見せてきます。
〝おかえりなさい、みぃちゃん〟
たぶんそんな言葉が書いてあったと思います。
すぐさま駆け寄ってスケッチブックごとゆかりさんを抱きしめたので、はっきりと見えませんでした。
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