ぼくの夢をくれた理学療法士と超能力な患者さんたち

莉桜咲

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ぼくの夢は何だろう?

18.ESランドに釣られて

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 朔也さくやが帰った。ゲームして、楽しかったな。書道教室か。ぼくは座って何かをするより、体を動かしていることの方が好きなんだけどな。ケガをしてから、サッカーどころか、歩くことさえできないし。早く歩けるようになりたいな。サッカーもしたいな。でも、手術しないとできないって。涙がこぼれそう。叶翔かなととお母さんがお風呂に入ってるから、いなくて良かった。ぼくは悲しくなった。すると、ドアが開いて、
「ただいま。」
って、お父さんの声がした。ぼくは、お出迎えできないから、椅子に座って待っていたら、リビングに来た。
「おかえり、お父さん。」
スーツ姿のお父さんはかっこいい。
「ただいま、大夢。今日の学校どうだったか?」
「普通に楽しかった。今日は放課後、朔也が遊びにきたんだ。」
「それは良かったな。大夢を気にかけてくれているんだな。」
お父さんがスーツを脱ぎながら、話している。
「うん。一緒にゲームをしたんだ。それで、書道教室に一緒に来ないかって。」
お父さんの手が止まった。
「書道?」
びっくりしている。
「うん。朔也は字が上手いんだ。書道教室に通っていて、いつも先生に褒められてる。」
「そうか、それで大夢を誘ってくれたんだな。」
お父さんが部屋着に着替え始めた。
「うん、でもぼく、字が下手だし、座っているの好きじゃないんだ。」
「そうか。」
「朔也には考えておくって言ったんだけど、やめておこうかな。」
「そうなのか、もったいないな。でも、大夢の気持ちが一番だしな。ただ、せっかく友達が誘ってくれたんだ。行ってみるだけ、行ってみたらいいんじゃないか。体験だけでも。」
「うーん。」
「よし、行ってみたら、ご褒美にお父さんがESランドに連れていってやるぞ。」
ESランド?!ESランドとは、Enjoy Specialランドのことで、まさに夢の国なんだ。ぼくの好きな乗り物がたくさんあって、キャラクターもたくさんいて。すごく楽しい場所なんだ。最後に行ったのは、ぼくが小1の時。幼稚園の時は毎年、ぼくの誕生日に連れて行ってもらってたんだけど、最近、入園料が高くなっちゃって、あんまり連れて行ってもらえなくなっちゃった。大人一人1万円もするんだって。誕生日に連れて行ってって頼んだことがあったんだけど、ESランドじゃなくて、近くの元元げんげん遊園地になった。入園料だけで、ESランドの1回と元元遊園地4回が同じなんだって。
「ESランド?ほんとに?」
「今年の夏に、叶翔のお泊り保育があるよね。その日に、こっそり2人で行っちゃおう。」
ESランド。しかも、お父さんと二人きり。叶翔はかわいいけれど、叶翔が産まれてから、お父さんとお母さんは叶翔にばっかりべったりしている。ぼくはもう小6だし、お兄ちゃんだから、我慢できるけどさ。お父さんと2人なんて嬉しいな。
「やった。でも、高いんでしょ?高くなったってお母さんが言ってたよ。」
「大丈夫。今年の夏のボーナスが、いつもより期待できそうなんだ。お父さん、仕事で成果を上げて、偉い人に褒められたんだぞ。」
ボーナスというのは、お仕事で褒められるともらえるらしい。お父さんがたまに、ボーナスのために頑張るかって言っている。
「すごいね。ESランド嬉しいな。じゃあ、書道教室に行かないとね。それから、後で叶翔も連れて行ってあげようね。」
さすがに、ぼくだけじゃ、叶翔がかわいそうだから。
「大夢は優しいな。」
お父さんが、ぼくの頭をなでてくれた。最近、よくなでてくれるんだ。

 やった。ESランドだ。叶翔には悪いけど、お父さんと二人で行きたい。朔也に誘われたし、歩けるようになったら書道教室に行ってみるか。
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