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ギルド
スライムを倒せ
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ぼくとオスカーさんは、お屋敷に戻って手早く身支度を済ませると町の外に出る乗合馬車に飛び乗りました。
「クルト。今日は予定を変更してスライムの捕獲だ」
「……はい。でも、ぼくも一緒に行っていいんですか? 足手まといでは?」
ぼくの失った記憶には魔物退治の経験があるかもしれないけど、今のぼくは魔物の知識はあっても見たことはない。
スライムは魔物の中でも最弱、最弱というより最早魔物じゃない。
兎や鼠などの小さな野生動物より弱いし、なんなら森にいる虫よりも弱い。
子供が遊び気分で討伐できる魔物、それが一般的なスライムだ……けど、ぼくにスライムを捕獲することができるのかな?
「ハハハ。大丈夫だ。すぐに慣れるさ」
大きな手でやや乱暴にぼくの頭を撫でてくれたオスカーさんは、馬車に乗っている間中、ぼくにスライム講義をしてくれた。
スライム
実は、生態が正確に判明していない謎の多い魔物である。
棲息地も草原、森、水辺、人の居住する町などバラバラであり、どこでも棲息可能と考えられている。
魔物の中で最弱ではあるが、それは毒や酸など特性を持つ前の状態のスライムを指し、体色が変化し特性を得たスライムの中には強い攻撃力を備えている場合があり、上位種や変異種と呼ばれいてる。
特性を持つ前のスライムの体色が薄い水色なら汚水を食べ綺麗な水として排出し、薄い茶色ならゴミを食べ栄養を含んだ土を吐き出す。
緑色になってしまったら毒を吐くポイズンスライムに変化しており、黄色なら強い酸を吐くアシッドスライムに変化したと考えられている。
他にも、火水風土魔法属性を持つスライムや、数体が合体し体を大きくさせたビッグスライムなどが存在する。
あるギルドではスライムの研究と珍しいスライムの捕獲を専業としているらしい。
乗合馬車で町の防御壁の門前まで移動して、身分証を提示して門を通って町を出ます。
ギルドが魔物討伐に出かける森はまだ遠く、街道の周りは雑草が生えている草原が続く。
ぼくが履いているショートブーツを覆うぐらいの長さの草がそよそよと風に揺れていた。
「さて、適当に探せばスライムは見つかるだろう。その前にクルト」
「はい?」
ぼくはスライムを捕獲する気マンマンで蛙系魔物の皮で作られた捕獲袋を片手に持ったまま、オスカーさんへと体を向ける。
「ちょうどいい。スライムを何匹か倒してみないか?」
はい、と渡されたのはそこら辺に落ちてそうな木の棒……。
「へ?」
「クルト。君は記憶を失くした前も含めて魔物を倒したことがないように思う」
オスカーさんが凛々しい眉を少し下げて、ぼくに対する懸念を口にする。
どうやら、ぼくがただの平民なのか貴族なのか、いやそれはないと思うけど、とにかくどういう生活をしていたかはわからないけど、オスカーさん曰く「戦った経験のない子供」なのは確からしい。
戦う経験が必ず必要な訳じゃないけど、少なくともギルドメンバーの一人としては必須だ。
「スライムは子供でも遊び感覚で倒せる魔物だ。そして倒したという経験値は身につく。ここで何匹か倒してみよう」
「はあ……」
ぼくは捕獲袋をズボンのベルト通しに結び、木の棒を受け取りブンブンと振り回してみる。
馬車の中では倒すどころか捕獲できるかを案じていたのに、いきなりグレードが上がってしまった。
実際、魔物を倒して経験を積んでもステータスに数字として表されることはない。
でも、その経験は無駄にならない……と考えられている。
例えば、同じ水魔法の初級魔法【ウオーターボール】を繰り出したとして、駆け出しの冒険者ならゴブリンを昏倒させる程度だけど、ベテランの冒険者ならオークのお腹に穴を開けることができる。
それは、経験の差と言われている。
「スライムでも経験を積むことになるんですかね」
ぼくは頭を傾げて、その場にしゃがみこみ、木の棒で草を払い除けスライムを探し始める。
「スライムでも何十匹と倒せばいい経験だ。ではクルト、私の話を思い出して無理せずスライムを倒すんだぞ!」
バシンと強めに背中を叩かれたぼくは前につんのめる。
「イタタ」
オスカーさんは捕獲袋を背中に担いで「私はあっちで茶色のスライムを探しているよ」と去って行った。
今日捕獲するつもりのスライムは、水を綺麗にするスライムを二~三匹、ゴミを処理するスライムを最低でも一匹。
「それとは別に、ぼくはスライム討伐十匹以上かぁ~」
ちょっとボヤキながら、右手を動かして目の前の草をズザザザと横に倒していく。
「おっ!」
ぴょんと跳ねた薄い水色のスライムを発見!
ぼくは右手に握った木の棒に力を入れて、上から思いっきり振り下ろした。
ガツン……ではなく、ポヨヨヨン。
「…………え?」
ぼくの木の剣は、スライムのやや斜め上を捕らえたはずなのに、ポヨンと弾かれてしまった。
あれ? スライムって最弱だよね?
「クルトーっ。スライムを無闇に叩いても無駄だぞー。ちゃんと芯を叩かないと弾かれるぞー!」
オスカーさん……それ、もっと早く言ってくださいっ!
ちなみにその後、ぼくはスライムを無事に十二匹倒すことに成功しました。
ええ、コツを掴むのに五十回以上かかりましたけどね!
「クルト。今日は予定を変更してスライムの捕獲だ」
「……はい。でも、ぼくも一緒に行っていいんですか? 足手まといでは?」
ぼくの失った記憶には魔物退治の経験があるかもしれないけど、今のぼくは魔物の知識はあっても見たことはない。
スライムは魔物の中でも最弱、最弱というより最早魔物じゃない。
兎や鼠などの小さな野生動物より弱いし、なんなら森にいる虫よりも弱い。
子供が遊び気分で討伐できる魔物、それが一般的なスライムだ……けど、ぼくにスライムを捕獲することができるのかな?
「ハハハ。大丈夫だ。すぐに慣れるさ」
大きな手でやや乱暴にぼくの頭を撫でてくれたオスカーさんは、馬車に乗っている間中、ぼくにスライム講義をしてくれた。
スライム
実は、生態が正確に判明していない謎の多い魔物である。
棲息地も草原、森、水辺、人の居住する町などバラバラであり、どこでも棲息可能と考えられている。
魔物の中で最弱ではあるが、それは毒や酸など特性を持つ前の状態のスライムを指し、体色が変化し特性を得たスライムの中には強い攻撃力を備えている場合があり、上位種や変異種と呼ばれいてる。
特性を持つ前のスライムの体色が薄い水色なら汚水を食べ綺麗な水として排出し、薄い茶色ならゴミを食べ栄養を含んだ土を吐き出す。
緑色になってしまったら毒を吐くポイズンスライムに変化しており、黄色なら強い酸を吐くアシッドスライムに変化したと考えられている。
他にも、火水風土魔法属性を持つスライムや、数体が合体し体を大きくさせたビッグスライムなどが存在する。
あるギルドではスライムの研究と珍しいスライムの捕獲を専業としているらしい。
乗合馬車で町の防御壁の門前まで移動して、身分証を提示して門を通って町を出ます。
ギルドが魔物討伐に出かける森はまだ遠く、街道の周りは雑草が生えている草原が続く。
ぼくが履いているショートブーツを覆うぐらいの長さの草がそよそよと風に揺れていた。
「さて、適当に探せばスライムは見つかるだろう。その前にクルト」
「はい?」
ぼくはスライムを捕獲する気マンマンで蛙系魔物の皮で作られた捕獲袋を片手に持ったまま、オスカーさんへと体を向ける。
「ちょうどいい。スライムを何匹か倒してみないか?」
はい、と渡されたのはそこら辺に落ちてそうな木の棒……。
「へ?」
「クルト。君は記憶を失くした前も含めて魔物を倒したことがないように思う」
オスカーさんが凛々しい眉を少し下げて、ぼくに対する懸念を口にする。
どうやら、ぼくがただの平民なのか貴族なのか、いやそれはないと思うけど、とにかくどういう生活をしていたかはわからないけど、オスカーさん曰く「戦った経験のない子供」なのは確からしい。
戦う経験が必ず必要な訳じゃないけど、少なくともギルドメンバーの一人としては必須だ。
「スライムは子供でも遊び感覚で倒せる魔物だ。そして倒したという経験値は身につく。ここで何匹か倒してみよう」
「はあ……」
ぼくは捕獲袋をズボンのベルト通しに結び、木の棒を受け取りブンブンと振り回してみる。
馬車の中では倒すどころか捕獲できるかを案じていたのに、いきなりグレードが上がってしまった。
実際、魔物を倒して経験を積んでもステータスに数字として表されることはない。
でも、その経験は無駄にならない……と考えられている。
例えば、同じ水魔法の初級魔法【ウオーターボール】を繰り出したとして、駆け出しの冒険者ならゴブリンを昏倒させる程度だけど、ベテランの冒険者ならオークのお腹に穴を開けることができる。
それは、経験の差と言われている。
「スライムでも経験を積むことになるんですかね」
ぼくは頭を傾げて、その場にしゃがみこみ、木の棒で草を払い除けスライムを探し始める。
「スライムでも何十匹と倒せばいい経験だ。ではクルト、私の話を思い出して無理せずスライムを倒すんだぞ!」
バシンと強めに背中を叩かれたぼくは前につんのめる。
「イタタ」
オスカーさんは捕獲袋を背中に担いで「私はあっちで茶色のスライムを探しているよ」と去って行った。
今日捕獲するつもりのスライムは、水を綺麗にするスライムを二~三匹、ゴミを処理するスライムを最低でも一匹。
「それとは別に、ぼくはスライム討伐十匹以上かぁ~」
ちょっとボヤキながら、右手を動かして目の前の草をズザザザと横に倒していく。
「おっ!」
ぴょんと跳ねた薄い水色のスライムを発見!
ぼくは右手に握った木の棒に力を入れて、上から思いっきり振り下ろした。
ガツン……ではなく、ポヨヨヨン。
「…………え?」
ぼくの木の剣は、スライムのやや斜め上を捕らえたはずなのに、ポヨンと弾かれてしまった。
あれ? スライムって最弱だよね?
「クルトーっ。スライムを無闇に叩いても無駄だぞー。ちゃんと芯を叩かないと弾かれるぞー!」
オスカーさん……それ、もっと早く言ってくださいっ!
ちなみにその後、ぼくはスライムを無事に十二匹倒すことに成功しました。
ええ、コツを掴むのに五十回以上かかりましたけどね!
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