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石を見つけましょう
はぐれました
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鉱山ダンジョンに挑戦しています、ヴィーです。
と言っても、初日はアルベールの言う通りに2階層まで行って、戻ってきただけ。
出没する魔獣も鼠系で数が多いだけでチョロイし。
採掘できた鉱石は、ほぼ鉄を含んだもの。
トータルで考えると赤字なんだけど、経験値というプライスレスなものを得るためだから、しょうがない。
それからもダンジョンに潜っては戻ってを繰り返し、ダンジョン未経験の私たち4人もそこそこ慣れました。
このダンジョン、本当に初心者には優しくない作りで、2階層までは坑道で、3階層からは整えられた石壁と石畳の道でできた地下室みたいな作り、そしてさらに下に行くと見渡す限り草原のエリアと、規則性の無いダンジョンだった。
どうにか日帰りで低階層をウロチョロしていて、ルネとリオネルのフラストレーションが溜まって爆発直前に、アルベールが「そろそろ、本格的に潜りましょう」と宣言したのだ。
なので、食料を買い込み、料理も宿の簡易キッチンではなく馬車に帰って作りまくり、他のメンバーは回復薬や防御の魔道具などの所持品チェック。
アルベールは、宿にお願いしてさらに1ヶ月分の宿泊費を払い部屋をキープ。
リュシアンはカヌレとブリュレにある程度のおやつを上げて、必死に説得していたとか。
長い間戻ってこれなかったら、あの子たちのおやつをあげることできないもんね。
「いや、あいつらはそうなったらダンジョンに入ってきそうで・・・俺は怖いんだが・・・」
いやー、たかがおやつ欲しさで、そんなことしないでしょ?
ダンジョンに入る魔獣馬なんて、非常識極まりないわ。
「そんなことないですよ。ティムした魔獣を相方にしているテイマーは一緒に入りますし、ダンジョンによっては馬車ごと入れる所もありますよ?」
そうなんだ・・・、異世界って規格外ね・・・。
そして、覚悟して・・・私とセヴランだけは悲愴な顔をして入ったダンジョンですが、順調に進めたのは草原エリアを抜けた6階層迄です。
ここは、またもや洞窟エリアで・・・トラップ満載の場所でした。
こんな所でどうやって鉱石を採掘できるのよっ!
岩盤にカツンとノミを入れたら、何かのトラップのスイッチになっていて、上から大量の水が降り注いできたのよーっ。
「うえーっ、ビシャビシャ・・・」
採掘組みのアルベールとセヴランと後方支援の私は、頭から水を被りずぶ濡れだ。
「乾かしましょう。ドライ」
アルベールが呪文を唱えると、体を温かい風が包み濡れた服も髪の毛も乾かしてくれる。
「ああ、ヴィーさん、髪が乱れてしまって」
セヴランに甲斐甲斐しく、髪を整えもらいます。
「酷い目に合ったわ。こんなトラップ塗れじゃ下手に掘れないよ」
「そうですね、場所を移しましょう。エリアを変えれば、トラップが無いかもしれません」
「ダンジョンにトラップは付き物ですが、ここは数が多すぎますし。下に行きましょうか。リュシアン!移動するぞ」
大分、離れたところで大きな蟻型魔獣と戦っていた3人は返事を返すと、速攻で魔獣を倒していた。
・・・あの魔獣・・・かなり強いらしいんだけど?外殻が固いらしいんだけど?瞬殺ですか?
でも、悲しいかな、ダンジョンの倒した魔獣はすうーっと吸い込まれるように消えてしまう。
あの外殻・・・高値で売れるらしいのに・・・リュシアンの鎧も作れそうなのに・・・ちっ、もったいない。
でも、何かはドロップしたみたいでルネとリオネルが顔を輝かして拾っている。
「ああしていると、無邪気なんだけどなー」
「同じ子供のくせに、何枯れたこと言い出した?近所のおばちゃんみたいだぞ?」
うるさいっ、リュシアン。
おばちゃんという否定しきれないことを言うなや!
「あっ、リオネル!無闇に周りを触らない・・・って、ああーっ!」
セヴランの大声でリオネルたちの方に顔を向けると・・・。
「お嬢、走るぞ!」
ぎゃーっ!トラップの定番の大玉がゴロゴロとこっちに転がってきたー!
私はリュシアンに半ば抱えられるように、ルネとリオネルはそれぞれアルベールとセヴランに手を引かれて走り出す。
「ひ、ひいいいぃぃっ」
「おわっ!」
走っていた私たちの足元が・・・、ガコッと抜けました。
お、落ちるーっ!!
アルベールたちが「ヴィー!」と私の名前を呼ぶ声を頭上に受けながら落ちて・・・落ちて・・・落ちる時間長くない?
しかも体に巻き付いていたリュシアンの腕の感触が無いのですが?
「リ、リュシアン?」
怖くて瞑っていた目を開けて、彼を呼ぶけれど返事は無いし真っ暗だし・・・、そしてまだ落ちる感覚・・・。
「いやーっ!助けてーっ、アルベール!セヴラン!ルネ!リオネル・・・はいいや、リュシアン!誰か助けてーっ!」
でも、その悲鳴は暗闇の中に空しく消えていくのだった。
「大丈夫ですか?」
酷い目にあった。
大玉に追いかけられて、走っても走っても逃げきれずに足がもたつき始めた頃、小さな窪みが目に入り咄嗟に入ったまでは良かったが・・・その壁がクルリと回転するなんて思わなかった。
ドサッ背後に倒れて、相手の手を握ったままだったことに気づいた。
一緒に大玉から逃げた相手は・・・。
「リオネル・・・」
「・・・」
しまった!
てっきりルネだと思ってました。
まさか、リオネルだとは・・・。
いやいや、魔獣を相手にするならばリオネルが同行者なのは有難いんですが・・・こんな仲間とはぐれたときに一緒なのは・・・。
ゴクンと私は唾を飲み込み、この悲観的な状況を察して立ち上がることができない。
これって、リオネルが怪我しても私のせいですし、何かマズイ展開になっても私のせい・・・リオネルが暴走しても止められなかった私のせい・・・詰んだ。
「ん」
リオネルが私に手を差し出し、体を引っ張り上げてくれた。
「いこ」
どこへ?と聞きたいのをグッと我慢して、私は子供のリオネルの逞しい背中の後をトボトボと追うのだった。
「よし!」
大玉に追いかけられ狭い洞窟の中を走ること数分。
やっと広い場所に出ました。
繋いでいた手を離し、後ろを振り向き両手を翳し、呪文を唱える。
「エアカッター!」
私の体から激しい風が巻き起こり、鋭い刃に姿を変えて、大玉に縦横無尽に切りかかる。
あっという間にバラバラに崩れ落ちた大玉を一瞥し、一緒に逃げた仲間に意識を向ける。
「大丈夫ですか?ルネ」
「はい」
ダンジョンだからと、採掘用の作業着ではなくメイドのお仕着せを着た少女は、服の汚れを払いちょこんと腰を落として礼をする。
「しかし、見事に別れてしまいましたね」
ヴィーにはリュシアンがついているからいいだろうが、セヴランとリオネルの組み合わせは少々頭が痛いな。
「アルベール。あそこ」
クイクイと私の服の裾を引っ張り、彼女の指差す方向を見ると、そこには以外なことに。
「転移部屋ですか・・・」
ルネと再び手を繋いで転移部屋まで移動する。
当然セーフティエリアにもなっているので魔獣の襲撃は心配ない。
「仕方ありません。他のみんなが戻るまでここで待ちましょう」
「はい」
私は自分の魔法鞄から、ヴィーに無理矢理持たされたお茶とお菓子を取り出し、同じく魔法鞄からルネが取り出した敷物の上に並んで座った。
と言っても、初日はアルベールの言う通りに2階層まで行って、戻ってきただけ。
出没する魔獣も鼠系で数が多いだけでチョロイし。
採掘できた鉱石は、ほぼ鉄を含んだもの。
トータルで考えると赤字なんだけど、経験値というプライスレスなものを得るためだから、しょうがない。
それからもダンジョンに潜っては戻ってを繰り返し、ダンジョン未経験の私たち4人もそこそこ慣れました。
このダンジョン、本当に初心者には優しくない作りで、2階層までは坑道で、3階層からは整えられた石壁と石畳の道でできた地下室みたいな作り、そしてさらに下に行くと見渡す限り草原のエリアと、規則性の無いダンジョンだった。
どうにか日帰りで低階層をウロチョロしていて、ルネとリオネルのフラストレーションが溜まって爆発直前に、アルベールが「そろそろ、本格的に潜りましょう」と宣言したのだ。
なので、食料を買い込み、料理も宿の簡易キッチンではなく馬車に帰って作りまくり、他のメンバーは回復薬や防御の魔道具などの所持品チェック。
アルベールは、宿にお願いしてさらに1ヶ月分の宿泊費を払い部屋をキープ。
リュシアンはカヌレとブリュレにある程度のおやつを上げて、必死に説得していたとか。
長い間戻ってこれなかったら、あの子たちのおやつをあげることできないもんね。
「いや、あいつらはそうなったらダンジョンに入ってきそうで・・・俺は怖いんだが・・・」
いやー、たかがおやつ欲しさで、そんなことしないでしょ?
ダンジョンに入る魔獣馬なんて、非常識極まりないわ。
「そんなことないですよ。ティムした魔獣を相方にしているテイマーは一緒に入りますし、ダンジョンによっては馬車ごと入れる所もありますよ?」
そうなんだ・・・、異世界って規格外ね・・・。
そして、覚悟して・・・私とセヴランだけは悲愴な顔をして入ったダンジョンですが、順調に進めたのは草原エリアを抜けた6階層迄です。
ここは、またもや洞窟エリアで・・・トラップ満載の場所でした。
こんな所でどうやって鉱石を採掘できるのよっ!
岩盤にカツンとノミを入れたら、何かのトラップのスイッチになっていて、上から大量の水が降り注いできたのよーっ。
「うえーっ、ビシャビシャ・・・」
採掘組みのアルベールとセヴランと後方支援の私は、頭から水を被りずぶ濡れだ。
「乾かしましょう。ドライ」
アルベールが呪文を唱えると、体を温かい風が包み濡れた服も髪の毛も乾かしてくれる。
「ああ、ヴィーさん、髪が乱れてしまって」
セヴランに甲斐甲斐しく、髪を整えもらいます。
「酷い目に合ったわ。こんなトラップ塗れじゃ下手に掘れないよ」
「そうですね、場所を移しましょう。エリアを変えれば、トラップが無いかもしれません」
「ダンジョンにトラップは付き物ですが、ここは数が多すぎますし。下に行きましょうか。リュシアン!移動するぞ」
大分、離れたところで大きな蟻型魔獣と戦っていた3人は返事を返すと、速攻で魔獣を倒していた。
・・・あの魔獣・・・かなり強いらしいんだけど?外殻が固いらしいんだけど?瞬殺ですか?
でも、悲しいかな、ダンジョンの倒した魔獣はすうーっと吸い込まれるように消えてしまう。
あの外殻・・・高値で売れるらしいのに・・・リュシアンの鎧も作れそうなのに・・・ちっ、もったいない。
でも、何かはドロップしたみたいでルネとリオネルが顔を輝かして拾っている。
「ああしていると、無邪気なんだけどなー」
「同じ子供のくせに、何枯れたこと言い出した?近所のおばちゃんみたいだぞ?」
うるさいっ、リュシアン。
おばちゃんという否定しきれないことを言うなや!
「あっ、リオネル!無闇に周りを触らない・・・って、ああーっ!」
セヴランの大声でリオネルたちの方に顔を向けると・・・。
「お嬢、走るぞ!」
ぎゃーっ!トラップの定番の大玉がゴロゴロとこっちに転がってきたー!
私はリュシアンに半ば抱えられるように、ルネとリオネルはそれぞれアルベールとセヴランに手を引かれて走り出す。
「ひ、ひいいいぃぃっ」
「おわっ!」
走っていた私たちの足元が・・・、ガコッと抜けました。
お、落ちるーっ!!
アルベールたちが「ヴィー!」と私の名前を呼ぶ声を頭上に受けながら落ちて・・・落ちて・・・落ちる時間長くない?
しかも体に巻き付いていたリュシアンの腕の感触が無いのですが?
「リ、リュシアン?」
怖くて瞑っていた目を開けて、彼を呼ぶけれど返事は無いし真っ暗だし・・・、そしてまだ落ちる感覚・・・。
「いやーっ!助けてーっ、アルベール!セヴラン!ルネ!リオネル・・・はいいや、リュシアン!誰か助けてーっ!」
でも、その悲鳴は暗闇の中に空しく消えていくのだった。
「大丈夫ですか?」
酷い目にあった。
大玉に追いかけられて、走っても走っても逃げきれずに足がもたつき始めた頃、小さな窪みが目に入り咄嗟に入ったまでは良かったが・・・その壁がクルリと回転するなんて思わなかった。
ドサッ背後に倒れて、相手の手を握ったままだったことに気づいた。
一緒に大玉から逃げた相手は・・・。
「リオネル・・・」
「・・・」
しまった!
てっきりルネだと思ってました。
まさか、リオネルだとは・・・。
いやいや、魔獣を相手にするならばリオネルが同行者なのは有難いんですが・・・こんな仲間とはぐれたときに一緒なのは・・・。
ゴクンと私は唾を飲み込み、この悲観的な状況を察して立ち上がることができない。
これって、リオネルが怪我しても私のせいですし、何かマズイ展開になっても私のせい・・・リオネルが暴走しても止められなかった私のせい・・・詰んだ。
「ん」
リオネルが私に手を差し出し、体を引っ張り上げてくれた。
「いこ」
どこへ?と聞きたいのをグッと我慢して、私は子供のリオネルの逞しい背中の後をトボトボと追うのだった。
「よし!」
大玉に追いかけられ狭い洞窟の中を走ること数分。
やっと広い場所に出ました。
繋いでいた手を離し、後ろを振り向き両手を翳し、呪文を唱える。
「エアカッター!」
私の体から激しい風が巻き起こり、鋭い刃に姿を変えて、大玉に縦横無尽に切りかかる。
あっという間にバラバラに崩れ落ちた大玉を一瞥し、一緒に逃げた仲間に意識を向ける。
「大丈夫ですか?ルネ」
「はい」
ダンジョンだからと、採掘用の作業着ではなくメイドのお仕着せを着た少女は、服の汚れを払いちょこんと腰を落として礼をする。
「しかし、見事に別れてしまいましたね」
ヴィーにはリュシアンがついているからいいだろうが、セヴランとリオネルの組み合わせは少々頭が痛いな。
「アルベール。あそこ」
クイクイと私の服の裾を引っ張り、彼女の指差す方向を見ると、そこには以外なことに。
「転移部屋ですか・・・」
ルネと再び手を繋いで転移部屋まで移動する。
当然セーフティエリアにもなっているので魔獣の襲撃は心配ない。
「仕方ありません。他のみんなが戻るまでここで待ちましょう」
「はい」
私は自分の魔法鞄から、ヴィーに無理矢理持たされたお茶とお菓子を取り出し、同じく魔法鞄からルネが取り出した敷物の上に並んで座った。
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