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二章(19)
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どこから情報を手に入れたのかは知らない。父は貴族として育ったし、革命の指導者の一人でもある。ありとあらゆるところに情報網が張り巡らされているのはよく知っていた。
それでも、反発を覚えないことはなくて。
結局今朝は朝食もそこそこに家を飛び出したのだ。
(……忘れよう。忘れないと)
そう自らに言い聞かせる。
けれど一度思い出してしまった父の言葉は、胸の中で強く主張を繰り返していて。
思わず顔を顰めた、その時だった。
見慣れない形のドレスが視界に入った。そのことを訝しんでそちらを向き――エリクは目を見開く。
そこにいたのは先週見かけた少女だった。目を輝かせ、興奮した様子で周囲を見回している。
その様子はどこにでもいる観光客のようだ。
けど。
(あの女の子も、反革命派なんだよな……)
そう思うと本当に観光をしているのかも怪しい。すべての行動が疑わしく思えてくる。
その後も彼女を観察し続ける。が、怪しい素振りはまったく見せない。
(だったら――)
これからすることを思うと罪悪感で胸がちくりと痛むが、それだけだ。彼女は反革命派だし、怪我をしないよう支えれば大丈夫――
呼吸を整え、エリクは少女の元へ向かって走り出した。そしてわざとドンッとぶつかる。
少女の体がバランスを崩し、傾いていく。怯えたような瞳が一瞬だけ見えた。しかしそれはすぐにぎゅっと閉じられ、これからやってくるであろう痛みを堪えるような表情を浮かべ。
エリクは彼女の体を支えた。元々そうするつもりであったが、ちゃんとできてほっと息をつく。
ちらりと見えた瑠璃色の瞳が脳裡に浮かび、罪悪感で胸が重たくなる。
「あら、あなたは」
腕の中から声が聞こえ、エリクは視線を少女にやった。「あなたは……」と呟き、驚いているような表情を作る。
なにも知らない声を聞いて、罪悪感で胸がキリキリした。呼吸が苦しくなる。
「あのときはすみませんでした」
しばらくして謝罪の言葉を口にすれば、ぼんやりとしていた少女はビクリと体を震わせてエリク脳での中から出る。
「い、いえ。あのときも言ったけど、わたしもちゃんと見ていなかったし、お互い様だわ」
少女はそう言うけれど、どうしても胸にかかるもやは晴れなくて。
エリクは首を横に振った。
「ですが、怪我を――」
「大丈夫よ。もうちゃーんと治ったもの」
それでも、反発を覚えないことはなくて。
結局今朝は朝食もそこそこに家を飛び出したのだ。
(……忘れよう。忘れないと)
そう自らに言い聞かせる。
けれど一度思い出してしまった父の言葉は、胸の中で強く主張を繰り返していて。
思わず顔を顰めた、その時だった。
見慣れない形のドレスが視界に入った。そのことを訝しんでそちらを向き――エリクは目を見開く。
そこにいたのは先週見かけた少女だった。目を輝かせ、興奮した様子で周囲を見回している。
その様子はどこにでもいる観光客のようだ。
けど。
(あの女の子も、反革命派なんだよな……)
そう思うと本当に観光をしているのかも怪しい。すべての行動が疑わしく思えてくる。
その後も彼女を観察し続ける。が、怪しい素振りはまったく見せない。
(だったら――)
これからすることを思うと罪悪感で胸がちくりと痛むが、それだけだ。彼女は反革命派だし、怪我をしないよう支えれば大丈夫――
呼吸を整え、エリクは少女の元へ向かって走り出した。そしてわざとドンッとぶつかる。
少女の体がバランスを崩し、傾いていく。怯えたような瞳が一瞬だけ見えた。しかしそれはすぐにぎゅっと閉じられ、これからやってくるであろう痛みを堪えるような表情を浮かべ。
エリクは彼女の体を支えた。元々そうするつもりであったが、ちゃんとできてほっと息をつく。
ちらりと見えた瑠璃色の瞳が脳裡に浮かび、罪悪感で胸が重たくなる。
「あら、あなたは」
腕の中から声が聞こえ、エリクは視線を少女にやった。「あなたは……」と呟き、驚いているような表情を作る。
なにも知らない声を聞いて、罪悪感で胸がキリキリした。呼吸が苦しくなる。
「あのときはすみませんでした」
しばらくして謝罪の言葉を口にすれば、ぼんやりとしていた少女はビクリと体を震わせてエリク脳での中から出る。
「い、いえ。あのときも言ったけど、わたしもちゃんと見ていなかったし、お互い様だわ」
少女はそう言うけれど、どうしても胸にかかるもやは晴れなくて。
エリクは首を横に振った。
「ですが、怪我を――」
「大丈夫よ。もうちゃーんと治ったもの」
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