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第三十八話 アーティファクト
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鉱物迷宮二十階層のボス、ミスリルゴーレムを倒して現れた白銀の宝箱。
その周りに集まり今か今かと開けるのを待っているガンツとカジム。
「じゃあ開けるよ」
ホクトがそう言って宝箱の蓋を持つ。
息を飲むガンツとカジムの視線を感じながら、ゆっくりと宝箱を開けていく。
「「おおぉぉーー!!」」
ガンツとカジムが興奮の声をあげる。
「……凄いな」
「本当ね」
ホクトとサクヤも宝箱の中身を見て驚く。
宝箱の中には、金貨や白金貨、数々の宝石類、マジックアイテム類、冷蔵庫などの魔導具各種、インゴット各種、不思議な事に剣や槍の様な武器類や防具類はほとんど入っていなかった。
その中でも、ひとつだけ不思議な物体があった。
「おそらくアーティファクト、それも神話級だな」
ガンツが手に取って見詰めるのは、不自然に大きくゴテゴテした白い金属製の鞘に入った短剣だった。
鞘を良く見ると20センチ程の肉厚のナイフ状の物が四本嵌め込まれている。
ただ尋常じゃない魔力を感じる事から、ガンツが言う様に貴重な物なのだろう。
サクヤが興味深く見ていると、ガンツがサクヤに手渡す。
サクヤも短剣の柄を握ると、短剣が光を発しサクヤから魔力を大量に吸い始める。
突然の事に身構えるホクト達だが、サクヤの落ち着いた様子を見て、そのまま見守る事にした。
「ごめんなさい。この短剣、私専用になったみたい。これの名前は《絶対的守護者》。使い方はちょっと見てて」
皆んなから少し離れたサクヤが短剣を抜くと、鞘から四つの短剣状の金属が分離して、サクヤの周りを護る様に宙に浮いた。
「こ、これは…………、結界か」
サクヤの周りを短剣状から変形した、白い十字架がサクヤを護る守護者としてサクヤの周りを回転している。
「ホクトの言う通り、これは結界で敵からの攻撃を防ぐんだけどそれだけじゃないの」
サクヤはそう言うと手に持つ短剣を誰もいない場所へと向ける。
サクヤの周りを回っていた十字架がサクヤの突き出した短剣を中心に四角形を形作る。
次の瞬間、五条の光線となって放たれた。
ドォーーーーン!!!!
放たれた五条の光線が収束し、ダンジョンの壁を破壊した。
「無属性魔法、ミスリルゴーレムが放った光線の魔法か」
「そうみたいね。
収束させたり、バラバラに放ったり出来るみたいね。まるでファ○ネルみたいね、それは要練習だけどね」
「後衛職のサクヤにはぴったりの装備だな」
「私が貰っちゃって良いの?」
サクヤは申し訳なさそうにホクトに言う。
「いや、姐さんが後衛職ってのも勿体無いけど、それは姐さんが持った方が良いと思うぞ」
「そうじゃな、既に使用者登録されておるんじゃ。何も問題ないわい」
皆んなからアブソリュートガーディアンの所有権を認められ、サクヤは嬉しそうに短剣を鞘に収める。すると宙に浮いていた十字架が短剣状に戻り鞘へと戻る。
「それで分配なんだけど、お金は均等に分けるとして、インゴットは僕も少し欲しいけど、大半はガンツで良いよね」
「今回、儂は大量の鉱石を採掘させて貰ってるから、それだけで良いぞ。店に有る在庫を含めると、暫く使い切れん程の鉱石が採れたからの。
それに、金はホクト達の装備を造るのに必要じゃろう。お前達で分けろ」
ホクトは、成る程、まわりまわってガンツの元にお金は集まると思いなおした。
取り敢えず、宝箱の中身をアイテムボックスに収納する。宝箱の中が空になると、白銀の宝箱が光の粒になって消えていった。
宝箱が消えた後、ボス部屋の奥に輝く魔法陣が現れた。
「あの転移魔法陣で外に出れるんじゃ。早いとこ王都へ帰るぞ」
転移魔法陣の上に乗ると、一瞬の浮遊感の後、鉱物迷宮の外へと転移していた。
ホクト達がダンジョンの外に出た時には、夕陽が沈みかけていた。
「ガンツさん、取り敢えず野営して、明日朝一番で帰りましょう」
「そうじゃな。早く帰って作業に取り掛かりたいが、さすがに夜は危ないからの」
「俺は鼻も夜目も効く獣人族だからぜんぜん平気だけどな」
トラ人族のカジムに取って闇夜も苦にしない。
実はホクトとサクヤも闇夜を苦にしないのだが、常識的に夜の移動はこの世界では、余程のことがない限りしない。
「じゃあ野営の準備するね」
サクヤが晩ご飯の準備を始め、ホクトとカジムが火の用意を始めた。
翌朝、朝一で出発したホクト達は、昼前に王都へ帰り着いた。
ホクト達に取って初めてのダンジョンアタックは、結果からみると大成功に終わった。
その周りに集まり今か今かと開けるのを待っているガンツとカジム。
「じゃあ開けるよ」
ホクトがそう言って宝箱の蓋を持つ。
息を飲むガンツとカジムの視線を感じながら、ゆっくりと宝箱を開けていく。
「「おおぉぉーー!!」」
ガンツとカジムが興奮の声をあげる。
「……凄いな」
「本当ね」
ホクトとサクヤも宝箱の中身を見て驚く。
宝箱の中には、金貨や白金貨、数々の宝石類、マジックアイテム類、冷蔵庫などの魔導具各種、インゴット各種、不思議な事に剣や槍の様な武器類や防具類はほとんど入っていなかった。
その中でも、ひとつだけ不思議な物体があった。
「おそらくアーティファクト、それも神話級だな」
ガンツが手に取って見詰めるのは、不自然に大きくゴテゴテした白い金属製の鞘に入った短剣だった。
鞘を良く見ると20センチ程の肉厚のナイフ状の物が四本嵌め込まれている。
ただ尋常じゃない魔力を感じる事から、ガンツが言う様に貴重な物なのだろう。
サクヤが興味深く見ていると、ガンツがサクヤに手渡す。
サクヤも短剣の柄を握ると、短剣が光を発しサクヤから魔力を大量に吸い始める。
突然の事に身構えるホクト達だが、サクヤの落ち着いた様子を見て、そのまま見守る事にした。
「ごめんなさい。この短剣、私専用になったみたい。これの名前は《絶対的守護者》。使い方はちょっと見てて」
皆んなから少し離れたサクヤが短剣を抜くと、鞘から四つの短剣状の金属が分離して、サクヤの周りを護る様に宙に浮いた。
「こ、これは…………、結界か」
サクヤの周りを短剣状から変形した、白い十字架がサクヤを護る守護者としてサクヤの周りを回転している。
「ホクトの言う通り、これは結界で敵からの攻撃を防ぐんだけどそれだけじゃないの」
サクヤはそう言うと手に持つ短剣を誰もいない場所へと向ける。
サクヤの周りを回っていた十字架がサクヤの突き出した短剣を中心に四角形を形作る。
次の瞬間、五条の光線となって放たれた。
ドォーーーーン!!!!
放たれた五条の光線が収束し、ダンジョンの壁を破壊した。
「無属性魔法、ミスリルゴーレムが放った光線の魔法か」
「そうみたいね。
収束させたり、バラバラに放ったり出来るみたいね。まるでファ○ネルみたいね、それは要練習だけどね」
「後衛職のサクヤにはぴったりの装備だな」
「私が貰っちゃって良いの?」
サクヤは申し訳なさそうにホクトに言う。
「いや、姐さんが後衛職ってのも勿体無いけど、それは姐さんが持った方が良いと思うぞ」
「そうじゃな、既に使用者登録されておるんじゃ。何も問題ないわい」
皆んなからアブソリュートガーディアンの所有権を認められ、サクヤは嬉しそうに短剣を鞘に収める。すると宙に浮いていた十字架が短剣状に戻り鞘へと戻る。
「それで分配なんだけど、お金は均等に分けるとして、インゴットは僕も少し欲しいけど、大半はガンツで良いよね」
「今回、儂は大量の鉱石を採掘させて貰ってるから、それだけで良いぞ。店に有る在庫を含めると、暫く使い切れん程の鉱石が採れたからの。
それに、金はホクト達の装備を造るのに必要じゃろう。お前達で分けろ」
ホクトは、成る程、まわりまわってガンツの元にお金は集まると思いなおした。
取り敢えず、宝箱の中身をアイテムボックスに収納する。宝箱の中が空になると、白銀の宝箱が光の粒になって消えていった。
宝箱が消えた後、ボス部屋の奥に輝く魔法陣が現れた。
「あの転移魔法陣で外に出れるんじゃ。早いとこ王都へ帰るぞ」
転移魔法陣の上に乗ると、一瞬の浮遊感の後、鉱物迷宮の外へと転移していた。
ホクト達がダンジョンの外に出た時には、夕陽が沈みかけていた。
「ガンツさん、取り敢えず野営して、明日朝一番で帰りましょう」
「そうじゃな。早く帰って作業に取り掛かりたいが、さすがに夜は危ないからの」
「俺は鼻も夜目も効く獣人族だからぜんぜん平気だけどな」
トラ人族のカジムに取って闇夜も苦にしない。
実はホクトとサクヤも闇夜を苦にしないのだが、常識的に夜の移動はこの世界では、余程のことがない限りしない。
「じゃあ野営の準備するね」
サクヤが晩ご飯の準備を始め、ホクトとカジムが火の用意を始めた。
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