いずれ最強の錬金術師?

小狐丸

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5巻

5-3

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 大精霊達は話し合っていたと思ったら、いつの間にか解散していた。
 ドリュアスは、聖域でも生育出来る植物に働きかけて種や球根を集めているようだ。シルフは「小鳥を捕まえてくる」と言って飛んでいってしまった。
 自由だ。分かっていたけど、大精霊達は本当に自由気ままだった。
 そんな大精霊達はさておき、僕達は野営出来る場所を探す。
 しばらく歩き回ってほど良い所を見つけると、さっそくテントを設営した。ここに腰を落ち着けて、テーブルマウンテンを探索する事にしたのだ。テーブルマウンテンは人類未踏の地。せっかくなので生態系とかをなるべく詳しく調べて、記録に残そうと思う。丸二日かけて調査と採取、そして捕獲をしようと考えているのだ。
 すぐに動きだしたのはレーヴァで、植物の標本作りに夢中になっている。彼女はこういった探究心が旺盛おうせいだ。嬉々としてメモを取りながら植物の採取をしている。
 僕はマリアとマーニに食事の準備を頼み、二人の護衛をアカネとルルちゃんにお願いすると、ソフィアと一緒に野営地周辺を歩いてみる事にした。

「標高が高いというのもあるのかな、大型の動物や魔物はいないね」
「そうですね。小さな鳥が多いのと、その他には、小型の動物や魔物。捕食側としては猛禽類もうきんるいがいますね」

 テーブルマウンテンという特殊な地形は、地殻変動で地面が隆起りゅうきして出来たんだと思う。
 そうした環境変化に対応出来たのは、小型の動物や魔物だけだったのかもしれない。そして、この場所で生きていくうちに、独自の進化を遂げたのだろう。
 この世界に、地球と同じような考え方が当てはまるのか分からない。けれど、ここにいる生き物はテーブルマウンテンの下のそれとは、明らかに違う生態系を持っていた。


 ◇


 こうして丸二日経った。テーブルマウンテンの頂上を探索し、それこそ図鑑を作れるほど資料が集まった。
 僕もだんだん面白くなってきて、頭の中で様々な動植物が暮らしている空間を考えて、ちょっとしたビオトープを作っているような気分になっていた。
 ドリュアスは、水棲植物と固有種の草花を中心に集めているみたい。シルフはつがいの小鳥を何種類か捕獲して、ゲージ(急遽きゅうきょ、僕が作らされた)に入れていた。
 ウィンディーネは、水棲昆虫と小魚を何種類か水槽(これも僕が作らされた)に入れ、僕の亜空間に収容済みだ。
 レーヴァは薬草を何種類も採取している。初めて見る薬草なので色々な実験と検証が必要だとか言ってワクワクしている感じだった。
 カエデは何かおかしな事になっていた。
 見ると、小型の蜘蛛を従えて歩いていた。蜘蛛って、飼い慣らしたり出来るほど知能が高かったっけ? 魔物だとしても違和感がある。

「マスター、カエデ、子分が出来たの!」
「あ、あぁ、そうなんだ。その蜘蛛達、連れて帰るのかい?」
「うん!」
「そうなんだ。は、ははっ、大丈夫かな」
「大丈夫なの! カエデがちゃんとしつけるの!」

 うん、蜘蛛は益虫えきちゅうっていうしね。大丈夫だよね。蜘蛛が躾けられるかどうかは別にして、カエデが大丈夫と言うなら大丈夫なんだろう。
 カエデが従えている蜘蛛の種類はフラワースパイダーで、花に擬態ぎたいして獲物を狙うらしい。色とりどりだけど、種類としては同じで擬態する花の違いで色が変わるのだとか。

「……ちゃんと面倒見るんだよ」
「任せて、マスター!」

 もう、カエデに任せるしかないよな。カエデがご機嫌だから良しとしよう。
 そして、僕を一番困惑させたのが、いつも真面目で僕の側を離れない護衛役のソフィア。そう、ソフィアが腕に猛禽類を乗せている。
 翼を広げると2メートルを超えるわしの魔物を腕に乗せ、なぜかソフィアは満足げだ。

「……ソフィア、それ、どうしたの?」
「はい、テイムに成功しました」

 大きな胸を張って満面の笑みで言われた。
 ソフィアによると、サンダーイーグルという魔物らしい。その名の通り、雷の魔法を操るという。僕がカエデやツバキを従魔にしているのをうらやましく思っていて、真似してみたようだ。

「まぁ、ソフィアがテイムしたのなら、僕は何も言う事はないよ」
「ありがとうございます」

 サンダーイーグルはランクとしてはCの魔物だそうだけど、滅多に姿を見せないので希少性が高いという。
 この世界でも貴族は鷹狩たかがりをするようで、猛禽類の魔物をテイムして行うらしい。その鷹狩りに使われる魔物の中でもサンダーイーグルは人気で、大枚をはたいても欲しいと言われるそうだ。
 また貴族に狙われるような原因を作って……なんて、僕には言う資格はないけど。
 ふと、サンダーイーグルの餌として鼠の魔物が必要なのでは? と思い、ウィンディーネに尋ねてみる。

「鼠は爆発的に増えるから、聖域に持ち込むのは心配ね。森の外に出てしまって、果樹園や畑を荒らすかもしれないわ。だったら、栗鼠りすにしようかしら……」

 若干自信なさげに言うウィンディーネに、シルフが助言する。

「まぁ、また今度でもいいんじゃない。一度にすべて揃えなくても」
「それもそうね」

 ソフィアのサンダーイーグルには、僕らが狩った魔物の肉をあげればいいか。せっかくの小鳥が捕食されるのは避けたいし。
 それから僕らは撤収の作業を始め、採取・捕獲した植物、動物、魔物の状態を確認しながら、僕の亜空間へまとめて収容した。
 こうして一通りやり終えた僕達は、下山する事にした。

「じゃあみんな、僕の近くに来て! 行くよ!」

 僕はみんなを集めると、テーブルマウンテンの麓へ一気に転移する。
 聖域まで転移で帰れば楽なのにわざわざ麓の森を通るのは、行きの時に目星を付けておいた動植物を採取・捕獲するため。行きだと荷物になるから、帰りにやろうと結構残しておいたのだ。
 ここで栗鼠を捕獲した。鹿と猪もいたんだけど、また次回にしようとウィンディーネ達と決めた。


 こうして、僕達の「第一回動植物採取・捕獲作戦」は終了した。
 第一回としたのは、きっとまたウィンディーネやドリュアス達に連れ出されるんだろうな、と考えてるから。
 いや、動植物や魔物を聖域にもたらすのはいいんだよ。だけど、それを管理する人員も増員してもらいたいよ。それは切実に思う。



 6 命溢れる聖域


 テーブルマウンテンから戻ってすぐ、溜め池と水路に、小魚や水棲植物、水棲昆虫をリリースし、草原には兎を放した。
 森と林には、虫類、栗鼠、小鳥をリリースした。他にも、ミミズ、ムカデ、甲虫の幼虫などの虫類を広範囲に満遍まんべんなく放す。
 カエデは、手下の蜘蛛達を聖域中で自由にさせるみたいだった。
 ウィンディーネが、生き物が増え始めた聖域の状態をチェックしながら言う。

「思ったよりも聖域を守る下位・中位精霊達の力が強いわね。これなら動植物が増えても、聖域の環境が荒らされる事はないわ。まあ、私達大精霊が顕現している時点で、よほど無茶な事をしない限り大丈夫なんだけどね」

 聖域に連れていくのを断念した種が多かったので、そういうのは先に言っておいてほしかったな。そしたら色々連れてこられたのに。
 というわけで、さっそく僕は聖域に放つ種を増やしちゃう事にした。
 近くの未開地から、様々な種類の鳥、鼠、蛇、角ウサギを捕獲してきて放つ。ちなみにエルフ達には、精霊からオーケーが出れば兎等を狩ってもいいと伝えてある。
 ワイルドキャット、グリーンフォックスといった、ちょっと物騒ぶっそうな肉食の魔物も放してみた。
 魔物が活動するようになると瘴気が土地を侵すものだけど、この聖域は浄化能力が高く、瘴気に侵されるどころか、逆に魔物の瘴気を浄化するので、魔物の攻撃性が抑えられるらしい。
 ちょっと僕が大胆になりすぎていたためか、ウィンディーネが釘を刺すように言う。

「それでも絶対に安全ってわけじゃないから。居住区との間に、簡単な防壁を作った方がいいわ。聖域の中央区画や居住区画に魔物が近寄らないよう、私も簡単な結界を設置しておくけど、念のためにね」
「うん、まぁ、そんなところだと思ったけどね」

 鹿の魔物でもブレードディアは危険だから、もう少し小型のトライホーンディアを捕獲して放した。ある程度トライホーンディアの数が増えたら、トライホーンディアを捕食する魔物を入れる事も考えないとね。
 日本では鹿による森林破壊が問題になっているけど、そういう心配はないらしい。ドリュアスに言わせれば、精霊の力で森が再生するので大丈夫なのだそうだ。

「なら、トライホーンディアを捕食する魔物はいらないね」
「それは自然の摂理せつりに反してるわよ」
「あ、あぁ、そう」

 確かに一つの種族が増えすぎたら、生態系のバランスを崩しちゃうかな。そんな会話をしながら僕は、捕獲していたトライホーンディアのつがいを亜空間から放出する。

「とりあえず、鹿系の魔物はこれでいいわ」
「そうね。あと、無害な鳥に関しては、聖域の結界を通れるように調整しといたから、勝手に増えると思うわよ」

 ドリュアスとシルフから、ひとまず聖域に放す動植物や魔物の捕獲を終了してもいいと言われた。ふと気になったのでシルフに尋ねてみる。

「無害だとしても、ソフィアがテイムしたサンダーイーグルみたいなのが来たら危ないよね」
「危険な魔物は結界を通さないわよ。当たり前じゃない」
「うん、そうだよね。ごめんね」

 シルフがひどくバカにしたように言った。ウィンディーネやドリュアスからなら分かるけど、シルフに言われると、なぜか納得出来ない。


 こうして森や林で狩猟が出来るようになり、エルフや獣人族達から喜ばれた。しばらくすると、狩猟するのを仕事にする人も出てくる。
 人魚の漁業とエルフや獣人の狩猟、それと農業も順調。何だか知らないうちに産業が発達してきたけど、そろそろ備蓄倉庫を建設した方がいいかもな。
 そうそう、ゆくゆくは牧場を作って畜産をしたいな。


 ◇


 いつものように、住居の建設、上下水道建設、開墾と用水路の整備、聖域内の道路整備をしながら、僕はある事を考えていた。
 カエデやソフィアが魔物をテイムしてきたのだから、僕も草原や森を管理する魔物をテイムすれば楽になるのではないか。いや、カエデのはテイムじゃないかもしれないけど。

「……狼系の魔物が良いな」
「いきなりどうしたのですか?」

 土木工事中に、唐突に呟いた僕に、いつものように側にいたソフィアが聞いてきた。僕は慌てて説明する。

「いや、森と草原の管理を任せられる従魔を、テイムすれば良いんじゃないかと思ったんだ。中でも狼は群れで活動するだろ。群れのボスをテイム出来れば、群れごと手に入ったと同じだし」
「まぁ、確かに。今聖域にいる魔物なら、狼の魔物で十分対処出来るので、良い案だと思いますが……でも、私のグロームもいますよ?」
「グロームって名前にしたんだね、あのサンダーイーグル。でも、グロームだけじゃ大変でしょう? グロームがソフィアの側にいる時間が少なくなるよ」

 すると、ソフィアが慌てたように言う。

「それはダメですね。狼の魔物をテイムしましょう」

 あれ、ソフィアってこんな感じだったっけ。なんかキャラがブレてきたように感じる。
 まぁ、狼探しに行こうっと。


 狼の魔物の群れのボスを探す役目は、風の精霊達が請け負ってくれた。報酬は僕の魔力。なぜだか知らないけど、僕の魔力は美味しいらしい。
 するとさっそく風精霊から狼の魔物に関する情報が入り、その情報を元に、僕らは出かける事にした。
 メンバーはいつもの護衛役のソフィアの他に、日本にいた時から犬を飼いたいとずっと思っていたというアカネ。その従者のルルちゃんだ。
 何だか様子のおかしいアカネに、僕は言う。

「狼の魔物は犬と違うんだよ。それに、ペットを買いに行くんじゃないからね」
「分かってるわよ。でも、狼もイヌ科でしょ。私は遠慮なくモフりたいのよ!」

 アカネの鼻息が荒い。
 そういえば、アカネがルルちゃんやレーヴァの尻尾しっぽや耳を触ろうとして、嫌がられているのを見た事があるな。
 今回、風精霊が狼の魔物を見つけたのは、僕達も初めて訪れる魔境だ。転移は出来ないので、ツバキが引く馬車で進んだ。
 その馬車の中で、アカネはずっと興奮気味だった。

「えっと、ひょっとしてアカネがテイムするつもりになってない?」
「そうよ! だってタクミには、カエデ、ツバキ、タイタンがいるじゃない。ソフィアもサンダーイーグルなんてテイムしているし、羨ましいじゃないの!」
「アカネ様、本音がダダ漏れですニャ」

 ルルちゃんにまで突っ込まれる始末である。
 アカネは、ソフィアがサンダーイーグルに「グローム」と名付けて可愛がっているのが心底羨ましいらしい。

「まぁ、アカネにテイム出来るかどうかは分からないよ」
「分かってるわよ! だから、カエデちゃんに手伝ってもらうんだから!」

 従魔は誰でも契約出来るものじゃない。対象の魔物との相性があるので、テイムする素質がなければどうしたって無理なのだ。
 僕は、やたら興奮しているアカネを見つめた。

「失敗する可能性なんて、考えてなさそうなんだよなぁ」

 アカネはすでに、どんな名前にしようか考えているようで、ブツブツと色々な名前を呟いていた。
 その後、精霊の声を聞き、ナビゲーターとなったソフィアの指示に従ってたどり着いたのは、草原タイプの魔境だった。
 馬車を降りた僕は、カエデに声をかける。

「カエデ、狼の魔物が見つかったら、ボスを含めて全部捕獲出来る?」
「大丈夫だよ。任せてマスター!」
「お願いね、カエデちゃん」

 アカネが必死だ。
 ツバキを亜空間へ戻し、馬車をアイテムボックスに収納してから、僕達は目的の魔物を探し始める。


「あっ、見つけたよ」

 しばらく草原を進んだ時、カエデが狼の魔物を発見した。

「群れの構成は?」
「弱いのが五匹と、ボスで普通くらいのが一匹」

 カエデが言う普通はたぶん、Cランクくらいかな。カエデの指差す方向から近づく気配を、僕も感じ取った。
 カエデがニコニコしているのは、すでに糸の罠を張り終えたかららしい。
 魔物が目視出来る距離まで近づいてきた。

「シャドウウルフが五匹と、あれはルナウルフです」

 ソフィアが、近づいてきた魔物の名を教えてくれた。
 シャドウの名の通り、シャドウウルフは漆黒しっこくの毛色をしている。それを統率するボスのルナウルフは、銀色に輝く美しい毛並みをしていた。
 アカネの目の色が変わっている。たぶん、気に入ったんだろうな。
 シャドウウルフが「グルルルルゥ」とうなり声を上げると、それよりふた回りは大きいルナウルフがあとに続く。
 狼の群れが僕達に襲いかかろうとした時――彼らはカエデの糸に捕らえられていた。
 魔物達は、激しく吠えて声を上げている。さすがにボスのルナウルフは、落ち着いたたたずまいを見せていた。
 本来、狼は犬のように威嚇いかくする時に吠えない。それは狼の魔物でも同じで、吠えるのは仲間同士の合図で使う時だけだ。
 僕は、なぜか妙に緊張しているアカネに声をかける。

「アカネ、一応、チャレンジしてみたら」
「言われなくても頑張るわよ!」

 身動きが取れなくなったルナウルフに近づいていくアカネ。
 アカネの必死さか、はたまた情熱か、何かしらを感じ取ったルナウルフがおびえたような仕草しぐさをする。いや、ドン引きしてるのかな。
 睨み合うアカネとルナウルフ。やがてルナウルフが目をらした。

「アンタ、私にくだりなさい! もう、アンタは私のものよ!」

 あ~あ、テイムしちゃったみたいだ。ルナウルフがすっかり大人しくなっているもの。シャドウウルフまで大人しくなっている。これで成功かな。

「……それにしてもデカくないか?」

 そう、シャドウウルフでさえ普通の狼よりも大きく感じるのに、ルナウルフは虎やライオンよりもさらに大きかった。

「何! 私のフェリルに文句あるの!」
「フェリルって名前にしたんだね……うん、文句なんてないよ」

 そこで、カエデが糸を解除して、抑えていた魔力を元に戻す。
 僕も存在隠匿いんとく外套がいとうの効果を切り、消していた気配を戻した。そして逆に、周囲に僕の存在を知らしめるように魔力を解放する。
 すると、周辺にいた魔物の気配が遠ざかっていくのが分かった。でも、それだけでは済まなかったみたいで……

「キャン、キャン」

 その途端、僕とカエデに対して、シャドウウルフはおろかルナウルフのフェリルまでが、お腹をさらして服従のポーズをしだした。

「ちょ、ちょっと! フェリルまで、何お腹さらしているのよ! 私が主人でしょ!」
「アカネ様、落ち着いてくださいニャ!」

 アカネがヒートアップするのを、ルルちゃんがなだめる。僕とカエデは顔を見合わせ、仕方がないので魔力を抑えて気配を消した。

「……クゥ~~ン」

 フェリルが立ち直ったのを見て、僕はカエデの方に顔を向ける。

「怖がらせちゃったかな」
「マスター、仕方ないの。コイツらは弱々よわよわだから、マスターやカエデを怖がるのは普通なの」

 魔物のランクは人間が勝手に付けたものだが、これが意外と正確に魔物の格を評価しているらしい。ルナウルフはランクCで、カエデはランクSを超えている。フェリルやシャドウウルフにとって、カエデは決して逆らってはいけない存在なのだろう。
 アカネが自信ありげに言う。

「フェリルにシャドウウルフの統率を指示しておいたわ。聖域の人間を襲わないように、特に厳しく注意したから。タクミ、亜空間で運んでちょうだい」
「はいはい」

 僕が亜空間の入り口を開けると、アカネの号令でシャドウウルフが亜空間へ入っていく。ところがフェリルは入ろうとしなかった。いや、アカネが止めている。

「あれ? フェリルは亜空間に入れないのか?」
「馬車の中に入れても大丈夫でしょう?」

 アカネがさも当然のように言う。どうやらアカネはフェリルから離れたくないらしい。

「いや、馬車は広いから大丈夫だけど、帰りは転移だよ」
「……さぁ、転移で帰るわよ」
「うん、帰ろうか」

 アカネにツッコミを入れずにスルーして、僕らはその場から転移して聖域へ戻った。
 一応、フェリルの全身を浄化するのは忘れない。野生動物は結構匂うからね。


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