162 / 321
11巻
11-2
しおりを挟む
4 名付けでモメる
ソフィアが眠ったので、僕も部屋を退出しリビングへと向かった。
そこでは、僕とソフィアを差し置いて、赤ちゃんの名前を考えている光景が目に入ってきた。
「やっぱり風の精霊に関係する名前が良いと思うわ」
「あら、水に関係する名前が良いに決まってるじゃない」
「フフッ、私は植物かお花に関係する名前が良いと思うの~。だって女の子でしょ」
「光、光が良いわ。だって光り輝く銀髪よ」
シルフを筆頭に、ウィンディーネやドリュアス、セレネーが自分の属性に関係する名前が良いと主張している。
「……闇か夜を連想する名前は?」
「いや、闇はねえだろう。ここは男らしく火だ」
「頭は大丈夫か、サラマンダー。生まれたのは女の子じゃ。ここは大地や土に関係する名前が適当じゃと思うぞ」
さっきまでいなかったのに、いつの間にか闇の大精霊ニュクスや火の大精霊サラマンダー、土の大精霊ノームまで参加している。いやニュクス、僕も闇や夜を連想する名前はどうかと思うよ。
「大精霊様方には申し訳ありませんが、孫の名前は私が決めたいと思います」
「あら、ユグル王国でも初の大精霊様方に祝福を受けた子ですよ。王妃たる私が名付け親になるのが良いのでは?」
フリージアさんとルーミア様も遠慮する気がない。
「名付け親かぁ~、良いわね」
「ルルも考えるニャ」
「ほほぅ、名付け親とは良い響きでありますな」
アカネやルルちゃん、レーヴァまでノリノリだ。
何度も言うようだけど、僕とソフィアの子供なんだけど……
そこへ、執事のジーヴルから来客を知らされる。
「バンガ様とマーサ様が見えられています」
「あ、ああ、バンガさんとマーサさんが? 何だろう。あぁ、僕が行くよ」
ジーヴルにそう言って玄関へと向かう。
バンガさんとマーサさんは、手荷物を持って立っていた。
「おお、タクミ、おめでとう! 子供が生まれたって聞いたぞ!」
「おめでとう、タクミちゃん。タクミちゃんもお父さんになったのね」
「えっ、もう知ってるんですか?」
生まれたばかりなのに、どうしてだろう。
「おう、何かケットシーやエルフから聞いてな。祭りだとか言ってたぜ」
「精霊様が聖域中を飛び回って祝福しているのよ。私達は人族だから見えないんだけどね」
「……は、ははっ、そうだったんですね」
「じゃあ俺達は帰るわ」
バンガさんとマーサさんは持ってきたお祝いを僕に渡し、そのまま帰ろうとした。
「赤ちゃんの顔を見ていかないんですか?」
「タクミちゃん、ソフィアさんも疲れているでしょうし、赤ちゃんにもいつでも会えるわ。ちゃんとしたお披露目の時を楽しみにしているわ」
「そうですか。今日はありがとうございます」
「なに、俺達の仲じゃないか。タクミは一度に三人のオヤジになるんだ。頑張れよ」
「は、はい」
バンガさんは僕の背中をバンバンと叩き、二人は帰っていった。
お披露目しないとダメなのかなぁ……なんて考えながらリビングに戻ると、シルフ達やフリージアさん達の名付け親争奪戦はまだ繰り広げられていた。
「フローラなんてどうかしら~。花のように美しく育つと思うわ~」
「テンペスタなんてどう? 強そうでしょ」
「ダメよシルフ、女の子なのよ」
ドリュアスのセンス、悪くないな。フローラ……ありかもしれない。
シルフよ、テンペスタはないぞ。流石に僕も女の子にそんな名前は付けたくない。ウィンディーネにダメ出しされて膨れないの。
「ユーミルなんてどうでしょう?」
「ルーミア様、それは問題あります」
ルーミア様が自分やミーミル様に連なる名前を推し、フリージアさんがそれにNGを出した。
「ルミエールが良いよ。輝く子に相応しいわ」
「……エトワールが良い」
ルミエールか、セレネーのセンスも悪くないな。意外と言っては何だけど、ニュクスのエトワールも悪くない。
「春香なんてどう? 字面も良いし、女の子らしい名前でしょう?」
「ハルカニャ?」
「アカネ殿の故郷の名前でありますか? そういえば、カエデやツバキもそうでありますな」
春香か、綺麗な名前だな。
アカネは日本人らしい名前を薦めてきた。レーヴァが言うように、アラクネ特異種のカエデや、グレートドラゴンホースのツバキの名前も和風だからそう思うと悪くないな。
そんなこんなで、結局、我が家のリビングで行われた名付け親争奪戦は、ひとまず水入りとなった。
何故かと言うと……マリアが陣痛を訴えたからだ。
5 三人とも……
マリアの出産は比較的安産だったんじゃないだろうか。ソフィアも初産なら軽い方だとフリージアさんは言っていた。
そして驚いたのが兎人族のマーニだった。獣人族の特性としてお産が安産らしく、それこそ陣痛が来たと思ったら、あっという間に生まれていた。
そんなわけで、ソフィアの産んだ子の名前を決めるどころか、三人の名前を考えないといけなくなった。
マリアの産んだ子供は、マリアの赤髪と僕の銀髪が合わさったからなのか、桜色の髪が愛らしい女の子。
マーニの産んだ子供は、白に近い銀髪とウサギ耳のこれまた女の子。
そう、三人とも女の子だったんだよね。
僕は、男でも女でも無事に生まれてきてくれれば良いと思っていたから、何も思わないのだけれど、ソフィア達はイルマの名を継ぐ男の子を次こそはと思っているらしい。
しかし女の子三人かぁ……
嫁にやりたくないなぁ。
生まれたばかりでこんな事を考えてしまう僕はおかしいのだろうか。いや、普通だと思う。
そして、再燃する名付け問題。
「三人生まれたんだから、もう一度考え直さないと」
「そうね。人族も兎人族も平等に祝福を与えたんだもの。私達が名前を付けても問題ないわ」
「フフッ、タクミちゃん、お姉ちゃんに任せなさ~い」
再び張りきる、シルフ、ウィンディーネ、ドリュアス。
「私にもチャンスはありますわよね」
「ルーミア様、まず祖母の私が優先だと思うのですが」
まだ名付け親になる野望を捨てていないルーミア様を、フリージアさんが目をギラリとさせながら窘める。
「まあまあ、母親のソフィア達の意見も大事だから、皆んなで話し合わない?」
「そうでありますな」
「……うん、母親の意見も大事」
「じゃあソフィア達と会議ね」
アカネがソフィア達と相談するべきだと彼女らしからぬ真っ当な意見を言うと、レーヴァとニュクスが、その意見に賛成した。最後にセレネーがぼそりと言ったところで、皆んなでソフィア達を呼びに行ったのだった。
そんな最中、僕は、部屋割りで悩んでいた。
ソフィア、マリア、マーニは、それぞれ個室を持っている。今はその部屋で赤ちゃんを別々にベビーベッドに寝かせているんだけど、赤ちゃんを一部屋にまとめた方がいいのでは? と思っているのだ。
何故かと言うと、僕も新米パパなので初めて知ったんだけど、個人差はあるにしても、新生児の頃って数時間おきに授乳しないといけないみたいなんだよね。
そうなると、母親一人の負担が大きい。世のお母さんは乗り越えているのかもしれないけど、出来れば何とかしてあげたい。
「やはり、母親達と赤ちゃんを同じ部屋にまとめるか」
ただそうなると、一人泣くと釣られて皆んな泣き出しそうか。
そこでふと、大事な物を作り忘れていたのを思い出した。
「はっ! 哺乳瓶とか作ってない!」
哺乳瓶があれば、ソフィア達の負担も減るんじゃないのか。
そう思いついた僕は工房に走った。
◇
工房でガラスから錬成し哺乳瓶を形作ると、簡単に壊れないようエンチャントを施す。
天然ゴムから乳首を作る。
形は想像出来るので、錬金術で一気に作り上げる。
ただ形が出来たら完成じゃない。柔らかさのチェックや吸いやすさのチェックを実際に試してみないと……
他の人に見られると恥ずかしい状況だけど、今は皆んな赤ちゃんの方に行っているので、工房に誰かが入ってくる事もないから大丈夫だ。
……チュウチュウ。
大人の僕と赤ちゃんじゃ、吸う力が違うから完璧な物は難しいけど、満足出来るレベルの物が出来たと思う。
乳首にゴム臭さを消すエンチャントをかけて、哺乳瓶と合わせて一気に錬成する。乳首は消耗品なので多めに作っておこう。
錬成した哺乳瓶と乳首にエンチャントを済ませた時、メリーベルが呼びに来た。
「旦那様、ここにいらっしゃったのですね。お子様方のお名前が決まりましたよ」
「へっ?」
「ですから、三人のお子様方のお名前が決まりました」
「な、ど、どうして、僕は?」
なかなか理解出来ない僕に、メリーベルが説明する。
「旦那様のお姿が見えませんでしたが、どうせ工房で何か作っているのだろうと皆様思ってらしたようですね」
「なら、呼んでよ!」
「いえ、どうせ旦那様の意見は通りそうにありませんでしたし、それなら事後報告で構わないとの意見で皆様一致いたしましたので」
「…………」
僕はガックリとその場で崩れ落ちる。
まさか初めての子供の名付けに関われないなんて……いや、珍しくもないか。
どうせ僕の意見と、ソフィア、マリア、マーニの意見なら、ソフィア達の意見が通ったのは間違いないだろうしね。
負け惜しみじゃないからね。
6 名前が決まりました
工房を出て、皆んながいるという、赤ちゃんが寝かされている部屋に行くと、アカネが紙に子供の名前を書いていた。
ソフィアの産んだ、エルフでは珍しいらしい銀髪の女の子の名前は、エトワール。
マリアの産んだ、桜色の髪の女の子の名前が、春香。
マーニの産んだ、白に近い銀髪の髪とウサギ耳の女の子の名前は、フローラ。
そして僕は、自分が関わる事なく決まった名前が書かれた紙を呆然と見ていた。
いや、良い名前だと思うよ。
エトワールは何処かの言葉で、確か「星」という意味だったかな。綺麗な響きの良い名前だと思う。春香とフローラも綺麗な良い名前だと思うから問題はないんだけどね。でも、出来れば決まる前に一言欲しかったかな。一応、僕が父親なんだから……
エトワールが寝かされているベビーベッドには、フリージアさんが張り付いていた。よほど嬉しいんだろうな。ニコニコしてエトワールのホッペをツンツンしている。
エリザベス様は春香に指を握られ、顔をとろけさせていた。
同じ獣人という意識があるのか、ルルちゃんが嬉しそうにフローラをあやしている。
「タクミ様すみません」
「いや、大丈夫だよ。良い名前じゃないか」
ソフィアが申し訳なさそうに謝ってきたが、これはソフィアが悪いわけじゃない。そうだ、この世界の慣例として父親が名付けに関われないと思い込もう。うん、それが僕の精神衛生上良いだろうしね。
「ソフィアを叱らないでね。エトワールは大精霊様からいただいた名前。エルフにとってこんなに光栄な事はないもの」
「いえ、叱ったりしませんよ」
ルーミア様が慰めてくれるけど、気持ちの切り替えが出来たのでもう大丈夫だ。もともと日本人の僕には、エルフふうやこの世界ふうの名前はよく分からないからね。
あまり長い時間赤ちゃんの部屋に大勢でいるのは良くないだろうと、母親三人とフリージアさん、メリーベルを残して、皆んなでリビングへと移動してきた。
「旦那様、聖域の住民からお子様方のお披露目と、お祝いの宴を催したいと申し出がありました」
「……必要なんだろうね」
リビングで落ち着く間もなくジーヴルから聞かされ、僕はちょっと疲れ気味に言う。
「勿論、お祭りをしないとね」
「そうよ~、タクミちゃん。聖域の精霊達も楽しみにしているもの~」
「きっと、もうノームやサラマンダーが旗振り役になって、宴の準備を始めているんじゃない?」
シルフ、ドリュアス、ウィンディーネもお披露目を、大々的なお祭りにする気満々だ。
「ボルトンにいるメイドにも手伝ってもらい、宴の準備を進めておきます」
ジーヴルはそう言うと、おそらくボルトンにいる執事のセバスチャンと相談するのだろう、地下の転移ゲートへと向かった。
因みに、ボルトンで働くメイドやセバスチャンも交代で赤ちゃんの顔を見に来ているとの事だった。
実はこの世界では、こんな早くに子供の誕生をお披露目して祝うなんて事はしない。
魔法というモノが存在する世界とはいえ、中世の文明に近いこの世界では、乳幼児の死亡率は高いのだ。
それでも、赤ちゃんの誕生を祝う事が可能なのは、ここが聖域で、回復魔法を使える人間が複数いて、しかも大精霊達が存在する場所だからだ。
そう、ここが特別なだけなんだよね。
その後、僕は、渡し忘れていた哺乳瓶をメリーベルに預けたんだけど、そこで大事な物を作り忘れているのに気が付いた。
「哺乳瓶って、消毒しないとダメだったよな」
そう、昔は煮沸して消毒していたはずだ。今は確か素材によって消毒の方法が違ったんだっけ。ガラス製の哺乳瓶とプラスチック製の哺乳瓶では消毒方法が違うのも当然だよな。
でも、魔法が存在するこの世界なら関係ない。
何せ、浄化魔法があるのだから。
僕は適当な金属(軽さを考えてミスリル合金にした。錆びる事もないし)で、箱型を錬成すると、そこに浄化の魔導具を組み込んだ。
それと、母乳を貯めておける容れ物を用意。母乳に雑菌が繁殖しないよう、状態保存のエンチャントをかけておいた。
◇
そして後日。
この哺乳瓶とその付属品は、ソフィア達やフリージアさん、メリーベルやメイド達、赤ちゃんの世話をしてくれる人達に大好評だった。
他にも、最初は勿体ないと抵抗感があるかと思われた紙おむつも、その便利さと何より赤ちゃんに優しい仕様が受け入れられた。
紙おむつ専用の浄化機能付きゴミ箱も、便利だと喜ばれた。
まだ視力の弱い新生児だから、この前作ったメリーはまだ早いと思うけど、ガラガラなどのオモチャも感謝された。
「はっ! 抱っこ紐やおんぶ紐を忘れてた!」
「タクミ様、レーヴァの部族では大きめの布地を使うであります」
「ああ、確かそんなのもあったね。でも、簡単かつ安全に抱っこ出来る物を考えよう」
「まあ、そう言うと思ったであります」
「マスター、布地はカエデに任せてー!」
レーヴァに呆れられていると、亜空間からひょっこりと出てきたカエデがお手伝いをしてくれると言う。
これで、最高の布地で作れそうだな。
因みに、工房に向かう僕とカエデ以外の聖域住人は、聖域を挙げてのお祭りの準備に入っている。何だか間違いなく、大事になりそうな気がするんだけど。
7 お披露目は大々的に
子供達のお披露目は、一週間後に決まった。
まだ生まれて一月も経っていない新生児を大勢の人の前にお披露目する事に抵抗があったけど、シルフやウィンディーネ達から、聖域の中でなら滅多な事はないと言われた。
「タクミは神経質すぎ。私達大精霊が祝福を授けたのよ」
「……そう。私達が護ってる」
セレネーとニュクスにまでそう太鼓判を押されるとね。
まあ、せめて二ヶ月後でもいいんじゃないかな、なんて思ってたんだけど。
◇
そうして三日経ち、宴まで四日となった日の事。
やっぱり、ユグル王国のシルフィード領で、風の精霊がエルフの子供誕生に大はしゃぎ状態だったらしい。ソフィアのお父さんであるダンテさんが、急遽聖域までエトワールに会いに向かってきていると報された。
「もう! あの人ったら! 領地を放っておいてこっちに来るなんて!」
「いや、母上もそろそろ帰った方が良いのでは?」
「何を言ってるの、ソフィア。エトワールの可愛い姿が見られない生活を、お母さんにさせる気なの?」
フリージアさんが、それをあなたが言うのですかと思うセリフを言っている。
困った事に、まったく帰る気がなさそうだな。
言い合いになっているとはいえ、ソフィア・フリージアさん親子のコミュニケーションを邪魔しちゃダメだよね。
僕は二人を残し、宴の準備が進む聖域を見て回る事にした。
酒造区画では、宴で出されるワイン、エール、ウイスキー類の樽が運び出されている。その指揮を執るのは、大精霊のノームとドワーフのゴランさんだ。
精霊樹と僕の屋敷がある中央区画の広場では、ドワーフ達がテーブルや椅子を大量に作っていた。
聖域に唯一存在する大教会では、結界を通り抜ける事が出来た創世教の神官達が、教会の掃除と飾り付けをしていた。
因みに今回の宴の始まりには、この教会でノルン様への報告と無事生まれた事への感謝の儀式をするらしい。
人魚族はフルーナさんが中心となり、宴で出される魚介類の確保を頑張っている。
天空島と繋がる専用ゲートが設置された建物からは、有翼人族が狩りで得た獲物の肉を運び込んでいた。指揮を執るのは族長のバルカンさんだ。
他にもバルザックさんやベールクトがいて、きっとバート君とバルト君もこき使われているんだろうな。有翼人族は総出で宴に参加してくれるみたいだね。
バンガさんはというと、宴で出す肉料理のために狩りに出ているらしい。
一方、マーサさんは女の人を集めて宴の準備を手伝ってくれている。時間のかかる料理の下ごしらえや、獲れた獲物でソーセージや燻製を作っていると聞いた。それに加えて、聖域に暮らす子供達用に日持ちするお菓子も作っているんだとか。
音楽堂では、楽器を演奏する人達が練習に励んでいた。宴には音楽が付き物だからね。
あと、申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだけど、聖域の皆んなで、僕の子供の誕生を祝う贈り物を用意しているんだそうだ。
まあ、聖域で贈られる物となると、農産物か魚介類、あとは木工細工や薬草類になるんだけどね。
聖域の物産のほとんどはそれらだから、仕方ないよね。
それはさておき、宴のために用意する物は食材や飲み物だけじゃない。お皿やコップ、ナイフやフォークも大量に必要だ。
そんなわけでこれらの物は、ドワーフやエルフが協力して作っていた。
僕が錬金術で一度に大量に作る事も可能だけど、今回の宴は僕は祝われる側なので、極力準備には関わらないでと言われている。
ソフィアが眠ったので、僕も部屋を退出しリビングへと向かった。
そこでは、僕とソフィアを差し置いて、赤ちゃんの名前を考えている光景が目に入ってきた。
「やっぱり風の精霊に関係する名前が良いと思うわ」
「あら、水に関係する名前が良いに決まってるじゃない」
「フフッ、私は植物かお花に関係する名前が良いと思うの~。だって女の子でしょ」
「光、光が良いわ。だって光り輝く銀髪よ」
シルフを筆頭に、ウィンディーネやドリュアス、セレネーが自分の属性に関係する名前が良いと主張している。
「……闇か夜を連想する名前は?」
「いや、闇はねえだろう。ここは男らしく火だ」
「頭は大丈夫か、サラマンダー。生まれたのは女の子じゃ。ここは大地や土に関係する名前が適当じゃと思うぞ」
さっきまでいなかったのに、いつの間にか闇の大精霊ニュクスや火の大精霊サラマンダー、土の大精霊ノームまで参加している。いやニュクス、僕も闇や夜を連想する名前はどうかと思うよ。
「大精霊様方には申し訳ありませんが、孫の名前は私が決めたいと思います」
「あら、ユグル王国でも初の大精霊様方に祝福を受けた子ですよ。王妃たる私が名付け親になるのが良いのでは?」
フリージアさんとルーミア様も遠慮する気がない。
「名付け親かぁ~、良いわね」
「ルルも考えるニャ」
「ほほぅ、名付け親とは良い響きでありますな」
アカネやルルちゃん、レーヴァまでノリノリだ。
何度も言うようだけど、僕とソフィアの子供なんだけど……
そこへ、執事のジーヴルから来客を知らされる。
「バンガ様とマーサ様が見えられています」
「あ、ああ、バンガさんとマーサさんが? 何だろう。あぁ、僕が行くよ」
ジーヴルにそう言って玄関へと向かう。
バンガさんとマーサさんは、手荷物を持って立っていた。
「おお、タクミ、おめでとう! 子供が生まれたって聞いたぞ!」
「おめでとう、タクミちゃん。タクミちゃんもお父さんになったのね」
「えっ、もう知ってるんですか?」
生まれたばかりなのに、どうしてだろう。
「おう、何かケットシーやエルフから聞いてな。祭りだとか言ってたぜ」
「精霊様が聖域中を飛び回って祝福しているのよ。私達は人族だから見えないんだけどね」
「……は、ははっ、そうだったんですね」
「じゃあ俺達は帰るわ」
バンガさんとマーサさんは持ってきたお祝いを僕に渡し、そのまま帰ろうとした。
「赤ちゃんの顔を見ていかないんですか?」
「タクミちゃん、ソフィアさんも疲れているでしょうし、赤ちゃんにもいつでも会えるわ。ちゃんとしたお披露目の時を楽しみにしているわ」
「そうですか。今日はありがとうございます」
「なに、俺達の仲じゃないか。タクミは一度に三人のオヤジになるんだ。頑張れよ」
「は、はい」
バンガさんは僕の背中をバンバンと叩き、二人は帰っていった。
お披露目しないとダメなのかなぁ……なんて考えながらリビングに戻ると、シルフ達やフリージアさん達の名付け親争奪戦はまだ繰り広げられていた。
「フローラなんてどうかしら~。花のように美しく育つと思うわ~」
「テンペスタなんてどう? 強そうでしょ」
「ダメよシルフ、女の子なのよ」
ドリュアスのセンス、悪くないな。フローラ……ありかもしれない。
シルフよ、テンペスタはないぞ。流石に僕も女の子にそんな名前は付けたくない。ウィンディーネにダメ出しされて膨れないの。
「ユーミルなんてどうでしょう?」
「ルーミア様、それは問題あります」
ルーミア様が自分やミーミル様に連なる名前を推し、フリージアさんがそれにNGを出した。
「ルミエールが良いよ。輝く子に相応しいわ」
「……エトワールが良い」
ルミエールか、セレネーのセンスも悪くないな。意外と言っては何だけど、ニュクスのエトワールも悪くない。
「春香なんてどう? 字面も良いし、女の子らしい名前でしょう?」
「ハルカニャ?」
「アカネ殿の故郷の名前でありますか? そういえば、カエデやツバキもそうでありますな」
春香か、綺麗な名前だな。
アカネは日本人らしい名前を薦めてきた。レーヴァが言うように、アラクネ特異種のカエデや、グレートドラゴンホースのツバキの名前も和風だからそう思うと悪くないな。
そんなこんなで、結局、我が家のリビングで行われた名付け親争奪戦は、ひとまず水入りとなった。
何故かと言うと……マリアが陣痛を訴えたからだ。
5 三人とも……
マリアの出産は比較的安産だったんじゃないだろうか。ソフィアも初産なら軽い方だとフリージアさんは言っていた。
そして驚いたのが兎人族のマーニだった。獣人族の特性としてお産が安産らしく、それこそ陣痛が来たと思ったら、あっという間に生まれていた。
そんなわけで、ソフィアの産んだ子の名前を決めるどころか、三人の名前を考えないといけなくなった。
マリアの産んだ子供は、マリアの赤髪と僕の銀髪が合わさったからなのか、桜色の髪が愛らしい女の子。
マーニの産んだ子供は、白に近い銀髪とウサギ耳のこれまた女の子。
そう、三人とも女の子だったんだよね。
僕は、男でも女でも無事に生まれてきてくれれば良いと思っていたから、何も思わないのだけれど、ソフィア達はイルマの名を継ぐ男の子を次こそはと思っているらしい。
しかし女の子三人かぁ……
嫁にやりたくないなぁ。
生まれたばかりでこんな事を考えてしまう僕はおかしいのだろうか。いや、普通だと思う。
そして、再燃する名付け問題。
「三人生まれたんだから、もう一度考え直さないと」
「そうね。人族も兎人族も平等に祝福を与えたんだもの。私達が名前を付けても問題ないわ」
「フフッ、タクミちゃん、お姉ちゃんに任せなさ~い」
再び張りきる、シルフ、ウィンディーネ、ドリュアス。
「私にもチャンスはありますわよね」
「ルーミア様、まず祖母の私が優先だと思うのですが」
まだ名付け親になる野望を捨てていないルーミア様を、フリージアさんが目をギラリとさせながら窘める。
「まあまあ、母親のソフィア達の意見も大事だから、皆んなで話し合わない?」
「そうでありますな」
「……うん、母親の意見も大事」
「じゃあソフィア達と会議ね」
アカネがソフィア達と相談するべきだと彼女らしからぬ真っ当な意見を言うと、レーヴァとニュクスが、その意見に賛成した。最後にセレネーがぼそりと言ったところで、皆んなでソフィア達を呼びに行ったのだった。
そんな最中、僕は、部屋割りで悩んでいた。
ソフィア、マリア、マーニは、それぞれ個室を持っている。今はその部屋で赤ちゃんを別々にベビーベッドに寝かせているんだけど、赤ちゃんを一部屋にまとめた方がいいのでは? と思っているのだ。
何故かと言うと、僕も新米パパなので初めて知ったんだけど、個人差はあるにしても、新生児の頃って数時間おきに授乳しないといけないみたいなんだよね。
そうなると、母親一人の負担が大きい。世のお母さんは乗り越えているのかもしれないけど、出来れば何とかしてあげたい。
「やはり、母親達と赤ちゃんを同じ部屋にまとめるか」
ただそうなると、一人泣くと釣られて皆んな泣き出しそうか。
そこでふと、大事な物を作り忘れていたのを思い出した。
「はっ! 哺乳瓶とか作ってない!」
哺乳瓶があれば、ソフィア達の負担も減るんじゃないのか。
そう思いついた僕は工房に走った。
◇
工房でガラスから錬成し哺乳瓶を形作ると、簡単に壊れないようエンチャントを施す。
天然ゴムから乳首を作る。
形は想像出来るので、錬金術で一気に作り上げる。
ただ形が出来たら完成じゃない。柔らかさのチェックや吸いやすさのチェックを実際に試してみないと……
他の人に見られると恥ずかしい状況だけど、今は皆んな赤ちゃんの方に行っているので、工房に誰かが入ってくる事もないから大丈夫だ。
……チュウチュウ。
大人の僕と赤ちゃんじゃ、吸う力が違うから完璧な物は難しいけど、満足出来るレベルの物が出来たと思う。
乳首にゴム臭さを消すエンチャントをかけて、哺乳瓶と合わせて一気に錬成する。乳首は消耗品なので多めに作っておこう。
錬成した哺乳瓶と乳首にエンチャントを済ませた時、メリーベルが呼びに来た。
「旦那様、ここにいらっしゃったのですね。お子様方のお名前が決まりましたよ」
「へっ?」
「ですから、三人のお子様方のお名前が決まりました」
「な、ど、どうして、僕は?」
なかなか理解出来ない僕に、メリーベルが説明する。
「旦那様のお姿が見えませんでしたが、どうせ工房で何か作っているのだろうと皆様思ってらしたようですね」
「なら、呼んでよ!」
「いえ、どうせ旦那様の意見は通りそうにありませんでしたし、それなら事後報告で構わないとの意見で皆様一致いたしましたので」
「…………」
僕はガックリとその場で崩れ落ちる。
まさか初めての子供の名付けに関われないなんて……いや、珍しくもないか。
どうせ僕の意見と、ソフィア、マリア、マーニの意見なら、ソフィア達の意見が通ったのは間違いないだろうしね。
負け惜しみじゃないからね。
6 名前が決まりました
工房を出て、皆んながいるという、赤ちゃんが寝かされている部屋に行くと、アカネが紙に子供の名前を書いていた。
ソフィアの産んだ、エルフでは珍しいらしい銀髪の女の子の名前は、エトワール。
マリアの産んだ、桜色の髪の女の子の名前が、春香。
マーニの産んだ、白に近い銀髪の髪とウサギ耳の女の子の名前は、フローラ。
そして僕は、自分が関わる事なく決まった名前が書かれた紙を呆然と見ていた。
いや、良い名前だと思うよ。
エトワールは何処かの言葉で、確か「星」という意味だったかな。綺麗な響きの良い名前だと思う。春香とフローラも綺麗な良い名前だと思うから問題はないんだけどね。でも、出来れば決まる前に一言欲しかったかな。一応、僕が父親なんだから……
エトワールが寝かされているベビーベッドには、フリージアさんが張り付いていた。よほど嬉しいんだろうな。ニコニコしてエトワールのホッペをツンツンしている。
エリザベス様は春香に指を握られ、顔をとろけさせていた。
同じ獣人という意識があるのか、ルルちゃんが嬉しそうにフローラをあやしている。
「タクミ様すみません」
「いや、大丈夫だよ。良い名前じゃないか」
ソフィアが申し訳なさそうに謝ってきたが、これはソフィアが悪いわけじゃない。そうだ、この世界の慣例として父親が名付けに関われないと思い込もう。うん、それが僕の精神衛生上良いだろうしね。
「ソフィアを叱らないでね。エトワールは大精霊様からいただいた名前。エルフにとってこんなに光栄な事はないもの」
「いえ、叱ったりしませんよ」
ルーミア様が慰めてくれるけど、気持ちの切り替えが出来たのでもう大丈夫だ。もともと日本人の僕には、エルフふうやこの世界ふうの名前はよく分からないからね。
あまり長い時間赤ちゃんの部屋に大勢でいるのは良くないだろうと、母親三人とフリージアさん、メリーベルを残して、皆んなでリビングへと移動してきた。
「旦那様、聖域の住民からお子様方のお披露目と、お祝いの宴を催したいと申し出がありました」
「……必要なんだろうね」
リビングで落ち着く間もなくジーヴルから聞かされ、僕はちょっと疲れ気味に言う。
「勿論、お祭りをしないとね」
「そうよ~、タクミちゃん。聖域の精霊達も楽しみにしているもの~」
「きっと、もうノームやサラマンダーが旗振り役になって、宴の準備を始めているんじゃない?」
シルフ、ドリュアス、ウィンディーネもお披露目を、大々的なお祭りにする気満々だ。
「ボルトンにいるメイドにも手伝ってもらい、宴の準備を進めておきます」
ジーヴルはそう言うと、おそらくボルトンにいる執事のセバスチャンと相談するのだろう、地下の転移ゲートへと向かった。
因みに、ボルトンで働くメイドやセバスチャンも交代で赤ちゃんの顔を見に来ているとの事だった。
実はこの世界では、こんな早くに子供の誕生をお披露目して祝うなんて事はしない。
魔法というモノが存在する世界とはいえ、中世の文明に近いこの世界では、乳幼児の死亡率は高いのだ。
それでも、赤ちゃんの誕生を祝う事が可能なのは、ここが聖域で、回復魔法を使える人間が複数いて、しかも大精霊達が存在する場所だからだ。
そう、ここが特別なだけなんだよね。
その後、僕は、渡し忘れていた哺乳瓶をメリーベルに預けたんだけど、そこで大事な物を作り忘れているのに気が付いた。
「哺乳瓶って、消毒しないとダメだったよな」
そう、昔は煮沸して消毒していたはずだ。今は確か素材によって消毒の方法が違ったんだっけ。ガラス製の哺乳瓶とプラスチック製の哺乳瓶では消毒方法が違うのも当然だよな。
でも、魔法が存在するこの世界なら関係ない。
何せ、浄化魔法があるのだから。
僕は適当な金属(軽さを考えてミスリル合金にした。錆びる事もないし)で、箱型を錬成すると、そこに浄化の魔導具を組み込んだ。
それと、母乳を貯めておける容れ物を用意。母乳に雑菌が繁殖しないよう、状態保存のエンチャントをかけておいた。
◇
そして後日。
この哺乳瓶とその付属品は、ソフィア達やフリージアさん、メリーベルやメイド達、赤ちゃんの世話をしてくれる人達に大好評だった。
他にも、最初は勿体ないと抵抗感があるかと思われた紙おむつも、その便利さと何より赤ちゃんに優しい仕様が受け入れられた。
紙おむつ専用の浄化機能付きゴミ箱も、便利だと喜ばれた。
まだ視力の弱い新生児だから、この前作ったメリーはまだ早いと思うけど、ガラガラなどのオモチャも感謝された。
「はっ! 抱っこ紐やおんぶ紐を忘れてた!」
「タクミ様、レーヴァの部族では大きめの布地を使うであります」
「ああ、確かそんなのもあったね。でも、簡単かつ安全に抱っこ出来る物を考えよう」
「まあ、そう言うと思ったであります」
「マスター、布地はカエデに任せてー!」
レーヴァに呆れられていると、亜空間からひょっこりと出てきたカエデがお手伝いをしてくれると言う。
これで、最高の布地で作れそうだな。
因みに、工房に向かう僕とカエデ以外の聖域住人は、聖域を挙げてのお祭りの準備に入っている。何だか間違いなく、大事になりそうな気がするんだけど。
7 お披露目は大々的に
子供達のお披露目は、一週間後に決まった。
まだ生まれて一月も経っていない新生児を大勢の人の前にお披露目する事に抵抗があったけど、シルフやウィンディーネ達から、聖域の中でなら滅多な事はないと言われた。
「タクミは神経質すぎ。私達大精霊が祝福を授けたのよ」
「……そう。私達が護ってる」
セレネーとニュクスにまでそう太鼓判を押されるとね。
まあ、せめて二ヶ月後でもいいんじゃないかな、なんて思ってたんだけど。
◇
そうして三日経ち、宴まで四日となった日の事。
やっぱり、ユグル王国のシルフィード領で、風の精霊がエルフの子供誕生に大はしゃぎ状態だったらしい。ソフィアのお父さんであるダンテさんが、急遽聖域までエトワールに会いに向かってきていると報された。
「もう! あの人ったら! 領地を放っておいてこっちに来るなんて!」
「いや、母上もそろそろ帰った方が良いのでは?」
「何を言ってるの、ソフィア。エトワールの可愛い姿が見られない生活を、お母さんにさせる気なの?」
フリージアさんが、それをあなたが言うのですかと思うセリフを言っている。
困った事に、まったく帰る気がなさそうだな。
言い合いになっているとはいえ、ソフィア・フリージアさん親子のコミュニケーションを邪魔しちゃダメだよね。
僕は二人を残し、宴の準備が進む聖域を見て回る事にした。
酒造区画では、宴で出されるワイン、エール、ウイスキー類の樽が運び出されている。その指揮を執るのは、大精霊のノームとドワーフのゴランさんだ。
精霊樹と僕の屋敷がある中央区画の広場では、ドワーフ達がテーブルや椅子を大量に作っていた。
聖域に唯一存在する大教会では、結界を通り抜ける事が出来た創世教の神官達が、教会の掃除と飾り付けをしていた。
因みに今回の宴の始まりには、この教会でノルン様への報告と無事生まれた事への感謝の儀式をするらしい。
人魚族はフルーナさんが中心となり、宴で出される魚介類の確保を頑張っている。
天空島と繋がる専用ゲートが設置された建物からは、有翼人族が狩りで得た獲物の肉を運び込んでいた。指揮を執るのは族長のバルカンさんだ。
他にもバルザックさんやベールクトがいて、きっとバート君とバルト君もこき使われているんだろうな。有翼人族は総出で宴に参加してくれるみたいだね。
バンガさんはというと、宴で出す肉料理のために狩りに出ているらしい。
一方、マーサさんは女の人を集めて宴の準備を手伝ってくれている。時間のかかる料理の下ごしらえや、獲れた獲物でソーセージや燻製を作っていると聞いた。それに加えて、聖域に暮らす子供達用に日持ちするお菓子も作っているんだとか。
音楽堂では、楽器を演奏する人達が練習に励んでいた。宴には音楽が付き物だからね。
あと、申し訳ない気持ちでいっぱいになるんだけど、聖域の皆んなで、僕の子供の誕生を祝う贈り物を用意しているんだそうだ。
まあ、聖域で贈られる物となると、農産物か魚介類、あとは木工細工や薬草類になるんだけどね。
聖域の物産のほとんどはそれらだから、仕方ないよね。
それはさておき、宴のために用意する物は食材や飲み物だけじゃない。お皿やコップ、ナイフやフォークも大量に必要だ。
そんなわけでこれらの物は、ドワーフやエルフが協力して作っていた。
僕が錬金術で一度に大量に作る事も可能だけど、今回の宴は僕は祝われる側なので、極力準備には関わらないでと言われている。
639
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。