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1巻
1-2
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九階層はアンデッドの階層だった。
ゴーストにスケルトン、ゾンビにグール。
ゴーストからは何も得られなかったが、スケルトンからはゴブリンと同じで、武術系のスキルを取得できた。
更に、スケルトンから骨再生、剣術、槍術、盾術、体術を、グールから体力強化という、俺には無意味なスキルを得た。
確かにグールはしぶとかったな……。
ステータスパネルを確認すると、ハイゴーストの成長限界に達し、進化可になっていた。
早速、進化先を考える。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンモンク……骨の体を持つ魔物。武術スキルを修得可能。種族スキル、骨再生、骨強化を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
ライトゾンビ……腐った体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
ゴースト系の先はレイスみたいだが、光魔法を保有した所為で、進化先が変化しているのか?
進化先が変化しているのは、スケルトンとゾンビも同じだ。アンデッド系に光魔法はイレギュラーなんだろうな。
さて、どの種族を選ぶかだが、これまでの経験から、今回選択しなかった種族も、次回の進化で選択可能らしい。
一旦スケルトンやゾンビになってみるか、それともレイスへと進化するか。
直ぐに強くなるのは、間違いなくホーリーレイスだろう。だけど、急がば回れということわざもあるからな。
「よし! スケルトンモンクに進化だ!」
意識すると、全身を光が包み、燃えるような熱を感じた。
そして、体の熱さと光が収まった。
「おおっ、体がある。骨だけど」
フワフワとした浮遊感が消失し、地面に立っている感触がある。
とうとう実体を手に入れた……骨だけどな!
ステータスパネルを確認する。
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:スケルトンモンク レベル1
スキル:剣術 レベル1、短剣術 レベル1、体術 レベル1
棒術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、光魔法 レベル4、闇魔法 レベル3
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、悪食、精力強化
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
――――――――――――――――――――
「これで、ゴブリンから取得した武術系のスキルを上げる事ができるな」
進化すると、レベルはリセットされるが、弱くなってはいない。
普通のレベル1のスケルトンと異なり、ハイゴーストで20までレベルを上げたステータスが加算されている。
魔力の量はやや少なくなったと感じるが、スケルトンモンクが近接戦闘寄りだからだろう。
試しに、スケルトンやゾンビ、グールを狙って戦ってみる。
その結果分かったのは、同じスケルトンは相手にもならない雑魚という事。ゾンビも全く問題ない。
グールは動きが人間より速いし力も強いが、俺がスケルトンが落とした剣を使うようになってからは、苦戦する事はなくなっていた。
スケルトンモンクは最底辺の弱い魔物だからか、レベルが成長限界に達するのは早かった。
「流石にこの階層だと、レベルアップが早かったな」
進化先を確認する。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンナイト……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、物理耐性と神聖属性に耐性を持つ。
ライトゾンビ……腐った体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
俺はスケルトンナイトへ進化し、勢いのまま、成長限界までレベルを上げた。
スケルトンナイトの成長限界が、レベル30と高かったのは計算違いだったけどな。
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:スケルトンナイト レベル30(進化可)
スキル:剣術 レベル3、短剣術 レベル2、体術 レベル3
棒術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、光魔法 レベル4、闇魔法 レベル3
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、悪食、精力強化
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
――――――――――――――――――――
さて、どうしようか。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンパラディン……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、高い物理耐性を誇り、神聖属性に耐性を持つ。
ライトゾンビ……腐った体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
スケルトンナイトそのままの進化先は、スケルトンパラディン。何か強そうだ。
だけど……
「ライトゾンビに進化」
毎度お馴染みの光が全身を包み、それが収まると、骨に肉が付いていた。腐ってるけどね。
「これは早めに進化しないとな。主に俺の精神衛生上の問題で」
体の動きを確かめてみる。
敵として出て来るゾンビに比べると、だいぶマシだな。動作のスピードはスケルトンナイトの時とあまり変わらない。
それと、もう一つ分かった事がある。
ゾンビはスケルトンよりランクの低い魔物だった。
俺がスケルトンパラディンを選ばずにライトゾンビを選んだのは、ここより下の階層は、ゾンビではキツイと思ったからだ。
いくらステータスが加算され、多くのスキルを持つ俺でも、倒される危険が高いだろう。
何事も、急がば回れだ。ここでゾンビでの進化を済ませておこう。
さて、レベリングに行くか。
四話 RPGで無駄にレベルを上げるタイプです
比較的簡単に、ライトゾンビの成長限界まで到達できた。
やっぱり、ここがゾンビの出没する階層よりも、随分と下の階層だからだろう。
さて、次はどうするか。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンパラディン……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、高い物理耐性を誇り、神聖属性に耐性を持つ。
ホーリーグール……強靭な肉体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生、怪力を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
どれを選んでも下の階層で通用するだろう。
「よし! ホーリーレイスだ!」
俺は再び実体を捨て、幽体のアストラル系の魔物へと進化した。
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:ホーリーレイス レベル1
スキル:剣術 レベル3、短剣術 レベル2、体術 レベル3
棒術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、光魔法 レベル4、水魔法 レベル1
闇魔法 レベル3
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、痛覚耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、再生、悪食、精力強化
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
――――――――――――――――――――
十階層では、下へ下りる階層の代わりに豪華な鉄の扉が見つかった。
おそらくボス部屋だろう。
十階層の魔物の出没パターンからして、死霊系ではないと推測される。
ならば、物理攻撃が無効のアストラル系のホーリーレイスが有利だろう。
ホーリーレイスの能力を少し試してから、俺はボス部屋へと挑んだ。
重い扉が開く音が響く。
不思議なんだけど、実体を持たない俺が手を当てるだけで、重厚な扉は自動的に開いた。
黒い霧が部屋の中心で渦巻き、現れたのは、三体の大きなゴブリン。
見た目は緑の肌に小さな角が二本と、普通のゴブリンと共通している部分もあるが、身長が人間の大人と変わらないし、体格もゴツい。
これはあれか? ホブゴブリンとかいう奴か?
まあ、俺には鑑定スキルなんてのはないから推測するだけだ。
三体のホブゴブリンは戸惑っている。
まさかアイツらも、レイスが相手とは思わなかっただろうしな。
ホブゴブリンは、魔法剣みたいな、俺にダメージを与えられる武器も持っていなかった。
多少時間は掛かったけど、魔法を風、光、闇と使いながら、時々ドレインタッチで生命力を吸収するだけの単純作業で勝てた。
ただ、俺にも計算違いはあった。
ボスを倒すと宝箱が出現したんだけど、実体を持たない俺は、その宝箱を開けられなかった。
宝箱に頭を突っ込んで中身を見たら、おそらくポーションだと思われる物が入っていた。
ダンジョンの壁やボス部屋の扉は通り抜けられないが、何故か宝箱は通り抜けられたんだ。
まあ、ポーションなら放置でいいか。
今の俺には、ダメージが入る毒と変わらないからな。
ボス部屋の奥に現れた階段を下って、十一階層へ進む。
因みに、ホブゴブリンの魔石からは、剣術、槍術スキルしか取得できなかった。ゴブリンの上位種の癖にハズレだ。
十一階層からは、黒い狼や赤い犬、二足歩行の犬みたいなのはコボルトかな? が出て来た。
何に驚いたかと言うと、赤い犬が火を噴きやがった。
黒い狼の方は、忍者みたいに気配を消しやがるので、コボルトが可愛く見えたよ。
十五階層までは、その三種類の魔物に加え、今まで現れた魔物が、少し強くなって出現した。
ソウルドレインで取得したスキルは、火魔法、隠密、毒爪の三つ。
毒爪なんて危ないスキル、人と握手できなくなりそうだけど、これは何時も毒の爪が出ている訳じゃなく、ON/OFFができるみたいだ。
どうせ、レイスの俺には関係ないスキルだけどな。
そして十八階層で、ホーリーレイスの成長限界に至った。
順調過ぎて怖いくらいだな。
さて、進化先を選ぼうか。
ホーリーリッチ……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。高い魔法耐性を持ち、種族スキル、光魔法と闇魔法、基本四属性に加え氷魔法、雷魔法を持つ。
スケルトンパラディン……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、高い物理耐性を誇り、神聖属性に耐性を持つ。
ホーリーグール……強靭な肉体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生、怪力を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
予想通り、レイスの次はリッチだった。
リッチになれば、実体化もアストラル化も自由自在になるみたいだ。
「さて、何を選ぶかだが……下の階層に下りるのにはどれも十分だな」
剣や槍などの武器術の鍛錬をしたいなら、スケルトンパラディンがいい。
ホーリーグールは体術を伸ばせるだろう。
逆にリッチは、もっと下の階層じゃないと成長し辛いだろうな。
そうなると、スケルトンかグールの二択になる。
「よし! これに決めた」
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:スケルトンパラディン レベル1
スキル:剣術 レベル4、短剣術 レベル2、体術 レベル4
棒術 レベル1、槍術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、火魔法 レベル1、水魔法 レベル3
光魔法 レベル4、闇魔法 レベル4
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、痛覚耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、隠密、再生、悪食、精力強化、毒爪
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
――――――――――――――――――――
俺が選んだのはスケルトンパラディン。
新しいスキルは取得できなかったが、武術にプラス補正があるので、武術系スキルを鍛えたい。
実体を持つ種族へと進化したので、体の動きを確認する。
そして、自分の影から剣と盾を取り出す。
これは闇魔法のレベル4で覚えた影収納だ。
収納できる量はレベルに依存するので、今はまだそれ程の量は収納できない。ただ、剣や槍、盾などの武具を収納するのには十分だ。
「階層の踏破は遅くなるが、武術系スキルの鍛錬が優先だな。急がば回れだ」
武術系スキルを鍛錬しながらのレベルアップなので、階層を踏破するよりも、レベルや種族以外の部分を鍛えたい。
その後、俺は人型のホブゴブリンやアンデッド層で、グールやスケルトンの上位種を相手に、剣術スキルをメインに、槍と盾、更に棒術のスキルを鍛錬し続けた。
そんな訳で、二十階層のボス部屋の前に辿り着いた時には、かなり武術系スキルが高くなっていた。
しかし困った事に、スキルの限界が5なのか、もっと上なのかが分からない。
今の俺の強さを測る基準がないんだよな。
五話 またも定番に会えました
今から二十階層のボスに挑む。
俺の右手には、なかなかの業物のロングソード。左手には、ラウンドシールドを装備。兜はローマ軍風のカッシウス。
ほとんどが、スケルトンの上位種と武装したホブゴブリンのドロップ品だ。唯一、ロングソードだけは宝箱から入手した物で、これだけ武器のランクが数段上だった。
二十階層まで探索して、宝箱から得たまともな物がロングソードだけというのもどうかと思うが、他はポーション類が多かった。
……アンデッドの俺にポーションは必要ないからな。
二十階層のボス部屋の主人はオークだった。
一回り体格の大きなオークが一体と、普通のオークが三体。
普通のオークでも身長が二メートルはある。
デカイ方のオークは、二メートル五十センチくらいあるだろう。
種族名は分からない。
そういう俺もスケルトンパラディンになって、身長は二メートル程ある。だけど体格では勝てないな。何せ俺は骨だけだからな。
俺は火魔法のファイヤーアローを何本もばら撒きながら駆け出す。
同時に、視認が難しい風魔法のウインドカッターを放った。
「ヴゥォォォォーー‼」
オーク達の、苦痛に呻く声が上がる。
取り巻きのオークとの間合いを詰めた俺は、脇構えにしたロングソードを水平に振るう。
「ふん!」
返す剣で、その横のオークへ袈裟斬りの一撃を放ち、同時に親玉オークへ闇魔法のダークフォグを放って、視界を奪う。
この闇魔法は、ただ視界を奪うだけじゃなく、毒の追加ダメージを与える。
苦しみながら、闇雲に巨大な戦斧を振り回す親玉オーク。
戦斧の巻き添えを食らい、オークが倒れる。
俺は倒れたオークの首に剣を突き刺し、トドメを刺した。
残る一体の普通のオークが、上段から剣を振り下ろすのを、俺は剣で受け流す。
受け流されて体勢が崩れたオークの頸へ一閃、その太い頸を一太刀で斬り落とした。
ザシュ!
「ガァァァァーー‼」
魔法名を叫ばずに、親玉オークの足の甲にウインドカッターを放ち、その痛みで親玉オークの動きが止まる。
その隙を逃さず、斜め下から剣を喉へと突き入れた。
「ゴフッ‼」
剣を引き抜き、バックステップで距離を取る。
親玉オークは、喉から血を噴き出し、後ろへとゆっくり仰向けに倒れた。
ズシンッ!
「俺が女じゃなくて、骨で残念だったなブタ野郎。ふぅ、やっぱり戦闘は、不意打ち、奇襲、状態異常の付与だな」
黒い霧となって消えていくオーク達を眺めながら呟く。
俺と親玉オークとの間に、それ程の差はなかった。取り巻きに魔法使いのオークがいれば、俺も危なかったかもしれない。
まあ、その場合は魔法使いを一番最初に倒すだけだけどな。
四つの普通のオークの魔石と、一つの一回り大きな魔石を吸収する。
ここに来て、斧術なんて要らないんだけどな。
お、腕力強化は役立ちそうだ。
あとは剣術なので、スキルレベルに少し経験値が加算されるくらいか。
このオーク達の経験値は美味しかったみたいで、これでスケルトンパラディンの成長限界まで達する事ができた。
進化先を確認してみる。
ホーリーリッチ……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。高い魔法耐性を持ち、種族スキル、光魔法と闇魔法、基本四属性に加え氷魔法、雷魔法を持つ。
スケルトンホーリーナイト……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持つ。高い物理耐性と魔法耐性を持つ。闇属性無効、神聖属性に耐性を持つ。
ホーリーグール……強靭な肉体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生、怪力を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
スケルトンホーリーナイトか。現在のパラディン(騎士)からホーリーナイト(聖騎士)って、どっちが上って感じでもなさそうなんだけどな。能力は申し分なさそうだけど。
この先は、スケルトンホーリーナイトキングなのかな。めちゃ先が長いな。
じゃあ、次はホーリーグールかな。
成長限界は低そうだ。所詮はグールだからな。
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:ホーリーグール レベル1
スキル:剣術 レベル6、短剣術 レベル2、体術 レベル5、斧術 レベル1
棒術 レベル4、槍術 レベル5、盾術 レベル5、弓術 レベル2
ドレインタッチ レベル5
風魔法 レベル4、魔法 レベル3、水魔法 レベル4
光魔法 レベル6、闇魔法 レベル5
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、痛覚耐性
腕力強化、怪力、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、隠密、再生、悪食、精力強化、毒爪
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
――――――――――――――――――――
何時もの手順でホーリーグールに進化したんだが、悲しいお知らせが一つ。
スキルレベルの上限が5じゃなかった。
俺としては、かなり剣の扱いは上達したと思ってたんだけどなぁ。お前はまだまだだとダメ出し食らった気分だ。
「……これは不味いな」
そして、少し困った事態に陥った。
「まるで変態じゃないか」
ホーリーグールの姿は、肌の色がグレーなだけで、人間と変わらなかった。
なのに俺の服装はスッポンポンだ。
ゾンビの時は気にならなかったけど、腐ってない体だと流石に気になる。
これまで手に入れた鎧を装備すれば、多少変態度は下がるだろうか。
「早く進化しないとな」
今まで人間に遭遇していないとは言え、俺自身がこの姿を許容できない。
俺は急いで次の階層へと下りた。
ゴーストにスケルトン、ゾンビにグール。
ゴーストからは何も得られなかったが、スケルトンからはゴブリンと同じで、武術系のスキルを取得できた。
更に、スケルトンから骨再生、剣術、槍術、盾術、体術を、グールから体力強化という、俺には無意味なスキルを得た。
確かにグールはしぶとかったな……。
ステータスパネルを確認すると、ハイゴーストの成長限界に達し、進化可になっていた。
早速、進化先を考える。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンモンク……骨の体を持つ魔物。武術スキルを修得可能。種族スキル、骨再生、骨強化を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
ライトゾンビ……腐った体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
ゴースト系の先はレイスみたいだが、光魔法を保有した所為で、進化先が変化しているのか?
進化先が変化しているのは、スケルトンとゾンビも同じだ。アンデッド系に光魔法はイレギュラーなんだろうな。
さて、どの種族を選ぶかだが、これまでの経験から、今回選択しなかった種族も、次回の進化で選択可能らしい。
一旦スケルトンやゾンビになってみるか、それともレイスへと進化するか。
直ぐに強くなるのは、間違いなくホーリーレイスだろう。だけど、急がば回れということわざもあるからな。
「よし! スケルトンモンクに進化だ!」
意識すると、全身を光が包み、燃えるような熱を感じた。
そして、体の熱さと光が収まった。
「おおっ、体がある。骨だけど」
フワフワとした浮遊感が消失し、地面に立っている感触がある。
とうとう実体を手に入れた……骨だけどな!
ステータスパネルを確認する。
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名前:シグムンド
種族:スケルトンモンク レベル1
スキル:剣術 レベル1、短剣術 レベル1、体術 レベル1
棒術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、光魔法 レベル4、闇魔法 レベル3
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、悪食、精力強化
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
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「これで、ゴブリンから取得した武術系のスキルを上げる事ができるな」
進化すると、レベルはリセットされるが、弱くなってはいない。
普通のレベル1のスケルトンと異なり、ハイゴーストで20までレベルを上げたステータスが加算されている。
魔力の量はやや少なくなったと感じるが、スケルトンモンクが近接戦闘寄りだからだろう。
試しに、スケルトンやゾンビ、グールを狙って戦ってみる。
その結果分かったのは、同じスケルトンは相手にもならない雑魚という事。ゾンビも全く問題ない。
グールは動きが人間より速いし力も強いが、俺がスケルトンが落とした剣を使うようになってからは、苦戦する事はなくなっていた。
スケルトンモンクは最底辺の弱い魔物だからか、レベルが成長限界に達するのは早かった。
「流石にこの階層だと、レベルアップが早かったな」
進化先を確認する。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンナイト……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、物理耐性と神聖属性に耐性を持つ。
ライトゾンビ……腐った体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
俺はスケルトンナイトへ進化し、勢いのまま、成長限界までレベルを上げた。
スケルトンナイトの成長限界が、レベル30と高かったのは計算違いだったけどな。
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:スケルトンナイト レベル30(進化可)
スキル:剣術 レベル3、短剣術 レベル2、体術 レベル3
棒術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、光魔法 レベル4、闇魔法 レベル3
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、悪食、精力強化
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
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さて、どうしようか。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンパラディン……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、高い物理耐性を誇り、神聖属性に耐性を持つ。
ライトゾンビ……腐った体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
スケルトンナイトそのままの進化先は、スケルトンパラディン。何か強そうだ。
だけど……
「ライトゾンビに進化」
毎度お馴染みの光が全身を包み、それが収まると、骨に肉が付いていた。腐ってるけどね。
「これは早めに進化しないとな。主に俺の精神衛生上の問題で」
体の動きを確かめてみる。
敵として出て来るゾンビに比べると、だいぶマシだな。動作のスピードはスケルトンナイトの時とあまり変わらない。
それと、もう一つ分かった事がある。
ゾンビはスケルトンよりランクの低い魔物だった。
俺がスケルトンパラディンを選ばずにライトゾンビを選んだのは、ここより下の階層は、ゾンビではキツイと思ったからだ。
いくらステータスが加算され、多くのスキルを持つ俺でも、倒される危険が高いだろう。
何事も、急がば回れだ。ここでゾンビでの進化を済ませておこう。
さて、レベリングに行くか。
四話 RPGで無駄にレベルを上げるタイプです
比較的簡単に、ライトゾンビの成長限界まで到達できた。
やっぱり、ここがゾンビの出没する階層よりも、随分と下の階層だからだろう。
さて、次はどうするか。
ホーリーレイス……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。種族スキル、光魔法、闇魔法、水魔法を持つ。
スケルトンパラディン……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、高い物理耐性を誇り、神聖属性に耐性を持つ。
ホーリーグール……強靭な肉体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生、怪力を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
どれを選んでも下の階層で通用するだろう。
「よし! ホーリーレイスだ!」
俺は再び実体を捨て、幽体のアストラル系の魔物へと進化した。
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:ホーリーレイス レベル1
スキル:剣術 レベル3、短剣術 レベル2、体術 レベル3
棒術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、光魔法 レベル4、水魔法 レベル1
闇魔法 レベル3
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、痛覚耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、再生、悪食、精力強化
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
――――――――――――――――――――
十階層では、下へ下りる階層の代わりに豪華な鉄の扉が見つかった。
おそらくボス部屋だろう。
十階層の魔物の出没パターンからして、死霊系ではないと推測される。
ならば、物理攻撃が無効のアストラル系のホーリーレイスが有利だろう。
ホーリーレイスの能力を少し試してから、俺はボス部屋へと挑んだ。
重い扉が開く音が響く。
不思議なんだけど、実体を持たない俺が手を当てるだけで、重厚な扉は自動的に開いた。
黒い霧が部屋の中心で渦巻き、現れたのは、三体の大きなゴブリン。
見た目は緑の肌に小さな角が二本と、普通のゴブリンと共通している部分もあるが、身長が人間の大人と変わらないし、体格もゴツい。
これはあれか? ホブゴブリンとかいう奴か?
まあ、俺には鑑定スキルなんてのはないから推測するだけだ。
三体のホブゴブリンは戸惑っている。
まさかアイツらも、レイスが相手とは思わなかっただろうしな。
ホブゴブリンは、魔法剣みたいな、俺にダメージを与えられる武器も持っていなかった。
多少時間は掛かったけど、魔法を風、光、闇と使いながら、時々ドレインタッチで生命力を吸収するだけの単純作業で勝てた。
ただ、俺にも計算違いはあった。
ボスを倒すと宝箱が出現したんだけど、実体を持たない俺は、その宝箱を開けられなかった。
宝箱に頭を突っ込んで中身を見たら、おそらくポーションだと思われる物が入っていた。
ダンジョンの壁やボス部屋の扉は通り抜けられないが、何故か宝箱は通り抜けられたんだ。
まあ、ポーションなら放置でいいか。
今の俺には、ダメージが入る毒と変わらないからな。
ボス部屋の奥に現れた階段を下って、十一階層へ進む。
因みに、ホブゴブリンの魔石からは、剣術、槍術スキルしか取得できなかった。ゴブリンの上位種の癖にハズレだ。
十一階層からは、黒い狼や赤い犬、二足歩行の犬みたいなのはコボルトかな? が出て来た。
何に驚いたかと言うと、赤い犬が火を噴きやがった。
黒い狼の方は、忍者みたいに気配を消しやがるので、コボルトが可愛く見えたよ。
十五階層までは、その三種類の魔物に加え、今まで現れた魔物が、少し強くなって出現した。
ソウルドレインで取得したスキルは、火魔法、隠密、毒爪の三つ。
毒爪なんて危ないスキル、人と握手できなくなりそうだけど、これは何時も毒の爪が出ている訳じゃなく、ON/OFFができるみたいだ。
どうせ、レイスの俺には関係ないスキルだけどな。
そして十八階層で、ホーリーレイスの成長限界に至った。
順調過ぎて怖いくらいだな。
さて、進化先を選ぼうか。
ホーリーリッチ……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。高い魔法耐性を持ち、種族スキル、光魔法と闇魔法、基本四属性に加え氷魔法、雷魔法を持つ。
スケルトンパラディン……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持ち、高い物理耐性を誇り、神聖属性に耐性を持つ。
ホーリーグール……強靭な肉体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生、怪力を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
予想通り、レイスの次はリッチだった。
リッチになれば、実体化もアストラル化も自由自在になるみたいだ。
「さて、何を選ぶかだが……下の階層に下りるのにはどれも十分だな」
剣や槍などの武器術の鍛錬をしたいなら、スケルトンパラディンがいい。
ホーリーグールは体術を伸ばせるだろう。
逆にリッチは、もっと下の階層じゃないと成長し辛いだろうな。
そうなると、スケルトンかグールの二択になる。
「よし! これに決めた」
――――――――――――――――――――
名前:シグムンド
種族:スケルトンパラディン レベル1
スキル:剣術 レベル4、短剣術 レベル2、体術 レベル4
棒術 レベル1、槍術 レベル1、盾術 レベル1、弓術 レベル1
ドレインタッチ レベル3
風魔法 レベル3、火魔法 レベル1、水魔法 レベル3
光魔法 レベル4、闇魔法 レベル4
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、痛覚耐性、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、隠密、再生、悪食、精力強化、毒爪
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
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俺が選んだのはスケルトンパラディン。
新しいスキルは取得できなかったが、武術にプラス補正があるので、武術系スキルを鍛えたい。
実体を持つ種族へと進化したので、体の動きを確認する。
そして、自分の影から剣と盾を取り出す。
これは闇魔法のレベル4で覚えた影収納だ。
収納できる量はレベルに依存するので、今はまだそれ程の量は収納できない。ただ、剣や槍、盾などの武具を収納するのには十分だ。
「階層の踏破は遅くなるが、武術系スキルの鍛錬が優先だな。急がば回れだ」
武術系スキルを鍛錬しながらのレベルアップなので、階層を踏破するよりも、レベルや種族以外の部分を鍛えたい。
その後、俺は人型のホブゴブリンやアンデッド層で、グールやスケルトンの上位種を相手に、剣術スキルをメインに、槍と盾、更に棒術のスキルを鍛錬し続けた。
そんな訳で、二十階層のボス部屋の前に辿り着いた時には、かなり武術系スキルが高くなっていた。
しかし困った事に、スキルの限界が5なのか、もっと上なのかが分からない。
今の俺の強さを測る基準がないんだよな。
五話 またも定番に会えました
今から二十階層のボスに挑む。
俺の右手には、なかなかの業物のロングソード。左手には、ラウンドシールドを装備。兜はローマ軍風のカッシウス。
ほとんどが、スケルトンの上位種と武装したホブゴブリンのドロップ品だ。唯一、ロングソードだけは宝箱から入手した物で、これだけ武器のランクが数段上だった。
二十階層まで探索して、宝箱から得たまともな物がロングソードだけというのもどうかと思うが、他はポーション類が多かった。
……アンデッドの俺にポーションは必要ないからな。
二十階層のボス部屋の主人はオークだった。
一回り体格の大きなオークが一体と、普通のオークが三体。
普通のオークでも身長が二メートルはある。
デカイ方のオークは、二メートル五十センチくらいあるだろう。
種族名は分からない。
そういう俺もスケルトンパラディンになって、身長は二メートル程ある。だけど体格では勝てないな。何せ俺は骨だけだからな。
俺は火魔法のファイヤーアローを何本もばら撒きながら駆け出す。
同時に、視認が難しい風魔法のウインドカッターを放った。
「ヴゥォォォォーー‼」
オーク達の、苦痛に呻く声が上がる。
取り巻きのオークとの間合いを詰めた俺は、脇構えにしたロングソードを水平に振るう。
「ふん!」
返す剣で、その横のオークへ袈裟斬りの一撃を放ち、同時に親玉オークへ闇魔法のダークフォグを放って、視界を奪う。
この闇魔法は、ただ視界を奪うだけじゃなく、毒の追加ダメージを与える。
苦しみながら、闇雲に巨大な戦斧を振り回す親玉オーク。
戦斧の巻き添えを食らい、オークが倒れる。
俺は倒れたオークの首に剣を突き刺し、トドメを刺した。
残る一体の普通のオークが、上段から剣を振り下ろすのを、俺は剣で受け流す。
受け流されて体勢が崩れたオークの頸へ一閃、その太い頸を一太刀で斬り落とした。
ザシュ!
「ガァァァァーー‼」
魔法名を叫ばずに、親玉オークの足の甲にウインドカッターを放ち、その痛みで親玉オークの動きが止まる。
その隙を逃さず、斜め下から剣を喉へと突き入れた。
「ゴフッ‼」
剣を引き抜き、バックステップで距離を取る。
親玉オークは、喉から血を噴き出し、後ろへとゆっくり仰向けに倒れた。
ズシンッ!
「俺が女じゃなくて、骨で残念だったなブタ野郎。ふぅ、やっぱり戦闘は、不意打ち、奇襲、状態異常の付与だな」
黒い霧となって消えていくオーク達を眺めながら呟く。
俺と親玉オークとの間に、それ程の差はなかった。取り巻きに魔法使いのオークがいれば、俺も危なかったかもしれない。
まあ、その場合は魔法使いを一番最初に倒すだけだけどな。
四つの普通のオークの魔石と、一つの一回り大きな魔石を吸収する。
ここに来て、斧術なんて要らないんだけどな。
お、腕力強化は役立ちそうだ。
あとは剣術なので、スキルレベルに少し経験値が加算されるくらいか。
このオーク達の経験値は美味しかったみたいで、これでスケルトンパラディンの成長限界まで達する事ができた。
進化先を確認してみる。
ホーリーリッチ……神聖属性の光魔法に耐性を持つ特殊な死霊系の魔物。高い魔法耐性を持ち、種族スキル、光魔法と闇魔法、基本四属性に加え氷魔法、雷魔法を持つ。
スケルトンホーリーナイト……骨の体を持つ魔物。武術スキルにプラス補正。種族スキル、骨再生、骨強化を持つ。高い物理耐性と魔法耐性を持つ。闇属性無効、神聖属性に耐性を持つ。
ホーリーグール……強靭な肉体を持つ。種族スキル、痛覚耐性、再生、怪力を持つ。神聖属性に耐性を持つ。
スケルトンホーリーナイトか。現在のパラディン(騎士)からホーリーナイト(聖騎士)って、どっちが上って感じでもなさそうなんだけどな。能力は申し分なさそうだけど。
この先は、スケルトンホーリーナイトキングなのかな。めちゃ先が長いな。
じゃあ、次はホーリーグールかな。
成長限界は低そうだ。所詮はグールだからな。
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名前:シグムンド
種族:ホーリーグール レベル1
スキル:剣術 レベル6、短剣術 レベル2、体術 レベル5、斧術 レベル1
棒術 レベル4、槍術 レベル5、盾術 レベル5、弓術 レベル2
ドレインタッチ レベル5
風魔法 レベル4、魔法 レベル3、水魔法 レベル4
光魔法 レベル6、闇魔法 レベル5
体力強化、嗅覚強化、聴覚強化、毒生成
病毒耐性、毒耐性、物理耐性、痛覚耐性
腕力強化、怪力、光属性耐性
骨再生、骨強化、夜目、隠密、再生、悪食、精力強化、毒爪
ユニークスキル:ソウルドレイン
称号:異世界から紛れ込んだ魂、ネームドモンスター特異種
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何時もの手順でホーリーグールに進化したんだが、悲しいお知らせが一つ。
スキルレベルの上限が5じゃなかった。
俺としては、かなり剣の扱いは上達したと思ってたんだけどなぁ。お前はまだまだだとダメ出し食らった気分だ。
「……これは不味いな」
そして、少し困った事態に陥った。
「まるで変態じゃないか」
ホーリーグールの姿は、肌の色がグレーなだけで、人間と変わらなかった。
なのに俺の服装はスッポンポンだ。
ゾンビの時は気にならなかったけど、腐ってない体だと流石に気になる。
これまで手に入れた鎧を装備すれば、多少変態度は下がるだろうか。
「早く進化しないとな」
今まで人間に遭遇していないとは言え、俺自身がこの姿を許容できない。
俺は急いで次の階層へと下りた。
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