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王都で人集め
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取り敢えず、街道が完成したので、王都の商業ギルドと冒険者ギルドなどに人の手配をする為に出掛けた。
「先ずは、商業ギルドで大工や職人を手配して貰わないとな」
王都の商業ギルド本部へ向かう。
大きな石造りの四階建ての建物が見えて来た。
商業ギルドの建物を入ると、中は清潔な感じの内装で、長いカウンターがある。そこが受付だろう。
「すいません」
空いている窓口に声を掛ける。
「はい、こんにちは。今日はどのような要件で?」
受付のベテラン職員っぽいお姉さんが対応してくれた。
そこで、新領地で街を建設する大工や職人の手配をお願い出来ないか聞いてみた。
「えっ! ドラーク男爵様でしたか。
それで、派遣する大工や職人の人数は、どの程度考えておられますか?
……はい、少々お待ち下さい」
こちらの要望を伝えると、商業ギルドの受付の女性が、一旦退席して階段を登って行った。
やがて階段を資料を抱えて、ギルドの女性職員が戻って来た。
「お待たせしました」
受付の女性職員が、資料を広げて説明を始める。
「今、派遣出来る大工や木工職人、石工職人、鍛治職人は、最大で100人程ですね。申し訳ないのですが、ドラーク男爵領は未開地ですので、何もない現地で長期間仕事をする人材となると、中々集めるのに苦労するのです」
それはそうだろうとカイトも思う。現地には何もないのだから、全て自分達で用意しないといけない。
「100人の職人達の仮宿舎の建設や、当座の食料も必要になってきます。
あと、定期的に食料や日用品の販売をする商人を派遣する必要もあります。
あと、一番最初に決めなければいけない事ですが、どの規模の町か村を造るのか設計図は必要です」
町の規模か、先ずは村からスタートでも仕方ないよな。なんせ住民はゼロなんだから。
「取り敢えず、住居用の建物を100戸を造って貰えますか?」
最初は、300人~400人位の人数から始める方が良いだろうな。農地を開墾して食料を自給自足出来る様になってからだな。
「そうですね一般的な住居用が100戸なら、3ヶ月程度で…………、資材費、人件費、初期の食料を含めますと……」
商業ギルドの女性職員が資料を片手に、紙に費用を計算していく。
この世界にも粗末な物だけど紙は存在する。いまだに正式な書類は羊皮紙の様な物らしいが。
「実際に掛かる日数で変動しますが、10億セル程度で収まると思います。
ところで、ドラーク男爵様。このご依頼には領主館は含まれていませんが?」
「あゝ、それは気にしないで下さい。10億セルですね」
俺は10億セルを白金貨100枚で払う。
さすが王都の商業ギルドだけあって、白金貨100枚程度では驚きもしない。俺が前世で10億円なんて目の前に置かれたらビビったと思う。
その後、建設する住居の大きさや建材の指定などを話し合う。
職人達を領地へ送る護衛依頼も、商業ギルドが代行してくれるらしい。多少の手数料は掛かるが、今は、俺には他にやる事なら幾らでもあるので、任せられる所は任せる事にした。
「では、人数を集めるのに10日程掛かるので、出発は二週間後になると思います」
まぁ、100人以上が移動するのだから、その位になるか。
因みに、この世界でも一週間は7日で、一月は30日、一年360日で大の月も閏年もない。
「分かりました。じゃあ、お願いします」
商業ギルドの女性職員に挨拶してギルドをあとにした。
「カイト、次は王都にある私の屋敷に行くわよ」
「兵士を融通してくれるんだよな」
「取り敢えず武官だけだけどね。文官も探してくれていると思うわ」
「出来れば、騎士よりも工兵部隊から何人か派遣してくれたら嬉しいかな」
王都にあるエルの家、要するにバスターク辺境伯の屋敷なんだけど、そこへ皆んなと歩きながら、そんな事を話していた。
ドラーク男爵家立ち上げに際して、バスターク辺境伯と王国から、武官と文官を用意してくれる約束だった。
やがて王都の貴族街でも、上級貴族の屋敷が並ぶ区画にバスターク辺境伯の屋敷が見えて来た。
「相変わらずデカイ屋敷だな」
「それは王国の盾と言われているバスターク辺境伯だもの、法衣の伯爵とは違うわよ」
俺達が屋敷の門に近付くと、門番の兵士と共にフレデリックさんが出迎えに来ていた。
「お久しぶりです。カイト様、エルレインお嬢様」
隙のない所作で、出迎えてくれたフレデリックさんに、俺達も挨拶を返す。
「お久しぶりです、フレデリックさん」
「元気そうね、フレデリック」
「立ち話もなんですから、どうぞ皆様お屋敷の中に」
フレデリックに案内され、カイト達が屋敷の中に入る。
広い応接室へ通されたカイト達が、ソファーに座って待っていると、バスターク辺境伯夫人のレイラがフレデリックと共に現れた。
「お久しぶり、カイトさん」
「ご無沙汰しています。レイラさん」
「随分と早く街道が整備出来たのね。さすがカイトさんと言ったところかしら。
それで、バスターク辺境伯家から派遣する人員に付いては、私からゴドウィンに手紙を出して置きますから、二週間もあれば現地に到着すると思うわ」
「わざわざありがとうございます」
「義息子の領地だもの、我が家が寄親になるのだし、この位の援助は当たり前よ。
そうそう、王国からの人員も多分同じ位の時期になると思うわ」
そうなると兵舎を用意して置かないといけないな。土魔法で俺が造るのが一番早いな。
「あと、移民の受け入れは、ある程度住居の目処が立った時点で募集します。移動には冒険者ギルドに護衛依頼をだしておきます」
フレデリックさんが細かいフォローをしてくれるようだ。
バスターク辺境伯の王都屋敷を辞去し、歩いていると、カイトと手を繋いでいるルキナが寄り道したいと言いだしたので、王都の市場をブラブラする事にした。
「わぁ~、いっぱいお店がある~」
ルキナが嬉しそうにキョロキョロしている。
「何か欲しい物があったら買ってあげるよ」
「わ~~い!」
ルキナがぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。
「ランカス達も欲しい物があったら買うと良い」
そう言ってランカスに金貨10枚を渡す。
「多過ぎませんか?」
「いいから、余ったら皆んなで分けると良いから」
ランカスに無理矢理お金を渡すと、皆んなで市場を見て回った。
その後、エルに皆んなを任せて、俺だけ先に戻る事にした。町になるか村になるか、まだ規模は分からないけど、区画整理と兵舎建設、自分達の拠点建設を始める為だ。
エルに、車を収納したアイテムボックス機能付の袋を渡して、俺は一人転移魔法で戻った。
「先ずは、商業ギルドで大工や職人を手配して貰わないとな」
王都の商業ギルド本部へ向かう。
大きな石造りの四階建ての建物が見えて来た。
商業ギルドの建物を入ると、中は清潔な感じの内装で、長いカウンターがある。そこが受付だろう。
「すいません」
空いている窓口に声を掛ける。
「はい、こんにちは。今日はどのような要件で?」
受付のベテラン職員っぽいお姉さんが対応してくれた。
そこで、新領地で街を建設する大工や職人の手配をお願い出来ないか聞いてみた。
「えっ! ドラーク男爵様でしたか。
それで、派遣する大工や職人の人数は、どの程度考えておられますか?
……はい、少々お待ち下さい」
こちらの要望を伝えると、商業ギルドの受付の女性が、一旦退席して階段を登って行った。
やがて階段を資料を抱えて、ギルドの女性職員が戻って来た。
「お待たせしました」
受付の女性職員が、資料を広げて説明を始める。
「今、派遣出来る大工や木工職人、石工職人、鍛治職人は、最大で100人程ですね。申し訳ないのですが、ドラーク男爵領は未開地ですので、何もない現地で長期間仕事をする人材となると、中々集めるのに苦労するのです」
それはそうだろうとカイトも思う。現地には何もないのだから、全て自分達で用意しないといけない。
「100人の職人達の仮宿舎の建設や、当座の食料も必要になってきます。
あと、定期的に食料や日用品の販売をする商人を派遣する必要もあります。
あと、一番最初に決めなければいけない事ですが、どの規模の町か村を造るのか設計図は必要です」
町の規模か、先ずは村からスタートでも仕方ないよな。なんせ住民はゼロなんだから。
「取り敢えず、住居用の建物を100戸を造って貰えますか?」
最初は、300人~400人位の人数から始める方が良いだろうな。農地を開墾して食料を自給自足出来る様になってからだな。
「そうですね一般的な住居用が100戸なら、3ヶ月程度で…………、資材費、人件費、初期の食料を含めますと……」
商業ギルドの女性職員が資料を片手に、紙に費用を計算していく。
この世界にも粗末な物だけど紙は存在する。いまだに正式な書類は羊皮紙の様な物らしいが。
「実際に掛かる日数で変動しますが、10億セル程度で収まると思います。
ところで、ドラーク男爵様。このご依頼には領主館は含まれていませんが?」
「あゝ、それは気にしないで下さい。10億セルですね」
俺は10億セルを白金貨100枚で払う。
さすが王都の商業ギルドだけあって、白金貨100枚程度では驚きもしない。俺が前世で10億円なんて目の前に置かれたらビビったと思う。
その後、建設する住居の大きさや建材の指定などを話し合う。
職人達を領地へ送る護衛依頼も、商業ギルドが代行してくれるらしい。多少の手数料は掛かるが、今は、俺には他にやる事なら幾らでもあるので、任せられる所は任せる事にした。
「では、人数を集めるのに10日程掛かるので、出発は二週間後になると思います」
まぁ、100人以上が移動するのだから、その位になるか。
因みに、この世界でも一週間は7日で、一月は30日、一年360日で大の月も閏年もない。
「分かりました。じゃあ、お願いします」
商業ギルドの女性職員に挨拶してギルドをあとにした。
「カイト、次は王都にある私の屋敷に行くわよ」
「兵士を融通してくれるんだよな」
「取り敢えず武官だけだけどね。文官も探してくれていると思うわ」
「出来れば、騎士よりも工兵部隊から何人か派遣してくれたら嬉しいかな」
王都にあるエルの家、要するにバスターク辺境伯の屋敷なんだけど、そこへ皆んなと歩きながら、そんな事を話していた。
ドラーク男爵家立ち上げに際して、バスターク辺境伯と王国から、武官と文官を用意してくれる約束だった。
やがて王都の貴族街でも、上級貴族の屋敷が並ぶ区画にバスターク辺境伯の屋敷が見えて来た。
「相変わらずデカイ屋敷だな」
「それは王国の盾と言われているバスターク辺境伯だもの、法衣の伯爵とは違うわよ」
俺達が屋敷の門に近付くと、門番の兵士と共にフレデリックさんが出迎えに来ていた。
「お久しぶりです。カイト様、エルレインお嬢様」
隙のない所作で、出迎えてくれたフレデリックさんに、俺達も挨拶を返す。
「お久しぶりです、フレデリックさん」
「元気そうね、フレデリック」
「立ち話もなんですから、どうぞ皆様お屋敷の中に」
フレデリックに案内され、カイト達が屋敷の中に入る。
広い応接室へ通されたカイト達が、ソファーに座って待っていると、バスターク辺境伯夫人のレイラがフレデリックと共に現れた。
「お久しぶり、カイトさん」
「ご無沙汰しています。レイラさん」
「随分と早く街道が整備出来たのね。さすがカイトさんと言ったところかしら。
それで、バスターク辺境伯家から派遣する人員に付いては、私からゴドウィンに手紙を出して置きますから、二週間もあれば現地に到着すると思うわ」
「わざわざありがとうございます」
「義息子の領地だもの、我が家が寄親になるのだし、この位の援助は当たり前よ。
そうそう、王国からの人員も多分同じ位の時期になると思うわ」
そうなると兵舎を用意して置かないといけないな。土魔法で俺が造るのが一番早いな。
「あと、移民の受け入れは、ある程度住居の目処が立った時点で募集します。移動には冒険者ギルドに護衛依頼をだしておきます」
フレデリックさんが細かいフォローをしてくれるようだ。
バスターク辺境伯の王都屋敷を辞去し、歩いていると、カイトと手を繋いでいるルキナが寄り道したいと言いだしたので、王都の市場をブラブラする事にした。
「わぁ~、いっぱいお店がある~」
ルキナが嬉しそうにキョロキョロしている。
「何か欲しい物があったら買ってあげるよ」
「わ~~い!」
ルキナがぴょんぴょん跳ねて喜んでいる。
「ランカス達も欲しい物があったら買うと良い」
そう言ってランカスに金貨10枚を渡す。
「多過ぎませんか?」
「いいから、余ったら皆んなで分けると良いから」
ランカスに無理矢理お金を渡すと、皆んなで市場を見て回った。
その後、エルに皆んなを任せて、俺だけ先に戻る事にした。町になるか村になるか、まだ規模は分からないけど、区画整理と兵舎建設、自分達の拠点建設を始める為だ。
エルに、車を収納したアイテムボックス機能付の袋を渡して、俺は一人転移魔法で戻った。
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