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二十三話 盗賊退治
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私も十一歳になり、春、ローディンお兄様が卒業の季節を迎えた。
「ユーリ、留守を頼むよ」
「無茶しないようにね」
「ユーリお姉さま、お土産楽しみにしてくださいね!」
「ユーリお姉ちゃん! 直ぐ帰って来るよ!」
「お父様達も気を付けて。留守はお任せください」
アレクお父様とフローラお母様は、ローディンお兄様の卒業式の参加の為、七歳になったメルティアラとルードルフは、この機会に王都で開かれるパーティーでお披露目なのよね。
で、私は、お父様達がマーカスやジェス達護衛と王都へ向かうのをお見送りだ。
小さくなっていく馬車を見送ると、私は自分の工房に向かう。
今日も鍛錬を頑張ろう。
アレクお父様達が王都へ出発して次の日、シルフィード辺境伯から報せが届いた。気になるのか、ノックスが何の報せなのか聞いて来る。
「お嬢、それで内容は?」
「バルドル王国方面から、盗賊がシルフィード辺境伯領に侵入したみたい」
シルフィード辺境伯、私からすると母方のお祖父様からの急な報せは、どうやら盗賊らしい。それなりに大規模なのかな?
「シルフィード辺境伯領に、国外から盗賊なんて珍しいわね」
「だよね。ユースクリフ王国でも武門の名家を、普通なら選ばないよね」
ララが言うように、我が国でも武門の名家として有名で、治安の安定に力を入れているお祖父様のシルフィード辺境伯領を、わざわざ盗賊風情が狙うなんて、私からしたら違和感しかない。しかもバルドル王国というのも腑に落ちない。
バルドル王国からシルフィード辺境伯領に行くなら、その間に我がルミエール伯爵領が在るのに、わざわざ迂回してまでシルフィード辺境伯領を狙う盗賊なんて、怪しいところだらけだ。
「被害の方はどうなんですか?」
「それが、村を襲撃しているところに、巡回の騎士団が向かったようだけど、逃げられたみたい。その時、死人は出てないけど、騎士にも怪我人はそこそこ出たらしいわ」
「そんな、盗賊相手に……」
マーテルが、シルフィード辺境伯家の被害はどうかと聞くので、領民と騎士団に怪我人が出たと言うと、マーテルも驚いている。
「あきらかに普通の盗賊じゃないって事だな」
「ノックスの言う通りよ。お祖父様も国境を堅めるって言ってるわ」
「バルドル王国方向って事は、緩衝地帯の森や山があるわね」
ノックスが言うように、シルフィード辺境伯家の騎士に怪我をさせるなんて、普通の盗賊ではあり得ない。まあ、絶対に無いかとまでは言えないけどね。
まあ中には冒険者崩れや騎士崩れが、盗賊に堕ちる事もあるだろうけど、腕の立つ者は凄く少ないんじゃないかしら。腕が確かでも、人間的にクソで盗賊に堕ちる奴も居るかもしれないけどね。
「シルフィード辺境伯領からバルドル王国方向に逃げるなら、うちを通らないようローデシア王国との国境付近を北上するって感じか」
「まあ、まだバルドル王国方向に逃げたって確証はないから分からないけど、うちを避けてシルフィード辺境伯領に行った事を考えれば、その可能性が高いわね」
シルフィード辺境伯領は広いので、まだ盗賊が追手を逃れる事が出来るかもしれないけど、ルミエール伯爵家は、辺境なので伯爵家としては広い領地だけど、盗賊の類いが入り込む余地はない。
特に、私の誘拐事件があった後、領内の警戒は厳しくなったので、盗賊なんかの侵入は許さない。
そう考えれば、バルドル王国からわざわざ迂回してシルフィード辺境伯領に入ったと考えるのが自然だ。
「お祖父様からは、侵入した盗賊を早期に発見したのは偶然だったらしいわ。それがなければ、大きな被害が出たかもって」
「そうなれば、冒険者を含めて大勢の兵を動員してたでしょうね」
「そうだね。多分、そうして国境を警備する兵力を分散させたかったのかもね」
お祖父様の手紙には、大きな被害か出る前に発見したのは偶然みたい。基本的に、巡回の時間は報されていない。定期的に決まった時間に見回ると、そのスケジュールを知られるリスクが大きいからね。だから、盗賊を発見できたのは偶然で幸運だった。
だから盗賊寄越した奴の思惑として、ララが言うようにシルフィード辺境伯家の戦力を国境から引き剥がす事を狙ったのではと推測される。それに思い至ったお祖父様も国境を固めているんだ。
まあ、それでも疑問は残る。バルドル王国が狙うなら、距離的にも近く国境を接しているルミエール伯爵領だと思うのだけど……
「ローデシア王国の依頼かしら?」
「ユーリの言う通りかもね。ただ、直ぐにどうこうって話じゃないと思う」
「ララさん、どうしてですか?」
「ローデシア王国もバルドル王国も、我がユースクリフ王国の敵国ではあるけど、戦争には準備が必要なのよ」
私が黒幕はローデシア王国だろうと推測すると、ララもそれに頷くも、直ぐに戦争とはならないだろうと言う。マーテルはそれに首を傾げ何故かと聞くも、理由は簡単ララが言うように準備が出来ていないからだ。
「あのねマーテル。戦争するにはお金が凄く掛かるの。兵糧が大量に必要だし、物資も同じ。兵も集めないといけないからね。人の流れ、物資の流れを掴んでいれば、その辺の予測はつくのよ」
「なる程」
「ユーリ様もララ様も凄いです!」
私が説明するとマーテルは納得してくれた。パティは凄いと目を輝かせる。
「それでユーリ。シルフィード卿の依頼は?」
「一応、盗賊が通り抜けると予測される国境付近の警戒だね」
ここで一応と言うのは、ルミエール伯爵領の国境付近は、普段から警戒は厳重だから。なので盗賊達も、我が領から少し離れた場所を通ったんだと思う。
そこに話に余り加わってなかったノックスが口を開いた。
「なぁお嬢。盗賊の人数は? 仮にもシルフィード辺境伯家の騎士に怪我人が出たんだ。それなりの規模なんじゃないか?」
「そうなのよ。正確な数じゃないけど、およそ五十人らしいわ」
「何それ。盗賊って数じゃないわね」
私が言った人数にララが呆れた顔で言う。
何処かに拠点を置く盗賊団なら、それくらいの人数も有り得るだろう。だけど、五十人規模での遠征なんて、それはもう盗賊団って規模じゃない。
「で、お嬢なら、警戒ってだけで済ませないよな」
「おっ、分かってるね。ノックス」
「はぁ。まあ、暇つぶし程度にはなるでしょうね」
「確かに、手加減の練習に良さそうです」
「えっ、生かすんですか?」
盗賊の話を私がした時点で、ノックスは私が領界を堅めるだけで済ますつもりはないだろうと思ってたみたい。
それにララも、訓練漬けの日々に多少の刺激にはなるかもって思ってるみたい。マーテルなんかは、対人戦で殺してはダメな時の為に練習するつもりらしい。ただ、パティはマーテルの手加減発言に驚いている。ルミエール伯爵領では、盗賊なんてほとんど見ないけど、基本的に盗賊は生かして捕まえるなんてしないからね。
「パティ。今回は、何人か残して尋問したいの。背景を知りたいからね」
「ああ! なる程! 流石、ユーリ様です!」
生かす理由は一つだけ。ただの盗賊か。それとも他国からの我が国への嫌がらせか。それを知りたいだけだ。まぁ、盗賊如きに重要な情報は知らせていないだろうけど、それでも十分だ。
「場所は分かる?」
『任せて!』
『ユーリ。カサンドラとガーランドに言っておいた方がいいよ』
「分かってるわよ」
私が宙に向かって問い掛けると、小型の緑の鷹が姿を現す。名前をハヤテ。私が契約する風の上級精霊。ハヤテの力を使えば、盗賊探しなんて簡単だ。
実は、この数年で私の工房周辺が、清浄な魔力溢れる地となったお陰で、沢山の微精霊や下級精霊が集まってきた。そのうち中級精霊や上級精霊が来るようになり、その中から私を気に入り契約を望んだのがハヤテだ。まあハヤテや農地で活躍した土の精霊ゴレムスだけじゃないんだけど、それはまたの機会にして、今は盗賊への対処だ。
ゴクウも私の肩に姿を見せて、侍女長のカサンドラと騎士団長のガーランドに話を通しておくべきだと言われる。ほんと、ゴクウは精霊なのに常識人なのよね。因みに、執事長のセドリックは、お父様達と一緒に王都に行っている。
さて、サクッと一狩り行くか。
ルミエール伯爵領を西に出て少し行った場所に、私達五人は来ていた。ガーランドも最近は、私がいるので盗賊如きに護衛は付けてくれなくなった。
「どうハヤテ。見つかった?」
『いるねぇ。あと一時間くらいで、もう少し西側を通るよ』
「了解。じゃあ、逃げられないよう配置に着こうか」
流石の私も風の上級精霊であるハヤテの探索範囲には及ばない。まあ、私が精霊魔法として索敵の魔法を使えばいいんだけの話なんだけどね。
◇
ユースクリフ王国の国境を守護する、シルフィード辺境伯領を何とか脱出した五十人程の集団が北へと急ぐ。
そのまま西のローデシア王国に逃れればよかったのだろうが、その集団にとってローデシア王国も安全な地ではなかった。集団を率いる男は知っている。ローデシアの王は、自分達など簡単に切り捨てると。
湿原を抜けると平坦な地が続き、僅かな草が生えるだけの荒地に差し掛かる。
行軍は楽になったが、この地は不味い。何故なら、ちょっと東へ行けば、決して喧嘩を売ってはならない理不尽の塊、ルミエール伯爵領だからだ。
「クソッ! 仕事は失敗するわ、何も奪えねぇわ! 散々だぜ!」
「頭、途中、何処か襲いますか?」
「馬鹿野郎! ここからだとルミエール伯爵領か、バルドル王国内の村しかないんだぞ!」
苛立つボスに、一人の手下が近くの村を襲撃しようと提案するも、ボスに馬鹿かと怒鳴られる。
男達は傭兵の集団だった。それも盗賊を兼務するような禄でもない傭兵団。今回、バルドル王国からの依頼は、シルフィード辺境伯領を荒らすというもの。相手が相手だけに、難しい仕事だったが、まさか最初の村の襲撃でつまずくとは思ってもいなかった。
だからといって腹いせにルミエール伯爵領を襲うかというと、流石にそれは無謀だと分かっている。かと言って、雇い主であるバルドル王国の村を直ぐに襲うのは今は不味い。そうボスの男は理解しているのだが、手下達は違う。
奪い。犯し。殺す。それが楽しみであり望みなのだから。
特に今回は、シルフィード辺境伯領を出た西側が、湿原が拡がっている為、馬車や馬が使えず、しかも湿原を抜け荒れた野を抜けるとバルドル王国までは森だ。必然的に、徒歩での行軍を強いられ、しかも仕事は失敗。傭兵団の士気は低く、イライラは募るばかり。
そんな今にも爆発しそうなくらい鬱憤を溜めた傭兵団が、荒野で行く手を遮る少女に出会ったならどういう行動に出るのか、考えるまでもなかった。
「ウッヒョォォー!! 女だぁ!」
「女って、まだガキじゃねぇか! まあ、俺はガキでもういいけどな!」
「二人じゃ売る前に直ぐ潰れるぞ!」
興奮して好き勝手叫ぶ手下達だが、ボスの男は大きくはないとはいえ、五十人規模の傭兵団を率いるだけあり、自分達の前に立ち塞がった二人の少女に警戒する。
それもその筈、行く手を塞ぐ二人の少女。ユーリとララの表情には、恐怖も緊張の様子も見られない。
その事に一人気付いたボスが、警戒度を引き上げるも、それでも自分達は五十人の戦いのプロ。少女二人に、何故これだけ本能が警鐘を鳴らすのか男は理解出来なかった。
「グゥワァッ!」
「ギャァ!」
「ギャァー!」
「なっ、なんだ!?」
足を止めた傭兵団の後方と左右から悲鳴が上がる。
「囲まれているだとぉ!」
「いやっ! カシラ、相手は三人だっ!」
「馬鹿野郎! 何しているっ! さっさとぶち殺せ!」
傭兵団のボスが怒号を発するも、その三人は傭兵達を淡々と、そして簡単に葬っていく。
◇
後方からノックスが、左右からパティとマーテルが盗賊達へ嬉々として襲い掛かっている。
「う~ん。手加減がまだまだ下手ね」
「そうね。特にノックスは酷いです」
「そうよね。パティはその可愛い見た目とは裏腹に、意外と悪・即・断の子だから仕方ないかもしれないけどね」
呑気にララと話していると、キレた盗賊達が私達へと襲い掛かって来た。
さて、私も動かないとダメね。皆んなに任せていると、生きている盗賊が居なくなりそう。
私が盗賊達の集団に飛び込むと、ララも両手に剣を持ち盗賊に攻撃を始める。ララは、最近二刀流を練習している。
器用なララは、もともと剣も魔法も得意な魔法剣士タイプなんだけど、盾が性に合わないみたい。だから剣を攻撃と防御に使う二刀流を選択した。凄く難しいんだけどね。ララなら大丈夫でしょう。
剣や斧、槍が私へと襲い掛かるなか、それを躱し、捌き、逸らし、拳を、肘を、掌底を打ち付け意識を奪う。
うん。手加減は完璧ね。
私が盗賊達の集団の中を、踊るように、泳ぐように通り抜けると、バタバタと盗賊達が倒れる。
「なんだっ!? 何なんだっ!」
あきらかに見た目が子供の私達に、一方的に蹂躙されて、頭目らしき男がパニックになっている。
ドパッンッ!!
「あっ、力加減間違えちゃった」
「まぁ、一人や二人増えたところで今更でしょう」
私が力加減を間違えて、盗賊の一人を破裂させてしまうと、側に寄って来たララが、盗賊を斬り捨てながらそう言う。
ララも手を斬り落としたり、当て身をしたりと手加減はしているけど、面倒なのか普通に斬り捨てている割合が多い。
「……そのプラチナブロンド、女神の髪色。おまえ! ルミエールの娘か! おまえを売っぱらえば、一生遊んで暮らせるぜぇ!!」
盗賊の頭目らしき男が、私の正体に気付いたみたい。目の色を変えたわ。やっぱり盗賊じゃなさそうね。
「オラッ!!」
盗賊の頭目が、その見た目に似合い過ぎている大きな斧を、私に振り下ろしてきた。盗賊にしては、なかなか強い部類に入るのかな? まあ、私達としたら手加減に気を遣わないといけない程度なのは変わらないけどね。それに、私を殺しちゃ意味がないのに、大上段から振り下ろすなんて、馬鹿なの?
「いやいや、殺しに来てるじゃない。まぁ、死なないけど」
キンッ!
「ヘッ!?」
間抜けな顔で惚ける男。それも仕方ない。男の渾身の一撃を、私がその場を一歩も動く事なく人差し指一本で受け止めたのだから。
私は、呆然としている男の胴にソッと手を当て発勁を放つ。
ドサッ
呻き声すら上げれず倒れた盗賊のリーダーらしき男。
「容赦ないわね。この男、きっと立ち直れないわよ」
「いいのよ。殺してないんだから感謝して欲しいわ。それに、どうせシルフィードのお祖父様に引き渡すんだから」
ララが、私の相手の心を折りにいく所業を非難するけど、ボスっぽいのを生かしてあるんだから褒めて欲しいくらいよ。
そこにノックス達もやって来た。
「お嬢、終わったぜ」
「ユーリ様、手加減難しいです」
「私もだいぶ失敗しちゃいました」
「だよな。こいつら脆すぎるんだよ」
ノックスはまだしも、マーテルやパティも手加減に苦労したみたいね。
「はぁ、仕方ないわね。ゴクウ、息のある奴の回復をお願い」
『死なない程度にだね』
私はゴクウに魔力を渡して、息のある奴らに広域の回復魔法を発動させる。
「ゴレムス。死体を容れる穴をお願い」
『了解』
私がゴレムスを呼ぶと、そこにミニチュアサイズのストーンゴーレムが現れ、私の渡した魔力で、地面に大きな穴を空けた。
ゴレムスは、土の上級精霊。何処にでも有る土を使っての実体化も可能なので、普段から私の工房では実体化して彷徨いている。ゴクウと違い、その場の土や岩を使うので、実体化するのに使う魔力は無視できるレベルだ。
『アンデッドになると面倒だ。焼いておくか?』
「イフがそう言うなら焼いておこうかな」
そう言って現れたのは、ミニチュアサイズだけど、その姿は二本の角を持つ炎の魔人。炎の魔神イフリートからイフと名付けた。火の上級精霊。
『焼くなんて面倒な事しなくても、ゴクウが浄化すればいいんじゃない?』
『それこそ、こんな奴らには勿体ないよ』
ノックス達が、持ち物を確認してから、ゴレムスの空けた穴に死体を放り込んでいるのを見ていると現れたのは、わざわざ焼かなくてもいいんじゃないかと、二本の角に鬣と四肢を持つ青い東洋の龍のような姿は、水の上級精霊、名をミズチ。
そう。私は七歳の時、聖属性の精霊ゴクウと契約してから、今では火、風、土、水、闇の精霊とも契約するに至っていた。闇の精霊は寝坊助だから余り表に出て来ないけれど、実は寂しがり家なので、姿を現さないけど常に側に居るのは居る。ちょっと面倒くさい奴だ。
「お嬢! 焼いちゃってください!」
「了解! イフ、お願い」
死体を穴に放り込んだノックスが声を掛けてきたので、私はイフに魔力を渡してお願いする。
魔力を渡す時に、明確なイメージを伝える事が精霊魔法は大事だ。
炎の太い火柱が立ち上がり、火の上級精霊の行使する獄炎があっという間に死体を灰にした。
「ユーリ、生かした奴ら、全員縛り上げたわよ」
「了解。荷車を造るわ」
ゴレムスに頼んで、穴を埋めてもらうと、荷車は私が自分で土魔法で造りあげる。精霊魔法は、大規模な事象改変は得意だけど、細かなイメージの受け渡しが難しいのよね。
生き残っている盗賊達? を荷車に積み込み、私達は帰路につく。
荷車を引くの? 勿論、ノックスに決まってるわ。一つ歳上だし、男の子だもんね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この度、作者著作の「いずれ最強の錬金術師?」のアニメ化が決定しました。
初回放送はいかがでしたでしょうか。
楽しんでいただければ幸いなのですが。
次回の放送も楽しんで頂けると嬉しいです。
それと「いずれ最強の錬金術師?」の17巻が12月中旬に発売されます。書店で手に取って頂ければ幸いです。
あとコミック版の「いずれ最強の錬金術師?」8巻が、12月16日より順次発売予定です。
また、コミック版の「いずれ最強の錬金術師?」1巻~7巻の増刷されます。
12月中頃には、お近くの書店に並ぶと思いますので手に取って頂ければ幸いです。
「ユーリ、留守を頼むよ」
「無茶しないようにね」
「ユーリお姉さま、お土産楽しみにしてくださいね!」
「ユーリお姉ちゃん! 直ぐ帰って来るよ!」
「お父様達も気を付けて。留守はお任せください」
アレクお父様とフローラお母様は、ローディンお兄様の卒業式の参加の為、七歳になったメルティアラとルードルフは、この機会に王都で開かれるパーティーでお披露目なのよね。
で、私は、お父様達がマーカスやジェス達護衛と王都へ向かうのをお見送りだ。
小さくなっていく馬車を見送ると、私は自分の工房に向かう。
今日も鍛錬を頑張ろう。
アレクお父様達が王都へ出発して次の日、シルフィード辺境伯から報せが届いた。気になるのか、ノックスが何の報せなのか聞いて来る。
「お嬢、それで内容は?」
「バルドル王国方面から、盗賊がシルフィード辺境伯領に侵入したみたい」
シルフィード辺境伯、私からすると母方のお祖父様からの急な報せは、どうやら盗賊らしい。それなりに大規模なのかな?
「シルフィード辺境伯領に、国外から盗賊なんて珍しいわね」
「だよね。ユースクリフ王国でも武門の名家を、普通なら選ばないよね」
ララが言うように、我が国でも武門の名家として有名で、治安の安定に力を入れているお祖父様のシルフィード辺境伯領を、わざわざ盗賊風情が狙うなんて、私からしたら違和感しかない。しかもバルドル王国というのも腑に落ちない。
バルドル王国からシルフィード辺境伯領に行くなら、その間に我がルミエール伯爵領が在るのに、わざわざ迂回してまでシルフィード辺境伯領を狙う盗賊なんて、怪しいところだらけだ。
「被害の方はどうなんですか?」
「それが、村を襲撃しているところに、巡回の騎士団が向かったようだけど、逃げられたみたい。その時、死人は出てないけど、騎士にも怪我人はそこそこ出たらしいわ」
「そんな、盗賊相手に……」
マーテルが、シルフィード辺境伯家の被害はどうかと聞くので、領民と騎士団に怪我人が出たと言うと、マーテルも驚いている。
「あきらかに普通の盗賊じゃないって事だな」
「ノックスの言う通りよ。お祖父様も国境を堅めるって言ってるわ」
「バルドル王国方向って事は、緩衝地帯の森や山があるわね」
ノックスが言うように、シルフィード辺境伯家の騎士に怪我をさせるなんて、普通の盗賊ではあり得ない。まあ、絶対に無いかとまでは言えないけどね。
まあ中には冒険者崩れや騎士崩れが、盗賊に堕ちる事もあるだろうけど、腕の立つ者は凄く少ないんじゃないかしら。腕が確かでも、人間的にクソで盗賊に堕ちる奴も居るかもしれないけどね。
「シルフィード辺境伯領からバルドル王国方向に逃げるなら、うちを通らないようローデシア王国との国境付近を北上するって感じか」
「まあ、まだバルドル王国方向に逃げたって確証はないから分からないけど、うちを避けてシルフィード辺境伯領に行った事を考えれば、その可能性が高いわね」
シルフィード辺境伯領は広いので、まだ盗賊が追手を逃れる事が出来るかもしれないけど、ルミエール伯爵家は、辺境なので伯爵家としては広い領地だけど、盗賊の類いが入り込む余地はない。
特に、私の誘拐事件があった後、領内の警戒は厳しくなったので、盗賊なんかの侵入は許さない。
そう考えれば、バルドル王国からわざわざ迂回してシルフィード辺境伯領に入ったと考えるのが自然だ。
「お祖父様からは、侵入した盗賊を早期に発見したのは偶然だったらしいわ。それがなければ、大きな被害が出たかもって」
「そうなれば、冒険者を含めて大勢の兵を動員してたでしょうね」
「そうだね。多分、そうして国境を警備する兵力を分散させたかったのかもね」
お祖父様の手紙には、大きな被害か出る前に発見したのは偶然みたい。基本的に、巡回の時間は報されていない。定期的に決まった時間に見回ると、そのスケジュールを知られるリスクが大きいからね。だから、盗賊を発見できたのは偶然で幸運だった。
だから盗賊寄越した奴の思惑として、ララが言うようにシルフィード辺境伯家の戦力を国境から引き剥がす事を狙ったのではと推測される。それに思い至ったお祖父様も国境を固めているんだ。
まあ、それでも疑問は残る。バルドル王国が狙うなら、距離的にも近く国境を接しているルミエール伯爵領だと思うのだけど……
「ローデシア王国の依頼かしら?」
「ユーリの言う通りかもね。ただ、直ぐにどうこうって話じゃないと思う」
「ララさん、どうしてですか?」
「ローデシア王国もバルドル王国も、我がユースクリフ王国の敵国ではあるけど、戦争には準備が必要なのよ」
私が黒幕はローデシア王国だろうと推測すると、ララもそれに頷くも、直ぐに戦争とはならないだろうと言う。マーテルはそれに首を傾げ何故かと聞くも、理由は簡単ララが言うように準備が出来ていないからだ。
「あのねマーテル。戦争するにはお金が凄く掛かるの。兵糧が大量に必要だし、物資も同じ。兵も集めないといけないからね。人の流れ、物資の流れを掴んでいれば、その辺の予測はつくのよ」
「なる程」
「ユーリ様もララ様も凄いです!」
私が説明するとマーテルは納得してくれた。パティは凄いと目を輝かせる。
「それでユーリ。シルフィード卿の依頼は?」
「一応、盗賊が通り抜けると予測される国境付近の警戒だね」
ここで一応と言うのは、ルミエール伯爵領の国境付近は、普段から警戒は厳重だから。なので盗賊達も、我が領から少し離れた場所を通ったんだと思う。
そこに話に余り加わってなかったノックスが口を開いた。
「なぁお嬢。盗賊の人数は? 仮にもシルフィード辺境伯家の騎士に怪我人が出たんだ。それなりの規模なんじゃないか?」
「そうなのよ。正確な数じゃないけど、およそ五十人らしいわ」
「何それ。盗賊って数じゃないわね」
私が言った人数にララが呆れた顔で言う。
何処かに拠点を置く盗賊団なら、それくらいの人数も有り得るだろう。だけど、五十人規模での遠征なんて、それはもう盗賊団って規模じゃない。
「で、お嬢なら、警戒ってだけで済ませないよな」
「おっ、分かってるね。ノックス」
「はぁ。まあ、暇つぶし程度にはなるでしょうね」
「確かに、手加減の練習に良さそうです」
「えっ、生かすんですか?」
盗賊の話を私がした時点で、ノックスは私が領界を堅めるだけで済ますつもりはないだろうと思ってたみたい。
それにララも、訓練漬けの日々に多少の刺激にはなるかもって思ってるみたい。マーテルなんかは、対人戦で殺してはダメな時の為に練習するつもりらしい。ただ、パティはマーテルの手加減発言に驚いている。ルミエール伯爵領では、盗賊なんてほとんど見ないけど、基本的に盗賊は生かして捕まえるなんてしないからね。
「パティ。今回は、何人か残して尋問したいの。背景を知りたいからね」
「ああ! なる程! 流石、ユーリ様です!」
生かす理由は一つだけ。ただの盗賊か。それとも他国からの我が国への嫌がらせか。それを知りたいだけだ。まぁ、盗賊如きに重要な情報は知らせていないだろうけど、それでも十分だ。
「場所は分かる?」
『任せて!』
『ユーリ。カサンドラとガーランドに言っておいた方がいいよ』
「分かってるわよ」
私が宙に向かって問い掛けると、小型の緑の鷹が姿を現す。名前をハヤテ。私が契約する風の上級精霊。ハヤテの力を使えば、盗賊探しなんて簡単だ。
実は、この数年で私の工房周辺が、清浄な魔力溢れる地となったお陰で、沢山の微精霊や下級精霊が集まってきた。そのうち中級精霊や上級精霊が来るようになり、その中から私を気に入り契約を望んだのがハヤテだ。まあハヤテや農地で活躍した土の精霊ゴレムスだけじゃないんだけど、それはまたの機会にして、今は盗賊への対処だ。
ゴクウも私の肩に姿を見せて、侍女長のカサンドラと騎士団長のガーランドに話を通しておくべきだと言われる。ほんと、ゴクウは精霊なのに常識人なのよね。因みに、執事長のセドリックは、お父様達と一緒に王都に行っている。
さて、サクッと一狩り行くか。
ルミエール伯爵領を西に出て少し行った場所に、私達五人は来ていた。ガーランドも最近は、私がいるので盗賊如きに護衛は付けてくれなくなった。
「どうハヤテ。見つかった?」
『いるねぇ。あと一時間くらいで、もう少し西側を通るよ』
「了解。じゃあ、逃げられないよう配置に着こうか」
流石の私も風の上級精霊であるハヤテの探索範囲には及ばない。まあ、私が精霊魔法として索敵の魔法を使えばいいんだけの話なんだけどね。
◇
ユースクリフ王国の国境を守護する、シルフィード辺境伯領を何とか脱出した五十人程の集団が北へと急ぐ。
そのまま西のローデシア王国に逃れればよかったのだろうが、その集団にとってローデシア王国も安全な地ではなかった。集団を率いる男は知っている。ローデシアの王は、自分達など簡単に切り捨てると。
湿原を抜けると平坦な地が続き、僅かな草が生えるだけの荒地に差し掛かる。
行軍は楽になったが、この地は不味い。何故なら、ちょっと東へ行けば、決して喧嘩を売ってはならない理不尽の塊、ルミエール伯爵領だからだ。
「クソッ! 仕事は失敗するわ、何も奪えねぇわ! 散々だぜ!」
「頭、途中、何処か襲いますか?」
「馬鹿野郎! ここからだとルミエール伯爵領か、バルドル王国内の村しかないんだぞ!」
苛立つボスに、一人の手下が近くの村を襲撃しようと提案するも、ボスに馬鹿かと怒鳴られる。
男達は傭兵の集団だった。それも盗賊を兼務するような禄でもない傭兵団。今回、バルドル王国からの依頼は、シルフィード辺境伯領を荒らすというもの。相手が相手だけに、難しい仕事だったが、まさか最初の村の襲撃でつまずくとは思ってもいなかった。
だからといって腹いせにルミエール伯爵領を襲うかというと、流石にそれは無謀だと分かっている。かと言って、雇い主であるバルドル王国の村を直ぐに襲うのは今は不味い。そうボスの男は理解しているのだが、手下達は違う。
奪い。犯し。殺す。それが楽しみであり望みなのだから。
特に今回は、シルフィード辺境伯領を出た西側が、湿原が拡がっている為、馬車や馬が使えず、しかも湿原を抜け荒れた野を抜けるとバルドル王国までは森だ。必然的に、徒歩での行軍を強いられ、しかも仕事は失敗。傭兵団の士気は低く、イライラは募るばかり。
そんな今にも爆発しそうなくらい鬱憤を溜めた傭兵団が、荒野で行く手を遮る少女に出会ったならどういう行動に出るのか、考えるまでもなかった。
「ウッヒョォォー!! 女だぁ!」
「女って、まだガキじゃねぇか! まあ、俺はガキでもういいけどな!」
「二人じゃ売る前に直ぐ潰れるぞ!」
興奮して好き勝手叫ぶ手下達だが、ボスの男は大きくはないとはいえ、五十人規模の傭兵団を率いるだけあり、自分達の前に立ち塞がった二人の少女に警戒する。
それもその筈、行く手を塞ぐ二人の少女。ユーリとララの表情には、恐怖も緊張の様子も見られない。
その事に一人気付いたボスが、警戒度を引き上げるも、それでも自分達は五十人の戦いのプロ。少女二人に、何故これだけ本能が警鐘を鳴らすのか男は理解出来なかった。
「グゥワァッ!」
「ギャァ!」
「ギャァー!」
「なっ、なんだ!?」
足を止めた傭兵団の後方と左右から悲鳴が上がる。
「囲まれているだとぉ!」
「いやっ! カシラ、相手は三人だっ!」
「馬鹿野郎! 何しているっ! さっさとぶち殺せ!」
傭兵団のボスが怒号を発するも、その三人は傭兵達を淡々と、そして簡単に葬っていく。
◇
後方からノックスが、左右からパティとマーテルが盗賊達へ嬉々として襲い掛かっている。
「う~ん。手加減がまだまだ下手ね」
「そうね。特にノックスは酷いです」
「そうよね。パティはその可愛い見た目とは裏腹に、意外と悪・即・断の子だから仕方ないかもしれないけどね」
呑気にララと話していると、キレた盗賊達が私達へと襲い掛かって来た。
さて、私も動かないとダメね。皆んなに任せていると、生きている盗賊が居なくなりそう。
私が盗賊達の集団に飛び込むと、ララも両手に剣を持ち盗賊に攻撃を始める。ララは、最近二刀流を練習している。
器用なララは、もともと剣も魔法も得意な魔法剣士タイプなんだけど、盾が性に合わないみたい。だから剣を攻撃と防御に使う二刀流を選択した。凄く難しいんだけどね。ララなら大丈夫でしょう。
剣や斧、槍が私へと襲い掛かるなか、それを躱し、捌き、逸らし、拳を、肘を、掌底を打ち付け意識を奪う。
うん。手加減は完璧ね。
私が盗賊達の集団の中を、踊るように、泳ぐように通り抜けると、バタバタと盗賊達が倒れる。
「なんだっ!? 何なんだっ!」
あきらかに見た目が子供の私達に、一方的に蹂躙されて、頭目らしき男がパニックになっている。
ドパッンッ!!
「あっ、力加減間違えちゃった」
「まぁ、一人や二人増えたところで今更でしょう」
私が力加減を間違えて、盗賊の一人を破裂させてしまうと、側に寄って来たララが、盗賊を斬り捨てながらそう言う。
ララも手を斬り落としたり、当て身をしたりと手加減はしているけど、面倒なのか普通に斬り捨てている割合が多い。
「……そのプラチナブロンド、女神の髪色。おまえ! ルミエールの娘か! おまえを売っぱらえば、一生遊んで暮らせるぜぇ!!」
盗賊の頭目らしき男が、私の正体に気付いたみたい。目の色を変えたわ。やっぱり盗賊じゃなさそうね。
「オラッ!!」
盗賊の頭目が、その見た目に似合い過ぎている大きな斧を、私に振り下ろしてきた。盗賊にしては、なかなか強い部類に入るのかな? まあ、私達としたら手加減に気を遣わないといけない程度なのは変わらないけどね。それに、私を殺しちゃ意味がないのに、大上段から振り下ろすなんて、馬鹿なの?
「いやいや、殺しに来てるじゃない。まぁ、死なないけど」
キンッ!
「ヘッ!?」
間抜けな顔で惚ける男。それも仕方ない。男の渾身の一撃を、私がその場を一歩も動く事なく人差し指一本で受け止めたのだから。
私は、呆然としている男の胴にソッと手を当て発勁を放つ。
ドサッ
呻き声すら上げれず倒れた盗賊のリーダーらしき男。
「容赦ないわね。この男、きっと立ち直れないわよ」
「いいのよ。殺してないんだから感謝して欲しいわ。それに、どうせシルフィードのお祖父様に引き渡すんだから」
ララが、私の相手の心を折りにいく所業を非難するけど、ボスっぽいのを生かしてあるんだから褒めて欲しいくらいよ。
そこにノックス達もやって来た。
「お嬢、終わったぜ」
「ユーリ様、手加減難しいです」
「私もだいぶ失敗しちゃいました」
「だよな。こいつら脆すぎるんだよ」
ノックスはまだしも、マーテルやパティも手加減に苦労したみたいね。
「はぁ、仕方ないわね。ゴクウ、息のある奴の回復をお願い」
『死なない程度にだね』
私はゴクウに魔力を渡して、息のある奴らに広域の回復魔法を発動させる。
「ゴレムス。死体を容れる穴をお願い」
『了解』
私がゴレムスを呼ぶと、そこにミニチュアサイズのストーンゴーレムが現れ、私の渡した魔力で、地面に大きな穴を空けた。
ゴレムスは、土の上級精霊。何処にでも有る土を使っての実体化も可能なので、普段から私の工房では実体化して彷徨いている。ゴクウと違い、その場の土や岩を使うので、実体化するのに使う魔力は無視できるレベルだ。
『アンデッドになると面倒だ。焼いておくか?』
「イフがそう言うなら焼いておこうかな」
そう言って現れたのは、ミニチュアサイズだけど、その姿は二本の角を持つ炎の魔人。炎の魔神イフリートからイフと名付けた。火の上級精霊。
『焼くなんて面倒な事しなくても、ゴクウが浄化すればいいんじゃない?』
『それこそ、こんな奴らには勿体ないよ』
ノックス達が、持ち物を確認してから、ゴレムスの空けた穴に死体を放り込んでいるのを見ていると現れたのは、わざわざ焼かなくてもいいんじゃないかと、二本の角に鬣と四肢を持つ青い東洋の龍のような姿は、水の上級精霊、名をミズチ。
そう。私は七歳の時、聖属性の精霊ゴクウと契約してから、今では火、風、土、水、闇の精霊とも契約するに至っていた。闇の精霊は寝坊助だから余り表に出て来ないけれど、実は寂しがり家なので、姿を現さないけど常に側に居るのは居る。ちょっと面倒くさい奴だ。
「お嬢! 焼いちゃってください!」
「了解! イフ、お願い」
死体を穴に放り込んだノックスが声を掛けてきたので、私はイフに魔力を渡してお願いする。
魔力を渡す時に、明確なイメージを伝える事が精霊魔法は大事だ。
炎の太い火柱が立ち上がり、火の上級精霊の行使する獄炎があっという間に死体を灰にした。
「ユーリ、生かした奴ら、全員縛り上げたわよ」
「了解。荷車を造るわ」
ゴレムスに頼んで、穴を埋めてもらうと、荷車は私が自分で土魔法で造りあげる。精霊魔法は、大規模な事象改変は得意だけど、細かなイメージの受け渡しが難しいのよね。
生き残っている盗賊達? を荷車に積み込み、私達は帰路につく。
荷車を引くの? 勿論、ノックスに決まってるわ。一つ歳上だし、男の子だもんね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この度、作者著作の「いずれ最強の錬金術師?」のアニメ化が決定しました。
初回放送はいかがでしたでしょうか。
楽しんでいただければ幸いなのですが。
次回の放送も楽しんで頂けると嬉しいです。
それと「いずれ最強の錬金術師?」の17巻が12月中旬に発売されます。書店で手に取って頂ければ幸いです。
あとコミック版の「いずれ最強の錬金術師?」8巻が、12月16日より順次発売予定です。
また、コミック版の「いずれ最強の錬金術師?」1巻~7巻の増刷されます。
12月中頃には、お近くの書店に並ぶと思いますので手に取って頂ければ幸いです。
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