幸運の歌姫

歩楽 (ホラ)

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第1章・聖騎士

サポートジョブ

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 私は盾を構え剣を抜く。

 小さく息を吐く・・。

 

 お互い、ゲームでは数度対戦をしている
ある程度、手の内はわかってるが
私のほうが不利なのは確かだ。

 99レベルでの戦闘なら、予測はつくが
ラオウの言葉が本当なら、今のラオウは、レベル101以上。

 私の知らない、新しい上級職にスキルや技がある
それに、今までの戦績は私が負け越している。

 だが、微かに可能性はある
ラオウがここに来た、方法だ
もしも、自身のテレポートで
バナナ平原に飛んできたなら
ラオウの、サポートジョブは
回復がメインと言われる白魔法系統のジョブのはずである。


********


 魔法【テレポート】
これは、ある決められた地点への転移魔法である
決められた場所には、世界の中心と言われる【帝都】
そして各国の【王都】に、その地点がある。
 そして、戦闘フィールドと呼ばれる場所に、いくつか存在する。
王都に、テレポートする事は可能だが
各国に点在する都市、街、村に行きたい時は
一度近くにある、フィールドのテレポートポイントに転移し
そこから歩く仕様となっている。

 この【テレポート】が覚えられるのが
白魔法系統の職業の上位ジョブである。


********


 このゲームでは
メインジョブは、変更不可。

 モンスターを倒したり、戦闘でえる経験値で
一定レベルまで成長すると
そのジョブに対する上級職にだけ転職できる
その時、2つ、ないし3つの上位ジョブが有り
その中の1つを選択することとなる。
 
 だが、サポートジョブと言われる、職業は変更可能である
 そして、このサポートジョブは
クエストで得られる、ジョブポイントを消費し
レベルを上げることができる
一定レベルに達すると上位職に変更可能でもある。


ゲーム時代なら、非戦闘エリアである、街や宿屋のみで、変更可能であり
王都や城に関しては、攻略勧告すれば、一定の範囲が戦闘可能となる。

 だが、この世界では、非戦闘エリアなど無い
だからこそ、ラオウは、グレープ城を落とし、王を殺したのだ

 だが、ゲームの名残もある
ゲーム時代、非戦闘エリアと言われる、街や城でないと
サポートジョブの変更が出来ないのだ
これはもう確認済みだ。

 そう、バナナ平原に居る、ラオウはまだ街に入っていない
なら、サポートジョブの変更はしてないはず
サポートジョブのレベルは、メインジョブの半分、最低でもレベル50
白系等ジョブの分岐で、テレポートを覚えるのは、数える程無い。

 その全ての情報は私の頭の中に在る
そして、白系のサポートジョブは
そのステータス補正率に関して、攻撃力と防御力が無いのだ。

 騎士系の私にとって、一番ネックなのが攻撃力でもある
騎士系のステータスは、防御系に振られており
他の前衛職から比べれば、私の攻撃力は低いのだ

 それに比べ、格闘系の上級職でもある、ラオウのグラップラー
レベル101になって、その上位職になったらしいが
格闘系の強みは、その耐久力と攻撃力である。

 だが、サポートジョブが白系と言うならば
多少の回復魔法は使えるが、普段より攻撃力と防御力が低いという事だ。



 今のラオウは
メイン格闘系、サポ白系
MPは多少あり、HP回復が使えるが
メイン格闘系の為、HPは多いいがMPは極小
その為、魔法に関しては、さほど気にしなくていい

防御力は普段より少ないが、元々のHPは多いい
ジョブスキルにより、HP回復スキルや、攻撃力アップなどがあるが
99までの、ジョブスキルは分かっている

 救いは、防御力が普段より低いことで
私の攻撃が通る事だ。
 そして、攻撃力が落ちている事で
私の防御を抜けないと言う事でもあるが。

 

 今の私も
メインは騎士系、サポは補助系
やはり、サポートジョブが戦士系でない為
多少なり、戦闘系の補正やスキルが少ない
 
それでも、普段からPVPに関してなら
騎士である私には、サポートは戦士系より補助系の方が相性がイイ

 そう、サポートジョブを変更できず
事前にPVPの準備が出来なかったラオウよりも
事前に用意していた私の方が有利である。

 ただ、100以上である、ラオウの新しいスキルや技が不安要素であるが

勝てる確率を考えるなら今しかない。


そう今後

あ3が、進むだろう世界の歌姫の道を壊しかねない、この男を倒すのは今しかない。
 
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