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第5話「邪霊」
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本屋にて_
澪菜と祢遠は本屋のすぐ近くに来てから止まった。
澪菜の前を先導して歩いていた祢遠が急に止まったことで、背中に思いっきり鼻をぶつけた。
澪菜「ッイ゙デ!」
澪菜は祢遠の隣からヒョイッと顔を出して本屋を見た後、ギョッとした。
_性別、大人子供問わず、ヒトであったであろう者たちが本屋の前に蔓延り、自動ドアを叩いたり擦ったり引っ掻きたりしていた。
邪霊たちは皆それぞれ何処かが欠損していた。
右足欠損、右腕欠損、左腕欠損、左足欠損、
頭部半壊…まるで生でゾンビを見ているようだった
澪菜「ぅ…ぉぇッ…」
むせ上がってきた吐き気に耐えられずに膝を地面に着けたら、隣にいた祢遠が眉を寄せた。
何があったのだろうと邪霊へと視線を移す
澪菜「ッひ…ぁ…」
喉から引き攣った声が出る。
邪霊達は皆一斉に、祢遠には目もくれずに澪菜へ血走った眼を向けた。
『逃げろ!』『捕まったら死ぬ!』
脳内で警報が鳴る。生存本能に従って、澪菜の足は地面を蹴った。
グイッ
澪菜「ッへあ!?」
後ろ向きに尻もちを派手について転ぶ。
「何に引っ張られた!?」と無我夢中で視線を彷徨わせる。
祢遠「勝手に変なところ走っていかないでよ、どうせまた別の怨霊に喰い憑かれる、面倒だよ」
澪菜「ッで、でも!逃げないと死ぬでしょ!?」
グイグイと掴まれた腕を引き剥がそうと藻掻くが、
一向に祢遠の力が弱まらない。
祢遠「ッ子供じゃないだろう…ッ!」
澪菜「子供です!16才です!未成年です!」
混乱する脳みそで『子供』に関する言葉を馬鹿正直に言い出す。
そうこうしているうちに、邪霊たちは澪菜の方向へ足を向けて近づいてくる。
祢遠は両手に黒いモヤを纏わせて、澪菜を腕ずくで小脇に挟んでから邪霊に向けて何かを唱える。
黒いモヤが広がって、モヤの中から漆黒の巨狼が
現れた。体毛は闇のような黒で、血のように赤い瞳
祢遠「邪霊どもはキミの餌だ、喰い尽くせ」
ウダウダ暴れている澪菜には目もくれずに、
巨狼へ命令する。
巨狼は立派で鋭利なかぎ爪と牙で邪霊をぐちゃぐちゃにしていく。
邪霊の見た目だけでも吐き気がしていた澪菜は
近くの排水溝へ近寄って必死に吐き気と戦った
その時、両手で口を抑えるために、手に持っていた護符をスマホを重石にして地面に置いてしまった。
澪菜の腰に、何かが抱きついた。
澪菜は恐る恐る振り返り、絶句する。
澪菜の腰に抱きついていたのは2人の男の子と女の子の邪霊。2人とも欠損部分は片目と片耳で、何も映さない虚ろな瞳で澪菜にしがみついて離れない。
澪菜「ッ~!!」
声を出したいのに声が出ない、二人の子供から漂う腐敗臭のようなものが鼻を掠める。
子供のうち1人が、澪菜の首に歯を突き立てようとした。
フッ…と子供たちの背後に黒い影が落ちる。
澪菜の首に鋭く変質した牙が突き立てられる寸前の所で、二人の子供の頭を祢遠が後ろから鷲掴みにした。
『ッガ…ッッァ゙!』
ギリギリと嫌な音が響く、子供たちは痛みと苦しみから唾液を垂らしていた。
澪菜はそそくさと護符を乱暴に引っ掴んで後方へ
退く。
祢遠は冷酷な無表情で子供の頭蓋骨を締め付けていた、黄金色の美しい瞳の奥が射抜くように鋭くなっている
バキィッ!!
と派手な音が鳴り、二人の子供は同時に祢遠によって頭蓋骨を握力のみで破壊された。
澪菜「…ッぁ、ありがとう…」
祢遠「…護符は肌身離さず持っていないとすぐ死ぬから、特に異界にいる間は絶対持っててよ?」
ドス黒い笑みで凄まれる。
目の奥は全く笑っていない。
澪菜「…ッハ、ハヒ…」
今は大人しく従っておかないと命の危機だと感じ、
何度もコクコクと首を上下に振る。
店主「…ッうぇ~…こりゃ酷い…」
本屋の方から店主の声が聞こえ、祢遠と澪菜は店主の方へ視線を移す。
いつの間にか、邪霊達を貪り食っていた闇色の巨狼は消えていた____。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本屋ー店内ー
(澪菜が子供の邪霊に喰われそうになっている最中)
店主「…店を閉店しておいて良かった…このままあの子目当てで来た邪霊どもが店の中に入ったら後片付けが大変だ…」
店主も、人の子の心配よりも自分の店の心配をしていた。
店主「…ん?…これは…」
店主の目に映ったのは、床の上に落とされた状態の本。
店主は本を拾う。
タイトル【デキル女!愛を鷲掴み♡】
店主「…あの娘さんが欲しがっていたな…置いておこう」
レジのカウンターに、店主はそっと本を置いて、
外の惨事が事なきを得るのを待った。
澪菜と祢遠は本屋のすぐ近くに来てから止まった。
澪菜の前を先導して歩いていた祢遠が急に止まったことで、背中に思いっきり鼻をぶつけた。
澪菜「ッイ゙デ!」
澪菜は祢遠の隣からヒョイッと顔を出して本屋を見た後、ギョッとした。
_性別、大人子供問わず、ヒトであったであろう者たちが本屋の前に蔓延り、自動ドアを叩いたり擦ったり引っ掻きたりしていた。
邪霊たちは皆それぞれ何処かが欠損していた。
右足欠損、右腕欠損、左腕欠損、左足欠損、
頭部半壊…まるで生でゾンビを見ているようだった
澪菜「ぅ…ぉぇッ…」
むせ上がってきた吐き気に耐えられずに膝を地面に着けたら、隣にいた祢遠が眉を寄せた。
何があったのだろうと邪霊へと視線を移す
澪菜「ッひ…ぁ…」
喉から引き攣った声が出る。
邪霊達は皆一斉に、祢遠には目もくれずに澪菜へ血走った眼を向けた。
『逃げろ!』『捕まったら死ぬ!』
脳内で警報が鳴る。生存本能に従って、澪菜の足は地面を蹴った。
グイッ
澪菜「ッへあ!?」
後ろ向きに尻もちを派手について転ぶ。
「何に引っ張られた!?」と無我夢中で視線を彷徨わせる。
祢遠「勝手に変なところ走っていかないでよ、どうせまた別の怨霊に喰い憑かれる、面倒だよ」
澪菜「ッで、でも!逃げないと死ぬでしょ!?」
グイグイと掴まれた腕を引き剥がそうと藻掻くが、
一向に祢遠の力が弱まらない。
祢遠「ッ子供じゃないだろう…ッ!」
澪菜「子供です!16才です!未成年です!」
混乱する脳みそで『子供』に関する言葉を馬鹿正直に言い出す。
そうこうしているうちに、邪霊たちは澪菜の方向へ足を向けて近づいてくる。
祢遠は両手に黒いモヤを纏わせて、澪菜を腕ずくで小脇に挟んでから邪霊に向けて何かを唱える。
黒いモヤが広がって、モヤの中から漆黒の巨狼が
現れた。体毛は闇のような黒で、血のように赤い瞳
祢遠「邪霊どもはキミの餌だ、喰い尽くせ」
ウダウダ暴れている澪菜には目もくれずに、
巨狼へ命令する。
巨狼は立派で鋭利なかぎ爪と牙で邪霊をぐちゃぐちゃにしていく。
邪霊の見た目だけでも吐き気がしていた澪菜は
近くの排水溝へ近寄って必死に吐き気と戦った
その時、両手で口を抑えるために、手に持っていた護符をスマホを重石にして地面に置いてしまった。
澪菜の腰に、何かが抱きついた。
澪菜は恐る恐る振り返り、絶句する。
澪菜の腰に抱きついていたのは2人の男の子と女の子の邪霊。2人とも欠損部分は片目と片耳で、何も映さない虚ろな瞳で澪菜にしがみついて離れない。
澪菜「ッ~!!」
声を出したいのに声が出ない、二人の子供から漂う腐敗臭のようなものが鼻を掠める。
子供のうち1人が、澪菜の首に歯を突き立てようとした。
フッ…と子供たちの背後に黒い影が落ちる。
澪菜の首に鋭く変質した牙が突き立てられる寸前の所で、二人の子供の頭を祢遠が後ろから鷲掴みにした。
『ッガ…ッッァ゙!』
ギリギリと嫌な音が響く、子供たちは痛みと苦しみから唾液を垂らしていた。
澪菜はそそくさと護符を乱暴に引っ掴んで後方へ
退く。
祢遠は冷酷な無表情で子供の頭蓋骨を締め付けていた、黄金色の美しい瞳の奥が射抜くように鋭くなっている
バキィッ!!
と派手な音が鳴り、二人の子供は同時に祢遠によって頭蓋骨を握力のみで破壊された。
澪菜「…ッぁ、ありがとう…」
祢遠「…護符は肌身離さず持っていないとすぐ死ぬから、特に異界にいる間は絶対持っててよ?」
ドス黒い笑みで凄まれる。
目の奥は全く笑っていない。
澪菜「…ッハ、ハヒ…」
今は大人しく従っておかないと命の危機だと感じ、
何度もコクコクと首を上下に振る。
店主「…ッうぇ~…こりゃ酷い…」
本屋の方から店主の声が聞こえ、祢遠と澪菜は店主の方へ視線を移す。
いつの間にか、邪霊達を貪り食っていた闇色の巨狼は消えていた____。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
本屋ー店内ー
(澪菜が子供の邪霊に喰われそうになっている最中)
店主「…店を閉店しておいて良かった…このままあの子目当てで来た邪霊どもが店の中に入ったら後片付けが大変だ…」
店主も、人の子の心配よりも自分の店の心配をしていた。
店主「…ん?…これは…」
店主の目に映ったのは、床の上に落とされた状態の本。
店主は本を拾う。
タイトル【デキル女!愛を鷲掴み♡】
店主「…あの娘さんが欲しがっていたな…置いておこう」
レジのカウンターに、店主はそっと本を置いて、
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