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オルフェウスVSコーアーション
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白徽警衛団本部、最上階――「金将の間」
重厚な扉が、内側から爆音とともに吹き飛んだ。
木片と金属片が大理石の床を削り、粉塵が白い靄となって広がる。
「金将はここにいる」
静かに。だが揺るぎない確信を込めた声。
オルフェウス=マクレイン。
白い制服の胸で輝く巨大な金属製の盾型紋章が、室内の灯りを跳ね返して鈍く光る。
彼はただ一人、玉座の前に立ち塞がっていた。
通路の奥から、足音はしない。
足音など要らないほど、その存在自体が重い。
「……動くな」
床を這うような、低い声。
現れたのは、白と金を基調とした異形の統合形態――
コーアーション=グラビタス。
両腕に浮かぶ「重圧コア」が、金血の奔流を孕んで脈動している。
周囲の空気が歪み、埃ですら地面に押し潰されて動けない。
それでも、オルフェウスは一歩も退かない。
盾型紋章を構え、金将を背後に完全にかばう。
「君ごときに、この前に膝をつかせることは許さない」
グラビタスは答えない。
代わりに、ゆっくりと右手を掲げた。
瞬間――
《心理圧縮網(Mind-Pressure Grid)》展開。
目に見えない重力が、オルフェウスの精神を直撃する。
思考が、凍りつく。
頭蓋の内側から万有引力が働いたかのように、意識が下へ、下へと引きずり込まれていく。
「…………っ」
オルフェウスの膝が、かすかに震えた。
(考えろ……考えるなと言われても、考えるのが僕の仕事だ)
だが、思考の歯車は軋む。
次の行動予測、防御陣形の再構築、敵の能力解析――
すべてが、鉛の塊になったように重くなる。
グラビタスが、一歩、踏み出す。
そのたびに床がひび割れ、石片が沈むように沈降していく。
「……黙れ。考えるな」
重圧コアが金色に輝き、無数の重力パケットが弾丸のように放たれた。
空気が圧縮され、轟音を立ててオルフェウスの盾へ殺到する。
ガギィィィィン――!
盾型紋章が火花を散らし、オルフェウスの体が三メートルほど後方へ吹き飛ばされた。
背中が、金将の玉座の足元に叩きつけられる。
「……ッ!」
グラビタスは静かに歩み寄る。
その一歩ごとに、通路の壁が内側へと歪み、鉄骨が悲鳴を上げる。
「恐怖は最速のプロトコルだ」
そして、右手を高く掲げた。
《ドミネイト・フォール》発動。
空気が、音を失う。
オルフェウスの視界が、金色に染まった。
心臓の鼓動が遠ざかり、血の巡りさえ他人事のようだ。
膝が、勝手に折れる。
頭が、勝手に垂れる。
(……違う)
歯を食いしばる。
鉄の味が口内に広がる。
(僕は……僕はまだ……)
グラビタスの手が振り下ろされる寸前――
オルフェウスは、盾を地面に叩きつけた。
ガンッ。
盾型紋章が白熱し、白徽警衛団の紋章が一瞬だけ、純白に燃え上がる。
「――白徽の誓い」
掠れた声で。それでも、確かな響きで。
「我が身を盾とし、この意志を護る。いかなる威圧も、いかなる支配も、この盾の前では無効とする」
盾から放たれた白い光が、心理圧縮網を正面からぶち抜いた。
グラビタスの重圧コアが、初めて、不快そうな軋みを上げる。
「……何?」
「君の支配は、心を折ることだ」
オルフェウスは、ぐらつく足でゆっくりと立ち上がる。
膝はまだ震えている。
だが、その瞳は、もう一点の揺らぎもない。
「だが、僕の忠誠は、心じゃない」
盾を前に突き出す。
全身を白いオーラが包み込んだ。
「これは、誓いだ」
次の瞬間、二人が同時に動いた。
重圧コアが、無数の金色の弾丸となって炸裂する。
白い盾が、それらを真正面から受け止める。
衝撃波が通路を薙ぎ払い、天井が崩落する。
砕けた石と装飾片が雨のように降り注ぐ。
白と金の光が、何度も何度も交錯する。
忠誠と支配が、真正面から激突する。
まだ、勝負は終わらない。
重厚な扉が、内側から爆音とともに吹き飛んだ。
木片と金属片が大理石の床を削り、粉塵が白い靄となって広がる。
「金将はここにいる」
静かに。だが揺るぎない確信を込めた声。
オルフェウス=マクレイン。
白い制服の胸で輝く巨大な金属製の盾型紋章が、室内の灯りを跳ね返して鈍く光る。
彼はただ一人、玉座の前に立ち塞がっていた。
通路の奥から、足音はしない。
足音など要らないほど、その存在自体が重い。
「……動くな」
床を這うような、低い声。
現れたのは、白と金を基調とした異形の統合形態――
コーアーション=グラビタス。
両腕に浮かぶ「重圧コア」が、金血の奔流を孕んで脈動している。
周囲の空気が歪み、埃ですら地面に押し潰されて動けない。
それでも、オルフェウスは一歩も退かない。
盾型紋章を構え、金将を背後に完全にかばう。
「君ごときに、この前に膝をつかせることは許さない」
グラビタスは答えない。
代わりに、ゆっくりと右手を掲げた。
瞬間――
《心理圧縮網(Mind-Pressure Grid)》展開。
目に見えない重力が、オルフェウスの精神を直撃する。
思考が、凍りつく。
頭蓋の内側から万有引力が働いたかのように、意識が下へ、下へと引きずり込まれていく。
「…………っ」
オルフェウスの膝が、かすかに震えた。
(考えろ……考えるなと言われても、考えるのが僕の仕事だ)
だが、思考の歯車は軋む。
次の行動予測、防御陣形の再構築、敵の能力解析――
すべてが、鉛の塊になったように重くなる。
グラビタスが、一歩、踏み出す。
そのたびに床がひび割れ、石片が沈むように沈降していく。
「……黙れ。考えるな」
重圧コアが金色に輝き、無数の重力パケットが弾丸のように放たれた。
空気が圧縮され、轟音を立ててオルフェウスの盾へ殺到する。
ガギィィィィン――!
盾型紋章が火花を散らし、オルフェウスの体が三メートルほど後方へ吹き飛ばされた。
背中が、金将の玉座の足元に叩きつけられる。
「……ッ!」
グラビタスは静かに歩み寄る。
その一歩ごとに、通路の壁が内側へと歪み、鉄骨が悲鳴を上げる。
「恐怖は最速のプロトコルだ」
そして、右手を高く掲げた。
《ドミネイト・フォール》発動。
空気が、音を失う。
オルフェウスの視界が、金色に染まった。
心臓の鼓動が遠ざかり、血の巡りさえ他人事のようだ。
膝が、勝手に折れる。
頭が、勝手に垂れる。
(……違う)
歯を食いしばる。
鉄の味が口内に広がる。
(僕は……僕はまだ……)
グラビタスの手が振り下ろされる寸前――
オルフェウスは、盾を地面に叩きつけた。
ガンッ。
盾型紋章が白熱し、白徽警衛団の紋章が一瞬だけ、純白に燃え上がる。
「――白徽の誓い」
掠れた声で。それでも、確かな響きで。
「我が身を盾とし、この意志を護る。いかなる威圧も、いかなる支配も、この盾の前では無効とする」
盾から放たれた白い光が、心理圧縮網を正面からぶち抜いた。
グラビタスの重圧コアが、初めて、不快そうな軋みを上げる。
「……何?」
「君の支配は、心を折ることだ」
オルフェウスは、ぐらつく足でゆっくりと立ち上がる。
膝はまだ震えている。
だが、その瞳は、もう一点の揺らぎもない。
「だが、僕の忠誠は、心じゃない」
盾を前に突き出す。
全身を白いオーラが包み込んだ。
「これは、誓いだ」
次の瞬間、二人が同時に動いた。
重圧コアが、無数の金色の弾丸となって炸裂する。
白い盾が、それらを真正面から受け止める。
衝撃波が通路を薙ぎ払い、天井が崩落する。
砕けた石と装飾片が雨のように降り注ぐ。
白と金の光が、何度も何度も交錯する。
忠誠と支配が、真正面から激突する。
まだ、勝負は終わらない。
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