23 / 24
ケプラーVS黒城機構
しおりを挟む
黒鉄の要塞戦艦〈黒曜〉が、虚空を切り裂くように進んでいた。血色の装飾は星光を吸い込み、船体は絶望そのものの霧を纏って静かに浮遊する。
船長室の玉座に、最高責任者・玄武が腰を下ろしていた。黒のタキシードに血色のネクタイ。白い瞳には血色のカラコンがはめられ、冷え切った視線が虚空を射抜く。
「感情は無意味。跪け」
それは命令というより、世界に向けた断言だった。
傍らには黒城機構の幹部たちが控える。
上級執行官・焔魔は黒のフリルシャツを翻し、歪んだ笑みを浮かべる。
「もっと泣けよ。絶望は芸術だろ? 玄武様に認められたい一心でさ」
夕闇はノースリーブのセーラー服に愛想笑いを貼りつけつつ、その瞳の奥では冷酷な計算が走る。
「笑顔は武器だ。裏切るためにな」
鉄鎖は黒鉄の鎖ブレスレットを鳴らし、感情の抜け落ちた声で呟いた。
「自由は許さねぇ。鎖で繋ぐ」
岩鬼は無言のまま巨岩のような腕を構え、ただ命令を待つ。
さらに、四神獣の執行官たち――青龍、白虎、朱雀がその場に揃っていた。
青龍は深緑の髪を揺らし、毒霧を滲ませる。
「希望の芽を腐らせる、絶望の東風」
白虎は銀白の短髪を煌めかせ、低く唸る。
「自由を噛み砕く、西の凶牙」
朱雀は深紅の長髪を炎のように翻す。
「絆を焼き払う、南の業火」
そして北の絶対として君臨する玄武。
彼らは世界を絶望で塗り潰す、《絶望の四柱》だった。
そのとき、船内に警報が走った。
「警告。未知の力場を確認」
〈黒曜〉の冷徹な機械音声が響く。
玄武は眉一つ動かさず、立ち上がった。
「侵食黒血で汚染せよ」
虚空が歪み、星光を纏った存在が現れる。
――ケプラー。
長身の白人男性。白髪の奥、瞳の深部には星空が宿っていた。深紺と白銀の法衣をまとい、腕の周囲には軌道環が静かに回転している。
「宇宙は完璧な法則で動く。ゆえに人間もまた、その軌道に従うべきだ」
感情の揺らぎを一切含まない低い声が、船内を支配した。
ケプラーは古代星術文明の遺産、《金血白者》
数千年を生き、星理王国の滅亡を見届けた賢者であり、彼の目的はただ一つ――十二宮体制を崩壊させ、自由意志を星の軌道に固定する《永遠の天球儀》を起動すること。
感情と不完全さを“宇宙のノイズ”として排除し、完全なる決定論の世界を創るために。
黒城機構が一斉に動いた。
焔魔の衣服が刃と拷問具へと変形する。
「出たな。クソ野郎か? 痛みと絶望を刻んでやる!」
夕闇が闇の壁を展開する。
「表向きは歓迎だ。裏では精神崩壊だがな」
鉄鎖は身体を黒い鎖へと変じる。
「支配せよ。自由など不要だ」
岩鬼が巨岩腕を振り上げ、無言で突進する。
青龍の毒霧、白虎の咆哮、朱雀の業火が船内を満たした。
だが、ケプラーは一歩も動かない。
「――運命の天球儀」
その一言で、世界が書き換えられた。
すべての攻撃は星図として記録され、強制された軌道に従って反転する。焔魔の拷問具は元の軌跡へ引き戻され、夕闇の闇の壁は予測され、楕円の呪縛となって彼自身を閉じ込めた。
「秩序とは、哀しみすら計算することだ」
玄武が侵食黒血を放つ。
「他者の力を汚染し、暴走化せよ」
黒血はケプラーに触れ――拒絶された。
星の法則に固定された黒血は逆流し、玄武の元で暴走を始める。
「君の絶望は、宇宙の法則に反するノイズだ。排除する」
戦いは膠着した。
絶望と支配を美とする黒城機構と、冷酷な秩序を至上とするケプラー。その思想は、奇妙なほどに共鳴していた。
玄武は瞳を細め、初めて興味を宿す。
「貴様の秩序……感情を根絶やしにする点では共通する。だが俺の支配は孤高だ。星の法則など道具に過ぎん」
ケプラーは静かに頷いた。
「君の絶望は、決定論の片鱗だ。協力すれば世界は永遠の天球儀に固定される。自由も希望も、軌道上に閉じ込めよ」
焔魔が笑う。
「いいじゃねぇか、玄武様! 絶望の芸術を星に刻もうぜ!」
夕闇は内心で算を弾く。
「裏切り時は後だ……まずは盲信」
鉄鎖は頷き、「玄武様の命令なら」
岩鬼は沈黙のまま従意を示す。
青龍、白虎、朱雀もまた、絶望の四風として首肯した。
〈黒曜〉の機械音声が宣告する。
「徹底服従。同盟を確認。絶望の墓標として、最適」
こうして、黒城機構とケプラーは一時的な同盟を結んだ。
世界を支配し、感情を排除するという共通の目的のもとに。
だが――
玄武の孤独と、ケプラーの理性。
その二つがいつか衝突することを、星の軌道だけが静かに予見していた。
絶望に染まる虚空の果てで、戦いはなお続く。
翌日、ケプラーは処刑されました。
「侵食黒血って何すか? アンタ白者じゃない」――アグリネス
「金血で創意工夫して黒血を再現してるんだよ。秘密なぁ!!!!(泣)」――玄武
「食用の絵の具を体内にインプットしてる。で、再現するんだ(泣)」――夕闇
「服装はどうしたん??? なんかボク等(ボクとアグリネス)の真似?」――未整
「服装は真似してない。俺等オリジナルでぇす★」――焔魔
「だいたい色違いの液体で遊ぶ奴いたら覚えておいてね。夕闇の発言が全てだ」――岩鬼
船長室の玉座に、最高責任者・玄武が腰を下ろしていた。黒のタキシードに血色のネクタイ。白い瞳には血色のカラコンがはめられ、冷え切った視線が虚空を射抜く。
「感情は無意味。跪け」
それは命令というより、世界に向けた断言だった。
傍らには黒城機構の幹部たちが控える。
上級執行官・焔魔は黒のフリルシャツを翻し、歪んだ笑みを浮かべる。
「もっと泣けよ。絶望は芸術だろ? 玄武様に認められたい一心でさ」
夕闇はノースリーブのセーラー服に愛想笑いを貼りつけつつ、その瞳の奥では冷酷な計算が走る。
「笑顔は武器だ。裏切るためにな」
鉄鎖は黒鉄の鎖ブレスレットを鳴らし、感情の抜け落ちた声で呟いた。
「自由は許さねぇ。鎖で繋ぐ」
岩鬼は無言のまま巨岩のような腕を構え、ただ命令を待つ。
さらに、四神獣の執行官たち――青龍、白虎、朱雀がその場に揃っていた。
青龍は深緑の髪を揺らし、毒霧を滲ませる。
「希望の芽を腐らせる、絶望の東風」
白虎は銀白の短髪を煌めかせ、低く唸る。
「自由を噛み砕く、西の凶牙」
朱雀は深紅の長髪を炎のように翻す。
「絆を焼き払う、南の業火」
そして北の絶対として君臨する玄武。
彼らは世界を絶望で塗り潰す、《絶望の四柱》だった。
そのとき、船内に警報が走った。
「警告。未知の力場を確認」
〈黒曜〉の冷徹な機械音声が響く。
玄武は眉一つ動かさず、立ち上がった。
「侵食黒血で汚染せよ」
虚空が歪み、星光を纏った存在が現れる。
――ケプラー。
長身の白人男性。白髪の奥、瞳の深部には星空が宿っていた。深紺と白銀の法衣をまとい、腕の周囲には軌道環が静かに回転している。
「宇宙は完璧な法則で動く。ゆえに人間もまた、その軌道に従うべきだ」
感情の揺らぎを一切含まない低い声が、船内を支配した。
ケプラーは古代星術文明の遺産、《金血白者》
数千年を生き、星理王国の滅亡を見届けた賢者であり、彼の目的はただ一つ――十二宮体制を崩壊させ、自由意志を星の軌道に固定する《永遠の天球儀》を起動すること。
感情と不完全さを“宇宙のノイズ”として排除し、完全なる決定論の世界を創るために。
黒城機構が一斉に動いた。
焔魔の衣服が刃と拷問具へと変形する。
「出たな。クソ野郎か? 痛みと絶望を刻んでやる!」
夕闇が闇の壁を展開する。
「表向きは歓迎だ。裏では精神崩壊だがな」
鉄鎖は身体を黒い鎖へと変じる。
「支配せよ。自由など不要だ」
岩鬼が巨岩腕を振り上げ、無言で突進する。
青龍の毒霧、白虎の咆哮、朱雀の業火が船内を満たした。
だが、ケプラーは一歩も動かない。
「――運命の天球儀」
その一言で、世界が書き換えられた。
すべての攻撃は星図として記録され、強制された軌道に従って反転する。焔魔の拷問具は元の軌跡へ引き戻され、夕闇の闇の壁は予測され、楕円の呪縛となって彼自身を閉じ込めた。
「秩序とは、哀しみすら計算することだ」
玄武が侵食黒血を放つ。
「他者の力を汚染し、暴走化せよ」
黒血はケプラーに触れ――拒絶された。
星の法則に固定された黒血は逆流し、玄武の元で暴走を始める。
「君の絶望は、宇宙の法則に反するノイズだ。排除する」
戦いは膠着した。
絶望と支配を美とする黒城機構と、冷酷な秩序を至上とするケプラー。その思想は、奇妙なほどに共鳴していた。
玄武は瞳を細め、初めて興味を宿す。
「貴様の秩序……感情を根絶やしにする点では共通する。だが俺の支配は孤高だ。星の法則など道具に過ぎん」
ケプラーは静かに頷いた。
「君の絶望は、決定論の片鱗だ。協力すれば世界は永遠の天球儀に固定される。自由も希望も、軌道上に閉じ込めよ」
焔魔が笑う。
「いいじゃねぇか、玄武様! 絶望の芸術を星に刻もうぜ!」
夕闇は内心で算を弾く。
「裏切り時は後だ……まずは盲信」
鉄鎖は頷き、「玄武様の命令なら」
岩鬼は沈黙のまま従意を示す。
青龍、白虎、朱雀もまた、絶望の四風として首肯した。
〈黒曜〉の機械音声が宣告する。
「徹底服従。同盟を確認。絶望の墓標として、最適」
こうして、黒城機構とケプラーは一時的な同盟を結んだ。
世界を支配し、感情を排除するという共通の目的のもとに。
だが――
玄武の孤独と、ケプラーの理性。
その二つがいつか衝突することを、星の軌道だけが静かに予見していた。
絶望に染まる虚空の果てで、戦いはなお続く。
翌日、ケプラーは処刑されました。
「侵食黒血って何すか? アンタ白者じゃない」――アグリネス
「金血で創意工夫して黒血を再現してるんだよ。秘密なぁ!!!!(泣)」――玄武
「食用の絵の具を体内にインプットしてる。で、再現するんだ(泣)」――夕闇
「服装はどうしたん??? なんかボク等(ボクとアグリネス)の真似?」――未整
「服装は真似してない。俺等オリジナルでぇす★」――焔魔
「だいたい色違いの液体で遊ぶ奴いたら覚えておいてね。夕闇の発言が全てだ」――岩鬼
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
M性に目覚めた若かりしころの思い出
kazu106
青春
わたし自身が生涯の性癖として持ち合わせるM性について、それをはじめて自覚した中学時代の体験になります。歳を重ねた者の、人生の回顧録のひとつとして、読んでいただけましたら幸いです。
一部、フィクションも交えながら、述べさせていただいてます。フィクション/ノンフィクションの境界は、読んでくださった方の想像におまかせいたします。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる