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10 周りから見た高林
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高林と昼飯を一緒に食べた日の放課後、予想通り北斗たちに連行された。尋問場所はいつものモックである。
「もうっ! 裕也くんったら新しい男ができたからって俺たちを捨てるのっ?」
「だからその声やめろって」
あれから裏声にハマったらしい北斗。だんだんクオリティが高くなってるのがムカつく。
「でもほんと、びっくりしたよ。二人で当然のように連れ立って行くからさー」
颯太がストローをかじりながら言う。
「つか俺だけ高林が誰か未だにわかってないんだけど。とりあえず裕也の新しい友だちなんだろ? そしたらせっかくだしそいつも誘って一緒に飯食いに行かね?」
「義和くぅーん、違うのよぉ。高林は多分俺たちで飯誘ってもこねぇんだな残念ながら」
「そうなん? でも裕也とは飯食うんだろ?」
「つーまーり! 裕也くんが特別なのよ!」
義和は北斗の裏声を完全にスルーしている。多分教室でもこの調子なんだな。ツッコミ担当がボケに慣れちゃいかんだろ。
まあそんなことは置いといて。
「ぶっちゃけ俺も何で俺を誘ってくれたのかわかんねーけどさ、高林めっちゃ人見知りっぽいから、人数多いと緊張してダメだと思うんだよな」
「ん? 人見知り? 高林ってそんな感じか? まあ確かにキョドってるからそう見えなくもねぇけど、むしろなんていうか、我が道をいってるというか……」
北斗が首を捻る。何言ってんだ? 人見知りなのは一目瞭然だろ。
「あー、それは俺もそう思うー。人見知りっていうか、あんまり人と関わりたくなさそうというか」
颯太も同意したので驚く。え? 高林そんな風に見えてんの? あー、もしかして前世の俺もそう見られてたのかな? 人を拒絶してる的な。
「仮に人見知りだとしてもさー、本当は仲良くしたいってんなら、もうちょいなんかこう、反応があると思うんだよなぁ」
いまいち北斗の言っていることがわからず、今度は俺が首を捻る。
「挨拶返さないのが人見知りだからだとしても、休み時間もどっか行っちゃって馴染もうとする気配もないし、今日だって俺が一緒に行くのは拒否したでしょ? 別に俺一人増えるくらいよくない?」
やはり颯太は昼のことが不満だったようだ。
まあ確かに、言われてみればそういう見方もあるのか。でも前世の俺もそんな感じだったしな。いや、さすがに挨拶されてフルシカトはしてなかったか? うまく返せなくて噛みまくっていた気はするが。
ん? だとすると高林がフルシカトなのは前世の俺とは違うのか? いやでもキョドってるしなぁ。
「しかも裕也には挨拶返してるし。というか、裕也に人見知りしないなら、だいたいの人が大丈夫でしょ」
「失礼な。どういう意味だよ」
その言い方じゃ俺が怖いみたいじゃないか。
「確かに、裕也ほど見た目がチャラついたやつうちの学年にはいないだろ」
義和にも言われ、三人の目が俺に集中する。
まあ確かに、俺はお世辞にも真面目そうな見た目じゃない。長髪ではないけど髪にはゆるくパーマをかけているし、制服もボタン二つほど開けてほどほどに着崩している。
だってさ、前世はきっちり制服着込んでもっさもさの頭でさ。前世の俺にも憧れはあったんだよ、陽キャみたいな感じになりたいって。でも、自分には似合わないし、笑われると思ってできなかった。
だから、今世はやりたいと思ったことを素直にやるようにしている。結果、確かに仕上がりはちょっとチャラついているが。
「つってもお前らと変わんねえだろ」
俺だけがチャラついてるように言われたが、制服の着崩し方なんて北斗や義和も似たようなもんである。
北斗なんて優奈さんとお揃いのピアスまで開けてるんだから、チャラさは俺より上だろ。
「いや、格好だけ見たら北斗のがチャラそうだけどさ、なんつーの? 顔?」
「顔がチャラいってなんだよ。普通のイケメンだろ」
「自分でイケメン言うなし。なんかなー、こう、顔の造形がチャラいやつのそれなんだよな」
「それそれ。その垂れ目といい、泣き黒子といい、つり眉といい。絶妙なチャラさを演出してるよな。いよっ! チャラ男!」
「いやいや、俺がチャラ男だったことねーだろ。硬派な男だろ俺は」
義和に乗っかり北斗もからかってくる。まじでお前にだけはチャラ男って言われたくないんだが?
「話せば硬派なのわかるけど、見た目はやっぱチャラついてるよね。だから、裕也と普通に話せるなら、他の人も大丈夫な気がするんだよね」
なんの話題だったかって高林だよ。つまりなんだ、こいつらからしたら俺と話す難易度クリアできるなら、他もいけるだろってそういうことか?
「見た目は知らねぇけど、俺の内面から溢れる優しさを感じ取ったんだろ」
そう言うと、三人とも半目で俺を見る。なんだよ、俺、ディスられてない?
「つーか、高林は俺だけが誘ってくれたからって言ってたし、俺から声かけたから安心したんじゃねぇの?」
「そうなのかなぁ」
珍しく颯太が食い下がる。颯太、そんなに高林に興味あったんかな。いつもはどっちかっつーとふわふわしてんのに。
「なんとなく俺の勘が言ってるんだよね。裕也は高林に気をつけた方がいいって」
「なんだそれ。いいやつだよ、高林は」
颯太が神妙な顔をしている。こいつの勘は当たるんだよな。でも、何に気をつけろって? せっかく俺に心を開き始めてくれたのに、ここで拒絶なんてできねぇだろ。そりゃまだ高林のことそんなにわかってるわけじゃねぇけど、仲良くなろうと気合い入れて弁当作ってくれたりさ、努力家のいいやつじゃねぇか。
「つーか、ここにいない人間の話題でどんだけ盛り上がってんだよ。俺は会ったこともねーし」
さすがに義和がこの話題に飽きたようでだるそうにしている。それを合図に話題は変わり、もやもやしたものを胸に抱えながらも俺もそれ以上高林の話はしなかった。
「もうっ! 裕也くんったら新しい男ができたからって俺たちを捨てるのっ?」
「だからその声やめろって」
あれから裏声にハマったらしい北斗。だんだんクオリティが高くなってるのがムカつく。
「でもほんと、びっくりしたよ。二人で当然のように連れ立って行くからさー」
颯太がストローをかじりながら言う。
「つか俺だけ高林が誰か未だにわかってないんだけど。とりあえず裕也の新しい友だちなんだろ? そしたらせっかくだしそいつも誘って一緒に飯食いに行かね?」
「義和くぅーん、違うのよぉ。高林は多分俺たちで飯誘ってもこねぇんだな残念ながら」
「そうなん? でも裕也とは飯食うんだろ?」
「つーまーり! 裕也くんが特別なのよ!」
義和は北斗の裏声を完全にスルーしている。多分教室でもこの調子なんだな。ツッコミ担当がボケに慣れちゃいかんだろ。
まあそんなことは置いといて。
「ぶっちゃけ俺も何で俺を誘ってくれたのかわかんねーけどさ、高林めっちゃ人見知りっぽいから、人数多いと緊張してダメだと思うんだよな」
「ん? 人見知り? 高林ってそんな感じか? まあ確かにキョドってるからそう見えなくもねぇけど、むしろなんていうか、我が道をいってるというか……」
北斗が首を捻る。何言ってんだ? 人見知りなのは一目瞭然だろ。
「あー、それは俺もそう思うー。人見知りっていうか、あんまり人と関わりたくなさそうというか」
颯太も同意したので驚く。え? 高林そんな風に見えてんの? あー、もしかして前世の俺もそう見られてたのかな? 人を拒絶してる的な。
「仮に人見知りだとしてもさー、本当は仲良くしたいってんなら、もうちょいなんかこう、反応があると思うんだよなぁ」
いまいち北斗の言っていることがわからず、今度は俺が首を捻る。
「挨拶返さないのが人見知りだからだとしても、休み時間もどっか行っちゃって馴染もうとする気配もないし、今日だって俺が一緒に行くのは拒否したでしょ? 別に俺一人増えるくらいよくない?」
やはり颯太は昼のことが不満だったようだ。
まあ確かに、言われてみればそういう見方もあるのか。でも前世の俺もそんな感じだったしな。いや、さすがに挨拶されてフルシカトはしてなかったか? うまく返せなくて噛みまくっていた気はするが。
ん? だとすると高林がフルシカトなのは前世の俺とは違うのか? いやでもキョドってるしなぁ。
「しかも裕也には挨拶返してるし。というか、裕也に人見知りしないなら、だいたいの人が大丈夫でしょ」
「失礼な。どういう意味だよ」
その言い方じゃ俺が怖いみたいじゃないか。
「確かに、裕也ほど見た目がチャラついたやつうちの学年にはいないだろ」
義和にも言われ、三人の目が俺に集中する。
まあ確かに、俺はお世辞にも真面目そうな見た目じゃない。長髪ではないけど髪にはゆるくパーマをかけているし、制服もボタン二つほど開けてほどほどに着崩している。
だってさ、前世はきっちり制服着込んでもっさもさの頭でさ。前世の俺にも憧れはあったんだよ、陽キャみたいな感じになりたいって。でも、自分には似合わないし、笑われると思ってできなかった。
だから、今世はやりたいと思ったことを素直にやるようにしている。結果、確かに仕上がりはちょっとチャラついているが。
「つってもお前らと変わんねえだろ」
俺だけがチャラついてるように言われたが、制服の着崩し方なんて北斗や義和も似たようなもんである。
北斗なんて優奈さんとお揃いのピアスまで開けてるんだから、チャラさは俺より上だろ。
「いや、格好だけ見たら北斗のがチャラそうだけどさ、なんつーの? 顔?」
「顔がチャラいってなんだよ。普通のイケメンだろ」
「自分でイケメン言うなし。なんかなー、こう、顔の造形がチャラいやつのそれなんだよな」
「それそれ。その垂れ目といい、泣き黒子といい、つり眉といい。絶妙なチャラさを演出してるよな。いよっ! チャラ男!」
「いやいや、俺がチャラ男だったことねーだろ。硬派な男だろ俺は」
義和に乗っかり北斗もからかってくる。まじでお前にだけはチャラ男って言われたくないんだが?
「話せば硬派なのわかるけど、見た目はやっぱチャラついてるよね。だから、裕也と普通に話せるなら、他の人も大丈夫な気がするんだよね」
なんの話題だったかって高林だよ。つまりなんだ、こいつらからしたら俺と話す難易度クリアできるなら、他もいけるだろってそういうことか?
「見た目は知らねぇけど、俺の内面から溢れる優しさを感じ取ったんだろ」
そう言うと、三人とも半目で俺を見る。なんだよ、俺、ディスられてない?
「つーか、高林は俺だけが誘ってくれたからって言ってたし、俺から声かけたから安心したんじゃねぇの?」
「そうなのかなぁ」
珍しく颯太が食い下がる。颯太、そんなに高林に興味あったんかな。いつもはどっちかっつーとふわふわしてんのに。
「なんとなく俺の勘が言ってるんだよね。裕也は高林に気をつけた方がいいって」
「なんだそれ。いいやつだよ、高林は」
颯太が神妙な顔をしている。こいつの勘は当たるんだよな。でも、何に気をつけろって? せっかく俺に心を開き始めてくれたのに、ここで拒絶なんてできねぇだろ。そりゃまだ高林のことそんなにわかってるわけじゃねぇけど、仲良くなろうと気合い入れて弁当作ってくれたりさ、努力家のいいやつじゃねぇか。
「つーか、ここにいない人間の話題でどんだけ盛り上がってんだよ。俺は会ったこともねーし」
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