前世の俺みたいだと思っていたけど全然違った件

某千尋

文字の大きさ
12 / 38

12 顔が気になる

しおりを挟む
 高林にいつでも相談してこいと言ったら、それじゃあ、と連絡先を交換することになった。
 着々と仲良くなっていってるのは目論見通りでいいのだが、スムーズすぎない? 俺のコミュ力の賜物なのか?

「裕也、また変な顔してどうしたの?」

「ん? いやなんでも……そうだ、昨日言ってたさ、高林に気をつけた方がいいってどういうこと?」

 今日、北斗はデートで義和は体育祭の委員の集まりがあるらしく、珍しく颯太と二人で帰ることになった。義和もツーブロのつり目で見た目は怖めなのに、中身が割と世話焼き母ちゃんだからか頼られるんだよな。学級委員は固辞したって言っていたが。……あいつ、成績もいいんだよな。ん? もしかして義和ってめっちゃいい男じゃね? ちょっと小さめだけど。

「うーん……なんか、邪なものというか、強すぎる思いを感じるというか」

 新たな気づきを得ていたら、颯太からスピリチュアルな回答が返ってきた。

「いつから霊感少年になったんだお前は」

「そうじゃなくて……いや、俺の口から言うのは違う気がするし、勘違いかもしれないし……」

 なんだか歯切れが悪い。颯太にしては珍しいな。ふわふわしてるが、言うべきことはズバッと言うタイプなんだけどな。

「高林、ふつーにいいやつだよ?」

「裕也、俺は何も高林が悪いやつだとは言ってないよ。むしろ、話してみたいなと思うくらいには興味もあるし」

「そうなん? そしたら高林に三人で昼飯食べないか聞いてみるよ。さすがに俺以外のやつにもそろそろ慣れた方がいいと思うしなー」

「……そうだね。楽しみにしてるね」

 そうこうしているうちに駅までつき、逆方向なのでそこで颯太とは別れた。
 颯太なら穏やかだし、うまく喋れなくても急かしたりしないだろうから高林も安心して話ができると思うんだよな。無理に接触させるのはお節介だと思うけど、颯太も高林と話してみたそうだし、聞いてみるだけ聞いてみるか。

 そう思って高林に早速メッセージアプリでメッセージを送った。え? 既読つくの早くね? たまたまスマホ見てたのかな?

「うーん、ダメか」

 高林からの返事はノー。もう少し慣れるのに時間が欲しい……か。んー、わかるんだけど、話さないと慣れなくね? 前世の俺、時間の経過とともに慣れたことなんてなかったけどな。むしろ、時間が経てば経つほど話しかけにくくなった気がする。でも、無理強いはなー。

「ん? またなんかきてる」

 アプリを開くと明日の昼飯の誘いだった。明日もってなると三日連続かー、そろそろ北斗が拗ねそうだけど、まあいいか。あいつらと違って、高林は俺しか一緒に食べられる相手いないもんな。

「いいよ、っと」

 あ、お礼も早めにしといた方がいいよな。後回しにすると忘れちまうし。
 明日の放課後空いてたら、今日言ってたお礼するぞと送って一息つこうとしたら。

「いや、だから既読つくの早いって」

 早速既読がついて、了解のスタンプ。高林、スタンプ使うのか。結構意外なとこ多いんだよな。なんつーか、前世の俺のイメージで接してるから、先入観があるんだろうな。気をつけないとな。

「それにしても、高林の好きな子って誰だろうな」

 学校で女子と接してるところなど見たことないが、もしかしたら休み時間に会いにいってるのだろうか。でも、そうなら昼飯俺とは食わねぇよな。やっぱ学校外の人かな。派手な見た目だけど純粋ですごく可愛い女子とか、競争率高そうだなー。なんなら俺もそんな子と付き合いたい。

「つか、あの髪型で、うまくいくんかな」

 今のまんまじゃ、競争率以前の問題では? 見た目気にしない人もいるだろうけど、前髪で顔がほとんど見えないって、それで好きになってもらうのは難しいんじゃねぇかな。
 高林は見える範囲だと鼻はシュッと通ってそうだし、顎のラインも綺麗だし、多分気にするほど見た目が悪いわけじゃないと思うんだよな。
 だったら顔出して似合う髪型にしてあの猫背をなんとかすれば、背も高くてスタイル良さげだし、かなりいい感じになるのでは?
 つか、思い返すと腹筋も割れてそうだったし手も大きかったし、かなり恵まれた身体の持ち主な気がする。あのまんまじゃもったいないよなー。

 前世の俺だって、今の俺がプロデュースすればイケメンにはならなくともそこそこ見れる感じにはなるだろうし。何なら今の俺より背も高かったしな。
 ちょっと明日昼飯の時に話してみるか。可能なら、前髪上げさせてもらおう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

令嬢に転生したと思ったけどちょっと違った

しそみょうが
BL
前世男子大学生だったが今世では公爵令嬢に転生したアシュリー8歳は、王城の廊下で4歳年下の第2王子イーライに一目惚れされて婚約者になる。なんやかんやで両想いだった2人だが、イーライの留学中にアシュリーに成長期が訪れ立派な青年に成長してしまう。アシュリーが転生したのは女性ではなくカントボーイだったのだ。泣く泣く婚約者を辞するアシュリーは名前を変えて王城の近衛騎士となる。婚約者にフラれて隣国でグレたと噂の殿下が5年ぶりに帰国してーー? という、婚約者大好き年下王子☓元令嬢のカントボーイ騎士のお話です。前半3話目までは子ども時代で、成長した後半にR18がちょこっとあります♡  短編コメディです

竜帝陛下の愛が重すぎて身代わりの落ちこぼれ薬師は今日も腰が砕けそうです 〜呪いを解いたら一生離さないと宣言されました〜

レイ
BL
「死ぬ覚悟はできています。でも、その前に……お口、あーんしてください」 魔力を持たない「無能」として実家で虐げられていた薬師のエリアン。 彼に下されたのは、触れるものすべてを焼き尽くす「死の竜帝」ヴァレリウスへの、身代わりの婚姻だった。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

脱落モブ男が人気アイドルに愛されるわけがない

綿毛ぽぽ
BL
 アイドルを夢見るも、デビューできずオーディション番組に出演しても脱落ばかりの地味男、亀谷日翔はついに夢を諦めた。そしてひょんなことから事務所にあるカフェで働き始めると、かつて出演していた番組のデビューメンバーと再会する。テレビでも引っ張りだこで相変わらずビジュアルが強い二人は何故か俺に対して距離が近い。 ━━━━━━━━━━━ 現役人気アイドル×脱落モブ男 表紙はくま様からお借りしました https://www.pixiv.net/artworks/84182395

ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?

灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。 オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。 ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー 獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。 そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。 だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。 話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。 そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。 みたいな、大学篇と、その後の社会人編。 BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!! ※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました! ※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました! 旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」

処理中です...